新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
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プーチン非難もさることながら日本は「戦後のウクライナ復興」支援を準備せよ

2022年04月21日 11時32分23秒 | デジタル庁

昔から日本の悪しき縦割り行政の見本として、例えば「こども」に関する行政としてこんな縄張りが存在している。
 
文部科学省が幼稚園、厚生労働省が保育所・保育園、内閣府が認定こども園という実態を解決するために菅義偉内閣の時代に「こども庁」構想が持ち上がり、縦割り行政打破をモットーとする菅は強い関心を示し、こども庁構想が動き出した。
 
ところが、日本会議系の「伝統的家族観」を重んじる自民党内の保守派らによって「こども家庭庁」と改名され、岸田文雄政権によって、2022年2月25日に、こども家庭庁設置法案とこども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案が閣議決定され、同日衆議院へ提出されている。
 
「こども」のためと言っておきながら政治家の思惑が絡んだ末の「こども家庭庁」という意味不明な組織が新たに来年には発足することになった。
 
少なくとも、「子ども家庭庁」は最悪なネーミング…親の無理心中に巻き込まれる子どもが減らないワケ」という声に今一度耳を傾けるべきであろう。
 
「こども」相手ではないが、2021年9月に発足したデジタル庁も様々な問題を含んで発足した。
 
「複数の省庁に分かれている関連政策を取りまとめて、強力に進める体制として、デジタル庁を新設いたします」とぶち上げた菅義偉が2020年9月に目玉政策に掲げた「デジタル庁」はその後も順風満帆どころか、「『敗戦」はまだまだ続く? デジタル庁が期待外れのスタート」という船出であった。
 
そして、この4月から約730人体制と、2021年9月発足時の約600人体制から大きく職員を増やしたデジタル庁。
 
それに加え、デジタル庁として初めて国家公務員1期生12人も採用するなど、組織を拡大化している一方で民間出身者の退職が相次いだり、上層部の“アナログぶり”が露呈するなど、意気込みとは反対にデジタル庁に対する風当たりは強くなっているようである。
 
デジタル庁が“アナログ”すぎてヤバイ。メールしか知らない上層部、有望な民間出身者が「官僚主義」に愛想を尽かし大量離脱
  

■デジタル改革する庁がアナログ過ぎて若手が離脱
「誰一人取り残されないデジタル社会の実現」 という理想を掲げ去年9月に発足したばかりのデジタル庁。菅義偉前首相の肝いりともいえるが、その名を国民が耳にすることはあまりなく、存在感が薄いと言う事実は否めない。
2021年9月の発足時は職員600人のうち3分の1を民間から採用して注目を集めたが、その民間出身組が今、大量に離脱しているのだ。
日本経済新聞によると、「会議が多すぎる。もう出たくない」「同じような書類を何度も作っている」などの不満が爆発し、2021年度末にかけ、デジタル庁で働いていた職員が10人近く一斉に退職し、通信大手や外資系コンサルなどに転職したという。

発足からわずか半年あまりでの“見切り”。いずれも優秀な若手で、将来を嘱望されていた人材だったとされている。
その理由は簡単。デジタル庁といいながら、結局はアナログ。官僚的支配が横行しているのだ。
デジタル庁は民間出身者の他に、他の省庁から移ってきた公務員などで組織構成されている。「旧来型の縦割り組織をやめ、プロジェクトごとにチームを組む柔軟な組織運営」でスタートしたはずだったが、それはただの“理想論”。あっという間に官僚流の仕事の進め方に変わっていったという。
厳格な根回しや報告が求められ、民間出身者にとっては不毛な業務の連続。「日本のデジタル化を推進する」と志高くデジタル庁に入庁したものの現実は程遠く、優秀な人材ほど見切りをつけたのが早かったというわけだ。
おまけに上層部は超アナログで、連絡はメールのみというお粗末さ。ビジネスチャットも使えない。若手職員たちは多くの企業で利用されている「スラック」を隠れてこっそり使っていたと報じられている。
デジタル庁が発足した段階で、「そんなにすぐは変わらない」との見方がほとんどだったが、結局は「デジタル庁のくせに超アナログ」「どこがデジタル庁やねん」とのツッコミをせざるを得ない現状のようだ。
■世界に遅れを取ってばかりの日本のデジタル化
国連の世界電子政府ランキングで日本は2018年の10位から2020年は14位に低下。「デジタル化推進」を声高に叫ぶものの実態は伴っておらず、実態はもっと順位が低いのではないかとみられている。
ロシアのウクライナ侵攻における情報戦が重要な役割を担っているのは明らかで、ミハイロ・フェドロフ副首相兼デジタル改革担当大臣の活躍は「ITを制するものは世界を制する」ことを象徴しているといえるだろう。
そもそもデジタル推進化が掲げられたのは、台湾のオードリー・タン氏のITを活用したコロナ対策のキャンペーンが実に優秀だったことが影響している。そんなタン氏が主導で改善された台湾政府の情報ポータルサイト「我的E政府」がこれだ。
 

             【我的E政府】
             
漢字ばかりで読みづらいかもしれないが、このサイト1つで生まれてから亡くなるまでの手続きが全て完了できる。これこそが国が主導する上でのデジタル化だろう。菅前首相が訴えていた「ITによる手続きの一元化」そのものだ。
ちなみに、日本のデジタル庁のサイトがこちら。
 
 
 
比較することすら恥ずかしい。台湾の足元にすら及ばない。令和の時代、こんな地味なデザインのサイトを久々に見た。
デジタル庁が発足しただけで満足しているように見える日本の国会議員たち。真のデジタル化を目指すなら、もっと抜本的な改革が必要だと言わざるを得ない。


 
 
 
さて、日本のお粗末行政は枚挙に暇がないほどなのだが、相変わらずウクライナ国内でのロシア軍の残虐さが目立っているようだが、最近はロシア黒海艦隊旗艦「モスクワ」がウクライナ側によって撃沈されたことへの復讐が顕著になったという。
 
そのあたりの背景を東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠特任助教が「巡洋艦モスクワ撃沈の意味」を解説していた。
 
NATOが支援か?ロシア黒海艦隊旗艦『モスクワ』撃沈が意味するもの」 
 
・・・前略・・・
こうした中で、開戦から50日目にあたる4月14日深夜、ロシア黒海艦隊の旗艦である1164型巡洋艦モスクワが火災を起こして沈没しました。18日に相次いでTwitter上に流れてきた画像を見るに、なんらかの損傷を受けて火災と傾斜が発生し、ダメージコントロール不能になったということのようです。

ロシア側は理由を明らかにしていませんが、ウクライナ側からは国産のネプトゥン(ネプチューン)地対艦ミサイル2発による攻撃だという情報が出ており、匿名の米国防総省高官も「地対艦ミサイル2発による攻撃」であったとしています。
● ロシア、旗艦の被弾認める? ウクライナのミサイル工場攻撃―防空に活用も沈没
米国防総省の公式見解は「(モスクワに)損害をもたらしたのがなんなのかは現時点ではわからない」というものですが(「Sailors Still Battling Fire on Russian Cruiser Moskva, Says DOD Official」)、ちょっと俄かには信じられません。
沖合のモスクワを発見・追跡することはウクライナ軍独自の偵察能力では困難であった可能性が高いためで、米側ないしNATOの情報アセットからなんらかの支援があったと考えるべきではないでしょうか。
さらにいえば、モスクワへの攻撃は何を意味していたのか、という点も考えてみるべきだと思います。前述したIDDCUの援助リストに「沿岸防衛システム」が含まれていたことからして、西側は黒海沿岸におけるロシアの海上優勢(というか、圧倒的な制海権)を崩すことに意義を見出していたと思われます。4月9日にキーウを電撃訪問したジョンソン英首相が地対艦ミサイル(種別不明)の供与を約束したことからも、この点は裏づけられるでしょう。
● ジョンソン英首相、ウクライナを電撃訪問 支援表明
巡洋艦モスクワの撃沈はその矢先に起きたわけです。
これでロシアの海上優勢が完全に失われることはないとしても、ウクライナの黒海沿岸に近づくことは相当困難になったはずですから、ウクライナ側にしてみれば南部への圧迫をかなり和らげるという効果は期待できます。これまでロシアは黒海に揚陸艦隊を遊弋(ゆうよく)させ、オデッサ等への上陸を匂わせることでウクライナ軍の兵力をある程度南部に拘束できていました。
実際は中身のない空船であったとしても、ウクライナにしてみれば一応、ある程度の兵力は張り付けざるをえなかったということです。オデッサが取られてしまえばウクライナは内陸国化せざるを得ず、戦後の復興を担う穀物や鉄鋼の輸出もできなくなるのだから当然ではあります。しかし、ある程度の沿岸防衛能力を持つことができるなら、南部防衛用の兵力を決勝地点となりそうな東部へと振り向けられるかもしれません。

 
ロシアがウクライナに侵攻した当時は、NATO各国はウクライナがNATO加盟国ではないことから人的な援助という「集団的自衛権」は行使しないことで一致しており、その代わり裏では各種の武器の供与や貸与をしていた。
 
それがロシア側からみれば想定外のウクライナ軍の反撃によってプーチンの侵攻スケジュールが大幅に遅れ、現場のロシア軍の焦りも手伝い、一般市民を巻き込む無差別な攻撃が過激になってしまった。
 
多くの日本の専門家は、「この戦争はあと数年続く」と予想しており、もはや日本ができることは「戦後のウクライナ復興」への取り組みをいまから積極的に準備しておくことではないだろうか、とオジサンは思う。   
    

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