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カート・キャンベルのブリーフィング(笑)

2010年01月08日 18時12分53秒 | 外交問題
なんという偶然でしょう!(笑)

昨日の記事で、

『もし「長官が駐米大使を呼びつけた」というのが本当なら、国務省の公式HPでキャンベル氏の公式会見を開いて、そのように海外メディアの前で公表できるはずだ。その形跡がない限りは、信用できない。』

と書いたら、その数時間後にブリーフィング開催だったそうで。

こんなにタイミングよく、滅多に開かれない「キャンベル国務次官補のブリーフィング」が開催(広報担当のクロウリーさんはほぼ毎日だけどね)されるとはね。偶然とはいえ、驚いた。
まさか、釈明とか、言い訳会見みたいなものではありますまいね?(笑)


1/7のクロウリー国務次官補の発言を見てみましたよ。
Remarks to the Press

すると、次のようなやり取りがあったそうです。

○QUESTION: P.J., can I just ask you a quick question on that? In November, the U.S. and Japan agreed to review the alliance.
What - can you tell us what the status of those talks are, to kind of review the U.S.-Japan alliance and if the Futenma issue is -

○MR. CROWLEY: Tell you what. Why don't - I believe Assistant Secretary Kurt Campbell this afternoon will be at the Foreign Press Center, having a detailed briefing. Perhaps - let's see what -

○QUESTION: On this same subject?

○MR. CROWLEY: On the trip.


へえー、海外プレスセンターで開催でしたか(笑)。
ぼくの書いた「海外メディアの前で」云々というのは、「日本人記者以外」ということでして、それは主に米国人記者というのを想定していたのですが(勿論、その他の国の記者でもいいのですが)、米国から見れば「米国内の記者」というのが海外メディアとは言わないんだな、とか、チラッと思った。そういうつもりではなかったのですけど、これはまあいいか。


で、1/7の国務省HPには、キャンベル国務次官補の会見内容が掲載されていないわけなんですね。おかしいですね。記録がない、なんて。キャンベル次官補の会見記録がないのですよ。それとも、明日には公表されるのかな?

Press Releases: January 2010

口頭でのやり取りで、記録が公表されないと、日本国内の記者団が記事を配信しても、信頼性に欠けるわけなんですよ。クリントン長官と岡田外相が会談しますよ、というような予定は、クロウリーさんが既に発表しているし、報道されてる内容についても特別に目新しいものでも何でもないですよね。


ぼくが言ったのは、「クリントン長官が藤崎駐米大使を呼びつけた」ということを、カート・キャンベルさんの口から公表し、国務省の公式HPでそれが確認できる必要がある、ってことですよ。それが本当なら、昨年12月22日のクロウリーさんの会見は「間違っていた」ということで決着がつくわけですし。本当に、クリントン長官が「日本の大使を呼びつけ文句を言う」なんていう異例な対応をしたんだな、ということも明確になるわけです。それを求めているのであって、別に無理矢理ねじ込んだような12日のハワイ会談の中身について、知りたいということではありませんよ。そんなのは、クロウリーさんの広報だけで十分です。

キャンベル国務次官補の会見内容には、「藤崎大使を呼んだのはクリントン長官」ということはなかったみたいです。

時事ドットコム:普天間、「前進」要請へ=12日の外相会談で米長官


結局、誰が呼んだか、というのは確かめようがない、ということですわな。


因みに、クロウリーさんに質問した人は、上に例示したごとく、昨年11月に、日米は「安全保障の”review”に合意した」と言っているわけです。米国内の記者たちの間では、そういう認識になっているのでしょうか?
だとすると、普天間問題にしても "review"の延長線上、ということになるわけで、reviewに日米は合意した、ということになっているなら、自民党時代のロードマップなんて正規の協定でも何でもないのだし、再検討したって問題なんかないじゃないの。それを、後になってから「やっぱり、辺野古案で」ということに米国側が戻した、ということなんじゃないですかね?

これは、国務省の大いなる方針転換というやつなのでは?
いくら鳩山政権の意図を読み違えた、とか言ったって、こんなに大きくハズレはしまい?
一体、どこのどいつの説明を受けたら、こんな大きな間違いになるのか?
よっぽど頓珍漢なヤツの書いたレポートでも読んだか?


何故そうなるかといえば、正しく日本語を理解できる人間がいないから、なのではないか?
まるで機械翻訳みたいな日本語しかできないと、日本側で書かれている内容が正確に理解できていないのではないのか。それとも、日本語文献を無視して、タコ識者やトンデモな解説や理屈ばかり書いている日本人の英語文献でも読んでしまったのではないか?そういうのばかりに目を奪われていたら、正しく判断できていなかったのではないか?


米国人記者たちは、沖縄に海兵隊のどんな部隊が配備されているかなんて、全然知らないんだよ。
ヘリ部隊は、ハワイかグアムに集結させられるのだよ?
それなのに、どうして代替飛行場が必要になるんだ?
僅か数機の給油機の為だけに必要か?
永続する固定化施設を必要とすると思うか?


真実を知らなさ過ぎる。
米国人記者たちは、日本のことも、沖縄のことも、殆どが知らないだけなんだ。
だから、考えることができない。
正しく判断する材料さえ、多くが持ってない。
だから、日本に文句だけ言う論調の新聞記事が量産される、ということかな。

米国人記者たちよ、まず知ることからはじめよ。



ああ、追加ですけど、
1/10から始まる予定らしい「普天間基地の補修工事」の件だけど、どうなったの?P.J.(←クロウリー国務次官補のこと、フィリップ・J、だから、何度も会見要旨を読んできたら、クロウリーさんに親愛の情が湧いてくるのが判る気がする、笑)は触れてなかったし、キャンベルさんは工事を進めるぞ、とか言ったりしましたか?
外務省に連絡はあったのでしょう?
外務省は何て説明しているんですか?何ら音沙汰なしですか?(笑)

変ですね。
もう直ぐ10日が来てしまいますけど。
沖縄県の方には連絡が来てるんですか?


誰かはウソを言ってる。
日本の報道機関?
外務省?
海兵隊?

それとも、工事中止ですか?
米国政府は損害賠償金を未払いだ、と指摘されてしまったからですか?



続々・日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか~カート・キャンベル国務次官補を巡る疑問

2010年01月07日 18時13分02秒 | 外交問題
遂に「本尊登場」ということでしょうか?
「読売新聞の単独会見」ということらしいです。公式会見ではなくて?
何故、単独会見なんでしょうね。

今朝の読売に出た記事ですが、ネット上では見つけられないので、以下に一部引用します。


=====

米国務次官補会見要旨

【普天間移設】
米国は、日米合意の履行という迅速な決断を求めている。日本からは、もう少し時間が必要だと聞いている。首相と彼のチームが日米関係のために「責任と信頼」の精神を堅持すると信じる。(「私を信じて」という首相の発言は)普天間問題の間違いのない対処を含め、この関係を強化・維持する、という表明だと受け止めた。(負担軽減策は)完全に一体として扱われることが重要だ。一定の軽減を調査・検討する用意は当然ある。

【大使呼び出し】
こちらから呼び出した。クリントン国務長官が大使クラスと会談することはほとんどない。しかし、普天間に関する米国の考え方を直接伝えるため、長官が呼んだ。

【海兵隊グアム移転】
普天間に関するプロセスの前進がない限り、グアムもそれ以外も、これ以上進めるつもりはない。

=====


とりあえず、キャンベル氏の会見コメントはおいておく。
以下に個別の論点を見てゆくこととする。


①普天間の補修工事について

年末のコレね>普天間補修は差し止めろ

その後、工事の説明等はあったのか?
海兵隊の公式HPには、この発表は見つけられませんでした。プレスリリースにもありませんでした。

さて、本当に海兵隊が工事をするよ、と言ったんでしょうか?
おかしいですね。公式発表の形跡が残っていないなんて、ヘンじゃありませんか?(笑)
工事すると言ったのは、本当は誰だったんですか?
海兵隊広報部ですか?その担当者は誰ですか?

日本の特定報道機関が作り出したニセ情報とかいうことではありますまいね?


②普天間代替地は「20分以内」説

ワザとらしいコレ>普天間基地の重ヘリ中隊は何という部隊?(訂正部分あり)

よく知らんけど、共同通信だけの「特ダネ」らしいですぜ。
他がどこも報じてないみたいですから。ふーん、何でだろうね?
これも海兵隊の公式HPには掲載されていませんな。そんな「軍事上の見解」なんて発表されてないみたいですけど。まあ、ネット上に掲載するとは限らんから、口頭で敢えて証拠を残さないように言いました、ということかもしれんがね。

で、沖縄から岩国は、「ヘリで20分以内」なのか?(笑)
HMH-463は沖縄に20分で行けると?

カネオヘはどうですか?
HMH-362、HMH-363は沖縄に20分で到達できると?

グアムはどうでしょうか?20分ですか?
HMM-262、HMM-265はグアムに移転した後も20分で来るわけですか?(笑)

もし、本当に「ヘリで20分以内」という軍事上の制約が「最重要」ということなら、他には転出させたり移転対象としたりはできんわな。そんなことは、共同通信さんには判りっこないだろうけど。

おかしいですね。
そんなに「20分以内」という要件が重要であるなら、ヘリが他に行くなんてことは矛盾するんじゃないですか?

調子のいい情報操作の類ってヤツですか?


③藤崎駐米大使は誰が呼んだか?

読売の特ダネみたいですけど、キャンベル国務次官補は「長官が呼んだ」と言った、と記事にしているわけです。
んー、ならば、どうしてクロウリー国務次官補はブリーフィングでウソを言わねばならなかったのでしょうか?

日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか

クロウリーさんは、「キャンベル国務次官補とクリントン長官に会いに立ち寄った」ということで、彼(藤崎大使)は向こうからやって来たんだ、ということを言ったわけですな。当時には、そういう説明だったのに、ここに来て今度はキャンベルさんが否定して「長官が呼んだ」ということを言った、と。つまり、誰かはウソをついている(笑)。

考えられるのは、外務省の北米局とキャンベル方とが結託している、という場合だな。
そうすると、合点が行くわけなんですよ。

元々は、キャンベル国務次官補が来日して、ゲーツが来るまでの地均しをして帰ったわけでしょう?
やけに「期日を区切れ」ということになったのは、11月からですからね。
つまり、キャンベル方と北米局1課が「下絵」を描いて、ゲーツに「オバマ大統領来日までに答えを出すように」迫らせたというわけですな。外務省は、過去の「汚点」が蒸し返されるのを恐れたんでしょうか?まあ、ロクでもないことをやってきていた可能性はあるので、そうすると、利害関係が一致する人たちは「同じ船に乗る」ということになるわけで。

外務省はマスコミを動員して、情報操作の加担をやってきたというわけだ。フムフム、なるほど。
そうであれば、
 キャンベルさんが呼んだことにして、クリントン長官に面通しの手引き頼む
→藤崎大使(外務省)は会見をセッティングし、マスコミに大々的にアピール
→クリントン長官に怒られた、ということを「演出」できる
ということになるわけで。
この経緯を知らないクロウリーさんは、「いや、向こうからやってきた、長官も呼んでないし」という事実を答えてしまうわけです。
だって、クリントン長官が呼んだわけではないし、クロウリーさんから見れば「立ち寄った」程度としか思ってないはずですよ。

でも、本尊のキャンベル次官補の所に来て、クリントン長官に数秒でも顔を通させると、「目的達成」ということになるわけで。外見的には、「カート・キャンベル国務次官補とクリントン長官に会いにきた」という事実は残せるわけですからね。しかも、読売だけが「長官が呼んだ」と報じたとして、情報源はキャンベルさんで、公式会見でもないなら「証拠は残らない」し海外メディアに嗅ぎつけられないなら、どうってことないからね。もし「長官が駐米大使を呼びつけた」というのが本当なら、国務省の公式HPでキャンベル氏の公式会見を開いて、そのように海外メディアの前で公表できるはずだ。その形跡がない限りは、信用できない。


また、米政府高官(誰かは不明)は幾度か「激怒している」という脅し文句を使ってきたらしいのですが、
 ルース駐日大使、オバマ大統領、クリントン長官
ということで、何度かやったけれども、思ったより効果を挙げなかったので、「テレビの絵」的なインパクトやマスコミに語らせるという手法を使った、ということですな。こうした準備工作は、主に日本の外務省北米局の1課が中心となってやっていたのではないか?

で、年明けには、外務事務次官、自民石破ご一行、読売記者、などの、「ちょうちん行列参加者」たちが、「キャンベル詣で」にでも行ってきたわけですか?
そうすると、カート・キャンベル国務次官補の単独会見の報道も、なるほどピッタリ一致してますね、ということが手に取るように判るわけです。

現実には、沖縄の海兵隊の方は何らの関係もなくて、政治的工作に振り回されているだけなのではないのか?
だとすると、海兵隊公式HPに工事予定が何も書かれていないことなんかも、辻褄が合うわけなんですわ。


④カート・キャンベル国務次官補は強硬な「辺野古移設」論者なのか?

確かに、昔のSACOに関与していた経歴はあることはあるみたいですね。
でも、必ずしも県内移設とかを求めていたわけでもないのではないですか?

(以下、記事の引用部は『』で示す)

◎1998年3月>普天間移設非公式協議 98年3月当時、米「県外可能」を伝達 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
キャンベル氏は次のように述べていた。

『キャンベル国防次官補代理:それは違うのではないか。事実は、日本政府が、沖縄以外で海兵隊のプレゼンスを支える基盤を米側に提供することが政治的に不可能だ、ということだろう。日本側の政治的事情と米側の作戦上の理由を混同してはならない。

防衛政策課部員:仮に日本政府が北九州や四国なりに適当な基地や厚生機能など軍事インフラを提供すれば、沖縄の第3海兵機動展開軍(3MEF)は、そこに移駐することが可能か。

キャンベル氏:当然だ。沖縄以外にそのような場所があれば、われわれは瞬時に移駐を決断するであろう。』


◎2000年12月>基地の分散化必要キャンベル氏が講演 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

『「アジア全体の平和安定の意味からは、柔軟性が必要だ。(在沖基地や兵力の)分散化も情勢の変動に併せて考える必要がある」「一つのかご(沖縄)にあまりにも多くの卵(米軍基地)を入れている。戦略的に柔軟に対応することが負担軽減につながる」と述べ、沖縄の過重負担の軽減に向け、米軍の訓練や兵力のアジアへの分散を推進すべきであるとの考えを示した。』


◎2004年12月>キャンベル氏 「辺野古移設」見直しを - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

『辺野古以外の選択肢については「県内、日本本土、アジア地域、米国といろいろな選択肢がある。しかし沖縄の負担を減らす必要からも県外に移す選択肢を考えるべきだろう。1996年のSACO合意から大きな変化があった。沖縄への対応もこの変化を反映しなければいけない」と述べ、県外や国外移転の必要性を説いた。
SACO合意当時と現在との違いについては「テロとの長い戦いやイラク戦争などがあり、米軍を取り巻く状況は大きく変わった。当時は沖縄の海兵隊がイラクに行くことなど考えもしなかったことだ」と述べ、米戦略の変化を挙げた。
米軍再編による海兵隊の削減の可能性については、在沖海兵隊の多数がイラク派遣されている現状に触れ「多くの海兵隊やほかの軍が他の地域に駐留したり訓練することの選択肢は可能だ。私たちはワシントンのグループでいくつかの選択肢を検討している」と述べ、海兵隊の沖縄駐留の必要性が薄くなっているとの認識で対案を検討していることを示した。』

つまりキャンベル次官補は、一貫して、「辺野古案」ということへのこだわりはない、という姿勢や考え方が垣間見えるわけです。むしろ、日本の政治家や外務省官僚の叱咤さえしている。「海兵隊の沖縄駐留の必要性が薄くなっている」という認識なのは、キャンベル氏だけに留まらない、ということ言っている。


どうして、米国側がやや態度を硬化させたのか、というのは、正確には判りませんが、あるとすれば、外務省の連中が良からぬニセ情報を吹き込んだり、あることないこと並べて騙そうとしているか利用しようとしているといった、北米局の策謀があるのではないのか?
日本の鳩山政権や一般国民が全然言ってもいないようなことや望んでもいないことなんかを、意図的に捻じ曲げたり、ありもしないような情報を流し込んで、キャンベル氏その他の知日派さえも騙したりしているのではないのか?


何故なら、外務省を守り、過去の失敗を隠そうとする為とか、マスコミも噛んできたことがバレると困るからとか、つまらん動機や理由で、日本の外交が壊されようとしているのではないのか。




普天間基地に重ヘリ中隊は存在してるか?

2010年01月07日 14時26分22秒 | 防衛問題
結局、振り出しに戻る、ですか。
いもしないヘリ部隊の役割やら、軍事的意義の解説やらがあっても、あんまり役立たないとしか思えませんけど。
台湾有事がどうの、中国軍の特殊部隊が侵攻するだの、色んなもっともらしい理屈を並べてみたけれども、問題はハナからそういうことではなかったのではないか?


昨日には読めなかった海兵隊の公式HPが読めました(どうしてなのかな?)。
英語版も読めるようになりましたので、一応、調べてみたんですよ。


そうするとですね、普天間基地に以前はいたであろう、HMLA-369の軽攻撃ヘリ部隊も何処かに行ってしまったみたいで、普天間には残ってないみたいなんですよ。シーコブラだか、恐らくそういうのだろうと思いますけれども、UDPで来ていたのが戻ったんでしょうね。

第36海兵航空群の残りは、MALS-36(ロジ中隊)、VMGR-152(給油中隊)、で、やっぱりHMM-262とHMM-265の”中ヘリ中隊”ですわな。
岩国からハワイへ移したって、前に書いた(朝鮮半島有事の際における邦人救出)けれど、やっぱりカネオヘに移動していたみたですよ。第24海兵航空群のHMH-463中隊は、既に岩国にはいないようです。やっぱり、米軍の元々の公式HPを見ると、ある程度情報が判るというものですな。

で、台湾有事の際には、重ヘリで出動ですか。
軍オタの方々は、是非とも "based on facts"でご議論をお願いしたいですな。
彼らの「当然の理屈」は、本当に「事実」なんでしょうか?
「当たり前のこと」とか豪語している連中に、本当にその立証や説明ができるんでしょうか?


配備されてない幽霊部隊だかシャドー部隊でもあると言うのかもしれません。
まあ、軍の極秘任務につき、たとえ配備されていても意図的に伏せてある、とか、特殊コマンド任務遂行の為敢えて非公表としている、とか、言い訳だけなら色々と可能ではあるでしょうけど(笑)。

英語雑誌に書かれたというだけの筋の悪い「架空戦記もの」みたいな話を、これほどまでに有り難がるという気持ちは理解できませんね。確かにボクも英語は超苦手だから、本文を読むのは苦痛なんですけれども、少なくとも自らの頭で考えてみようとは思いますけど。
しかし、かなりの数の軍ヲタの方々はそうじゃないらしいですな。


多くの軍ヲタの残念なところは、マスコミの情報操作と同じで、いつまでも過った情報が流布され続ける、ということですわな。
誤りが見直されないし、認識を改めるということもない。
つまりは、「●●の壁」みたいなもんですわ。

そういうのが永続するわけだ。


例えば、「給油活動が停止されると、日米同盟は崩壊する」とか、散々喚いていた連中がいましたよね?
あんなに大騒ぎをしていたにも関わらず、給油活動停止後のことについて、何か報じられていますか?今は、殆どが普天間基地問題しか取り上げられていないでしょう?別な国が給油艦を派遣するとか、そういう話はどうなのか、全然報道されないわけなんですよ。

そういうことなんですわ。

結局は、都合よく利用されているだけに過ぎない。
外交、防衛関連の利権者たちの、恰好のネタということだ。



普天間基地の重ヘリ中隊は何という部隊?(訂正部分あり)

2010年01月06日 10時51分15秒 | 防衛問題
そもそも、海兵隊の重ヘリ部隊は残っているのか?(笑)

台湾有事云々という説明も、米軍そのものが「そういう配備をしていません」ということなら、根底から崩れ去るだけではないのか?

かつて、普天間基地には第361重ヘリ中隊がいたらしい。墜落事故とかの時の所属が、そういった説明であったみたいですから。
で、イラク戦争の時に派遣されたのが、この361中隊だったみたいです。

そうすると、現状で残っているヘリ中隊は重ヘリ(スーパースタリオンとか)ではなくて、中ヘリ中隊なのではないのか?
ならば、ヘリの性能や航続距離なんかは違いが出るのであって、説明の前提は変わってしまうのではないのかな。


もし、今現在も普天間に重ヘリ中隊が配備されているというのであれば、それは何という部隊で、スーパースタリオンが何機配備されているのか、判るのではないのかな。イラクから戻ってきたんでしょうか?361中隊は。


宜野湾市の資料では、ヘリ中隊で残っているのは、HMM-262およびHMM-265みたいにしか見えないですが。

091211_市長説明資料


第36(←※ごめん、これ間違い。第24航空群でした、読み替えて下さいね。1/7)海兵航空群のHMH-362、HMH-363はカネオヘにいるみたいですし。普天間に残るヘリは、コブラ系の軽攻撃ヘリということみたいです。他は給油機みたいですけど。移動用の汎用小型ヘリとかは残ってるかもしれませんが、スーパースタリオンみたいな大型ヘリが「台湾有事」に対応すべく残っているのか、というのは、疑問なのでは。
つまり、HMMの部隊が移転してしまえば、兵員を輸送するヘリという運用方針そのものが疑問、ということになるのではないか。



ちょっと追加ですが(13時頃)。


他の報道記事は出てないみたいなんですが、取り上げておく。

海兵隊「ヘリ部隊は20分以内」 普天間めぐり見解 - 47NEWS(よんななニュース)

(以下に引用)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設候補地をめぐり、在沖縄米海兵隊は5日までの共同通信の取材に「普天間のヘリコプター部隊は移設後も、一体運用する地上部隊と飛行時間で20分以内の近接距離に配置する必要がある」との軍事上の見解を明らかにした。

 海兵隊の航空部隊と地上部隊を直結させる即応性の観点から、現行計画通りキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)への移設が最善との考えを「20分以内」という具体的な数字で示したもの。

 地上部隊は沖縄本島のキャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブに駐留。政府与党内では普天間の航空部隊を下地島(同県宮古島市)へ移す案も浮上しているが、同島から北東へ300キロ以上離れた本島に、ヘリが20分で到達することは不可能で、海兵隊の見地に立つならば下地島への普天間移設は極めて困難だ。

 海兵隊報道部は「海兵隊は海、空、陸の各兵力が統合的に訓練され、戦闘する組織だ」とした上で「普天間代替施設は沖縄本島か、その沿岸部に配置されなければならず、日米同盟の能力を維持するには辺野古沿岸部への移設がベストだと確信している」と強調した。

=====


なるほど。本物の海兵さんがそう言った、と。

では、問題です。
・揚陸艦が配備されるのはどこか?
・重ヘリ部隊が配備されるのはどこか?
・中ヘリ部隊が配備されるのはどこか?
・AV-8Bが配備されるのはどこか?
・FA-18が配備されるのはどこか?

沖縄以外に配備されるなら、そっちに持ってゆくとよい。


普通に考えて、グアムに移転するのが一番陸海空の連携が取りやすいではないか。それがどうしてダメだと言うのか?
海兵の地上部隊の大半は元々移す予定であったのだし、ならば少しばかり残して分散配置となるよりも、いっそのこと移した方がよいのではないか?

イラク戦争時に沖縄から派遣されて、在沖海兵隊の規模そのものは既に縮小が始まっていたのだし(これは在韓米軍も同様)、今後に8千人級でグアムに移転させると、沖縄に残る数はせいぜいが5千人以下、再編での削減が推進されるともっと減少する可能性もあるではないか。

MEU編成は在沖海兵隊ではできないのだから、重要度は低下する。
ESGは揚陸艦等の総合的戦力が必要なので、これもグアムに分があると思うが。
1個海兵連隊程度の地上戦力が残るからといって、グアム以上の運用が考えられているとは思えない。

そんなことするくらいなら、海兵ヘリ部隊の多くいるグアムの「20分以内(笑)」の距離に移転したらいいんじゃないか?
だよね?
第1海兵航空団が移ってゆくグアムの、20分以内の距離に地上部隊も行けばいい。

それが、専門家の見解なんだから。




さすがアメリカ海兵隊

2010年01月06日 09時47分40秒 | 俺のそれ
米海兵隊の方では、どうして僕のIPアドレスとか判るのかな?

何度もトライしてみたけど、どうやらアクセス拒否に遭っているみたい(笑)。海兵隊のHPを見ることができないんだよね。
それとも、海兵隊は都合の悪い情報がバレると困るので公式HPを削除しちゃったとか?(笑)


これまでに、一度も公式HPにアクセスしたことすらないのに、こっちのアドレスとかが判っているのだろうか?

既に危険人物登録でもされているとか?(笑)

僕が反体制的な人物とか、反米的思想傾向を有する危険人物という判定でもされたのか?だとすると、今後米国への旅行なんかを計画すると、入国拒否にでも遭うのか?


まあ、向こうの調査能力なんかをもってすれば、いとも簡単にIPアドレスを割り出すことなんて可能でしょうから。

あれですか、公式HPにアクセスされて、読まれると困ることでもあるんですか?情報を知られると、色々と困るというような不都合でもあるんですか?

そういう場合なら、HPへのアクセス拒否も判るわな。
僕には読ませたくない、と。
ふーん、そうですか。
読まれて困る人には見せないぞ、というのが、情報操作先進国なんだそうです。


これが、米海兵隊の真実、ということですか。

在日の海外記者とかは、こういうのをどう思うのか?


ところで、10日から始まる普天間の工事はどうした?
米海兵隊のお金を自腹でやるんですか?
工事費用は持ち出しですか?

それは極めて異例、超珍しいですな。
クリントン長官に藤崎駐米大使が呼びつけられた、というのと同じくらい異例ですな。クロウリー報道官が「呼んでない、向こうからやってきた」とはっきり否定していたのにね。日本の大手新聞は「呼び出された」と頑なに情報操作に加担しているけどな。


ちなみに、在日米軍基地の海兵隊施設関連の工事に、海兵隊自身が費用を払ったことがありますか?
それはいつ払いましたか?笑

米国人記者なら調べられるだろうし、米軍もきちんと答えるだろうから、是非調査することをおすすめしたい。真実を知ることが必要なのは、日本人もそうだが、まずは米国人の知識層だろうね。



スキポールで透き通る

2010年01月05日 14時14分26秒 | 社会全般
何となく、ダジャレ。
ごめんね、年始早々のオヤジギャグで。

スキポール空港、全身透視スキャナー60台を追加導入(ロイター) - Yahooニュース

テロ対策検査だそうで。
全身が透けると、体型とかもバレバレになるってことかな?

監視している検査官は、「おっ、超ボインだな」みたいに内心喜んだりして、これはイカンとか反省したりすることになったりしないのだろうか。

発想が既にオヤジである(笑)。



「中国軍特殊部隊による台湾攻撃」という愚、の補足編

2010年01月05日 13時41分51秒 | 防衛問題
また追加されたみたいなので、書いておくよ。


参考までに、当人がどう考えているのか知らないけれど、香港とかチベットを例示しているような人たちがいるとは驚いた。何がどう同じで、何が違うのか、比較検討することをおすすめしたい(笑)。

はてなブックマーク - 中国の斬首戦略と台湾侵攻シナリオ 週刊オブイェクト


「ソースだせ」というのがお約束らしいですが、参考に提示された雑誌記事を見ました。
どんな文献であろうとも、都合の良い部分だけを切り取るというのは基本的テクニックらしいので、別にいいんですがね。


で、沖縄の海兵隊が数時間内とかにヘリで投入されるとは書かれていないわけですな。
記事中の記述では、次のようになっているわけです。

『The US Marine Corps has seven amphibious assault ships in the Pacific equipped with a variety of helicopters, fighter aircraft and assault troops. These are basically self-contained invasion forces. There are the USS Tarawa, Belleau Wood, Peleliu, Essex, Boxer, Bon Homme Richard, and Iwo Jima. Basically mini-aircraft carriers with an attitude, the Tarawa, for example, can carry four AH-1 Sea Cobra attack helicopters, six heavy-lift CH-53 Stallion transport helicopters, 20 M-60 tanks, 29 light armored vehicles, 29 AAV-7 amphibious assault vehicles, and 1,900 men of a Reinforced Marine Battalion. 』

(拙訳)
米海兵隊は太平洋地域(軍?)には、各種ヘリ、戦闘機や強襲部隊を搭載可能な7隻の強襲揚陸艦を有している。これらは基本的に自己完結的侵略部隊である。タラワ、ウッド、ぺリリュー、エセックス、ボクサー、リチャード、そしてイオウジマ(正式名称はよく知らないので簡略化しています)がある。タラワは、基本的に姿勢制御できる(垂直離着陸できる、ということ?、それとも機体形状を変形(艦載機にある翼が折れるとか)できない単一形態というようなこと?、よく判らん)小型作戦機、例えば4機の「AH-1 シーコブラ」、6機の「CH-53 スタリオン」、20両のM60戦車、29両の軽装甲車両、29両のAAV-7 水陸両用強襲車、そして1900人の強化海兵大隊を搭載できる。

=====

軍事用の専門用語などの決まりがあるのでしょうけど、英語文献を読む機会はなかったので、よく知りませんから、かなりおかしな訳語があるでしょう。でも、大体の意味合いはつかめると思いますので、敢えて嫌いな英訳をさらしてみました(笑)。
海兵隊の記述については、航空機や揚陸艦の一般的説明が長々となされているだけであり、別に沖縄海兵隊がヘリですっ飛んで行きますよ、というような説明は見当たりません。


他の部分においても、沖縄の海兵隊がヘリで駆けつけるというような説明はなされていませんね。端的に言えば、「中国側が恐れているのは米軍の航空戦力」であり、その作戦機としては、艦載機もあれば、岩国や沖縄等に配備されている航空機もある、ということが言われているだけです。

また、中国側の作戦時間としては、数日間―想定シナリオでは7日間―というふうに触れられていますから、沖縄から海兵隊が数時間で到達できることが必須要件としては考えられていないでしょう。その説明は皆無です。


また、筆者自身が断りを入れているのが次の部分です(下段最後の方)。

『Of course, this is only a scenario based on selected facts and seasoned with conjecture. Speculation about what China could do and what it will do are rarely comparable. 』

(拙訳)
もちろん、これは(意図的に)選択した事実と”味付けされたあて推量”に基づいた単なるシナリオである。中国が実行可能であることと起こりえることについての推測としては、比較的(orどちらかというと)稀であろう。

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(「” ”」部分は、当方の強調です。本文にはありません。)


つまりは、まず滅多なことでは起きないね、実行可能とも言えないかもね、というようなことであって、だから何遍も言うように、「滅多に起こりそうにもない事象についても対策をせよ、稀にしか発生し得ないことさえも防止せよ」と求めるのと一緒なのですよ、ということでは。

参考記事>沖縄海兵隊はソマリアの二の舞を望むのか



そもそも、軍オタの多くがこういった「架空戦記もの」っぽいシナリオを散々バカにしてきたのではないかと思いますが(笑、調べてないから判らんけど)、雑誌記事に書いてあった、というレベルの代物であるなら、例の産経新聞記事(コレね>意味のない防衛計画~「クラスター爆弾」について(追記))さえも正当化の根拠として挙げることが可能になってしまいますわな。


産経新聞記事について非難するのであれば、同じく、この英文記事についての批判が出されても不思議でも何でもないわけだが。

それとも、英文の文献であると無条件に「正しい」「妥当」「合理的」という評価判定である、ということなのかな?


まあ、ソースはあるよ、とか、論拠を強化する文献は存在するよ、というのを提示したとしても、それは、必ずしも正当化できることにはならない。経済学の文献だって、ピンキリなのと一緒だよ(笑)。問題は、中身。何が書かれているか、ということである。それは、日本語だろうと英語だろうと、妥当ではないものはそういう評価が下されるのでは。



「中国軍特殊部隊による台湾攻撃」という愚(追加あり)

2010年01月04日 17時30分59秒 | 防衛問題
またまた、オレの妄想とか架空戦記シナリオみたいな話が登場ですか。まあ、そういうのは嫌いじゃないからいいんだけどさ。

コレね>はてなブックマーク - ヘリコプターの進化と沖縄海兵隊ヘリ部隊の合理性 週刊オブイェクト


起こってないことを想定するのは、それなりに理由というか考える道筋のようなものがあるわけである。その過程に問題点があるとか不合理な部分があるとか、そういうことを考えてゆくのが普通であろう。しかし、何故か「都合の悪い部分は考えない」という人たちはいるわけである。いやまあ、自分を振り返ってみても、そうではあるのだけれど、あんまり意味のない想定をするのは効率的とは申せまい。

以下、個別の論点について考えてみる。


①台湾は正式には国ではない

最も重要な部分がこれ。
国際的には承認されていない。簡単に言えば、宙ぶらりんの曖昧な地位にいるのが台湾である。中華人民共和国と中華民国の言い分のどちらが正しいか、正当性があるか、というのは定かではない。ただ、外見上の中国というのは中華人民共和国政府であるように見られている。安保理は現実に中国がイスに就いているわけである。

台湾が国際的に正規の承認を受けた国家ではないことは、誰しも知っている。
けれど、実効支配は戦後の台湾政府(とりあえず今はこう呼ぶ)が行ってきていて、WBCの代表チームも中国と台湾で別々であるし、五輪なんかも中華台北とかいう名称で出場している。

海外における多くの識者は、中国と台湾が一つの同じ国家であるという認識は正確にはもっておらず、基本認識としては別々な国のように見ている。ただ、国際関係の正規の立場からいえば、やはり明確に決着がつけられているわけではない。


②中国人民軍は台湾解放軍ではない

仮に、中国が台湾に特殊部隊を送りこもうという場合、中国は台湾に新たな独立政府を樹立させたりする必要性がない。何故なら、そもそもは「一つの中国」なのであり、台湾は中国領であるという認識だからである。なので、台湾を軍事的に占領支配したとしても、それは「国内での活動」という立場をとるのであって、別に台湾を独立させるとか、新たな政権を樹立するなどという手続を必要とするわけではないし、そういう意図も無意味である。

なので、仮に台湾政府中枢を崩壊させ、中国が軍事的に占領支配を完結できたとしても、それは「中国国内の出来事」に過ぎない。すなわち、中国が台湾に傀儡政権のようなものを樹立するという意図がそもそもおかしいのであって、あるとしても、完全吸収して大陸側と統一してしまう、というようなことだけである。


③介入側にこそ特殊部隊を送り込む意味がある

台湾に少数の米海兵隊や特殊部隊を送り込む場合、これには意味があるのである。どういう目的があるかといえば、例えば「新政府樹立」を宣言させ、国外に政府機能を逃亡・移転させる、というような場合である。つまり、中国人民軍が台湾に手出しした途端に、台湾政府に独立を公式に宣言させ、これを支持・支援するという名目や、中国人民軍による戦争犯罪や虐殺等が行われているという介入の大義名分をもって軍事的に台湾介入を行う、ということである。

よって、中国人民軍により台湾の政府中枢が攻撃されたような場合においては、適当に正統性のありそうな台湾政府要人を台湾から脱出させ、国外において暫定政権樹立とかを米国及びその他複数国の立会いなどで認めることとし、当該暫定政府との協定を米軍その他が締結して、台湾に本格介入するといったような手続を行う、というようなものではないだろうか。国家としての国際承認は戦後でも可能であるので、暫定政権さえ維持されればいいというようなことでは。

本当に即応というのが必要とされるのは、こうした事態の場合である。

現実には、軍隊派遣などの場合であると、安保理決議を経る手続が必要となるので、拒否権がある限り中国は反対できる。そうすると、米軍及びその他協力国の軍隊派遣は、国際法違反となり得る。中国側の主張としては、内政干渉であるということも可能である。現に、チベットに中国人民軍が侵出したといっても、米軍等外国軍は介入してはいまい?要するに、そういうのとほぼ近いのである。


④中国人民軍が台湾を占領支配する利益とは?

よくオタなんかが言うのが、中国には台湾に向けて発射できる大量のミサイルを保有している、というものがある。確かに攻撃可能性ということをいえば、そうなのだけれども、それを打ち込むと台湾の経済的価値は大幅に毀損される。また、軍事的占領政策が実行できたとしても、長期に渡る内政不安とかテロなどが頻発するようになることが予想されるので、台湾の価値はもっと低下することになるであろう。中国に対する世界的非難は大きくなり、大陸側の商売にさえ大きな支障を来たすようになるであろう。

そういったトータルの収支を予想するなら、台湾を軍事的に攻略して占領支配し、完全統一を目指す必然性というものはないだろう。何故なら、現在においても、台湾は中国であるということを他国に半ば強制的に認めさせていることに成功している、という背景があるからである。経済発展の協力を行う方が、双方にとって都合がよいのである。

もしも、本格的な世界制覇の野望のようなものを抱くのだとすれば、中国が世界経済から切り離されてもよいというくらいの、超強力な軍事力と経済力を持ったような時で、そういう世界制覇の野望を達成する為に足場をひとつずつ確保してゆこうというような場合なら、台湾を獲るかもしれない。遠大な「信長の野望」みたいなものかもしれんけど(笑)。台湾を獲れば、日本や南方のアジア圏攻略にも有利に作用する可能性が高まるから。果たして、そんな計画をもって長期的な軍事戦略を実行してくるのだろうか、という疑問はかなりあるわけではあるが。


⑤南オセチア問題とコソボ紛争

08年にグルジアが侵攻したことで軍事衝突が発生した。南オセチアも台湾とやや似ている問題である。

・グルジア→南オセチアの独立を認めず
・南オセチア→独立を宣言し別な政治体制を敷いている(一部国際承認)
・ロシア→平和維持軍として駐留、独立支持

グルジアが中国、南オセチアが台湾、ロシアがアメリカ、という構図であれば、ほぼ近いということになろう。
台湾は南オセチアみたいな状況にはないけれどもね。米軍が駐留しているわけではないから(笑)。

前記③で述べたように、台湾を分離独立させ、独立政府との協定などを締結・調印してしまうと、台湾に米軍が進駐することは可能となるだろう(2国間調印ではなく、あくまで複数国間というのが必要になる可能性は高いとは思うが)。即応とは、そういうようなことである。

コソボ紛争では、米国やNATOのとった軍事介入によってやはり独立承認ということになり、同じく台湾に独立運動を働きかけて独立させる、ということを可能にするのは米国等介入側ということになるわけである。中国軍ではない。


中国がもし先に台湾に仕掛けてしまうと、これを口実として正式に台湾の独立を宣言され、それが国際社会で承認されてしまえば今の「中途半端」な事態よりも悪化するということになってしまうわけである。
なので、中国人民軍側から先攻して、特殊部隊を送り込んで台湾政府打倒みたいなことをやってしまうと、「白黒決着をつけさせる」ということの誘因となってしまい、逆効果となりかねないだろう。


⑥アフガンの場合

ソ連が侵攻した時の話をする人たちはいるが、それは「侵攻(介入)側」の理屈である。現政権を転覆させ、新政権樹立に成功すると、軍事介入は正当化されるのだから。ソ連が去った後も、米軍やNATO軍が攻めていった01年以降であっても、同じく北部同盟などのうちから有力者をピックアップして暫定政権を作らせ、その政府との協定を締結するわけである。つまり、外部からの介入側にとっては、新政府を作らせる意味というものがあるわけである。アフガンの国内的に正統性のあったであろう「タリバン政権」を転覆させたのは、実質的に米軍やNATO軍ということになるわけで、特殊部隊云々という話はそういう事例だから、ということになろう。


◇◇◇◇


中国軍が台湾に送り込む場合というのは、立場が異なっているのであるから、現実の効力というのは別である。
例えば「内乱罪」とか「反逆罪」といった、「国内テロ殲滅」というような大義名分を正当化できる場合だけであろう。日本でいえば、四国が突如独立を目論んで自衛軍を結成し、武力で四国を封鎖するというような事態であろうか(笑)。そういう国内騒乱みたいなことが発生したということなら、多分日本中の自衛隊のかなりの戦力を投入して、「四国独立自衛軍」を攻撃することになるであろう。要するに、そういうような事態が発生しなければ、中国軍が軍事的に台湾を攻撃する意味というのは、殆どないであろう。


あるとすれば、前述のような数百年単位で目指す「遠大な信長の野望」計画とか、持ってる戦力を試したくて仕方のないような軽はずみな指導者のマヌケな命令とか、そういう特殊な場合くらいではないか。
いやまあ、「そういう人間が登場しないと言い切れるのか」みたいな大袈裟なご意見が出されやすいとは思いますがね。そういう稀な事態さえもカバーしろ、とか言う人たちはいるんでしょう。


追加:19時半頃

JSF氏よりTBを頂いたみたいです。前回同様、ウチのような場末のオメガブログにまでありがとうございます(笑)。
ついでながら、次の記事に書いたのをお読み下されば幸いです。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/7d79772814ba24140f739df02486c202



損害賠償金の支払い拒否を続ける米軍

2010年01月02日 11時55分51秒 | 外交問題
まさに”ゴネ得”の典型例みたいなのがコレではないかな。

衆議院-質問答弁


まあ、これが政府機関のやることかと思いますけれども、2ちゃんのナントカっていう、賠償金支払い拒否を続ける人みたいなのと一緒ってことですわな。裁判で答えが出されても、意味ないってこと。

損害賠償金を強制的に取立でもできない限りは、支払うのを拒否されるとどうしようもないってことだわ。ヤクザやゴロツキなんかと何ら変わりない。ヤクザ相手であろうと、強制執行なんかが可能な場合があるかもしれないが、まさか米軍に取立屋を向かわせるわけにもいくまい?(笑)

法治国家とか言うけど、そんなのはデタラメ。幻想に過ぎないわけですよ。結局は「暴力には対抗できない」ってことでしょうな。はっきり言えば、ただの「放置国家」。普通、国際社会では有り得ないでしょう?
歴史的に見ても、18世紀であろうとスペインだって賠償金を払ったりするわけで、そういうの以下なのが、現代における米国なのですね。


米国側の言い分としては、はっきり言えば「そんなもん、払うわけねーだろ、バーカ」ということですね。どうして日本にだけはこういうことが通用するのかといえば、米国が番長で日本はパシリだから、です。「ルール無用」とはこういうことを言うのかもしれません。ルールとは、法に拠っているのであり、そういう処理ができないというのが米国というわけです。

「ルール無用の●●に~
正義のパンチを……」

って歌があったな。


米国には払える金がないというわけでもないようで、普天間基地の補修に費用をかけるなら、まず、払うべきものは払ってから、修理なんかをすればいいと思いますけれども、こういうことを言うとまた「日米同盟が壊れる、米国が激怒する」とか囃し立てる連中が湧いてくるわけですな。

日米地位協定によれば、米国にのみ原因のある損害賠償であっても、日本側が25%負担し、米国は75%負担と決められており、本来的にいえばこれだけでも一方的に日本に不利なわけですよ。

ビルに事務所を構える「○○組」みたいな人たちがいて、近所から苦情なんかが出されて賠償しなけりゃならない、という時でも、ビルを貸してる家主が25%を負担するというのと同じですから。どうしてかといえば、○○組があるおかけで、おまえらはヨソの組員からは守られているんだからな、それくらいは当然だ、という理屈らしいですよ。

これはそういう契約になっているのだから仕方がなかったとしても、せめて75%を払うべきだ、というのはあるでしょう?
ところが、米国側は「近所のやつらの苦情は知ったこっちゃない、家主が代わりに払っとけ」と。そういうことが当然とされているわけです。

これが、国家のやることですか?(笑)

文明なんて、ウソっぱち。法なんかないのさ。まさに、世紀末状態(もう過ぎ去った話だけど)の、『北斗の拳』みたいなもんですか。頼りになるのは、おのれの拳のみ、と。「ハア~?聞こえんなあ~」とか言う、モヒカン頭の連中には、法なんて通用しないからね(笑)。実質的にはそういうのと一緒ですわな。


中国が襲ってくる、日本侵略を目論む、台湾を攻撃するだのと言い募る連中は、新聞だろうと軍オタだろうと大勢いるので、本当にアホかなとは思うね。軍事的に占領が成功できたって、損失の方が圧倒的に大きければ、やる意味なんかないんだよ。