先日行われた為替介入についてであるが、様々な意見が出されたようである。野田財務大臣はしてやったりの得意満面でコメントしていたが、新「菅内閣」の一番槍を自慢したかったのかもしれない。多分、野田大臣は「ボクだって、やる時はやるんだからね」という決意を示したのであろう。
さて、記者会見とかマスコミの一部論調の中には、「不胎化」というのを殊更論点として取り上げている向きもあったやに見受けられたが、これに対しては辛辣な意見があるようである。有力な日銀派エコノミストの代表格(笑)と思える短資系の人として、加藤出氏がおられるが、氏曰く「迷信」発言まで飛び出すわけですから、日銀総裁だとか財務大臣の記者会見なんかでお尋ねしていた記者諸君は立つ瀬がないですな。
>介入の非不胎化は日銀のリップサービス-効果は疑問、一段の圧力も - Bloomberg.co.jp
(一部引用)
ただ、介入の非不胎化か不胎化かという議論には、懐疑的な向きも多い。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「お金に色はないので、日銀当座預金残高のどの部分が介入資金かという議論をしても意味はない」と指摘。「非不胎化介入に効果があるという見解は、現在の環境においては迷信に近いのではないか」と語る。
1999年の非不胎化論争の亡霊
実際、白川方明総裁は著書「現代の金融政策」で「不胎化と非不胎化の区別に意味はない」と繰り返し説明している。介入の原資となる円資金は日銀がいったん国庫短期証券(TB)を引き受けて供給するが、政府はその後TBを新たに市中で発行し、日銀が引き受けた分は速やかに償還されるため、日銀の「当座預金に対する影響は中立的であり、介入は自動的に『不胎化介入』となる」という。
重要なのは、非不胎化かどうかの区別ではなく、日銀が金融緩和を行うかどうかであり、白川総裁もこう述べている。「そもそも『不胎化介入』と『非不胎化介入』を区別する基準自体がはっきりしないため、為替市場介入の『不胎化介入』と『非不胎化介入』を議論することは、金融政策の運営方針の変更を議論することと同義になる」。
日銀は1999年9月21日の声明で非不胎化に言及し、「実体的な効果がなくとも、市場が追加的資金供給に何らかの期待を持っていれば、それを利用してみてはどうかとの考え方もある」が、そうした方法は効果があっても一回限りで長続きしないし、「目的と政策効果についてきちんと説明できない政策をとることはできない」と表明した。
======
んー、こうなると「不胎化」「非不胎化」という論点を持ちだした時点で、勉強不足の誹りを免れない、ということかな(笑)。
しかもホーメイ辞典(*)によれば、「区別に意味はない」ということらしいですので、白川総裁にしてみると「お前ら、オレの本を読んで事前勉強しておけ」とか「繰り返し口が酸っぱくなるほど説明しとるのに、何で未だに判らんのだ」とか、内心怒っているかも(冗談ですけど)。
(*):白川総裁の下の名前が「方明」で、諸葛亮孔明の「コーメイ」にあやかり「ホーメイ」と命名(メイメイメイメイと羊みたいに喧しいか)、辞典とは白川総裁自慢の著書『現代の金融政策』のこと。
しかも、白川総裁曰く、自動的にsterilized intervention になっちゃうじゃないか、ということだそうですよ。non-sterilizedを区別する意味なんかない、ということなんですと。ま、確かにそうだ。
そうすると、こういう解説とか付けてる人とかは、涙目ってことですか?
>はてなブックマーク - 不胎化なし為替介入はアブナイ - Market Hack(外国株ひろば Version 2.0) - ライブドアブログ
新聞とかでも、妙な解説記事とか出てたけど、そういうのも一緒か。
今回に限っては、日銀派に軍配、ということになりますか。残念だが(笑)、加藤氏の迷信発言に同意せざるを得ないな。
不胎化・非不胎化とか騒いでおった連中は、ホーメイ辞典でも読んで勉強しなおすように。
と、白川総裁ならば、思っているかもよ。
それから、為替介入のことだけど、どうも筋悪というか、あまり感心はしないものだったな。幾度か書いたけど。
>場当たり的な菅政権が失望を増幅させる
>為替介入の話の補足ですけれど
タイミング的には意表を衝いていて、確かにサプライズではあったかもしれないが、だからどうというものでもなかったんじゃないかな。
一部投資家たちの建玉を潰して、円高に張っていた連中のロスカットを発動させることに成功したのかもしれないが、変動は微々たるものでしかなかった。
常々「バラマキだ」批判をしつこくやってくる経済界の連中が、どうしてこういう時に「2兆円というバラマキだ」と言わないのか不思議だね。定額給付金の時なんて、同じくらいの額を使うのに「ダメだダメだ、国を破産させるつもりか」の一点張りだったのに、なんでこんな為替介入ごときに投入するのを躊躇わないのか本当に疑問だな。
たったの1円、2円の円安を達成できたからって、日本国民は何が、orいくら得したわけ?
2兆円使って、それで輸出企業の数百億円が助かりました、とかだったら、バカだよね?
海外からは、「白い眼」で見られるし、メリットなんてそんなになかったんじゃないかと思うけど。投機だ投機だ、って言ったって、それがどの程度なのか分からんし。
結局、輸出企業への所得移転と同じ効果になっちゃうだけ。それも、派遣とか非正規を使うしか能の無い大企業に、全国民からのプレゼントということだ。これを今世紀に入って以降に続けてきたけれども、どっちにしろ大企業の連中なんて自分の懐に金を入れるか海外展開を加速しただけじゃないの。だから、介入なんてやらない方がマシ。
これは、いずれ書こうと思っていたから、今度改めて。
さて、記者会見とかマスコミの一部論調の中には、「不胎化」というのを殊更論点として取り上げている向きもあったやに見受けられたが、これに対しては辛辣な意見があるようである。有力な日銀派エコノミストの代表格(笑)と思える短資系の人として、加藤出氏がおられるが、氏曰く「迷信」発言まで飛び出すわけですから、日銀総裁だとか財務大臣の記者会見なんかでお尋ねしていた記者諸君は立つ瀬がないですな。
>介入の非不胎化は日銀のリップサービス-効果は疑問、一段の圧力も - Bloomberg.co.jp
(一部引用)
ただ、介入の非不胎化か不胎化かという議論には、懐疑的な向きも多い。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「お金に色はないので、日銀当座預金残高のどの部分が介入資金かという議論をしても意味はない」と指摘。「非不胎化介入に効果があるという見解は、現在の環境においては迷信に近いのではないか」と語る。
1999年の非不胎化論争の亡霊
実際、白川方明総裁は著書「現代の金融政策」で「不胎化と非不胎化の区別に意味はない」と繰り返し説明している。介入の原資となる円資金は日銀がいったん国庫短期証券(TB)を引き受けて供給するが、政府はその後TBを新たに市中で発行し、日銀が引き受けた分は速やかに償還されるため、日銀の「当座預金に対する影響は中立的であり、介入は自動的に『不胎化介入』となる」という。
重要なのは、非不胎化かどうかの区別ではなく、日銀が金融緩和を行うかどうかであり、白川総裁もこう述べている。「そもそも『不胎化介入』と『非不胎化介入』を区別する基準自体がはっきりしないため、為替市場介入の『不胎化介入』と『非不胎化介入』を議論することは、金融政策の運営方針の変更を議論することと同義になる」。
日銀は1999年9月21日の声明で非不胎化に言及し、「実体的な効果がなくとも、市場が追加的資金供給に何らかの期待を持っていれば、それを利用してみてはどうかとの考え方もある」が、そうした方法は効果があっても一回限りで長続きしないし、「目的と政策効果についてきちんと説明できない政策をとることはできない」と表明した。
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んー、こうなると「不胎化」「非不胎化」という論点を持ちだした時点で、勉強不足の誹りを免れない、ということかな(笑)。
しかもホーメイ辞典(*)によれば、「区別に意味はない」ということらしいですので、白川総裁にしてみると「お前ら、オレの本を読んで事前勉強しておけ」とか「繰り返し口が酸っぱくなるほど説明しとるのに、何で未だに判らんのだ」とか、内心怒っているかも(冗談ですけど)。
(*):白川総裁の下の名前が「方明」で、諸葛亮孔明の「コーメイ」にあやかり「ホーメイ」と命名(メイメイメイメイと羊みたいに喧しいか)、辞典とは白川総裁自慢の著書『現代の金融政策』のこと。
しかも、白川総裁曰く、自動的にsterilized intervention になっちゃうじゃないか、ということだそうですよ。non-sterilizedを区別する意味なんかない、ということなんですと。ま、確かにそうだ。
そうすると、こういう解説とか付けてる人とかは、涙目ってことですか?
>はてなブックマーク - 不胎化なし為替介入はアブナイ - Market Hack(外国株ひろば Version 2.0) - ライブドアブログ
新聞とかでも、妙な解説記事とか出てたけど、そういうのも一緒か。
今回に限っては、日銀派に軍配、ということになりますか。残念だが(笑)、加藤氏の迷信発言に同意せざるを得ないな。
不胎化・非不胎化とか騒いでおった連中は、ホーメイ辞典でも読んで勉強しなおすように。
と、白川総裁ならば、思っているかもよ。
それから、為替介入のことだけど、どうも筋悪というか、あまり感心はしないものだったな。幾度か書いたけど。
>場当たり的な菅政権が失望を増幅させる
>為替介入の話の補足ですけれど
タイミング的には意表を衝いていて、確かにサプライズではあったかもしれないが、だからどうというものでもなかったんじゃないかな。
一部投資家たちの建玉を潰して、円高に張っていた連中のロスカットを発動させることに成功したのかもしれないが、変動は微々たるものでしかなかった。
常々「バラマキだ」批判をしつこくやってくる経済界の連中が、どうしてこういう時に「2兆円というバラマキだ」と言わないのか不思議だね。定額給付金の時なんて、同じくらいの額を使うのに「ダメだダメだ、国を破産させるつもりか」の一点張りだったのに、なんでこんな為替介入ごときに投入するのを躊躇わないのか本当に疑問だな。
たったの1円、2円の円安を達成できたからって、日本国民は何が、orいくら得したわけ?
2兆円使って、それで輸出企業の数百億円が助かりました、とかだったら、バカだよね?
海外からは、「白い眼」で見られるし、メリットなんてそんなになかったんじゃないかと思うけど。投機だ投機だ、って言ったって、それがどの程度なのか分からんし。
結局、輸出企業への所得移転と同じ効果になっちゃうだけ。それも、派遣とか非正規を使うしか能の無い大企業に、全国民からのプレゼントということだ。これを今世紀に入って以降に続けてきたけれども、どっちにしろ大企業の連中なんて自分の懐に金を入れるか海外展開を加速しただけじゃないの。だから、介入なんてやらない方がマシ。
これは、いずれ書こうと思っていたから、今度改めて。