えーと、定義を知っているかどうかということが基本だろうと思うのですが、うっかりするんじゃないかと思ったりするので。ちょっと触れておこうかな、と。
GDP統計の時に考えられている「貯蓄」というのが増えたとしても、それは手持ちのお金が増えているということを必ずしも意味しないだろうな、ということです。場合によりけりなのでは、ということです。
例えば米国では、いよいよ消費が急ブレーキとなってきたようですが、これは想像していた通りでしたね。
参考記事:世界経済を支えてきた米国の借金
この記事中で書いたように、輸入額が減少して貿易赤字が改善し、財政赤字が拡大しているということで、貯蓄投資差額はプラスになっていくであろう、ということは誰でも予想がつきます。この時の投資を上回る「貯蓄」というのが、人々の手元資金となっていたりするのかという問題があるかと思います。日本みたいに「タンス預金が好きだ」(本当に好きかどうかは知らないんだけど。床下の甕の中に現金を溜め込むとか、そういうのもあるかもね)ということなら、確かにキャッシュの形で貯蓄となっているのかもしれません。しかし、米国の場合には、多分そういうことではないのではないかと思いますね。
どういうことになっているかと申しますと、恐らくは「借金返済」という形をとっていることが多いのではないかと推測しています。借金返済がどうして「貯蓄」なのさ、というご指摘はあるかと思いますが、支払利息とかは別な分類になっているのですけれども、元金返済は貯蓄に分類されてしまうことになっていたはずです。なので、消費を減らして余ったお金が「貯蓄」ということになるわけですが、現実に多いのは過去の返済負担に回されるということだろうと思います。特に、これまでの返済負担が重いと、その費用を捻出する為に消費を切り詰めて「貯蓄に回す」ということになるでしょう。バローさんやリカードさんが賢いのは、まさにこうした事態が起こってしまう、ということを見越していたことでしょう。
借金で先に消費を拡大したとて、後に返済負担が待っているという場合には、消費が先食いされるだけで後からの消費が減少するということになり、結局は「いま金を払って消費する」のも、「後からまとめて払う約束で消費する」のも、まさに「中立」ということなんだわね(笑)。トータルの消費が増えるというわけではない、ということなんだわ。赤字債券でファイナンス(=各種ローン)して消費するのも、現時点で金を払って消費するのも、この経済主体の(長期的な意味で)消費を増やしはしない、ということですよ。
だから、貯蓄が増大する過程というのは、言葉が貯蓄になっているというだけで、実態としては多くが借金返済なんだろうな、ということですね。フローの問題からだけでは、借金の返済負担というものが見え難い部分があるので、注意が必要かもしれませんね。
消費が戻ってくるとすれば、返済負担が一段落したら、ということになるかと思います。
GDP統計の時に考えられている「貯蓄」というのが増えたとしても、それは手持ちのお金が増えているということを必ずしも意味しないだろうな、ということです。場合によりけりなのでは、ということです。
例えば米国では、いよいよ消費が急ブレーキとなってきたようですが、これは想像していた通りでしたね。
参考記事:世界経済を支えてきた米国の借金
この記事中で書いたように、輸入額が減少して貿易赤字が改善し、財政赤字が拡大しているということで、貯蓄投資差額はプラスになっていくであろう、ということは誰でも予想がつきます。この時の投資を上回る「貯蓄」というのが、人々の手元資金となっていたりするのかという問題があるかと思います。日本みたいに「タンス預金が好きだ」(本当に好きかどうかは知らないんだけど。床下の甕の中に現金を溜め込むとか、そういうのもあるかもね)ということなら、確かにキャッシュの形で貯蓄となっているのかもしれません。しかし、米国の場合には、多分そういうことではないのではないかと思いますね。
どういうことになっているかと申しますと、恐らくは「借金返済」という形をとっていることが多いのではないかと推測しています。借金返済がどうして「貯蓄」なのさ、というご指摘はあるかと思いますが、支払利息とかは別な分類になっているのですけれども、元金返済は貯蓄に分類されてしまうことになっていたはずです。なので、消費を減らして余ったお金が「貯蓄」ということになるわけですが、現実に多いのは過去の返済負担に回されるということだろうと思います。特に、これまでの返済負担が重いと、その費用を捻出する為に消費を切り詰めて「貯蓄に回す」ということになるでしょう。バローさんやリカードさんが賢いのは、まさにこうした事態が起こってしまう、ということを見越していたことでしょう。
借金で先に消費を拡大したとて、後に返済負担が待っているという場合には、消費が先食いされるだけで後からの消費が減少するということになり、結局は「いま金を払って消費する」のも、「後からまとめて払う約束で消費する」のも、まさに「中立」ということなんだわね(笑)。トータルの消費が増えるというわけではない、ということなんだわ。赤字債券でファイナンス(=各種ローン)して消費するのも、現時点で金を払って消費するのも、この経済主体の(長期的な意味で)消費を増やしはしない、ということですよ。
だから、貯蓄が増大する過程というのは、言葉が貯蓄になっているというだけで、実態としては多くが借金返済なんだろうな、ということですね。フローの問題からだけでは、借金の返済負担というものが見え難い部分があるので、注意が必要かもしれませんね。
消費が戻ってくるとすれば、返済負担が一段落したら、ということになるかと思います。