コメントの返事(
安易な「米軍基地撤退後のフィリピン」を真に受ける無知なテレビ評論家たち)をと思いましたが、長くなりそうなので記事にしました。
日本の軍ヲタ?界隈では、定番としてあるのが、「中国が軍拡、脅威」という説ですね。まあ、そういう野望はあるのかもしれない。だからといって、かつてのソ連みたいに米国と争っていますかね?
貿易相手国としては、米国の一番のお得意様じゃないですか。外貨だって、中国様がガッポリ米国債を買い支えていますよね。どちらかといえば、一種の運命共同体なんじゃないですか?(笑)
前にも書いたが、米国は台湾を捨てたんですよ。
米国の最大利益の為には、台湾を見捨てるという道を選んだ。選んだ先は、当然ながら今の中国だったわけで、中華人民共和国の方が米国のパートナーに相応しいと判断したんだよ。
で、中国が島を占領している、とか言うわけだが、それは米国の後押しが無かったと本当に言えますかね?
或いは、米軍が関知しませんよ、と言ってるのであれば、やる気さえあれば出来てしまう、というだけなんじゃないですか?そういうことに頭が回らない、ということこそ、大丈夫なのかと心配になるね。
例えば、ベトナムとの関係はどうだったか?
米国は、言わずとしれたベトナム戦争で失敗したわけだ。しかし、米中関係は、強化されていった。
ニクソンが訪中を果たして、中華民国(台湾)政府のケツを蹴り飛ばして、中華人民共和国を「中国」として国際社会に披露したわけだ。安保理の指定席も、さあどうぞ、と中国に座らせたんですよ。台湾は捨てられた。
そして、79年1月からは米中国交正常化となった。
その中国は、2月にかつて米国に煮え湯を飲ませたベトナムに侵攻し、中越戦争が勃発した。つまり、中国は米国との関係が強化されたのを見計らって、ベトナムに越境侵入していった、と考えられないわけでもないのだ。代理戦争の如く、米国が中国をそそのかして攻めさせた、ということかもしれないし(80年のイラン・イラク戦争では、イラクにイランを攻めさせたのは、米国だったようなものだからね。フセインに軍事協力をしていたわけだし。
お馴染みの手口なのですよ、米国にとっては)。
更には、4月に台湾からの駐留米軍の撤退完了、ということだな。
本当に「中国が脅威だ」というのが正しいとすれば、米国のとった行動とは、全て逆の反応というふうに見えるわけである。
「ベトナム侵攻の次は台湾か」という危惧を抱くのに、どうして米軍を撤退させたりするのだろうか?
台湾がとても大事で、守らねばならない、というつもりなら、むしろ強化することはあっても撤退させたりする必然性というものは、判らない。
しかし、米中が連携しているなら、この動きは当然のことのように見える。
米国は中国が台湾に侵攻するつもりがない、ということを知っているからである。そうであるなら、中国が戦争を仕掛けていってるのに、それを脅威と喧伝することもなくサクッと台湾から撤退していったのも理解できる。
今の「脅威」の比じゃないでしょうね。
中国が他国に攻め込んで戦争してる最中に、軍を退くわけですから。
普通の人なら、「次こそ、台湾か」と考えるだろう、ということです。
要するに、米中の利害が一致してさえいれば、米国は中国との協力関係を長く続けていたい、というのは当然なんですよ。
特に80年代の対日政策上でも、米中の利害一致と協力というのは、大変都合が良かったのではないかな、ということです。
今でも、このような関係が生きているのであれば、日本なんてただの犬以下の存在でしかないわけで、いいように利用されて毟り取られるだけ。
米国が中国は脅威だと言い立てるなら、それ相応の対応をしているはずなんですよ。現実には、米中関係が一番大事、ということなのですよ。
それは過去30年間、変わってなかったということさ。
このことに気付かないのは、米国にとって日本が重要ではないという事実を認めなくない、親米派の連中が大騒ぎするからではないかな。
日本の今後の戦略としては、ロシア、インド、といった国との関係が重要になるだろう。あと、欧州ね。
少なくとも、米中の軸に対抗できそうなのは、この3つあたりであろうから。
更に、本格的な対抗を目指すということなら、トルコ、イラン、という西方の国への関与を強化した方がよい。
キーストーンとかいう、幻想の標語なんかよりも、日本には「捨石」という語がお似合いだ。少なくとも、韓国以下の日本にとって、今後米国との関係でプラスになるものは殆どない。アジアでの日本というのは、既に、米国にとってあまり意味のないものである。
ジャパン何とかという罵倒用語に飽きてきたのは確かだから、ここらで見切りをつけるというのが、日本の道ではないかな(笑)。
現実に目を向けるべきは、今でも自分が一番愛されている女だと盲信して疑わない、能天気な自分なんですよ。