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小沢の「天の声」疑惑?

2010年01月17日 16時27分17秒 | 政治って?
よくある典型。確かに、そういう疑念はあるのかもしれない。個人的には、そうは思っていないけれどもね。
そんな旧式の構造は、本当にあったのかな?

politique小沢氏、自民党的なるもの Matimulog

一部引用します。

『小沢氏に向けられている疑惑は、政治資金規正法違反というのは入り口にすぎず、その実は東北地方の建設土木談合を支配して、うまい汁を吸っていたのではないか、天の声を握ることで高止まりした落札価格に操作して、その差額をリベートとして献金させたのではないか、この点である。
 そのような錬金術が可能となる前提には、地元に公共事業を落とす利益誘導型政治があり、国民全体の奉仕者たる立場などとはこれっぽっちも思っていない政治姿勢がある。』



いや、気持ちは判る。ぼく自身がそういうのは許せない、と再三書いてきたわけだし。
でも、いくつかのハードルがあるわけで。

・建設土木の談合を支配する
・入札(落札)価格や業者選定への影響力行使
・謝礼(成功報酬的?)としてのバック

選挙区の地元に支配が及ぶとして、何故三重とか和歌山方面の水谷建設なんかに及ぶのか?
鹿島なんかの大手ゼネコンにも、そう簡単に力が及ぶのかな?

胆沢ダムの計画自体は、90年のバブル期頃だったようなので、当時の自民党で幹事長とかの権勢を誇っていた時代だったから、地元に工事計画を引っ張れたというのはあったかもしれない。建設省だってバカじゃないだろうし。
だけど、その後の工事とか、本体工事なんかは、大半が小沢の野党時代のものが多いだろうし、今問題として取り上げられてきているのは、小泉政権時代の話でしょう?そんなに小沢の力が絶大だったとも思えないけど。

入札なんかを支配できるとなれば、国土交通省の役人に直で命令なんかがきかせられないとダメなんじゃないの?
入札を仕切るのは役人であって、政治家や秘書なんかじゃないわけで。

それに、90年代後半以降、公取や検察は度々談合を摘発し続けてきたので、官製談合自体はかなり難しくなっていったであろう。政治家の関与もかなり難しくなっただろう。構造として、あるとするなら

 業者(談合)← 政治家 →役人→入札

といういずれにも大きな力を発揮できなければならないわけで。

また、官製談合のいくつかは、政治家抜きの役人と業者だけでもやろうと思えばできるわけで、政府与党の重要なポストという「大きな力」を発揮できるような場合じゃないと、政治家の関与は難しい部分はあるだろう。金を受取るのは、更に大変だろう、とは思う。

疑われているらしい胆沢ダムについて、本体工事や関連工事の入札がいつだったか、受注年月日がいつだったか、そういう基本情報を全て明らかにしてみるよりないとは思うけどね。
故橋本元総理関連の事件で揺れていた当時に、敢えて政治資金規正法で摘発されやすい「何か」をやっているということになると、これは結構なマヌケだとは思いますわな。他の談合事件なんかも摘発されていたし、敢えて危険な橋を渡る、というのも解せない。
秘書給与のピンハネ問題なんかも、辻本があげられて、止めようということになったわけでしょう?(笑)


まあ、疑いは、どこまで行っても疑いだから、とか言われりゃ、そうなのかもしれんが。



続・今の「小沢まつり」について

2010年01月17日 11時59分18秒 | おかしいぞ
ああ、もう、”自分の終わり”が近いかもしれん。
検察批判なんかをやったら、間違いなく刺されるだろう。
いつかはわからないけれど、いずれ何かで消去されることになるだろう。その時には、跡形も残らず消えてしまうだろう。



少し疑問があるので、また書いておくことにする。


①検察の理屈

今回の騒動で問題とされているのは、「ゼネコンから回った金」疑惑らしい。

別件で騒動を始めておいたのに、おかしいですな。
世田谷の土地疑惑、取引に関する疑惑ということで、これが小沢のマネーロンダリングじゃないか、みたいなことを問題として騒ぎはじめたわけでしょう?

ところが、「一斉家宅捜索の絵」を演出して、それ以降には急遽石川議員の政治資金収支報告書の虚偽記載という、以前から「検察の知っていた」事実で逮捕となったわけだ。前に家宅捜索をやった時の証拠だけでも、十分判明していたことではないのですか?

どうして急に逮捕に踏み切ったかと言えば、「検察の正当性」に疑念を持たれることを怖れたからではないのか?
「逮捕されるような事態」と多くの一般人は受取るわけで、そういう印象を植え付ける効果を狙ったのと、マスコミを通じた情報操作では「検察に分がある」ということをはじめから知っているからだ。

現に、石川議員逮捕効果は、出ているみたいですから。


②使い道で犯罪の成立が変わるのか

検察側がマスコミに積極的情報漏洩をしたことによって流されたらしい、報道各社の記事などからすれば、「水谷建設の5千万円」という元幹部社員証言が小沢への不正な資金提供であると特捜が考えている、ということらしい。

だったら、その5千万円で追及すればいいじゃないの。違いますか?
西松建設の献金、水谷建設の献金、そういうのが「違法献金である」「贈収賄に該当する」といったことを立証するべく、捜査をやったらいいよ。だが、そういう嫌疑では捜査令状が取れないから、別件の「馬を射よ」戦術でマスコミ操作を通じて「大炎上」を演出しようとしたわけでしょう?

検察が言うには、世田谷の土地を買えば「違法」ってことらしいですよ(笑)。
そんな法があるんですか?

使い道で違法性が変わるのか?
不正献金を5千万円受け取ってキャバクラ通いでもやったりすれば、セーフとか?
でも土地を購入すると、アウト、みたいな。

そんなわきゃないでしょう。
何に使ってしまったか、というのは、事件の全容を知る上では意味があるかもしれないが、犯罪の成立とか立証すべき内容とかには、あまり関係がないんじゃないのか?動機という点では必要なのかもしれないが、外形的に「水谷建設の5千万円は不正献金である」ということなら、その事実そのものを「政治資金規正法違反」とか「収賄罪」とか、そういった立証をするべきなんじゃないの?いや、法律のド素人なので、刑事訴訟については無知だから、大間違いが多く含まれるかもしれんけどさ。

本線で攻めるなら、最初から、西松献金がアウト、水谷献金がアウト、ということを証明するべきだ。
窃盗犯が、盗んだ金をパチンコに使うとアウト、生活費に使うとセーフとか、そういう法学論理でもあるんか?

土地購入の原資になったかどうか、なんて、犯罪成立には関係ないだろう?
土地を買おうが、車を買おうが、料亭で豪遊しようが、原資そのものが「違法な手段で手に入れた金」であるなら、違法だろ。別に、土地を買ったから違法になるわけじゃない。


③政治資金規正法違反の教唆罪とかはあるの?

小沢がやらせた、とか、そういう風評を立てられさえすればいい、ということなのかもしれないが、会計責任者が政治資金規正法違反であるとして、その教唆とかはどの条文で規定されるわけですか?

条文上では、「記載した者」とか「記載しなかった者」みたいな規定があるだけで、記載してない人もアウト、という解釈論なんでしょうか?

度重なる法改正もあって(笑)、当時がどんな条文だったか不明ですけれども、一応条文を読んでも、どの条文が「小沢が石川議員に書かせたら違法」みたいな規定になっているのかが判りませんでした。


④検察は何故今になって、再び一斉家宅捜索をやったのか?

政治資金規正法違反(不記載)でやるということなら、既に入手できている証拠類だけで十分可能だったろう。見解の相違というのはあるかもしれんがね。
で、②に書いたように、「水谷建設の5千万がアウト」ということなら、その事実について立証すべきであって、それは政治資金収支報告書の「不記載」とは繋がらない話である。関係ない。西松の献金が「違法」なら、受取った側の犯罪立証をすればいいだけ。


因みに、水谷建設の献金疑惑はかつての「石原都知事&石原衆院議員」の時には、握り潰されたみたいですけど。

石原都知事 足元大揺れ流れ変えた共産党都議団・「赤旗」豪華海外出張 都知事四男重用 「ヤミ献金」疑惑「他の追随を許さぬ都議団調査」 メディア指摘

赤旗にあげられたんじゃないですか(ナイス、共産党)。

水谷建設に端を発して、所謂「福島ルート」は逮捕起訴ということになった。東急建設東北支店を巡る疑惑だとか、官製談合疑惑とかで佐藤福島県知事(当時)が逮捕されたということだった。そういう中で、鹿島とか小沢という名前が出てきていたのかもしれないが、だからといって受け取り側の犯罪というのは難しい。
少なくとも福島県知事の関与についてでさえ覚束ないのであれば、「水谷建設幹部の証言」ということだけで犯罪を立証するのは難しいということは、特捜で判っていたんじゃないのか?


だが、マスコミを使って大炎上に追い込めば、法で裁けなくとも「社会的には制裁を加えることができる」ということはあるわな。
道義的責任だの、政治的責任だのという、お決まりのやつだ。内容はどうであれ、「小沢を刺す」ことにさえ成功できればよい、ということだろうね。そうであるなら、手持ちのネタ(情報)を幾度か使い回してもいいし。
更には、疑惑の目が高まれば、検察の大応援団となるわけだから、徹底追及して「何かボロ」が出るかもしれないし、叩けば大なり小なりホコリはあるわな、ということでしょう。
そういう期待もあるので、いずれにせよ、「追い込める」という算段でしょうな。



別に、昔ながらの、談合だとか献金なんかのアホな手法を存続させたいとか、「そちもワルよの~、うぇーへっへっへ」という構図を支持するわけでもないけれども、もっと違った目的で日本の政治構造を操れるとか、そういうのを脱却しなけりゃ今後も何も変わりはしないと危惧するだけ。


誰かが、日本の為ではなくて、別な「他の何かの為」に権力行使できる立場にある、ということさ。



ちょっと追加ですが。

新聞などには「裏献金」という言葉が飛び交っていますが、これは政治資金収支報告書には「記載されていない」お金という意味の「裏献金」ということですか?
水谷建設が5千万円の資金を捻出する際に、談合とか下請けからピンハネさせて、「裏でかき集めた金」という意味の献金で「裏献金」というのなら、そうなんだろうと思いますけど、収支報告書に記載されていて、金額も載ってるなら、政治団体としては裏金に該当しないのでは?
受取側は、相手が裏金を持ってきたかどうかなんてわからないし。

すぐさま(翌営業日に)銀行に入金されていた、ということなら、事務手続きとしては、普通に処理されたんだな、ということがわかるだけでしょう。

平成研の時みたいに、受取った1億円が「未記載」だったのであれば、これが政治資金規正法違反だね、裏金化(要するに、簿外に金を出す、ってこと。帳簿からは見えなくするということ)する為だね、という話ですよ。村岡さんは有罪確定になった事件でしたな。

この不記載事件を責めて小沢さんの関与というのを言うのは、共犯ということ?



日本の存在感の薄さを嘆く海外在留人

2010年01月16日 19時01分49秒 | 俺のそれ
こういうのも、どうかと思うけど。

はてなブックマーク - ハイチにおける日本の不在について - Tech Mom from Silicon Valley


例によって例の如く、毎度御馴染みの、日本の影が薄い、存在感がない、というようなものである。確かに、そういう部分はあるかもしれない。

じゃあ、支援金を拠出する以外の、具体的な人的貢献なんかのプランがあるのかというと、どうするのさ、という話だね。


日本から、えっちらおっちら船で出発しますかね?
どんだけ時間がかかるんだよ。

飛行機でアメリカやメキシコなんかに入って、そこから船か空路で現地入りしますか?
どうやって?
救助隊自身の安全とか生存パックみたいなもの(食糧、テント等)とか、そういうのはどうするんだろう?
飛び込みで行って、現地で誰がどうやって生き延びて活動できるようにするの?
持って行った食糧目当てで襲われたりしないの?そういうのは、どうなの?

要するに、足手まといになる可能性はあるというわけだよ。
少なくとも、自力で現地入りできる状況を作り出せることが最低条件なんじゃないのかな。


救助隊なんかは、できるだけ近くて早い国々が行けばいいだけだよ。
日本から遅れて現地入りするとか、「誰か乗せてってくれないか」とかの申出をして、迷惑がられるだけかもよ?


「助けに行けばいい」というのは、その通りだよ。
誰だって、そういうことは考えるって。
だけど、現実には困難があるとか、実行が難しいとか、時間的に無効であるとか、そういうことが大きいんじゃないの?

だったら、既に24時間とか48時間とか経過してしまっているのに、闇雲に現地に飛び込もうとしたって、それはかなり難しいんじゃないのかな。せめて、長期間滞在が可能な環境下であれば、意味はあるかもしれないけれど。「存在感を示す為だけ」に行くのは、意味はあんまりないと思う。


じゃあ、スマトラ沖の地震の時はどうだったか、というと、先進各国が全員やってきたか?
フランスなんて、数千万ユーロを払っただけだったよ?100人以上が死んだと目されているらしいけど。
カナダはどうだった?
因みに、ドイツは5億ユーロを払ったらしいよ。
G7の国だって、そういうもんなんだろ。だって、ジャワ島とかからは遠いから。日本は護衛艦と補給艦を出したし、支援金も即金でポーンと2.5億ドルを真っ先に払ったんだよ?韓国は未納が未だに半分くらいあるらしいけど。別に、安保理の5大国だからすかさず支援できるとか、G7やBRICsだから素早く支援するとか、そういうことではないんだよ。
時間的、距離的に日本が近いから、艦船とか出しやすいというのはあると思うよ。だけど、欧州とか、遠くから来るのは困難だから、そういう時にはお互い様ということでいいんじゃないの?駆けつけられるのが、速い人、近い人がやればいいんだもの。


結局、記事を書いてる人は、自分が注目して見ている時にだけ、やたらと気にしていて、それで目につくという理由で「存在感がない」みたいなことを言ってるだけさ(*1)。
ハイチの人々の問題をどうにか手助けしたいわけじゃないんじゃないの?(笑)。
それじゃ、単なる売名とおんなじ根性、ということさ。そんなことなら、できもしないことをやらない方がマシではないかな。モルディブの津波があった時、日本がとても感謝された話は有名だけど、そういうのは世界中で評価されているというわけじゃない。でも、感謝されて良かったじゃないか、ということでいいでしょ。他の国々で取り上げられたり有名にならなくたって、それでもいいんだよ。

*1:小姑とか、姑とか、そういう気質?(昔のドラマくらいしか知らないけど、笑)。掃除後の点検とかを、気が向いた時にだけ、どれどれ、みたいにチェックして、ここがなってない、みたいに注文を付けるんだよ。


ま、「むこうに住んでる」人たちにとっては、肩身の狭い思いということかもしれませんがね。そういう人の満足や優越感を満たす為に、国際援助があるわけじゃないとは思いますけど(笑)。
得意の英語で説得力があって影響力のある記事でも自分で書いて、日本の「頑張ったところ」なんかを広めてみるとかやってみたらいいんじゃないの?



石川議員逮捕に動いた東京地検特捜部

2010年01月16日 11時31分03秒 | おかしいぞ
やけに切羽詰った様子の検察だが、あまりに痛い部分を衝かれでもしたのか?
これまで、検察のご説明だか会見なんてのは、開かれてこなかったのに、何故か急に「会見」だったそうで。

緊急性だの、証拠隠滅だのといった、取って付けたような説明そのものが、検察の言い分の信憑性を失わせているであろうね。

「4億円の不記載」の方に、フォーカスする方向に転換したみたいだけど、ガサ入れ前までは「ゼネコンからの不正資金還流」で受注見返りをやったのが「オザワ」という本線を立件しようとしていたんじゃなかったのか?
そういう目的で、鹿島に入ったんでしょう?
取り沙汰して欲しいから、ということでしょう?それ以外に、何があると?

でも、今となっては、石川議員の不記載という事実だけで立件してしまおうということで、とりあえず事件を終息させてはいけないという目的だけから「逮捕」に踏み切ったというわけでしょう?検察に疑いの目を向けられては困るから、という、自らの足元に火がついたら困るからというだけでしょう?
そうじゃなければ、あんな電撃逮捕とか、やけに段取りの悪かった会見みたいなものが開催されるわけないもんね。

「4億円の不記載」というのは、銀行融資の金のことか?
それは昨日も書いたけれど、議員個人名義の借入を全て記載する義務があるのか?そういう法律になっているんですか?
だったら、国会議員で借入している人間で自分の政治団体に金を入れている人は、みんな不記載ってことなんか?



検察は事件を選ぶことができる。

究極の恣意性を持つわけである。

例えば、逮捕というのは、警察や検察がやろうと思えばいくらでも可能だ。裁判所がそういうのに加担するわけだし。
それこそ、集合住宅の「ビラ配り」事件であってでさえも、身柄拘束を数ヶ月間もやったりできるから。別に、重大事件じゃなくとも、恣意的に運用すれば、日本においては「検察権力が強大・絶大」なので、対抗できない。裁判所が令状を発行しなければいいかもしれないが、長年の協力関係からして、令状を出さないなんてことはないわけである。


これまでにも、自民党議員たちが幾度となく責められてきたはずだが、「記載ミスでした」「記載漏れでした」とか言って、何度も「政治資金収支報告書の訂正」と称して、提出しなおしてきたんじゃないのか?

つまり、「書いてなかったことは違法」という理屈を適用するのであれば、全件虚偽記載だの不記載だのということになり得るわけである。しかも、石川議員が「書かなかったのはミスであり事実だ」というようなことを報道でも公言していたわけであるし、単に法律の適用だけを考えるのであれば「違法」には該当してしまう、ということであろう。そういう「犯罪意図、意思」があったかどうか、というのを問題とされているわけではないからである。

ここまで見てくると、別に石川議員の不記載の立件には「鹿島の家宅捜索」なんかが必須という要件でもあるまいに。
石川議員の「記載していなかった」という事実を確かめるだけなら、そんな捜査はいらない。既に「書いてませんでした」というのが本人を含めて、認めているのだからね。鹿島に乗り込む必然性なんか見当たらないわけで。


「不記載」ということだけを取り上げるなら、他にも訂正した議員たちが大勢いたわけであるから、そういうのも一斉に摘発したらよい。ボロボロと出てくるでしょう?いくらでも逮捕できるでしょう?(笑)
そういうのを、何故摘発しないのですか?一罰百戒ですか?
二階さんとかはどうなの?


有価証券報告書なんかもそうだけれど、「記載が誤り」ということで、ある特定企業は逮捕、その他大勢のマスコミ各社含め数百社なんかであると「逮捕を逃れる」みたいなもんです。なるほど。

つまり、検察は事件を選び、特定の標的だけを摘発するというわけである。


逮捕劇は、退けない検察の窮余の策ということだろうね。

検察は、何だってできるよ。
国家公務員のクセに、情報漏洩は検察は全て無罪になるのだそうだ。権限を自らが持つからだと。
「秘密漏示罪」は極めて稀な鑑定医には適用するが、身内の「検察関係者」には適用しない、という、権力の自由な適用を可能にするわけである。


刃向かう人間には、どんな法の適用でも可能である。
マスコミと検察が結託すれば、これは最強コンビということになるよ。

待つのは、破滅のみ。



追加です(14時半頃)。

東京地検特捜部のみなさん、土曜日にも関わらずご苦労さまです。
石川議員の供述内容とか、逮捕後の話までマスコミが報道しているようですが、国家公務員の秘密漏示までやっているようで、何よりです。

供述内容が判るのは、担当検事と事務官と容疑者本人というくらいなのでは?
つまり、担当検事及び事務官のいずれかが漏らさない限り、漏れないんじゃないの?それとも、調書作成にはもっと違う人たちがいて、そういう人が漏らすんですか?

どっちにしろ、漏らしてるのは、東京地検特捜部の人間だけだろ。
それともあれか、マスコミには超能力者でもいて、誰も漏らさない供述内容が「不思議と耳に聞えてくる」とでも言うか?(笑)


要するに、検察のやりたい放題、ということです。
漏らすのは、罪には問われないから。自分の力でいくらでも変えられるから、だよ。
マスコミに情報を流して利益を得るのは検察だから、です。利益にならないなら、漏らすはずないもんね。

漏らした人間をしょっ引かなくていいのか?
東京地検特捜部にいる、情報漏洩者は違法ではないというか?

これが、検察の「法」である。

検察こそがルール、なのである。


世間を騙すとか、出し抜くなんてことは、簡単だからね。



今の「小沢まつり」について~政治資金規正法違反疑惑

2010年01月15日 18時07分41秒 | おかしいぞ
以前より、拙ブログでは小沢ハウスの一件に関しては「きちんと追及するべき」という主張を書いていたわけである。07年当時には、そのように言ったのである。これについて、別に撤回するつもりもない(「小沢ハウス」を探せ(笑))。
しかし、今般の特捜の動きは、妙だなという雰囲気はある。
以前の追及や西松事件、水谷事件などの捜査で何も出てこなかったのであれば、いつまでも違法と言い続けるのは無理があるのではないかと思えるが。


これはありがちな「マジック」の手法なのではないか、という疑念もあるわけである。
やけに、マスコミと検察の動きが揃いすぎてやしないか?
こんなに「まつり状態」になるのって、どうも不可解。

マスコミ各社が追いかけ回すという図もそうだし、情報が五月雨式に小出しに流されてくるのも気がかりではある。検察がこんな戦術を選ぶという意図が判らない。言ってみれば、「大炎上」を演出しようとしている「工作員部隊」乙、みたいな感じ(笑)。
ネット上で影響力の大きい人たち―いまは、誰とは言わない―が、揃ってネタ提供というのも、微妙に「微妙」。


新聞などに出ている図解とかを見ても、確かに金の流れというのは、とても分り難い。怪しげな動かし方と言われても不思議ではないかもしれないが、シンプルに捉えるとそうでもないような気もする。


①連結で見る

これまで報道では複雑怪奇な感じになっているけれど、資産と負債の両者を見れば、割と単純では。しかも、小沢と陸山会を分けると難しいのだ。これを、一種の連結決算のような風に捉えると、次のようになるのでは。

<資産>          <負債>
定期預金 4億円    小沢に借金 4億円
不動産   4億円    銀行に借金 4億円

これで、釣り合っているように見えますけど。
上段は、陸山会の収支報告書に出てくる部分、下段は記載がなかった部分、ということです。金の釣り合いだけ見れば、使った金と、何に化けたか(定期預金や不動産)、というのは比較的明確なのでは。
たとえば、ここから定期を取り崩して銀行に返済してしまうと、定期と銀行借金が相殺され不動産と小沢の借金だけが残ることになります。


②下段を不記載なのは何故か?

まず、不動産の名義人は政治団体ではできない、ということがあったらしい。登記できないとか、所有権を持たせられない、というようなことで、法律上の法人格を有していない、といったことなのでは。それに、銀行から借金するにしても、法人が融資を受けられないということなら、小沢個人ということになるわけで、つまり下段は実質陸山会の取引であるとしても、帳簿上に載らない事項なのであれば、記載から漏れるということになってしまうのでは?

銀行の借入名義人は小沢個人、不動産所有権も小沢個人、ということになるなら、外見的には報告書に記載するべき事項に該当するのかどうかについて、総務省(弁護士?検察?)なりの公式見解を基礎とする以外にはないのでは。以前の騒動の時には、それで「不動産取得は記載しない」という事項であることが判明していたのであれば、それ以上のものではないんじゃないかな。


③定期担保は何故?

外見的に小沢の個人的取引と区別が付けられなくなるのを避ける、という意図だったのであれば、所有権とか登記上は小沢とするしかないとしても、担保設定が「陸山会の金」ということになると実質上では陸山会にあるということを示すべく、①の連結表記にした時に実質所有が分かるようになっている、というようなことなのではないかな。


④陸山会は小沢にいくら返すのか?

まず、小沢の4億がある。他には、小沢名義の銀行借入があるので、負債サイドにある上下段の金を返すことになる。陸山会に無かった金で、小沢サイドからやってきたのだから、当然に返すことにはなるね。だから、8億円だよ。
小沢中心でみた時の金の出納は、

a)最初に渡した4億:出金
b)銀行から融資4億:入金
c)銀行から受けた4億:出金
d)陸山会から返済8億:入金
e)銀行に返済する4億:出金

ということであれば、出た金と入った金は等量で釣り合っている。
実質は、小沢の最初に出した4億が陸山会から再び戻ってきた、というのと同じである。


⑤議員個人の借金は報告書に記載するか?

もし、他の議員たちについて、全員が等しく記載しているということであるなら、記載するべきなのかもしれない。だが、もしそうなっていないなら、小沢だけに記載義務を求めるのは難しいのではないか。
例えば、ある議員が政治活動や選挙資金などで銀行融資を受けていて、1億円の借金があるとしよう。
一方で、自分の政治団体に議員個人が5千万円を拠出(団体への貸付、ということ)して、収支報告が成り立っている場合、議員名義の銀行借入1億円を「不記載だ」と責め立てているのだろうか、ということである。実質的に議員個人名義の借金が政治団体への資金拠出であるとしても、報告書に載せてないのであれば、小沢以外の議員についても検察は家宅捜索でも何でもやって摘発すべきではないかな。


⑥小沢の持っていた4億を調べる理由は何か?

閣僚とか、議員の収入や資産公開でもいいんだけど、持ってる資産が数億円とかになっていれば、「その金はどこから出したのか言ってみろ」と要求するということでしょうか?
例えば、福島大臣が社民党なのに(これは別に関係ないか)資産が数億円もあって、「やけに持っていすぎやしないか?」という疑念を持たれると、「その金の出所を吐け!」ということで全マスコミから追いかけ回されて、検察にガサ入れくらって追及されねばならんのか?

これって、恐怖の警察統制国家か何かですか?
蓄財もできない、ってことなんでしょうか?自民党議員で、5億円以上の資産を有していた議員なんて、それこそいっぱいいたんじゃなかったでしたか?


⑦不正蓄財に不動産を買うか?

これは誰だったかも指摘していたけれど、本当に隠し財産を目論むなら、登記簿なんて誰でも調べてよくて、簡単に見ることのできるのに、不動産を買うということがあると思うか?
まあ、かなりのバカなら、「どうせ分かるまい」ということでうっかり買ってしまうかもしれんが、小沢がそんなにマヌケとは思えない。せめて、架空の名義とか、自分以外の名義人で登記するといったような「不正手段」みたいなことを考えるであろうとは思うよ。それを、そのまんまダイレクトに「自分名義」で登記したりなんかするか?親族でもないんだよ?
相当頭のキレる小沢が、そんなブービーにはまるとは到底思えない。

少なくとも、不正蓄財に有利なのは不動産なんかよりもキャッシュに決まっておろうが。小沢邸くらいであると、10億や20億くらいの隠し金庫が存在していたって、別に不可能ということでもあるまいに。持ち運びとか保管に有利なように考えるなら、無記名債券だの裏書のない株券だの、そういうのが昔はあったかもしれないが、今時、そういうのがないのでアレなのかもしれんが。

いずれにせよ、真に金持ちであれば、キャッシュで持っていることは全然困難じゃない。その方が、誰の目にも触れないわけだし、圧倒的に有利。なのに、わざわざ不動産を購入して、発見して下さいと言わんばかりに、本人名義の登記で公開するということ自体が不自然である。

小沢邸の近くの土地なんだけど、テレビでよく映されていた不動産だけど、あれって、小沢の家に近いということで、確かに秘書だの書生だのといった人たちにとっては、便利ではあるよね(笑)。


⑧不実記載?不記載?

違反事実というのが何なのか、ということについて、法曹などの専門家が指摘しないと一般には理解できないな。

また例示で申し訳ないけど。
父が宅急便で商品購入をしました。小包が家の到着した1/1には、息子しかいなくて、息子が商品の代引き1000円を立替て、商品を受け取りました。父は、じゃあ、来月の小遣いに1000円を増額して払うから、それでチャラな、と言い、2/1にそれで決済しました。

この時の金の動きをみると、

ア)息子:1000円支払、商品受取る
イ)息子→父に商品受け渡し
ウ)父→息子に1000円支払+毎月の小遣い支払

ということになります。

父と息子の帳簿が別であれば、次のような感じになります。

・父の帳簿
1/1 商品受取
2/1 1000円 息子に支払
2/1 ○○円、小遣い支払

・息子の小遣い帳
1/1 1000円業者に支払
1/1 商品受取
1/1 父に商品渡す
2/1 父より1000円もらう
2/1 小遣い○○円もらう

こういうのを実質的に父の取引だけだとみなせば、父の帳簿情だけの記載で
1/1 商品受取
2/1 1000円支払

というふうに、一気に結末に行くということもある、という話です。厳密に言えば、息子の小遣い帳に正確に記載してないではないか、という指摘はできるし、業者、父、息子の間でも物と金の動きが正確に反映されていない、ということもいえますが、本質部分では商品を受け取って1000円を払ったのは父ですから。そのこと自体には、間違いはないわけです。

こういうのが、ダメだ、違法だ、というなら、仕方がないかもしれませんが。


⑨以前には小沢の事務所の家宅捜査をやったのに?

今回、再びガサ入れという「お約束の儀式」というものが大々的に実施されたことがよく分からない。なぜ、前回の時ではダメだったのに、今回またやってみようと思ったのだろうか?
おまけに、鹿島本社って、「政治資金規正法違反容疑」って、よく裁判所がそんな家宅捜査令状を出したな、とは思いますよね?一体全体、小沢の事件とか容疑にどういった関連があって、本社にまで乗り込んでいったのか疑問ではある。それでいて、小沢本人の身辺にはガサ入れされてなかったわけでしょう?自宅にも、事務所にも?おかしいですね。

かなり濃厚な疑いというのがあるなら、本人に直接行けばいいものを、何故か関連の薄い鹿島に行くとは、これ如何?


⑩何が気になるか?

目的が別にあれば、別に証拠があろうとなかろうと関係ないよ、ということなんでしょう。
セレモニー、そのものに意味があるということさ。
一斉家宅捜索、という、あの検察がザッザッザッと並んで行進してゆく、あのテレビ的「絵」が何よりも大事で求められていた、ということさ。そういうことなら、鹿島に行った理由は分かるわ。

小沢の持っていた4億円、これと、直接結びつかなくたっていいんだよ。金には色が付いてないからね(笑)。
たまたま持ってた4億円と、ゼネコン系が出したという数千万円、この「連想」が働いてくれさえすればいい、ということなのさ。

極端に言えば、こんな例と一緒さ。
競馬で10万円ゲットした男がいたとしよう。で、昨晩、コンビニ強盗で15万盗まれた事件がありました。この男と、コンビニ強盗に何か繋がりはあるか?
なくたっていいのさ。男が持ってた10万円が、「どうやって手に入れたか」というのが不明でさえあれば、誰かは「ひょっとすると、強盗で奪った15万円の一部なんでは?」という疑念を生じてさえくれればいい、ということなのだから。事実というのは、「炎上」ではほぼ関係なくなる。その演出さえできていればよい、ということ以外にはない。


まさに、マジックの手法と同じさ。仕込みは別な方の手にある。けれど、ハンカチを振ったり、観客の目を引く大袈裟な身振り手振りをするんだよ。そう、大いに”目立つ”手のほうこそが、ダミーなのさ。多くの人々の目を欺くためにあるのだ。

何かを必死に覆い隠したい時か、何かに注意を向けられては困る時か、はたまた別な狙いを秘めている時か、失脚狙いの「○国情報部関係が刺した」のか(笑)、何がどうなのかは判りませんが、やけに必死なのが変なのさ。

以前の、財務省主計局官僚の「集団強姦事件」の構造と近いんだよ。



JALの年金のこと

2010年01月14日 14時15分36秒 | 社会全般
これも報道についての疑問なんだけど。

以前には、「特別立法を検討する」とか報じられてなかった?(笑)
年金基金は解散できない、だの、減額できないだの、言ってた連中はどこのどなただったのでしょうか?
減額できるのは破産の場合だけ、民事再生法では減額できない、とかの解説は、どこから出たものなのでしょうか?しかも、専門家の意見、という形で堂々と報道されていましたけど、そういうのって何故改められないのでしょうか?


JALの企業年金は減額できるか?

JALの企業年金は減額できるか?~コメントへの回答など

JALの企業年金は減額できるか?~できるよ!(たぶん)


なのに、数日前には「同意が集まらなければ解散」とかいう報道が出され、民事再生法適用も考慮されている、というような話も出されていましたよね。いつから「民事再生法でも減額できる」という見解に変わったんだよ。いつから「解散も可能」という見解に変わったわけ?


要するに、ド素人以下の「専門家」という人たちから情報や解説をされ、過った報道が流され続ける、ということではないでしょうか。
で、しまいには、減額の為の特別立法という話にまで行き着く、と。


一連の報道とか、専門家の解説とか、そういうのには、誰も何にも責任もなけりゃ、反省もないのな。
単なる垂れ流しと同じ。言った者勝ち。

おまけに権威を笠にしてる分だけ、ネットの匿名さんなんかよりもはるかに悪質なのではないのか?
別に「反専門家主義」を標榜したいわけじゃないが、あまりに酷すぎやしないか?


 社会はウソでできている。



「こんにゃくゼリー」報道の反省は何故ないのか

2010年01月14日 13時52分28秒 | 社会全般
かなり以前の話題ですな。

こんにゃくゼリー:危険性「あめ類と同程度」 食品安全委作業班が見解 - 毎日jp毎日新聞


あんなに騒いでいた報道はどうなんだろう?

拙ブログ記事でも幾度か取り上げた。

07年6月>コンニャクゼリーの問題と裁判を考えてみる

08年10月>「消費者庁」的人柱ではないか?~こんにゃくゼリー問題


責任追求は得意だからね。
結局は「マスコミという巨大な権力」には逆らえない、ということかな。

言った者勝ち、ということさ。反省なんか必要ないからね。
正しいとか正しくないとか、殆ど関係がないから。
マスコミ側は痛くも痒くもないけど、標的にされた側は破滅の淵に追い込まれる、と。


ところで、稀な出来事さえも防げ、という姿勢は、言い換えると「滅多に起こりそうにないシナリオ」を防ぐ為には「○○という兵器が必要だ」とか「○○という部隊の配備が必要だ」、というのも一緒なんだけど。



「イラク戦争は国際法違反」という見解

2010年01月14日 13時26分05秒 | 法関係
さすが、国際法の父と呼ばれるグロチウスを生んだオランダだけのことはある。

イラク戦争は国際法違反と結論 オランダ調査委が報告書 - 47NEWS(よんななニュース)

(以下に引用)

イラク戦争は国際法違反と結論 オランダ調査委が報告書

【ブリュッセル共同】2003年の米英主導のイラク戦争を検証していたオランダの独立調査委員会は12日、国連安全保障理事会の決議はイラク侵攻の権限を与えておらず、「戦争は国際法違反」と結論付けた報告書を発表した。オランダ政府は当時、議会の反対を押し切って、イラク侵攻支持を表明しており、今後、議会が責任を追及することになりそうだ。
報告書は、米英が軍事侵攻の根拠の一つとした国連安保理決議1441は「武力攻撃を容認するとは解釈できない」と断定。調査委の委員長は記者会見で「侵攻は合法性を欠く」と強調し、オランダ政府は米英との同盟関係を重視し、侵攻の違法性に目をつぶったと批判した。報告書はまた、政府内で、一部閣僚が情報機関の情報を選択的に利用したと批判。政策決定は当時のデホープスヘッフェル外相が主導し、バルケネンデ首相は排除されていたとも指摘した。

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こちらは、朝日新聞。

asahicom(朝日新聞社):「イラク戦争は国際法違反」オランダ政府調査委が報告 - 国際

(以下に一部引用)

【ブリュッセル=井田香奈子】オランダ政府の独立調査委員会は12日、米、英の主導で03年3月に始まったイラク戦争が、国際法違反だったとする報告書を公表した。米英が攻撃の根拠とした国連決議について「さらなる決議なしに、個別の国々のイラクへの侵攻を認めるものではなかった」とし、攻撃を支持したオランダ政府も決議の解釈を誤っていたとしている。オランダがイラク攻撃を支持した際、政府内でも適法性に疑問が出ていたことが議会などで問題になり、バルケネンデ首相が昨年、元最高裁長官を座長とする委員会に調査を委嘱していた。報告書によると、オランダ政府は02年9月に攻撃支持の立場を決定したが、調査委は本来のオランダの政策や国内世論には沿っていなかったと判断。政府が、イラクの大量破壊兵器をめぐる情報機関の一部の情報に追従していたと指摘した。

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配信のあったのは、共同、時事、朝日。
なるほど。そうですか。


それにしても、やはり欧州というのは日本なんかとは違う。

それは「知の厚み」というようなことである。ドイツに続いて、オランダでもこうした法的見解が出されるというのは、旧大陸の育んできた価値観というものを感じる。そこには、尊敬、敬意の念が自然(じねん)にわきあがる。

日本の法律家は、真剣に自省すべきではないか。


上記記事の表現を借りれば、

「米英との同盟関係を重視し、侵攻の違法性に目をつぶった」
「情報機関の情報を選択的に利用」
「情報機関の一部の情報に追従」

だそうですよ。


日本ではどうですか?


参考記事:
自衛隊のインド洋派遣に関する考察

傍論、傍論って暴論ゆうな!

続・日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか




普天間基地に「スーパースタリオン」は何機あるか?

2010年01月13日 12時00分04秒 | 防衛問題
前の記事のコメントで、CH-53Eが配備されている、という根拠を挙げて頂いたので、少しお答えしたいと思います。

実際に普天間基地には「スーパースタリオン」が何機あるのか、報道機関が取材するとか、防衛省か外務省が公式に発表してくれるといいのですが、これは軍事上の機密とか言われてしまうので、公表できないということかもしれません。

まあ、いいですが、一応、当方の見解を書いておきたいと思います。


1)ヘリの飛行中隊は何機編成か?

一般的には、海兵隊のヘリ中隊は12機で構成されているようです。したがって、本来的には、HMM-262やHMM-265の中ヘリ中隊でも12機編成というふうに考えるのが普通ではないかと思います。


2)例示の「CH-53E 2機」は、どの中隊所属か?

「普天間基地所属の」という説明が記事中であるとして、このCH-53Eはどこから来ているのか、というのが問題になるかと思います。HMM-262に属するわけでなければ、普天間に今後何年間も残っているかどうかというのは、疑問ではないかと。


3)現在、そして、グアム移転計画が進んだ後にも残るのか?

現在の時点で配備されていないとか、グアム移転後には常駐しないということになりますと、沖縄に常設基地を永続的に置いておく意義は極めて乏しいということになるかと思います。



あくまで推測ですが、31MEUの編成という点から普天間にCH-53(D若しくはE)が配備されていたものと思われますが、普通の構成はこんな感じになっているそうです。
海兵隊遠征隊 - Wikipedia


CH-46はオスプレイに置換されてゆくということでしょうから、これに加えてCH-53という編成ということなのでしょう。

普天間基地移設問題 - Yahoo!ニュース
(09年11月のドラフト文書を見てください)

すると、中ヘリ(MV-22)中隊2個(24機)+CH-53が4機という混成ということでしょう。これは、普天間基地の中ヘリ(CH-46)2個中隊+CH-53が4機という編成と同等ということではないかと考えました。


で、問題のCH-53はどこから来ていたかというと、恐らく岩国だったはずです。
元々普天間基地にいたであろう重ヘリ中隊はイラクに行ってしまい、岩国からCH-53 4機がローテーで来ていたということなのでは?
すなわち、普天間から岩国に移動していったHMH-463重ヘリ中隊からの転出ということです。

しかし、今は岩国にはいなくなったみたいですから、ハワイとかからやってくるということでもない限りは、4機配備を維持できないのでは。

更に、航空群の編成は、AH-1Hの軽攻撃ヘリも加わりますけれども、これも移動してしまっているようで、HMLA-369中隊は普天間海兵隊の公式HP上では見つけ出せませんでした。

そうすると、重ヘリがいるかどうかという問題ばかりではなく、軽攻撃ヘリがいないと遠征部隊の航空群を編成できない、ということになるのではないかな、と。
31MEUは、中ヘリ12機+重ヘリ4機、軽攻撃ヘリ6機、というのが必要となるはずなので、この編成は普天間にいる部隊だけでは構成できません、ということを指摘しているのです。


一方、グアムのドラフトではオスプレイ24機+CH-53 4機の編成と考えられているようですので、これまでの普天間基地での編成を踏襲しているものなのではないか、ということですね。

常駐ではない、というのが「沖縄に置け」ということかどうかは不明です。逆にいうと、グアムに常駐してもいいんじゃないですか、とは思いますけれどもね。



普天間基地問題を巡る報道について

2010年01月12日 12時09分05秒 | 社会全般
まず出だしからして、クサイなと思っていたけど、やっぱりな、という感じですわ。
疑念は、ある程度「確信」に変わる、ということですな。


12月7日>普天間基地問題に関する私見

昨年時点で、動きがあるなというのは思っていたんですよ。
読売さんは、何にどう関与しているのか?
ちょっとよく判りませんな。けれども、論調や態度がおかしいということはわかるわけ。

情報操作をやってくるということになれば、これはもう日本の報道機関は信頼性は地に落ちるということになりますわな。そういうのに、大挙して加担してきたのが日本のマスコミなんだな、ということになるわけです。経営が苦しいとか、そういうのは判りますし、「背に腹は替えられない」というのもあるのかもしれませんが、ジャーナリズムは死んだ、ということですな。
ああ、沖縄の地元新聞はまだあるね。唯一の対抗手段が、沖縄の地方紙だけということですね。
予想通りと言いますか、片棒担ぎの報道は続いていたということです。


先月7日に書いた途端に、8日には上院で予算復活
続・普天間飛行場に関する私見

こんなにタイムリーに結果が出る、と(笑)。


次は、朝鮮半島有事だそうで。
12月13日>朝鮮半島有事の際における邦人救出

これも読売さんだったみたいね。


お次は、韓国の匿名軍事専門家。
12月17日>在韓米軍の世界展開と普天間問題

軍ヲタさんに言わせると、出鱈目解説みたいですよ(笑)。因みに、この記事中では、きちんと警告を発しておいたではありませんか。
『かつて日本は戦争という愚かな選択してしまったが、そのお先棒を担いでいたのは新聞だった、ということは、もう一度肝に銘じておくべきであろう。エコーチェンバーの役割を果たすのも、やはり同じくマスメディアなのだ、と以前に書いたが、その意味についても、再考願いたい。』とね。


匿名じゃ信頼性に欠けるとか書いてあげたら、今度は実名の人が登場(笑)。
12月21日>沖縄の海兵隊は韓国に置けばよい

この時は、ルース駐日大使が「顔を真っ赤にして激怒した」とか喜々として報じていた産経新聞さんでしたね。ふーん。

次は、朝鮮半島は関係ない、台湾有事だよ、と。
12月22日>沖縄海兵隊はソマリアの二の舞を望むのか

沖縄には「スーパースタリオン」なんて、もういないみたいなのに、ご苦労さんなことですな。
HMH-361中隊はイラク戦争へ、HMH-463中隊は岩国からハワイへ行ってしまってますから。じゃあ、普天間に残ってる「スーパースタリオン」は、どの中隊が配備されとるわけ?軍ヲタは、知らないことは完全無視でスルーするそうです。でも勝利宣言だけは得意(笑)。


12月21日には、例の藤崎駐米大使がクリントン長官に「呼びつけられた」とか適当に発表した一件があったんですね。
テレビなどマスコミに事前連絡をしておき、国務省に入る前と出てきた後の絵を撮らせる、と。そして、「異例」とか大袈裟に報じさせた、と。意図的ヤラセですな。
さらに追い討ちの一撃として、(読売や産経ばかりだと怪しまれるとでも思ったか?)今度は「オバマ大統領が激怒」と報じたのは時事通信さん。
12月25日>時事ドットコム:首相への不信決定的に=普天間移設、発言捏造に不快感-米政権

普通、他国のトップが「発言を捏造している」とか、言えると思いますか?(笑)
なんつー外交だよ。いくらぼくの書いた7日の記事で「米国は激怒した」という話があったからといって、そんなにそんなに激怒する人たちを登場させるのもどうかと思うわけなんですよ。「大統領は怒り狂っている」、ですよ?そんな問題であるはずがない。朝の報告にさえ取り上げられない話題なのではないのか?大統領は忙しいんだし、そんなちっこい問題なんかよりも、もっと大事な話は沢山あると思うよ。

”必死だな”感が猛烈に感じられたので、少しまとめてみましたよ、と。
12月26日>日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか

もう、軍事技術的論点では埒が明かないと悟ったか(笑)、今度は政治的に「怒り狂う」の演出なんだけど、それが過剰演出だったってわけですかね。ほら、以前にも書いておいたじゃないですか。「ウソをつこうとする時には、大抵余計なことを言う」って(笑)。

12月27日>続・日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか


そうしたら、今度は普天間基地の補修工事をやってやるぜ、って話が出されたそうで。
12月29日>普天間補修は差し止めろ

段々「次の一手」を思いつけなくなって、地元の不安を煽るという方向に来たか?(笑)
もうこうなったら「返還しないで固定化してやるぞ」ということですわな。一種の脅し。


年明けからは、例の「台湾に中国特殊部隊が数万人だか飛び込んでいって新政権樹立」とかいう英文の架空戦記もの(笑)にでも触発されたか、普天間代替施設は「ヘリで20分以内」の新説が登場、と。
1月6日>普天間基地の重ヘリ中隊は何という部隊?(訂正部分あり)

今回のは、共同通信さんの記事だそうで。

更にはパキスタン閣僚からのご伝言(笑)。これも共同通信さん。
1月9日>今度は「パキスタンに言わせるの図」ですか


結局は、「本尊登場」ということにあいなりましたよ、ということではないでしょうか、というのが、拙ブログの予想でございました。
1月7日>続々・日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか~カート・キャンベル国務次官補を巡る疑問

読売さんの単独会見が報じられて、その後には海外プレスで会見、と。


日本というのは、こういう国なんだそうですよ。



別に、ぼくが予知能力を発揮しているわけじゃない(笑)。
見ていれば、何となく判る、というだけ。
例えばルース大使に会ったことなんか勿論ないけれども(笑)、どういう感じの人かというのは、想像できるからね。センスのない人間がストーリーをいい加減に作ってしまうと、どこかにボロが出るとか矛盾や違和感が含まれる、というようなことさ。小説や映画なんかでも、有り得ないような人物描写なんかに出会うと、「ええっ!?こんな人だったの?」というような違和感を持つのに似ている。

つまりは、想像力の問題さ。




朝鮮戦争は「日本の共産化阻止」の戦いという認識

2010年01月12日 09時46分48秒 | 社会全般
たしかに、昔を振り返るとそういう危惧があったことには同意できるね。

ニクソン氏「朝鮮戦争は日本に関する戦争」、米資料(聯合ニュース) - Yahooニュース

(以下に一部引用)

ニクソン元米大統領が、1950年に起こった朝鮮戦争への米国参戦の決定は、韓国というよりは日本の共産化阻止に目的があるという認識を持っていたことが、米政府の資料から分かった。聯合ニュースが10日、入手した機密解除資料の内容を明らかにした。
 資料によると、ニクソン元大統領は40年前の1970年9月16日、イリノイ州シカゴで周辺州のメディア関係者を前にオフレコを前提に演説し、こうした認識の一端を示した。ニクソン元大統領は「トルーマン元大統領が朝鮮戦争参戦を決定すべきかどうかをめぐり多くの論争があった時、わたしは『共産主義者の立場では朝鮮戦争は韓国ではなく日本に関するもののため、米国は必ず参戦すべき』という、世界の共産主義運動専門家の分析が胸に迫った」とし、朝鮮戦争の性格はその通りだったと同意を示した。

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韓国が落ちれば、次は日本だ、というような危機感はあったのであろう。東欧でもアジアでも、共産化の波は世界に広がっていた時代だったということかな。


拙ブログ記事でも、以前にそれに近い感想を抱いたことは書いた。

これ>「中国反日デモ」から見える日本政治

『もしも当時、一般大衆が政治体制を本気で完全自由に選んでいたとしたら、共産主義国家となっていたかもしれない(今の歴史を絶対視する訳ではないが、共産主義を選択しなかったことは正解であったと思える)。』

今の日本人からみても同じようなことを考えるのだから、同時代の、しかも米国人からすれば、それはもう「かなり危ない」という状況になっていたのではないかな。その後に広がる「日米安保闘争」、学生運動や過激派の活動(連合赤軍などに代表されるもの)などを思えば、どちらに転んでいたかは判らない。


朝鮮戦争勃発で、偶然にも日本の経済的復興にはプラスに作用したし、旧日本海軍掃海部隊の出番とか、大量の輸送を担った船や揚陸艦需要など、日本人(船員たち)の関与もそれなりにあったようだった。
これらの米軍輸送を担う船の、カラになった帰りの船便が、引き揚げ者たちや戦没者の遺骨などを運んでくるのに一役買ったんだったか、確かそういう関与もあったんじゃなかったかな。

いくつもの偶然の重なりで、日本は共産主義国にはならなかった。
朝鮮戦争は、そのうちの一つの要因だった、ということなのかもしれない。



Gulf of Aden Crisis

2010年01月11日 07時19分34秒 | 外交問題
若きサッカー日本代表チームが、先日のイエメン戦で前半2点リードを許す苦しい展開だったからといって、これを大袈裟に危機だというのではない。日本代表チームは、大型エースの平山が前半終了間際に1点を返すと、後半更に2点を奪って平山のハットトリック達成で勝ち越し、結局は3-2で運良く勝利できた。イエメン情勢は、サッカーの試合と同じく勝利できるかといえば、これは中々難しい問題のようである。

昨年末、米国はクリスマス・テロという危機に見舞われた。米国にとってここ暫くは、イエメンを巡る問題が重要課題となるだろう(少なくとも、日米関係とか普天間基地問題なんかは、瑣末と言っていい)。これについて、少し書いておきたい。



よくまとまっている参考記事はこちら。
焦点:イエメンの対アルカイダ戦争、米国を待ち受ける落とし穴 ワールド Reuters

以下、各論。


①アデン湾を巡る米国戦略の変遷

先日、たまたま93年のソマリアの『ブラックホーク・ダウン』の話(沖縄海兵隊はソマリアの二の舞を望むのか)を取り上げたが、まさしく今のソマリアの無政府状態を招いた遠因がこの時代にあったのである。

米軍及び情報部関連の軍事的戦略としての中東政策というものが、アメリカにはあったのであろうと考えている。
父ブッシュ政権時代の、湾岸戦争での成功体験というものが、恐らく米国の軍事関連利権者たちの脳裏に強く刻みこまれたのではないだろうか。そこで、イラク周辺から、新たな焦点を求めていったものではないかと思う。

遡れば、まずイランでの失敗というものがあったわけである。親米政権を擁立させたり、イラン国内騒乱を煽動したりする活動は失敗に終わった。イランに対抗させる為に、イラクの「本当は好ましくないフセイン政権」を支援して、敵対させたりもしたわけだ。しかし、残念ながらこの活動も失敗に終わるわけである。それは、フセインの離米というか、そこそこの力を持たせたら、言うことを聞かなくなるというのは、昔からよくある話ではあるからだ。そうして、暴発したイラクは、遂に米国の手によって成敗され、止めを刺されたということになったわけである(これはイラク戦争まで待つことになったのであるが)。

90年代前半のハイライトと言えば、やはり湾岸戦争であり、米国の軍事力はソ連なき後の世界にとっても「大変貴重で重要なもの」であるという認識は、世界中に認識されることになったわけである。これこそが、米軍関連の「輝かしき成功」体験だったのだ。そういう力は「今まで以上に必要とされたい」と願うわけである。

そうすると、93年のソマリアという事態が大変よく見えてくるように思われるのである。
米国の軍事的戦略としては、焦点をアデン湾に移していったのである。そして、極めて政情不安定で危険なソマリアを利用することを考えるに至ったものと思われる。特殊部隊を送り込んで、特定の政治的地位にある人物を拉致・殺害するというような特殊作戦を考えることは、基本中の基本なのだから(ゲームの世界ですら、いくつもの謀略があるのだし、笑)、その実施に踏み切ったものの痛手を蒙ったのである。

ソマリアの失敗は、単に軍事作戦をミスった、というだけのものではない。それだけなら、何度でもトライすればいいだけだし、もっと違った手立てを考えたってよいのだから。そうではなくて、米国内の大きな反発を招いたことが「最大のミス」だったのだ。
しかも、クリントン政権に取って代わっていたことも災いした(笑)。たぶん、父ブッシュよりも軍事的政策や軍事行動などへの関心は低い上に、あまりそういう手法を好んではいなかったのではないかな、ということだ。なので、国内情勢(米国内世論)を見て、すぐさま手を引いたということであろう。そうして国連軍も撤退することになって行ったのではないか。


②90年代のイエメンへの介入

しかしながら、まだ諦めない人たちはいたのであろう。続いて、目を向けられたのが、アフガンゲリラの供給地として成果を上げていたらしい、イエメンだった。特に、サウジとの境界付近の北部イエメンは、サウジの安全保障という点から見ても、非常に重要ということもあった。ソマリアでの介入が失敗に終わったことで、対岸のイエメンに舞台は移ったのである。

湾岸戦争直後くらい頃であると、恐らくイラク支持の反米傾向を持つサレハ政権は転覆させた方がよいのではないか、という判断が米軍側にあったのではないだろうか。そこで、統合間もないイエメンでの内戦勃発となったわけである。
元々、アフガンゲリラ戦士とすべくイエメン人やサウジ等の周辺国から集めた連中を、戦士に育て上げたのは、介入していた米国だったのではなかったか?
そうすると、イエメン国内での「独立運動」の煽動工作というのは、まさしく典型的な介入形態なのである。94年の南イエメン独立紛争は、そういった背景から勃発した可能性すらあるのではないだろうか。

それに、南イエメンは元はイギリス植民地であったので、これも米国が介入してみたくなる理由だったのではないか。南部勢力に支援して独立紛争を惹起させ、親イラクを表明するサレハ政権を転覆させるという「戦争を生み出す」のは、まことに理に適っているわけだ(笑)。

しかし、これもうまく行かず頓挫したのだ。叛乱軍は鎮圧され、独立戦争は消えたのだった。

その後、米国の介入方針がどうなったのかは判らない。少なくとも、クリントン政権が終わるまでは、あまりあちこちに手を付けないようにはなっていたのかもしれない。けれども、90年代前半くらいまでに米国の蒔いた種は、後の刈り取りを待つことになるわけである。テロリスト養成の培養器を設置したのは米国であり、その培養器が生み出したテロリストによって、アルカイダ等のテロ対策に米国自身が追われることになるのである。


③イエメン介入の方針転換

いつの頃からかは、判らない。今世紀に始まったアフガン戦争以降の、対テロ作戦の一部として、やむなくサレハ政権を支援し、イエメン国内のテロリストたちを討伐すべき、という方向に変わっていったものと思われる。かつては「転覆すべし」と思われたサレハ大統領の後ろ盾につく、ということを、米国が選択したのだ、ということである。2000年の米軍艦「コール」爆破事件が起こったが、この時期には既に政権支援に変わった後だったであろう、と推測している。まさにアデン港で自爆テロ攻撃を受けたからである。

こうして、米軍のサレハ支援体制が始まったわけである。イエメン国内の掃討作戦などを進めることになったわけである。サレハ政権は安全と金と力を手に入れたということだ。代わりに、国内のアルカイダ勢力を炙り出していく作業を米軍と共同で行うということになったものと思う。その延長上にあるのが、サウジとの国境線確定という動きであろう。サウジと米国の関係を考えれば、米国が後ろに付くということは、そういうことだ。

イエメン国内では、これに対する反発というものがあった。
まずは、反米感情である。これはいかんともし難い。
それから、サレハ大統領の独裁的な内政への不満である。以前の南部独立派の残党などは残っているであろうし、サレハ大統領のやり方というものに反対する勢力はいたる所にいるに違いない。そういうことも、テロを隠す温床となってしまっている(テロ摘発に非協力的になり、作戦の妨げとなる)かもしれない。

そして、イスラム教の対立というものがある。北部イエメンというのは、シーア派の分派で「フーシ派」(上のロイター記事では「ホースィー」となっている)が多いらしく、「シーア派vsスンニ派」の対立というようなのと似た構図があるようである。これはサウジとも関連することである。


④サレハ政権の窮地

フセイン政権は葬られた。湾岸諸国にとって忌々しい存在は、とりあえず取り除かれることになった、ということである(イランは、今はおいておく)。イラクへの米国の介入は、とりあえず止められることになった。けれども、「ソマリアの海賊」で判るように、アデン湾に再び不安定の火種が生じているのである。

イエメン国内では、サレハ政権と支援する米国という関係になっているが、これに対立する勢力がいくつか生じている。過去のくすぶり続ける火種である。

第一には、前述したように、北部のフーシ派勢力がある。
昨年11月には、サウジとの軍事衝突を招き、サウジの空爆が実施されたと報じられた。しかも、このフーシ派に裏で支援をしているのがイランではないか、という疑惑もあるようだ。これは、シーア派勢力のイランとしては有り得る話である。反米を掲げるイランにとっては、サレハ政権は米国の腰ぎんちゃくであるとしか思えないのであり、その政権を転覆させようという勢力に支援したくなるのは当然とも言えるであろう。

第二は、南部の独立派勢力である。打倒サレハという目的で一致するなら、国内の政権打倒勢力を結集することも不可能ではないかもしれない。政治的に勝利すればよいので、軍事的に米軍や政府軍を倒すのは必須ではない。この勢力が米国にとってプラスとなるかどうかは、不明であろう。親米政権が消える可能性だってある。

第三は、アルカイダのテロ一派である。米国が躍起になっているけれども、簡単には手出しし難い問題なのである。イエメンでは、昨年などにも日本邦人誘拐事件などが発生しており、テログループが存在しているのはその通りだろう。また、グアンタナモ基地の収容者の移送先として、イエメン政府が受け入れ表明をしていたが、これは元々が収容者の大半は「イエメン人」というような事情だからであろう。多分01年くらいから、イエメン国内の掃討作戦をかなりやってきていた、ということが窺われるのである。


今後に、イエメン政府軍が国内テロ掃討作戦をやっても、米軍が直接手出しするわけにはいかないし、北部と南部とからの「挟み撃ち」状態になってしまっているのに、その上「アルカイダ掃討作戦」という「3正面作戦」はかなり厳しい、というのが、ロイター記事などの解説である。北部勢力はサウジが軍事的に攻撃を仕掛けるほどに、「深刻な問題」に発展しているようであるし、これはイエメン政府軍の治安維持能力がその程度しかない、ということの裏返しと考えられるだろう。

もしもサレハ政権が倒れるようなことがあると、ソマリアに続いて対岸のイエメンでも無政府状態に近い混乱を生じることになるかもしれず、航海の危険性はこれまで以上に広がるかもしれない。


⑤日本が関与するとすれば

今後の取組み方については、米国をはじめ諸外国との協調が必要になるかもしれないが、アデン港やモカ港(コーヒーのモカの由来だそうです)周辺の治安改善を図ることが必要になるだろう。報道では、海保の巡視船を供与するなどの案が検討されているらしいが、これは一つの手であるとは思う。以前の東南アジア海域で海賊が多数発生していた時にも、やはり旧型巡視船の払い下げだったか無償提供だったか、行われたことがあった。これとほぼ似たような協力ということになるだろう。
日本で巡視船を新型に入れ替えて、旧型船をイエメンに提供してアデン湾の治安向上に繋げるということになる。訓練も海保で受け持つといったことになるだろう。

また、イエメン国内の不安定は、金がないことに影響されていると思われるので、南部側の不満を緩和する意味においても、アデン港などの中核地域での「仕事の供給」というものが必要となるだろう。積極的にサレハ政権を支えたいかというと、これも頭の痛い問題ではあるけれども、無政府になるよりはマシ、ということになるだろうか。どこかの島の天然ガスの採掘権とかはどうなっているのか知らないが、そういう掘削事業なんかも一緒に推進するというようなことも考える必要が出てくるかもしれない。

あとは、イランの説得に向かうべきだろう。
フーシ派支援だけじゃなく、核開発問題でもイランを避けて通ることはできないのだから、日本のできることをやるべき。核廃絶を支持するなら、そういう取り組みを真剣にやれ、ということは言えるだろう。麻薬密輸根絶もアフガン問題に関与するので、イランの摘発協力を求めるべきだ。
見返りには、経済協力が得られる、という約束をすればよいのではないか。


ちょっと追加(13時頃):

こちらの記事も非常に参考になります。米国の受け止め方、反応というものがよくわかります。
米国とアルカイダと手製爆弾 靴底からペットボトル、そして下着まで JBpress日本ビジネスプレス

簡単に言うと、
 「これは、戦争だ」
みたいなものでしょうか。

米軍の特殊部隊は、再びソマリアやイエメンで活発に動いているみたい、ということらしいです。



合衆国地方政府の地方債の推計

2010年01月10日 12時41分03秒 | 経済関連
特に、何がどうということではないけれど。
書こう、書こうと思いつつも、普天間問題にかまけすぎてしまい遅れてしまいました。


NIKKEI NET(日経ネット):国際ニュース-アメリカ、EU、アジアなど海外ニュースを速報

(以下に引用)

【ワシントン=岩本昌子】米財務省は6日、景気対策の一環として09年4月から実施している地方政府債発行への助成金制度で、1日までに約640億ドルを全米の地方政府に提供したと発表した。
 この制度は、州などの地方政府が公共事業費などを調達するために発行する債券について、米政府が利払い費の35%を助成金として負担する。同省の最新データによると、昨年4月3日から今年1月1日までに、全米45州の州・地方政府が制度を利用して779の地方債を発行。地方債市場の約22%を占める。(08:20)

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ここにある数字から、勝手に推測することにしました(笑)。細かい数字は出せないと思いますけれども、大雑把に判ればいいかな、ということでご容赦下さい。

まず、条件をみてみます。
①640億ドルを地方政府に提供
②米政府は利払い費の35%を助成
③米国版建設国債のような地方債の発行額は22%

③は、ちょっと定かではない。多分発行額か発行残高の22%ということだろう、ということで、とりあえず。
この地方政府発行の地方債の名称を知らないので、仮に「公共事業地方債」と呼ぶことにします。


さて、条件②から、「公共事業地方債」の利払い費の35%部分=640億ドル、ということで、そうすると、利払い費全体はいくらかというと、
 640億ドル+残りの65%部分
ですので、
 残りの65%部分=65/35*640=約1189億ドル
面倒ですので、1190億ドルとしますと、

 公共事業地方債の利払い費=640+1190=1830億ドル

となります。公共事業地方債の発行額の総額はいくらくらいかを考えてみます。元本部分ということですね。
利息の1830億ドルから元本部分を計算すると、以下のようになります。

利率  発行額
3%   61000
4%   45750
5%   36600
6%   30500
    (単位 億ドル)
この発行額は、条件③より、地方政府発行の地方債全体の22%に該当していますから、他に78%部分がある、ということになります。これを計算してみますと、次のようになります。

利率  78%部分  発行総額
3%   216273   277273
4%   162205   207955
5%   129764   166364
6%   108136   138636
    (単位 億ドル)

平均で5%の利率だと、地方政府発行の地方債総額は約16兆6364億ドル、ということで、1ドル=100円で考えるなら1663兆円以上の債務残高があるということですわな。つまり、中央政府の債務約12兆ドルを併せると、サクッと軽く2800兆円規模くらいかな?これは、米国のGDP比でどの程度なのか?(笑)
ざっと、28~30兆ドルの債務残高なのであれば、これは、かなりの額ということなのではないですかね?

だから言ったでしょう?

田原総一郎こそ、チェンジするべきだ(ちょっと追記)

次のように書いたんですよ。

『米国債の残高というのはある水準に留まっていると思うが、これが米国の債務かといえばそれだけではないはずである。日本でいうところの地方、すなわち「州政府」の借金というのがあるはずだ。これがどの程度の水準になっているのか、というのは、謎のままである。というか、公表されているのかもしれないけれど、資料を見つけられなかったので、米国の一般政府の債務残高水準がどのくらいなのか、というのを知りたいわけである。

日本と比較すれば、州政府の力がそれなりに強い、ということになると、多分財政収支もかなりの大きさになっていることが予想され、そうなると50州あるわけですから累積債務残高がかなりの額に達していても不思議ではないであろうね、と。最近の話題であると、加州の借金問題というのが出されていたと思うけれども、そういった話が他にもあるんじゃないですか、ということです。なので、米国の一般政府の累積債務残高の推移を30年分とかグラフにしてもらえれば、「ああ借金って、こうやって増えてきたんだね」ということがよく理解できるんじゃないでしょうか(笑)。そのグラフは、果たして「借金が減っていっている」グラフになっているであろうか?』


こちらも>貯蓄率低下を脅しに使う前に
この中では、以下のように書いた。

『例えば、今の米国だと国の借金は『GDP比の200%超え』であり、世界で一番の借金大国には違いないわけだが、米国はほぼ海外の投資家によってファイナンスされているわけである。最も大きな主体は中国、次いで日本、後はロシア、ブラジル等々の世界中のほぼ全部の国がファイナンスしているわけだ。「借金は返せるはずだろう」という期待というか、近々の予想がそうなっているから、というだけだ。誰の、何の保証も当然あるわけがない。ただ、米国の稼ぎ(GDP)はそこそこ大きいから返せるんじゃないかな、という非常に曖昧な期待のみによって支えられているわけである。』

200%超え、というのは、あながちハズレではなかろう?
中央政府と地方政府の債務合計が問題なのだよ、ということですよ。しかも、長期国債だけじゃなく、短期債務も問題にはなってくるでしょう?そういう話をしているわけで。債務残高は見え難くする工夫というのは可能なわけで、いくら世界最大のGDP規模を誇るといっても、債務比率がGDPの200%超ともなれば、それは大変ですねということだな。まあ、30兆ドル返済に向けて頑張るといいのではないか。


そういうことを考えようともしないインテリ?だか経済ナントカだかが大勢いることが本当に不思議。



外務省の基地利権?

2010年01月10日 11時32分46秒 | 外交問題
よく判らないんですが。

何度か取り上げている「普天間基地の補修工事」の件です。
10日から工事開始と「米国政府が通告してきた」という報道だったわけですが、だったら、工事が始まるわけですか?

変ですね。
読売新聞の報道では、次のようになっていましたよね?

普天間補修は差し止めろ

『米政府はすでに、普天間移設実現が遅れる場合、先送りしてきた改修工事を実施する、と日本政府に通告してきており、それが具体化した形だ。沖縄県内では28日、普天間飛行場の固定化に対する警戒感が広がった。海兵隊報道部は28日、読売新聞の取材に対し、工事は定期的な保守整備の一環だとしながらも、「(2014年の)普天間返還を見越して工事を先送りしてきたが、代替施設の建設が予期されたよりずっと長くかかり、これ以上待てなくなった」と説明した。』

本当に海兵隊報道部がそういう発表をしたんですか?
一方的通告だけで工事ができていたことなんて、本当にあったんですか?


参考までに、こちら>外務省 在日合衆国軍施設の整備について

これによれば、日米合同委員会での事前協議と両国政府の合意形成が必要なのではないですかね?
で、普天間基地関連で言えば、

 『12 普天間飛行場における雨水排水施設の設計』

だそうですよ(笑)。

こんな簡単な工事とか設計すら、事前協議や合意形成を必要としてきたのに、今回の普天間基地の補修工事は「米側の一方的通告」だけで工事をするとでも言うのでしょうか。


日本という国は、こうした出鱈目が十分通用してしまう、ということなのですよ。
一体、何なんですか、この国のマスコミは。

外務省は、誰の、何の為に存在しているのですか?



今度は「パキスタンに言わせるの図」ですか

2010年01月09日 18時23分00秒 | 外交問題
偶然、発見した。
ウチのブログ記事くらいですと、ブックマークなんざ付くことがないもんですから。


ホント、大笑いだな。

はてなブックマーク - 普天間基地に重ヘリ中隊は存在してるか?

id:REV 曰く
『「あんなに大騒ぎをしていたにも関わらず、給油活動停止後のことについて、何か報じられていますか?」パキスタンの継続要請の報道が。』

ということで、探したら、確かに出てきたわ。
コレ>海自給油終了の再考要請へ パキスタン国防相 - 47NEWS(よんななニュース)

また共同通信の記事ですか。ふーん。
例の「普天間代替施設は20分以内」説を報じた共同通信さんですな。なるほど。


ぼくが記事を書いたのは、7日。

で、共同通信の記事では、8日21時28分ということだそうで。


オイオイ、本当に、何てグッドタイミングなんだ!(笑)
もの凄い、偶然!!

id:REVは日時を見てはいないのだね。
「何か報じられていますか?」の問いが発せられた時点では、ご指摘の記事の存在をぼくが知ることなどできたと思うか?
あれですか、いつもの(笑)ぼくの超予知能力、驚異のエスパーみたいなのを期待されたとかでしょうか?

そんなはずはないでしょうから、記事で「何も報道なんかないよね」とぼくが書いたら、「新たな報道記事」が供給されたように見える、というだけ。それは、対抗するか、論点を否定若しくは主張を潰せる内容の記事が殆どではあるけれど(笑)。


ブログ記事を書く時点で、「カート・キャンベル国務次官補が海外プレス向けに会見を開きます」とか、「パキスタンからの給油延長要請という記事がでます」とか、そんなもんは判るわけがないでしょうが。
ブログ記事を書いたら、たまたま事後的に、それらがタイミングよく発生した、というだけに過ぎないでしょう?(笑)

・海外メディアの前で会見しないと信用できない、と書いたら、
→海外プレスセンターで会見

・給油活動中止についての報道はないよね、と書いたら、
→いや、あるよ(共同通信の記事)

そんなの、ぼくには予知できんて(笑)。


ああ、共同通信の「普天間から20分」説の記事にしても、

・中国の斬首戦略とかを論じたらしい英語雑誌記事には「沖縄からヘリですぐ行く」なんて書かれてないよ、と書いたら、
→軍事的に「普天間から20分」

と共同通信記事が出されたわけで。
やたらタイミングが良すぎやしませんかね?(笑)


参考までに、id:REVは台湾に中国軍の特殊部隊が攻め込んだ際には数時間で台湾へ行く予定(笑)らしい「普天間基地にいるスーパースタリオン」のヘリ部隊が、何ていう部隊なのか知っているでしょうか?中国軍の台湾侵攻に備えて、常時何機待機しているか、ご存知でしょうか?
もし、お分かりになれば、是非ともご教示願えればと思いますな。


パキスタン海軍にとっては、そりゃあ「タダで燃料をくれる」海自の協力があれば、嬉しいでしょうな。そんなの当然。しかも、米国から「日本が給油を止めたら、今後はオマエの自前な」と言われりゃ、米国から「ここはひとつ、日本に給油を止めないで、と一発言っておいてくれよ」と求められれば、即、応じるものと思いますね。だって、そういう立場なんだし。

大体、パキスタン海軍の稼動可能な英海軍の中古フリゲートがそんなに重要かというと、そうでもないとしか思えないわけで。月に2回程度の給油であれば、1隻か2隻程度に給油しているに過ぎないんだし(ゼロの月もあるけどね)。海上の阻止活動とかよりも、どう見たって陸上で起こっているパキスタン国内のテロの方が、はるかに重大としか思えないですけどね。

そういえば、米軍は給油回数が少ない割りに、やたらと給油量が多いのな。それは、かなりの大型艦に入れてるからですか?
米軍以外の補給艦よりも多い量の給油を受けているのはどうしてなのかよく知りませんが、かなりデカイということなんでしょうか(笑)。そうであるなら、パキスタンが助かるとか言う以上に、一番給油量を多く受けた最大の利益享受国である米国にとっては、「ああ、タダの燃料が無くなって残念だな」ということになるんではないでしょうかね。

ほら、給油活動が一時中断したときがあったじゃないですか。
あの時なんかは、バーレーンにある米軍の司令部(基地?)から叩き出された、だったか、もう自衛隊には何にも教えてやらん、とか、かなりイジメられたっていうような報道が流布されとったじゃないですか。
だったら、給油活動が停止されるわけですから、もっと酷いイジメか嫌がらせに遭いそう、と、普通は予想するわけですよ。

なので、今月に止まった後に「日本の自衛隊は、きっとこんな目に遭う、こんなことになってしまい、日本は世界中から孤立する、完璧なジャパンナッシングの完成だ」とか、大騒動になるはずじゃありませんか?(笑)
日米同盟は終わった、とか、大問題になるんじゃなかったですか?

そういう脅しやマヌケ解説を繰り広げていた日本の政治評論家だか安保専門を謳う連中は、いま、一体どこでどうしていて、どんな解説をしてくれるのかね、という話なんですわ。