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海堂尊 『ジェネラル・ルージュの凱旋』 読んだよ

2009年02月11日 10時01分18秒 | 俺のそれ
大きな事件のない作品で良かったと思った。
そんなに複雑怪奇な事件ばかりが起こる大学病院とかだと、これはこれで困るから。

で、妻は「あの本、何ていったかな?ああ、『ジェネラル・ルージュの伝言』だったか」と言っていて、それは「ルージュの伝言」とカブっているだろ、と(笑)。違う違う、ルージュの凱旋だよ、と教えてあげた。誰の歌だったかな、忘れた。


中身は、日本の医療が隅っこに追いやってきた、「金にならない分野」の医療という話であり、救急、小児、産科などがその典型例となってしまったということだ。これを語らせるのが、いつもの海堂の手法であり、今回もジェネラルの速水の口から現実を突きつけさせた。


対決者が院内の先生や”会議という名のシステム”なので、イマイチ盛り上がりには欠けるし粉砕する相手としては物足りなさもあるのだが、まあ普通の大学病院には近づくようにも思える。むしろ、読者が「事件を求め過ぎる」という傾向はあるかもしれない(笑)。どうしても、これまでの作品の感じを引き摺ってしまうから、なのかもしれない。