ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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<新体操の妖精>孫延在(ソン・ヨンジェ)選手、戦績次第で日本でも人気に火がつくかも・・・

2012-03-04 20:33:25 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 昨年(2011年)9月韓国に行ったときに、宿でなんとなくTVのスポーツニュースを見ていると、あまりスポーツ選手らしくない女の子がゲストとして招かれていました。華奢な感じのカワイ子ちゃんで、名前は孫延在(ソン・ヨンジェ.손연재)という新体操選手。あ、韓国では新体操はふつうリズム体操(리둠체조.リドゥムチェジョ)というのですが・・・。

 そのTV出演の直後の9月24日、孫延在選手はフランスのモンペリエで行われた2011年国際体操連盟で11位になり、上位15位までに与えられるロンドン五輪出場権を獲得しました。
 この結果を受けて、「朝鮮日報」(日本語版)は「孫延在にCMオファー殺到」というニュースを伝えています。
 しかし彼女の人気はこれに始まったことではなく、すでに11年5月には「キュートなルックスで「おじさん世代ファン」の絶大な支持を得ており、最近はCMでも注目されている。特に、「フィギュアの女王」キム・ヨナとエアコンでCM対決を繰り広げ話題を呼んだ」というような記事が「朝鮮日報」に載っていました。
 日本の新聞では、2010年11月の時点で「朝日新聞」に紹介記事が載ったのが最初(にして唯一?)。もう「金妍児が「国民の妹」なら、こちらは「国民の姪(めい)」」という通称が書かれていますね。

           
   【背後の字をみると、「体操の妖精ソン・ヨンジェ ファンミーティング」とあります。】

 さて、「孫延在にCMオファー殺到」の記事からほどなく、10月10日の「中央日報」には「“新体操の妖精”ソン・ヨンジェ、広告業界ではすでにキム・ヨナ級」との記事が・・・。

 人気が高まると、それに対する否定的言辞も飛び交うようになるのが韓国のネット社会。「人気に対して実績がともなっていない!」との声があがりますが、彼女は「(CM料が)練習資金として役立ちます」との答え・・・。

 私ヌルボ、韓国でこれほど人気が出ているからには、日本でも近いうちに注目されるのでは、と推測していたのですが、今に至るまでそんな気配なし。
 やっぱり、フィギュア・スケートと比べると新体操は日本での関心も今ひとつだし、もっと目を瞠るような成績をあげないとダメなんだろうな、と思いました。

 数日前、横浜市立図書館で「朝鮮日報」のまとめ読みをしていたら、2月27日の記事で久々に彼女の名前を見つけました。
 「26日、ロシアで開催された2012モスクワグランプリ新体操国際大会の個人種目別決勝フープ種目で、3位になった」というニュースです。
 この大会レポートが日本体操協会の公式ブログにありました。
 それによると、「旧ソ連を除けばアジア人初であろうグランプリでのメダル獲得を、韓国のソン・ヨンジェが果たした(3位)」という事実とともに、「彼女の演技は難度がハッキリとしており見やすい上に、彼女にしか出来ない表現力がある。俗に言うスター性を感じるのである。これは、採点競技・芸術競技である以上とても大切なことだと言える」と非常な高評価のコメントが添えられています。

 ことのついでに、少しさかのぼって彼女関係の情報を探ってみると、もっと注目すべきネタがありました。
 それは「ロンドン五輪のビューティー・アンバサダー11人に選ばれる」というもの。
 ロンドン五輪の公式パートナーであるP&Gの世界的ヘアケア・ブランド「パンテーン」が、ロンドン五輪に出場する世界各国の女性アスリート約4800人から11人を選んで<ビューティー・アンバサダー>に任命した、というものですが、その中に彼女も選ばれたんですねー。
 彼女の他に選ばれた選手は以下の通り。
 新体操世界ランキング1位のエフゲニア・カナエワ(ロシア)、2008北京五輪で金メダルを獲得したバレーボールのブラジル代表ジャケリネ・カルバリョ、北京五輪自転車金メダリストのビクトリア・ペンドルトン(イギリス)、平泳ぎ200m世界記録保持者のアンナメイ・ピアース(カナダ)、北京五輪水泳で6個のメダルを獲得したナタリー・コーグリン(米国)、北京五輪400mメドレーリレー金メダリストのエミリー・シーボーン(オーストラリア)、昨年の世界選手権背泳ぎ50m銀メダリストの寺川綾(日本)、北京五輪飛び込み金メダリストの呉敏霞(中国)、北京五輪銅メダリストのパオラ・エスピノーザ(メキシコ)、テニス女子ダブルス世界ランキング1位のヒセラ・ドゥルコ(アルゼンチン)。
 ・・・こうして見てみると、いずれもすごい実績を残している選手ぞろい。その中で孫延在選手が選ばれたのは見た目のかわいさゆえであることは明らかです。

 しかし、伸びる可能性十分の選手のようだし、もしかしたら7~8月のロンドン五輪の時期には日本での人気も高まっているかもしれません。
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KARAや少女時代は将来市場のアジュマみたいに変貌するのか?(笑)

2012-02-15 18:38:03 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 あら、この人も韓流ファン、という事例はこれまでけっこうあって、オドロキでもなんでもなくなりましたね。
 「毎日新聞」2月12日(日)掲載の「毎日かあさん」をみると西原理恵子さん母娘もそのようで・・・。

 その漫画を見て、「ハハハ、やっぱり!」と思ったのが下のコマ。

    

 そうですよねー。あの韓国の市場(シジャン)の元気なアジュマたち、いつから「あんな感じ」なのか、娘時代はどんなだったか・・・?

 私ヌルボ、かねてからドイツやロシアの美少女について、一体どの時点で貫禄十分のおばさんに「変貌」するのか疑問に思ってきました。実は今もよくわかりません。

 日本人女性の場合を考えるに、当たり前といえば当たり前ですが、「人それぞれ」ですねー。若い頃「だけ」が花だったような人もいれば、お年を召すほどに魅力を増す女性もいるし・・・。

 今の少女時代やKARAの将来の姿は見当がつきません。韓国女性が皆市場のアジュマタイプになるわけでもないでしょうしねー。やっぱりオモニになるとそれなりに変わるのかな?

 別のコマでは、サイバラさん、パーマについて観察しています。これもナルホドです。

    
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2011年の韓国を代表する本は? (2)教保文庫の<2011年今年の本>を見る

2012-01-05 23:57:16 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
  YES24の<第9回ネチズン選定、今年の本2011>に続いて、教保文庫の2011年今年の本を見てみます。参考サイトは→コチラ
 これまでは読者の人気投票で決めていましたが、今回は社会各界の専門家56人が 2011年の主要な流れを把握できる図書10種を選定しました。YES24と意図的に差別化をはかったのでしょうか?
 つまり、YES24が多くの人によく読まれた本=ベストセラーの順位とほとんど重なるのに対して、教保文庫の方は日本でいえば新聞の読書欄担当者が挙げる<今年の本>ですね。

①バーバラ・エーレンライク「ポジティブ病の国、アメリカ」(韓国題「긍정의 배신(肯定の背信)」
②シム・ボソン「目の前にいない人々(눈앞에 없는 사람)」
③金愛爛(キム・エラン)「ドキドキ私の人生(두근두근 내 인생)」
④ムン・ヨンミ「ディファレント(디퍼런트)」
⑤クレイ・シャーキー「多くなれば違ってくる(많아지면 달라진다)」(原題「Cognitive Surplus(認知余剰)」)
⑥ニコラス・カー「ネット・バカ~インターネットが私たちの脳にしていること」(韓国題「생각하지 않는 사람들.考えない人たち)
⑦ウォルター・アイザックソン「ステイーブ・ジョブズ」
⑧ニーアル・ファーガソン「Civilization: The West and the Rest(文明:西洋とその他の国(シビライゼイション)」
⑨野間秀樹「ハングルの誕生」
⑩鄭裕靜(チョン・ユジョン)「7年の夜(7년의 밤)」
 
※①~⑩の数字は元の記事にはありません。便宜上つけました。


            
  【ベスト10にあげられた野間秀樹「ハングルの誕生」韓国版。帯には「ハングルは世界文字史の奇跡だ」とあります。】

 YES24と重なっているのは⑦の1つだけ。昨年の教保文庫の<今年の本>が上位7位中3点まで重なっていたのと比べると大きな違いです。
 それぞれの本について、簡単に紹介します。

 ①「ポジティブ病の国、アメリカ」は、日本では2010年刊行。自身の乳癌体験を契機に、いかにもアメリカらしい「ポジディブ・シンキング」について批判的に考察したジャーナリストの著作。大病に対しても「乳癌になったからこそ感謝と愛を知ることができた」等のポジティブな反応がよしとされ、不安や弱音をもらすことは許されない雰囲気。ポジティブ思考で病気が治ると主張する疑似科学も生まれ、ビジネス本出版や企業向けの講演で利益を上げる一つの産業ともなり、一部のキリスト教のセクトとも結びついて宗教化・イデオロギー化する。そんなポジティブ・シンキングは搾取・抑圧の道具と化す。失業や貧困、さらに病気や天災までもが当人の怠慢とネガティブ思考のせいにされて、社会的弱者や貧困国を切り捨てる根拠になる。・・・たしかに今の日本でも、わりを食ってる若年層に、その理由を自分の努力や能力の不足に帰する人が多くいるそうですが、たしかにそういう思考法に知らないうちに導かれてしまっているようです。
 ②の「目の前にいない人々」は、「読者の愛と文壇の注目を浴びてきた」詩人の第二詩集。タイトルは「不在の恋人」のことだそうですが・・・。
 ③の金愛爛は1980年生まれの女性作家。昨年(2011年)4月21日の記事で少しふれたように、「毎日新聞」連載の「新世紀 世界文学ナビ」韓国編できむふなさんが最初に紹介した作家です。小説集「달려라,아비(走れ、父さん)」で韓国日報文学賞、今日の若い芸術家賞、申東曄創作賞、李孝石文学賞、金裕貞文学賞、若い作家賞などを受賞した韓国文壇の次世代作家です。この作品は、青春の愛を描いた彼女の初の長編小説。17歳で妊娠して子供持った若い親と早老症を持って生まれて来た子供、一番幼い親と一番老けた子の青春と愛、そして希望の物語。・・・とほとんど高麗書林の紹介文そのまま。リンクを張ったので許して下さい。
※「달려라,아비」は読んだなー。それから昨年(2011年)6月17日の記事で紹介したように、文芸誌「新潮」2010年6月号に「水の中のゴライアス」という作品が掲載されています。
 ④の「ディファレント」は、ハーバード経営大学院学生たちが選んだ<最高の教授賞>を受賞したムン・ヨンミ教授による経営戦略の本。キャッチ・コピーは「人と同じ戦略では生き残れない!」。スターバックスとマクドナルドが似てくる理由は?等々、競争が熾烈になる中で、すべての企業が全く同じになっている。そんな「同一」が支配する世の中でアイディア・ブランドはいかにマネージすべきか?
 ⑤は、日本では未訳。今までテレビに使っていた思考の余剰を、インターネットに使うことで、ウィキペディアなどの媒体を作るのに貢献できる、とのこと。デジタル技術と個々人の余暇が数10億人を連結した結果、人類は遙かに賢くなっているというのですが・・・。
 ⑥、ニコラス・カーの「ネット・バカ」は日本では2010年刊行。⑤の本とは正反対に、ネットから情報を得てばかりいると、注意力が散漫になって長文の読解能力が衰え、ものごとを深く考えることができなくなり、長期記憶力も衰えるため個々の知識量も減っていくんだって!? 私ヌルボ、ネット利用以前からそんな症状は発現していたような・・・。
 ⑦については省略します。
 ⑧ハーバード大教授の歴史学者ニーアル・ファーガソンの著作は、日本でも「憎悪の世紀」や「マネーの進化史」が刊行されていますが、この本は未訳。東洋に遅れをとっていた西洋文明がどのように追いつき追い越すことになったのか、600年間の世界史を競争、科学、財産権、医学、消費、職業の6つのキーワードを通じてたどって「文明進歩の秘密」を明らかにし、さらには現代の政治経済まで眺望する・・・。「憎悪の時代」のような、多くの興味深い史実が満載(巨視的にはイマイチ?)の本なのかな?
 ⑨、野間秀樹先生の「ハングルの誕生」については、本ブログ2010年6月2日の記事でも少しふれました。その後第22回アジア・太平洋賞の大賞を受賞したのも順当なところです。そして韓国では昨2011年10月に翻訳書が刊行。好評をもって迎えられています。ある読者は「日本人が書いたということに対して偏見の目をもたないこと」と前置きして、「ハングルが持っている言語史的・音素的・歴史的・構成的な要素等の多様な部分を深くて理解しやすく語っていて、教科書にもなるほど」と評価し、また別の読者は涙まで流し、「韓国人であれば必読書中の必読書」「野間秀樹教授はハングルの柳宗悦のようだ」と絶賛して野間先生に謝意を表しています。
 ⑩、innolifeの記事によると、「チョン・ユジョン(45)、キム・エラン(31)という20万部に迫る新人小説家が登場し、ベストセラー作家の世代交代がされている」とのことです。チョン・ユジョンの作品は、デビュー作「私の人生のスプリングキャンプ」も第2作の2009年の世界文学賞受賞作「私の心臓を撃て」も、そしてこの第3作も映画化が進められているとか。サスペンスの要素を備えた視覚的な文体に映画会社が注目したようです。彼女の小説は、どうも純文学というより<ジャンル小説>と見られているところもありそうです。この作品の梗概は次の通り。「7年前偶発的に幼い少女を殺害した殺人犯の息子は、父親の死刑執行の消息を聞いて7年前のその日の夜に誘われる。一方、小説の中の小説では、7年前偶発的に幼い少女を殺害した後罪悪感で狂っていく男と、加害者(とその息子)に復讐を敢行する被害者少女の父親との息詰まる対決が繰り広げられる・・・。」

 実は、冒頭には書きませんでしたが、教保文庫はこれまで通り「毎日経済新聞」との共催で<2011 BEST BOOK50>というのもやっていて、ソチラではベストセラー本も多く入っています。(YES24<今年の本2011>の①~⑥もリスト中にあります。) これについては、面倒なので(!)書きませんが、その50点の中に日本人の著作が6つありましたので、それだけ紹介しておきます。
○村上春樹「雑文集」 
○塩野七生「十字軍物語(십자군 이야기)」
○野間秀樹「ハングルの誕生」
○小池龍之介「考えない練習(생각 버리기 연습)」

 ・・・この本については、本ブログ2011年7月31日の記事でふれました。
○稲盛和夫「稲盛和夫のガキの自叙伝」(韓国題「좌절하지 않는 한 꿈은 이루어진다.挫折しないかぎり夢は達成される」)
 ・・・ウィキ(稲盛和夫)によれば、朝子夫人は禹長春の四女とのことです。
○エアーダイブ「義男の空(요시오의 하늘)」 
 ・・・12月12日に刊行したばかりの本ですが、主催の「毎日経済新聞」で発行して書評を載せて、<今年の本>にまで入れるというのはお手盛りもいいところ。しかし多くの人が感動したという感想を寄せていて、その点については非難する理由はありません。この本をご存知ない方は→コチラで。

 ところで、「東亜日報」も独自に<2011今年の本10>を選定しました。同紙で提示した150冊の中から各界の専門家などによる選定委員と同紙出版チームの論議を経て10冊を選んだものですが、10冊中6冊は上述のYES24または教保文庫のベスト10と重なっているし、もう字数も一杯なので、興味のある方はリンク先をご覧ください、ということにしておしまいにします。
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2011年の韓国を代表する本は? (1)YES24の<今年の本2011>を見る

2012-01-02 23:59:25 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 韓国最大のインターネット書店YES24が年末に実施した第9回ネチズン選定、今年の本2011の結果から、2011年に韓国ではどんな本が読まれたか見てみます。
※参考記事は →コチラコチラ

 あらかじめ提示された5つの分野、120冊の候補の中からインターネットで投票するという形式で、今回はの88,581人が参加。前年の97,556人から9千人も減ったのは、韓国でも読書人口が減っているからなのでしょうか?

 総合ベストテンは次のとおりです。

①キム・オジュン「黙って政治(닥치고 정치) -キム・オジュンの明朗市民政治教本」(36,054票)
②ウォルター・アイザックソン「ステイーブ・ジョブズ」(33,872票)
③金蘭都(キム・ナンド)「苦しいから青春だ(아프니까 청춘이다)」(29,918票)
④朴慶哲(パク・キョンチョル)「田舎医者朴慶哲の自己革命」(19,626票)
⑤文在寅(ムン・ジェイン)「文在寅の運命」(14,956票)
⑥兪弘濬(ユ・ホンジュン)「私の文化遺産踏査記 6」(12,347票)
⑦キム・ジェドン「キム・ジェドンが会いに行きます」(11,769票)
⑧チャン・ハジュン「世界経済を破綻させる23の嘘」(11,604票)
⑨金辰明「高句麗(1)」(11,262票)
⑩キム・ヨンミン「「私はコムスだ」裏話:あなたもコムスPDになれる」 


 ①、キム・オジュンは李明博政権批判の立場で若年層の支持を集めるインターネットラジオ放送「ナヌン コムスダ(私は小ざかしい)」(略称ナコムス)の司会で「タンジ日報」(←アンチ「朝鮮日報」系のパロディーオンライン新聞)の総帥。朴槿惠など多くの政治家たちを辛辣かつ滑稽に批評しながらも、私たちがなぜ政治に関心を持たなければならないのかについて回答を与えてくれる、ということです。(具体的にどの政党や政治家を推す、というものではありません。)
 ②、ジョブズへの関心の高さは韓国でも同じ。
 ③、金蘭都ソウル大教授は、学生が直接評価する「ソウル大学の優秀講義」に選ばれるなど<ソウル大学のマイケル・サンデル教授>ともよばれているとか。
 ④、4月27日の記事「韓国人が一番会いたい作家」にも出てきた朴慶哲氏の「田舎医師の金持ち経済学」はベストセラーになりました。この本では人生について若者向けに書いています。
 ⑤の著者は盧武鉉政権で大統領秘書室長を担当し、現在は盧武鉉財団理事長という<永遠の盧武鉉の友人>。最近は、民主党を中心とする野党圏大統合だけが唯一の大統領選挙勝利方案だと述べています。そんな彼、文在寅の自伝。
 ⑥、1991年の第1巻刊行以来全国的な踏査ブームを起こしたミリオンセラー(220万部)「私の文化遺産踏査記」の10年ぶりの新刊。著者兪弘濬氏はその間2004~08年には文化財庁長を務め、現在は明知大学美術史学科教授。この新刊ではソウルの景福宮や光化門とそれにまつわる話、古都扶余での百済美術等を探訪しています。
※安保上の理由で1960年代から立入禁止区域だった北岳山と粛靖門が開放された。また景福宮の慶会楼の中にも入れるようになり、景福宮の北門にあたる神武門が一般開放されたのは、文化庁長だった兪弘濬さんの功績だそうです。
 ⑦は、<国民的MC>キム・ジェドン氏がいろんな人に会いに行くのですが、その相手が実に多様。小説家李外秀(イ・ウェス)、オリンピック・サッカー代表監督洪明甫、少女時代のスヨン、民労党の李正姬代表、女優コ・ヒョンジョン、その他政治家・野球選手・詩人・歌手・映画監督・済州島の海女等々計25人。これは私ヌルボ、ぜひ読まなくっちゃ・・・。
 ⑧、新自由主義を批判する経済学者。実はこの本、今読んでます。わかりやすく、うなづきながら読んでいます。オススメ!
 ⑨、あの反日小説「ムクゲの花が咲きました」の著者金辰明氏、この本では矛先を中国に向けました。東北工程以降高句麗はウチらのナワバリとの声を強めている中国に立ち向かいます。どこまでも愛国心旺盛で、御苦労様なことです。
 ⑩、時事評論家キム・ヨンミンも上記の「私はコムスだ」でキム・オジュン氏等とともに司会を担当している人。この投票結果は、やっぱり反李明博政権の若年層ネチズンの性向が反映しているのかな?

 各分野別のトップは次のとおりです。
[文学] キム・ナンド「苦しいから青春だ」
[人文/教養] キム・オジュン「黙って政治 -キム・オジュンの明朗市民政治教本」
[ビジネス/自己管理] ウォルター・アイザックソン「ステイーブ・ジョブズ」\t
[幼児・子ども・青少年] ノ・ギョンヒ「たい焼きオンマ(풀빵엄마)」
[家庭/実用] チョン・ジウン、キム・ミンテ「子どもの自尊心」

 前掲の本とダブっていない本について紹介しておきます。
 「たい焼きオンマ(プルパン・オンマ)」は2010年MBCテレビのヒューマン・ドキュメンタリー<愛のシリーズ>で歴代最高の視聴率を記録し、国際エミー賞を受賞した番組を童話にしたもの。末期がんに侵されながらも子どもたちのためにパン屋の仕事を懸命に続ける母親の姿を描いた感動の実話。
 「子どもの自尊心(아이의 자존감)」人を成功に導く力がまさに自尊心なのだそうで、正しい自尊心を形成するための実践的な方法を提示する、ということです。両親の児童期養育経験が子どもの養育に大きな影響を及ぼすので、誤った養育方式がそのまま相続されないように、両親の過去と現在をチェックして改善していくように方向を提示する、というあたりは興味ないこともないですが・・・。

 さて、代表的大型書店教保文庫の<今年の本>の方は、これまではYES24とあまり大きな差異はなかったのですが、今回は意図的に差別化をはかったのか、趣向を変えて、内訳もかなり異なっています。・・・ということで、1年前は同じ記事で両方紹介しましたが、今回は別立てにします。

<2011年の韓国を代表する本は? (2)教保文庫の<2011年今年の本>を見る>

        
   【キム・オジュン「黙って政治(닥치고 정치)」。写真はもちろん著者自身。】
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韓国芸能界 2011年の10大ニュースをみる

2011-12-29 17:02:19 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 スポーツ10大ニュース(2つ前の記事)に続いて、芸能界の10大ニュースです。
※韓国では芸能界のことを演芸界(연예계.ヨネゲ)といいます。

 記事の形が見やすく票数も明示してある「スポーツ韓国」を基本形として見てみます。
 これはエンタテインメント専門家100人にきいた今年の話題3つを選んでほしいとの注文に対し69人の回答をもらい、その結果を集計したものです。

①ソテジとイ・ジアの離婚訴訟(69票)
 ドラマ「太王四神記」でヨン様の恋人役を演じて2007年のMBCドラマ賞の最優秀新人女優賞等を受賞し注目を浴びた女優イ・ジア。今年2月にドラマ「アテナ:戦争の女神」で共演したチョン・ウソンとのデートのようすを報じられると、2人とも交際していることを認めていたのですが・・・。
 あっ!と全国民が驚いた続報は、ぬわんと、イ・ジアはあのソテジと1993年アメリカで出会い、97年に結婚していた!というもの。イ・ジアは韓国生まれですが小学生の時にアメリカに移住してます。どういうふうに出会ったのでしょうねー? しかし2000年から別居を始め、ソテジは帰国して芸能活動を再開。2人は06年に離婚していたとか。そして今年4月にイ・ジアがソテジを相手取って慰謝料と財産分割を求めて訴訟を起こし、スキャンダルが表沙汰になったというわけです。それまで長い間ばれなかったのは、ソテジ(芸名)は私生活を徹底的に隠すタイプであることと、イ・ジア(芸名)の場合は本名も1度改名していたから、とか。事実を知ったチョン・ウソンはパニック状態になって・・・、結局は6月破局を公開発表。いやー、ドラマチックやなー。

②カン・ホドン、芸能界引退(54票)
 元韓国相撲(シルム)の力士として<天下壮士(横綱に相当)>を5回も獲得したカン・ホドン。1993年から芸能界入りし、その後「ハッピーサンデー」(KBS2)の「1泊2日」コーナーや「黄金漁場」(MBC)の「ヒザ打ち道士」コーナー等バラエティ番組の代表的なMCとして人気を集めてきました。ところが9月初め税金の過少納付で国税庁から数億ウォンを追徴課税したことが報道され、ネチズンをはじめとする世論の非難が強まる中、暫定引退を発表しました。
 しかし最近のニュースによると、「市民が彼を告発したものの、国税庁は脱税を担当税理士のミスによるものとして告発せず、結局検察は12月17日告発を却下した」とのことです。
この間(12月初め)、カン・ホドンが1988年に大阪で開かれた日本と韓国の暴力団の間の義兄弟の締結式に参加したとのニュースも写真付きで流されました。(彼はまだシルム界にデビューしたての高校3年生だった。)
 しかし、視聴率の欲しいテレビ局等のメディアは彼に寛容な感じでしたし、今回の却下で復帰の期待が高まっているようです。本人もそれを見越してか<暫定>と言ったのでしょうし、たぶん。
※本ブログでは、過去3回「ヒザ打ち道士」コーナーを紹介してきました。→ハン・ビヤの巻スエの巻コン・ヒョジンの巻です。他のことを一切考えないなら、このコーナーは続けてほしかったなー。

③K-POP烈風(17票)
 今年はとくに韓国のアイドルグループの海外進出が目立ちました。これまではわずか数グループしか海外で人気を得なかったのが、今年は多様なグループが収益を上げました。日本では既存の東方神起やKARAの他にも少女時代、2NE1、T-ara、SHINee、2PM、BEAST、Secret、AFTERSCHOOL、RAINBOW、FTISLAND、U-KISS等がオリコンチャートの上位に昇りました。最も大きな収穫は、アジアを越えて南米やヨーロッパ等でもK-POPの人気が高まっていること。SMエンタテインメントㆍYGエンタテインメントㆍキューブエンタテインメントは、所属歌手たちの公演をフランス・イギリス・ブラジル等で開いて好反応を得たとのことです。

④映画「るつぼ」が社会的波紋を起こす(16票)
 光州の聴覚障碍児童のための学校で校長も含めた教職員による性暴行事件が2000~04年頃繰り返されていました。05年の事件発覚後の裁判の過程でも、加害者側は被害児童の保護者を懐柔したりして軽い処罰にとどまりました。この事件を扱った孔枝泳の小説が今年コン・ユチョン・ユミの主演で映画化され、公開されると不正を追及する世論が一気に高まり、国会でも取り上げられた結果、10月に13歳未満の児童を対象とした性犯罪者の処罰を強化するという内容のいわゆる「るつぼ法(도가니법)」が成立しました。
詳しくは、本ブログ9月30日の記事参照。→コチラ

⑤芸能人A嬢のセックス動画流出(15票)
 12月6日付「スポーツ韓国」の単独報道なんだそうです。芸能人A嬢のセックス動画があるブログを通して公開され話題となった、というのですが・・・。その動画をアップした人物というのが彼女の前の恋人の台湾系アメリカ人B氏の知人C氏でした。B氏はA嬢側から監禁・暴行されたと主張し、一方A嬢はB氏を名誉棄損で訴えたのに続き住居侵入・窃盗・損壊等でも追加訴訟を起こしたとか。今後法廷での攻防に入る状態というが、なんかよくわかりません。「スポーツ韓国」のいかにもお手盛りネタだなー。これ以外のメディアの扱いはどうなのかな?

⑥カン・ヨンソク国会議員がコメディアンのチェ・ヒョジョンを告訴(14票)
 コメディアン(韓国ではギャグマン)のチェ・ヒョジョンが11月18日の「ギャグ・コンサート」(KBS2)中のコーナー「カマキリ幼稚園(사마귀 유치원)」で「国会議員になろうと思ったら与党の首脳と親しくなって公認をもらって、与党の地盤で出馬すればいい」と発言をしたところ、無所属のカン・ヨンソク議員から国会議員集団侮辱罪にあたるとして告訴されました。この事件でむしろチェ・ヒョジョン人気が大きくアップ。カン議員はネチズンたちの非難を受けて、29日告訴を取り下げました。

⑦ハン・イェスルの撮影拒否事件(12표)
 女優ハン・イェスルがKBSドラマ「スパイ明月」の放送途中、撮影を拒否して突然アメリカに出国。予定の回が放映できず、急遽それまでの縮約版に差し替えられました。拒否の理由は、殺人的なスケジュール。彼女は引退を示唆しましたが、結局韓国に戻り、撮影場に復帰。およそプロらしくない行動との非難を受ける一方、一部には劣悪な韓国のドラマ製作環境を明らかにしたとかばう声も・・・。

⑧歌番組「私は歌手だ」烈風(9票)
 MBCの「私たちの一晩(우리들의 일밤)」中のコーナー「私は歌手だ(나는 가수다)」略して「ナカス」は3月の放送初回から話題となりました。実力派歌手たちが競演をし、順位によって脱落者が出るという方式は視聴者の関心を引くに十分。キム・ゴンモの特別待遇、イ・ジェボムの暴行、オク・ジュヒョンへのネット上のいじめ、パク・ワンギュの態度論議等の問題が次々に起こりました。こんな中で、多くの実力派歌手が再びライトを浴びてスターになりました。

⑧BIGBANGのG-DRAGON、大麻吸引(9票)
 BIGBANGのG-DRAGONが5月日本ツアーコンサト大麻を吸引した容疑を受け7月検察で毛髪検査をした結果陽性反応が出ました。日本のあるクラブで日本人に勧められて煙草と思って吸ったが感じが違うのですぐ捨てたと自白したそうです。結局10月に起訴猶予処分となりました。

⑩総合編成チャンネル、一斉にスタート(8票)
 12月1日にケーブルテレビや衛星放送で視聴できる4つの総合編成チャンネルと1つの報道専門チャンネルが12月1日、一斉に開局しました。総合編成チャンネルは、毎日経済新聞「MBN」、朝鮮日報「TV朝鮮」、中央日報「jTBC」、東亜日報「チャンネルA」、報道専門チャンネルは聯合ニュース「ニュースY」。準備不足との評が多く、実際開局初日から放送事故も起こり、再放送も多く、大部分の番組は視聴率が1%にもならないとか。

⑩BIGBANGのテソン、交通事故死亡に関係(8票)
 事故が起こったのは5月31日午前1:30頃。泥酔状態の30歳男性がオートバイを運転し、漢江にかかる楊花大橋で街灯に衝突し道路に倒れた。この男性を発見したタクシーの運転手がタクシーを止めて警察に通報しようとしていたところをテソンの運転するアウディが時速80kmで倒れていた男性をひいてタクシーに追突した、というもの。警察は解剖所見から彼の車がひく前までオートバイの男は生きていたと発表しましたが、8月証拠不十分等で嫌疑なしとされました。

 次にジョイニュースは次の通り。
◆ソテジとイ・ジア、稀代のスキャンダル ◆「国民のMC」カン・ホドン、突如暫定引退 ◆少女時代、SUPER JUNIOR、KARA…全世界でK-POPシンドローム ◆ハン・イェスル、ドラマ撮影拒否し、海外逃避 ◆「ギャグ・コンサート」 ギャグ界ルネサンス
◆「私は歌手だ(ナカス)」シンドローム ◆映画「D-War」のシム・ヒョンレ監督神話が賭博・賃金未払い・性ロビー説等で墜落 ◆大韓民国はオーディション共和国 ◆「るつぼ」烈風 期待以上の興行で社会的波紋 ◆スターたちの桃色熱愛と結婚

 ・・・と上掲の「スポーツ韓国」と6項目重なっています。それ以外の項目について若干ふれておきます。
 <ギャグ・コンサート>は先述の通りKBS2の人気娯楽番組。<カマキリ幼稚園>以外にも数多くの人気コーナーで平均視聴率20%を維持して週末芸能1位を独走中です。
 <シム・ヒョンレ監督>はコメディアン出身。大作「D-War」は日本ではあまり話題になりませんでしたが、韓国では韓国のSF映画先駆者として常勝疾走。しかし近ごろ一度に各種疑惑が伝えられ、一瞬にして「神話」は消えうせたようです。
 <オーディション熱風>とは、の「スーパースターK」(Mnet)や「偉大な誕生」(MBC)が爆発的な人気を得て以来オーディション番組が競うようにできたこと。オペラ歌手、バンド、アイドル等の他、ダンス、アナウンサー、モデル、演技者等々多様な領域にまで拡張されていますが、「奇跡のオーディション」(SBS)アナウンサーを選ぶ「新入社員」(MBC)等幕を下ろしたものもあります。 上半期に一時停滞したオーディション人気は、「スーパースターK3」と「偉大な誕生2」(SBS)で復活しました。
 <スターたちの桃色熱愛と結婚>について、2011年に誕生した主なスターカップルは次の通り。「シティーハンター」のイ・ミンホとパク・ミニョン、「人生は美しくて」のナム・サンミとイ・サンユンがドラマの中の恋人から実際のカップルに発展。 パク・イェジンと俳優パク・ヒスン、歌手ペク・ジヨンは9才年下の俳優チョン・ソグォンと恋人であることを公開宣言。KARAのク・ハラとBEASTのヨン・ジュンヒョンの熱愛もファンたちの関心を集めました。 ユジンとキ・テヨン、ユ・ジテとキム・ヒョジンのカップルは熱愛の末結婚にゴールイン。グループgod出身のキム・テウは12月1歳年下でS大学研究員のガールフレンドと挙式。 スポーツ スターと芸能人のカップルでは、マルコがゴルフ選手アン・シヒョンと1年の熱愛後に11月結婚、ユ・ハナと野球選手(起亜タイガース)の李容圭(イ・ヨンギュ)選手と12月結婚しました。

 あと、韓国YAHOOの10大ニュースもあります。→コチラ
 しかし昨年も思いましたが、今年も「ソン・ジソンアナ、チェ・ドンハが自殺」をはじめ暗いニュースが目につきます。ネチズンの投票で選定となると、どうもジェラシーとか攻撃性があらわになるようです。「ヒョンビンが海兵隊に入隊」というのもありますが・・・。

 ・・・いやー、ホントにこの業界、このレベルの話題には事欠きません。来年ももちろんいろいろあることでしょう。やれやれ。
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2011年 韓国のスポーツ 10大ニュース

2011-12-27 17:19:32 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 2011年韓国10大ニュースの時節となりました。
 今回もスポーツ関係から始めます。

 最初のネタ元は「聯合ニュース」です。全国新聞や放送局スポーツ担当部署を対象に行った国内スポーツのアンケートです。中央のメディアが21、地方が25の、計46が満票です。
①2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック誘致(46票)
 2度の惜敗を経て、今回は1回目の投票で過半数を獲得、やっと念願が叶いました。KBSテレビで平昌や春川等を結んで生中継をしてましたね。平昌は江原道にあるリゾート地。「冬のソナタ」でミニョン(チュンサン)とユジンの恋が展開してゆく舞台となった竜平(ヨンピョン)スキー場があります。竜平リゾートで仕事をしていた2人が発旺山(1458m)の頂上ではキスする雪ダルマを作ったという・・・おっと話が脱線。なお江陵(カンヌン)や旌善(チョンソン)でも競技が開かれます。
 1988年ソウル五輪、2002年サッカーWカップ、2011年大邱世界陸上選手権を経て、冬季五輪まで誘致して仏・独・伊・日・露に続いて世界で6番目に4大スポーツ大会を開催する<グランドスラム>国家になった! ・・・と聯合ニュースは誇らしげに書いてますね。

①プロサッカー、八百長の波紋(46票)
 朗報と醜聞が同数(満票)で並んでしまいました。八百長は韓国語では「승부조작(勝負操作)」というのですね。選手がブローカーから金を受け取って八百長をやり、ブローカーはTOTOでもうけるという手口。登録選手が約600人で、起訴された元・現プロが59人というから約1割も。自殺した選手も2人出たそうです。
事件発覚後の報道では、「不正が行われていることを知りながら、誰も告発しなかった」(「朝鮮日報」)とのことで。よく似た話は日本でもありましたねー。
 <Number>のサイト中の関係記事は、この事件の背景として3点をあげています。(1)選手引退後のセカンドキャリアの問題・・・小学校以来サッカーだけの生活だったので、「若くして選手の道を退くと、闇の世界と繋がってしまう危険性がある」(パク・チソンの自伝) (2)厳しい上下関係・・・ブローカーが同じ学校の先輩だと、後輩の現役選手は誘いを断れない (3)年俸格差・・・Kリーグは06年から新人選手の最高年俸を一律5000万ウォン(約380万円)に設定したが、低年俸選手は生活が苦しく誘惑を断れない。そんな時に1億ウォン(約750万円)でどうだ、という「悪魔の誘い」が・・・。
 この問題に衝撃を受けたプロサッカー連盟は、八百長が摘発されたチームに対してリーグ降格等の罰則を強化するとともに、選手に対する年金制度の導入や引退後の再就職支援、最低年俸の引き上げ(1200万ウォン→2400万ウォン)等を決めたとのことです。

③「野球界の星」張孝祚(チャン・ヒョジョ)と崔東原(チェ・ドンウォン)が他界(43票)
 <永遠の3割打者>張孝祚選手は1983~88年三星ライオンズ、89~92年ロッテジァイアンツで活躍した外野手で、83・85~87年と4度首位打者を獲得した<打撃の達人>です。崔東原選手は1983~88年ロッテジァイアンツ、89~90年三星ライオンズに在籍して通算103勝(74敗)。生涯防御率2.46は、宣銅烈選手の1.20に次ぐ歴代2位です。享年は張孝祚選手55歳、崔東原選手53歳とまだまだ若かったのに・・・。

④趙広来(チョ・クァンネ)サッカー代表チーム監督、電撃更迭(34票)
 趙監督は、初の公式戦の今年1月のAFCアジアカップ2011では準決勝で日本にPK戦で敗れて3位に終わり、8月のキリンチャレンジカップでも日本に0-3と大敗。11月には2014年ブラジルWカップ大会アジア3次予選格下とされたレバノンにも1対2で敗れて批判が高まり、12月7日に代表監督を解任されました。

⑤大邱世界陸上選手権大会開催(33票)
 世界的行事なのにこの順位に終わったのは、やっぱり韓国選手がノーメダルに終わって盛り上がりに欠けたからでしょう。期待のボルトもフライングで失格しちゃったし・・・。
小さなネタでは、会場内で唯一の観客用レストランのメニューがチャジャン麺、プルコギライス、海鮮ライスの3種類しかなくて不満が上がっていたそうです。

⑥韓国の女子ゴルファー軍団、アメリカ女子プロゴルフ協会(LPGA)通算 100勝達成(28票)
 元記事では<낭자군단>(←何かと思ったら<娘子軍団>)という言葉を使ってます。1988年具玉姫が米ツアーで初優勝して以来、23年間で達成した100勝。なかでも際立っているのが25勝をあげた朴セリ。メジャー5勝の他、年間最多勝に輝いた実績もあります。今は彼女に憧れて育った朴セリキッズが活躍しています。で、100勝目は崔羅蓮(チェ・ナヨン)ですか。え!? <GOLFDIGEST>の記事によると「米国籍の選手の5勝を引けば純粋な意味ではまだ95勝」なんだって? そりゃいかんわなー。

⑦プロ野球第9の球団NCダイノス創団(27票)
 親会社のNCソフトはオンラインゲーム運営会社。日本と同じような状況がありますね。本拠地は昌原です。奇数だとまずいのでは、と思ったら、やっぱり第10のチームについての記事がありました。全州と水原、あれあれ、2つじゃ余っちゃいますよ。2013年からですが、結局どうなるのかな?

⑦プロ野球観衆600万人時代開幕(27票)
 日本は今年2157万人ですが、昨年(2214万人)からも減少して近年停滞気味です。

⑨韓国代表の三星ライオンズがアジアシリーズ制覇(26票)
 ソフトバンクがベストメンバーで臨まなかったのはいかがなものかと思いました。が、三星もそうだったんだって!?

⑩朴英碩(パク・ヨンソク)遠征隊、アンナプルナで行方不明に(25票)
 ベースキャンプに「下山する」と連絡した後行方不明。韓国語では「실종(失踪)」。捜索したものの、ロープを発見しただけ。雪崩に遭遇したと推測されています。

 次にYAHOO!韓国のネチズン選定スポーツ10大ニュース
①2018年平昌冬季オリンピック誘致(1665人) ②プロサッカーの八百長(574人) ③朴英碩隊長、ヒマラヤで行方不明(390人) ④朴泰桓、上海で開かれた水泳世界選手権400m自由形で金メダル(364人) ⑤大邱世界陸上開催(211人) ⑥三星、韓国シリーズとアジアシリーズで優勝(120人) ⑦全北、Kリーグ正規リーグで優勝(112人) ⑧プロ野球第9の球団創団(103人) ⑨李承、朴贊浩、金泰均選手が韓国に復帰(46人) ⑩朴主永(パク・チュヨン)、池東沅(チ・ドンウォン)がEPL(イングランドの1部リーグ)行き

 ・・・と、6項目が聯合ニュースの方と重なっています。④の朴泰桓選手は2008年北京オリンピックでも同種目で優勝しています。⑦、全北現代モータースは一昨年に続き2度目の優勝。⑨、3選手とも日本プロ野球から。韓国に戻ってまた活躍できるか? ⑩、朴主永は今年朴智星の代表引退を受け、韓国代表の主将に歴代最年少で任命されました。

 ついでに「ジョイニュース」のスポーツ10大ニュースものぞいてみると、上記とダブっていないのは次の1つだけ。
○プロバスケットのキム・スンヒョン選手、紆余曲折の末にコート復帰
 ・・・高陽オリオンズを離れてソウル三星に移籍。彼は女優イ・チェヨンとの熱愛説が流されてたりもしたようで・・・。

 以上、総じて見てみると、平昌冬季オリンピック誘致の1位は完璧に予想通り。
 ただ、キム・ヨナ旋風の起こった昨年と比べると、今年のベスト10はちょっと華に欠ける感じは否めません。
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日韓のプロ野球の違い ☆門倉健選手のトークライブ

2011-12-25 23:55:58 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 17日に水道橋のYMCAアジア青少年センターという所に行ってきました。もっと早く書くつもりだったのが、もう8日も経ってしまいました。
 この建物は、本ブログの昨年8月14日の記事で書いたように、1919年2月8日、在日朝鮮人留学生たちによって2.8独立宣言が発表された場所です。しかし今回はそれとは関係ない催しです。

 その催しというのは門倉健トークライブ
 ご存知ない方も大勢いらっしゃるでしょうが、門倉健さんはプロ野球選手(投手)です。ウィキにあるように、1973年生まれ。東北福祉大学を出て1996年ドラフト2位で中日に入団。以後近鉄・横浜・巨人と計4球団に在籍した後、2009年シカゴ・カブスとマイナー契約を結んでオープン戦で好投しながらも開幕直前に解雇され、その直後韓国プロ野球の仁川を本拠とするSKワイバーンズで2年間で22勝と活躍し、そして今年は大邱の三星(サムスン)に移籍し日韓通算100勝を達成するも、その後調子を落とし、7月に退団しました。

 何をかくそう私ヌルボ、常に理性的に物事を判断できると自らが保証する(笑)ほどの人間ですが、唯一(?)理屈もへっちゃくれもないのが名古屋に生まれついて以来の中日ファンということ。今シーズンもリーグ優勝を決めた10月18日にはちゃんと横浜スタジアムに行ってました。でかい声を出したりするタイプではないですけどね。

 ・・・で、門倉投手とは中日・横浜、そして韓国と、重なる要素がいろいろあって個人的に親近感がある上、とくに今回は韓国のプロ野球の話が聞ける絶好の機会と思って行ってきたというわけです。
 このトークライブについての情報源は、<韓国野球応援サイト ストライク・ゾーン>中の記事。→コチラ。11月に偶然見つけました。

 このトークライブは、<韓国プロ野球の伝え手>という肩書の室井昌也さんとの対談という形式で進められました。室井さんという人は、これまで知りませんでしたが、「韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑」を04年から発行したり、韓国プロ野球観戦ツアーを03年から実施したりしているんですね。また韓国のスポーツ紙「スポーツ朝鮮」に06年からコラムを毎週連載しているとも・・・。韓食の八田靖史さんといい、韓国文化の中の個々の分野でそれそれの専門家が生まれつつあるようです。

 その室井さんの話によると、トークライブは2006年に始まって今回が8回目。上記の<ストライク・ゾーン>中の記事の下方にある、これまでのトークライブの記録によると、今年は7月・8月にもやっているんですね(選手のトークは初めてとか)。しかし、室井さんが約100人(?)の来場者に「今回初めての方は?」と尋ねたらヌルボも含め半数以上の手が挙がりました。

 さて、お目当ての門倉投手の話ですが、期待通りでとても興味深い内容でした。投手としての技術等々の話もおもしろかったのですが、本ブログの趣旨に沿って、とくに日韓の野球の差異に絞ってその内容を紹介することにします。

まずは、意外でもなんでもない、読み筋通り。韓国人選手は大食である。ま、ふつうの韓国人もたくさん食べるし・・・、ってプロ野球選手はそれ以上のようです。球場に来てからもチゲなんかを食べるそうで・・・。門倉選手、「試合前にあんなに食べるなんて日本じゃ考えられない」。その前に、ホテルで参鶏湯を食べてから出てくるとか・・・。「1日に4~5回食べてるようです」。
 門倉選手が一時スランプに陥った時、体のキレを良くするためダイエットをして体重を落とし、それが功を奏して再び勝てるようになった。韓国のスポーツ記者に復活の理由を問われて、その通り答えたところ、記者には全然理解されなかったそうです。韓国では調子が悪かったら「とにかく食べる!」ですから。失恋しても仕事で失敗しても不幸にあっても、とにかく食べて元気を回復するというのが韓国人(と決めつけていいのか??)。スポーツ選手がダイエットというのは理解不能だったようです。
 韓国に行って、とくに食文化の違いに驚いたと語る門倉選手、「辛いものが好き」でとくに「スンドゥブがおいしい!」とのことで、とくに深刻な拒絶反応はなかったようですが、それでも「犬肉は食えなかった」そうです。三星の宣銅烈監督は来シーズンから自身の出身地光州を本拠とする起亜の監督になりますが、ある韓国サイトの記事には彼の父親は息子に補身湯(犬鍋)を食べさせたと書かれています。室井さんの話ではその光州に宣銅烈監督の行きつけの補身湯の店があるとか。しかし門倉選手によると、やはり元中日の投手で2010年から三星のコーチをしている落合英二さんもやはり補身湯の店には行かないと言っていたそうです。

これまた「やっぱりなー」という感じだったのが「韓国選手はもっと繊細になっていいんじゃないかと思います」という話。
 袋から出したばかりの新品のボールは光沢を出すため蠟が塗られているのですが、日本では砂をまぶして手でこねてから使います。これが常識・・・のようで、→コチラの記事でも説明されています。あれっ!? それ以前に「公認野球規則」で試合球は「もみ砂」でこねることがによって義務づけられているんだって? さらにそのもみ砂は「鳴き砂」で有名な京都・ 網野町の琴引浜の白砂と、鹿児島県の火山灰を含んだ黒土を「企業秘密」(!)の比率でブレンドした砂で、2011年度から統一された、と→ヤフー知恵袋で説明されていますよ。
 ところが韓国では、門倉選手の話では「気にしない」とのこと。こねたりしないで、そのまま使うのだそうです。
 また、門倉選手が最初に韓国のマウンドに立った時、プレートの金具が出ているのを見て、「これはイヤガラセか?」と思ったそうです。(→参考画像) 日本ではもちろん出ないようにして、少し砂をかけるとか。これもイヤガラセじゃなくて気にしないだけなのかも・・・。
 たぶん、こんな細かな(?)ことを気にしないというのは、野球自体(投打の技術や試合運び等々)にも関係しているのでしょうね。

その他、韓国ではビジター・チームにはロッカーがなく、バスの中で着替えるのがオドロキだったとも・・・。日本では大学野球でもロッカーはあるのに・・・。

また、日本のプロ野球ではふつう投手は中5日のローテーションがふつうになっています。稲尾投手が42勝しちゃった頃はいざ知らず、現在は登板した翌日は軽くジョギングだけ、次の日は完全休養。しかし韓国の投手はもっとキツいそうで、登板の翌々日にはもうベンチ入り

移動は、日本では新幹線を利用するのに対し、韓国ではバスで移動。これも予測通りですね。釜山から仁川やソウルに移動するとなると5時間ですから、キツいです。門倉選手は大好きな数独で時間をつぶしているそうです。

韓国人選手(打者)はタテの変化球に弱い。これは、来日韓国人選手についての解説者の分析としてしばしば聞いたことですね。しかし、今度オリックスへの入団が決まった韓国一の強打者、ロッテ・ジャイアンツの李大浩選手は「対応できる選手なので期待できる」とのことですよ。昨年は打撃9試合連続本塁打、7冠王で日本でも少し注目されましたね。今年も打率0.357で首位打者でした。(2011年韓国プロ野球の個人成績は→コチラ。)

 韓国野球のレベルも、以前に比べるとずいぶん高くなったとのこと。ヌルボがただ1度、蚕室球場で観戦したのが1992年(!)。近年は観客数も増加し、今年日本でも公開された「グローブ」や、今韓国で上映中の「パーフェクト・ゲーム」のような野球映画も作られています。ぜひ来年は、20年ぶりに釜山か仁川か光州に観に行くぞ!という意欲が高まってきました。
※「パーフェクト・ゲーム」は、韓国プロ野球史で伝説の対決といわれる1987年5月16日に釜山・社稷(サジク)球場で行われたプロ野球ロッテジャイアンツの崔東原と、ヘテタイガース宣銅烈の対決を描いた作品。延長15回2対2で引き分けに終わったその試合は、伝説の名勝負としてファンの記憶に残っているそうです。(崔東原投手は今年9月大腸がんで死去、釜山の社稷球場で追悼式が行われました。)

 さて、このトークライブ、トークだけでなく、実際に門倉選手のストレートやフォーク等のピッチングの実演や、数々のプレゼントの抽選等もあって、とても楽しめました。
 室井さんは、ご自身のブログででこのトークライブの報告記事をアップしています。写真も載せてます。よくあんな狭い所で投球できるものです。さすがプロです。室井さんもその日のうちに記事をまとめるとは、これまたお仕事とはいえさすがです。

  
 【右から2009年SKの準優勝メダル、10年の優勝メダル、オールスター出場メダル、09年4月の月間MVP(韓国で制定初受賞選手)。左にチラと見えるのは、2005年横浜時代の最多奪三振投手賞。】
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スッカラ(韓国のスプーン)はくぼみが浅い。 その理由は?

2011-11-27 20:15:08 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 現在発売中の「週刊文春」12月1日号に、料理家の瀬尾幸子さんが「台所の仕事」という連載で、「優秀な調理道具、スッカラ」と題した一文を寄せています。

 スッカラ>(숟가락)とはもちろん韓国のスプーンのことですが、読者の大半を占める(?)オジサンたちにこの言葉がわかるのか、少し気になりました。(どうなんだろうなー?)

 さて、この記事の要点は次の通りです。
①スッカラは西洋のスプーンに比べて柄が長く、へこみが浅い。
②したがって、具を混ぜるのに適している。
③したがって、調理用具として役立てることができる。
 


 瀬尾さんが③の例として揚げて挙げているのがかき揚げ。瀬尾さんによれば、「スッカラの実力が実感できる料理」なのだそうです。
 「スッカラだと粉を練らず、切るように混ぜることができるから、グルテンが出過ぎずもたつかない衣に仕上がります」等々説明されていますが、このあたりはかき揚げ作りの知識も経験もないヌルボにはよくわからないので、あとはスルー。興味がある方は直接読んでみて下さい。

 それよりも、スッカラについて、私ヌルボが韓国料理好きの皆さんにお聞きしたい点があります。

 まず、スッカラの柄が長いのは誰もが気づきますが(ホント?)、「スッカラは西洋のスプーンに比べてすくう部分のくぼみが浅い」ということに気づいていましたか?
 次に、気づいていた方は、その理由を考えたことがありますか?
 さらに、考えた方、もしかして調べた方、その理由は何ですか?

 とりあえず身近なところから、と思って、たまたま昨日集まったハングルサークル仲間数人に聞いてみました。ヌルボを含め男3人、ネイティブの韓国人のU先生を含めて女性も3人です。
 ・・・で、スッカラの柄が長いことは全員知っていました。ただし、柄を韓国語で何というかわからなかったヌルボが辞書に載っていた자루という言葉を口にすると、「それは使わない」とU先生。ピタッときまる単語はなさそうですが、とりあえず손잡이とおっしゃってました。(손잡이というと冷蔵庫とかコーヒーカップとかの取っ手と同じですか・・・。)

 柄が長い理由としては、鍋物を食べる時便利、というのはふつうに考えられます。
 短いと、鍋の下に沈んでしまうおそれもあります。
 また、先生は「チョッカラ(箸)と一緒に並べる時、長さがそろっていた方が見た目がいい」とも・・・。

 そして肝心の「くぼみが浅い」という点については、どうも今まで知らなかったようなようすだったのがアジョシX氏1人・・・。

 そのくぼみが浅い理由について、きちんと書かれた記事があるか、事前に探してみた結果は、<ミスター世界の食文化紀行>というサイト中の記事にゴハンが主な用途なるゆえであるとあるのを見つけた程度。フェルマーのごとく(?)結論のみの突き放した書き方なので、結局ヌルボなりに考えてみました。

 もしスッカラのくぼみが深く湾曲していたら、先端部分がやや上向きになるため、ご飯をすくう時、手首から回転させなければならない。つまり浅い方が手の動きがラク、というのがヌルボの推定です。
 お酒の好きなTヒョン(兄)からは、「くぼみが深いと金属椀(コンギ)の隅っこのご飯がすくいにくいだろう」との見方も出されました。

 スッカラについて、<K-PLAZA.com>の掲示板に次のような質問が提示されていました。
 「鍋などからスープをすくって飲む際、スープも残り少なくなった時、どうやって鍋や食器の底からスープをすくうのですか? スッカラクは、スープのスプーンと比べると、浅い感じがしますが、あれで底の底までスープをすくいとる事はできますか? スープが鍋でなく食器に入っている時にも、食器を持ち上げて食べるのはNGなので、汁物でも食器に口をつけて飲んだりしないのですか?」
 これに対して、
 「韓国人が食堂で器を斜めにしてすくっているのをよくみるので、「なるほど!」と思い、自分もそうしている」という内容の回答が載っていました。

 しかし! U先生によれば、スッカラはスープを飲むための食器ではなく、ご飯を食べたり、鍋の中の具を取るためのものであるとのことです。
 器に残ったスープを飲みたくなったら、手に持ってそのまま飲みます。
 コムタン等の場合も、スッカラはそこに入れたご飯を食べるためのものです・・・。

 なるほど、そーなのか・・・って感じですね。

 ついでにもうひとつ。
 たとえば、ある韓国人女性が「なぜ、和食にはスプーンを使わないのか」というブログ記事で次のようなことを記されていました。

 日本に初めて来た時、味噌汁を見て「すみません、スプーン下さい」と当然のように頼んだ。店員が「え、え、スプーンですか」と聞き返す。どうやら、戸惑いを感じたのは私ではなく、店の人や同行した日本人だったようだ。そして、登場したのが可愛いティースプーンだ。韓国の思いやりのある大きなスプーンを連想した私には、すこし物足りない気持ちになった。こんな大きな食堂になぜ、ろくなスプーン(?)一つないのよ。

 ・・・食文化関係の日韓の比較でよく話題になるのが日本ではなぜ食事でスプーンを用いないのか?ということ。
 「日本のご飯は粘り気が多いので、スプーンだとくっついてしまう」という理由は、いくつかのサイトや本等で見たことがあります。
 一方韓国は、上記のブログ記事にもあるように、「乾燥した大陸気候にあわせて液体類の料理が多いため、スプーンはなくてはならない貴重な道具」というわけです。
 これと関連して、サークル仲間の話でも出たのが食器のこと。韓国のように金属製だと熱くて持てない。だから置いて食べるしかない、とか、木の椀は持って口まで運べるから、さじは要らない、等々。(食器の材質については、金属や陶器や木等の原料に恵まれているか否か等が関連してきますね。)

前川健一さんの「東南アジアの日常茶飯」を思い出して確認してみたら、やっぱり次のような記述がありました。
 青木正児氏は「用匙喫茶考」で、中国人の食事法を次のように述べている。手食をしていた中国人は、唐代あたりから飯を食べるためにサジを使い始めた。サジそのものはそれ以前からあったが、料理を口へ運ぶ道具としてサジを用いるようになったのは、このころかららしい。箸は汁の実をつかむために用い、汁そのものは器に口をつけて飲んでいた。飯をサジで食べるようになったきっかけは、ポロポロの飯にはサジの方が便利で手食よりスマートであると思ったからだ。明代になると、粘り気のある飯を好む南部の人たちが天下を取ったため、飯にも箸を用いるようになり、サジは汁物用になっていった。
 以上のことから、サジの使用には汁物とポロポロの飯が関係ありそうだとわかった

 ・・・まさにバッチリです!

        
    【左から、高麗時代→近代のスッカラ。柄は今ほど長くないですね。※コチラの韓国サイトより。】

 ことほどさように、スプーンひとつをとっても、その必要性の有無からその形状、食事作法等々、ふだんは意識していない点にまで、地理的・歴史的、ひいては美的だか思想的だか、考えてみればいろんな背景があるものだなあ、ということがシミジミツクヅク感じられます。

 なお、瀬尾幸子さんによれば、最近のスッカラは「形が西洋スプーン化して、くぼみが深い傾向にある」そうで、「私が惚れた絶妙な浅さのスッカラは、現地でも昔ながらの食堂か、アンティーク店でしか見かけなくなってしまいました」ということです。

 なおその2、U先生によれば、韓国では瀬尾幸子さんのようにスッカラを調理道具として用いることはないそうです。(それは邪道だっ、と言って瀬尾さんを批判してるわけでは全然ないので、誤解なきよう・・・。)
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[韓国コスメ] カタツムリの次は毒蛇なんだって!?

2011-10-17 22:29:17 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 私ヌルボ、どだい台コスメなんぞをテーマに記事を書く資格なぞないことは重々承知しながらも、一応韓国ネタということで去る5月23日かたつむりクリームについて書きました。

 そして今回。最近ソウル旅行から帰った人の話では、今度は「トクサクリーム」というのが流行っているんですと。トクサ? 독사! そう、毒蛇!! です。

 帰宅していくつかネット検索してみると、韓国ではすでに昨年から売り出されているようですね。最近になって日本でも出回り始めている、といったところでしょうか。

 なぬなぬ、昨年8月9日さんまの『ホンマでっか!?TV』で紹介してたの? そら早いわ(瞬間関西弁)

 毒蛇というのは一体どこの、何という蛇なのか調べたらTemple Viper(和名:ヨロイハブ)という、東南アジア方面にいるヤツなんだそうです。

         
 【これがヨロイハブだっ。右の写真説明には「Syn-ake Won't Bite You, but it will relax your wrinkles like no other ingredient」とあった。】

 蛇の写真を先に見てから説明を読むと、なんのことはない、生身の蛇を原料として使うのではなく、その蛇の毒成分に含まれるペプチドと同じ分子構造をもつシン-エイク(Syn-Ake)という成分を配合しているということです。(なーんだ・・・)
 シン-エイクは、筋弛緩作用があって、筋肉の収斂を抑えることで、深いシワの改善を促すのだそうです。(具体的にどういうことなのか、今ひとつわかりませんが・・・。)

 そのシン-エイク。開発したのはべつに韓国ということではなくて、スイスのペンタファーム社という製薬会社。

 <b.glen Times>の記事によると、<効能>は次の通り。

 ペンタファームが発表した実験の結果を見ますと、1時間後で36%、2時間後で82%ものシワの原因を減少させてくれるそうで、2日後でもまだ67%減少した状態を維持するというのですから、かなり期待ができる成分といえます。特に額のシワや目元のシワに悩んでいる人にはシワが28日後に50%近く減少した結果が出ています。

 えーっホンマカイナ!? (・・・と何ごとにも疑り深い私ヌルボ。)

 <コネスト>の掲示板の情報によると、毒蛇シリーズはいろんなブランドから発売されていて、そのいくつかについて簡単に紹介しています。
 「お試し感覚で使用したいと思い、値段が比較的お手頃なジャミンギョンさんのものを探したら ありました、ありました。しかも半額の19500w(約1300円ちょっと♪)」などと書かれています。
 朝はカタツムリ、夜は毒蛇!と使い分けています♪」
 ・・・うーむ。
 
 その他、実際に使ってみた方のブログ記事は→コチラコチラコチラ

 ある通販サイトでは3種がリスト(→コチラ)にありますが・・・、おっ、30gで1万500円というのもあるぢやあないか! 5千円のディナー2回分よりコチラを選ぶ女性がけっこういるってことですか・・・。

 その他毒を食わば皿までと(違うか)いろいろ検索しまくっていたら、毒蛇だけじゃなく他にもいろいろ。
 <CUTPLAZA DIARY>の記事によれば、黄金ナマコ石鹸とかキャビアの化粧品が・・・。
 カタツムリ・毒蛇・トラフグ マスク90枚SET(3150円)というのを紹介しているのは→コチラ
 このお値段が高いのか安いのか、ぜ~んぜんわからんゾ。
 ミツバチ毒トリートメント(180分30万ウォン)を紹介しているのは→コチラ
 「キレイな肌には毒が合う 蜂毒美人」なんてねえ・・・。

 このテの記事を続けて見てるうちにカン・スージーさんが宣伝している韓国サイトをみつけた時にはちょっとほっとしましたね。久しぶりだなー。

 ところで、つい最近、さる方から<ミシャ ヒーリングスネイルシートマスク>というものをいただきました。

        

 私ヌルボ、カタツムリ関係は前にちょっとだけ手の甲につけてもらったくらいで、もちろんこんなマスクなんぞは未経験。「ためしてみて下さい」とのことなので、せっかくなので物はためしと・・・。(ってヘンなオジサンだね。)
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釜山国際映画祭の中のイベントで「るつぼ」の原作者・孔枝泳の講演予定

2011-10-05 22:19:55 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 第16回釜山国際映画祭が明日10月6日(木)開幕。14日(金)まで、海雲台のメガボックス、9月29日に映画祭専用の上映館としてセンタムシティーにオープンした映画の殿堂等々で開催されます

 その映画関係の情報は<釜山ナビ><韓国観光公社>の記事などを参照していただくとして、今回の記事は映画祭の関連イベントとして開かれる、一般観客を対象としたとした講演会で、今話題の映画「るつぼ」の原作者孔枝泳が講師として講演をする、という件についてです。

 昨日の<Ohmynews>の記事によると、<アジア映像制作フォーラム>のオープン・セッションとして行われる招請講演で、このような一般の観客のための特別のプログラムを作ったは異例のことだそうです。
 孔枝泳さんは「私の小説、私の映画」というテーマで、自分の小説と、これを原作にした映画を再解釈しながら、映画についてさまざまに語る予定とのことです。もちろん、最近の「るつぼ現象」についても語る予定なので関心が高まっている、というのも当然でしょう。
 BEXCOコンベンション・ホール午後2時から。事前受付で300人の先着順ということですから、じきに埋まってしまうのでは?

 なお、ポスター(下写真)にあるように、午後4時からは有名な脳科学者・KAISTの鄭在勝(チョン・ジェスン)教授の「映画と脳科学」と題する講演が引き続き行われます。

        

 この他、純粋な映画人による講演では、女優イザベル・ユペール、是枝裕和監督、リュックベッソン監督、タイ映画「ブンミおじさんの森」のアピチャートポン・ウィーラセータクン監督、香港の楊凡(ヨンファン)監督などが講演者として出演するそうです。

 釜山国際映画祭には、日本からも<参加ツアー>なども組まれていますが、私ヌルボはとてもとても行けるような身分ではありません。行っても、韓国語聴き取り能力という大問題もあるし・・・。
 ・・・ということであまり関心をもてずにいたのですが、最近たまたま<孔枝泳さんのTwitter>があるのを発見。
 「오뎅 오뎅 !!! ㅜㅜRT @hyunin21c: @congjee 포장마차에서 오뎅 먹다가 뜬금없이 오뎅 좋아하는 꽁지 작가님 생각 났어요~」というのを見て、孔枝泳さんはおでんが好きなのか~、という情報や、「るつぼ」は10月20日頃アメリカのLAでも封切られるそうで、「私も行くみたいです」という情報とともに、上述の釜山での催しのことも呟いていたので、ちょっと興味をもって調べてみた、というわけです。

 私ヌルボの場合、ただでさえ余裕がないのに、これ以上Twitterなんて始めたら一層せわしなくなると思ってやってないのですが、はるかに忙しいと思われる有名人の皆さんがTwitterをやってて、困ったちゃんも多いであろう一般人も相手にしているとは、たいしたもんだなーと思います。人気商売、といえばまあそうなんでしょうけど・・・。

 <孔枝泳さんのTwitter>を少しさか上って見てみると、その中にあの人気漫画家の<カンプル氏のTwitter>も出てきましたね。その気で探したら韓国の有名人のTwitterがいろいろあるかも。
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◆韓国映画「鯨とり」◆ 乞食親分の起居する動物園ってどこにあるの?

2011-09-03 23:48:05 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 火曜(8月30日)に観た「風吹く良き日」に続いて、一昨日(9月1日)は「鯨とり ナドヤカンダ」を観にシネマ・ジャックへ。これまた10数年ぶりで、大まかなストーリーは覚えていたが、細部はほとんど記憶になく、その分新鮮な気持ちで見ることができました。

 また、最初に観た時と比べて現在の私ヌルボは、着眼点が違ってきているようです。あー、30年前のソウル駅前はこうだったのか、とか、この大学は中央大学校なのか、とか、ピョンテが「왕초!(ワンチョ.親分)」と言って敬礼したのは昌慶宮の国宝・明政殿(下写真)の前だったのか等々。

    
       【ほとんどが南向きの宮殿中、この建物は東向きになっています。】

 さて、昌慶宮ということで、私ヌルボ自身が本ブログで書いた記事をかろうじて思い出しました。何のことかといえば、乞食親分のミヌ(アン・ソンギ)が住まいとしている(?)動物園のことです。

 最近ソウルに行って、ソウルの土地勘も頭に入り、主な観光ポイントもおおよそ承知という人は、もしかしたらこの映画を観て疑問に思ったかもしれません。
 すなわち、あの動物園とは一体どこの動物園なのか?
 実は私ヌルボもそんな疑問がアタマをよぎりましたが、その時思い浮かんだのが上記の自分が書いた2009年11月7日の記事だったということです。
 つまり、ソウルの宮殿の一つの昌慶宮の殿閣を取り壊して昌慶苑動物園が造られ、開園したのは1909年11月1日。それがソウル大公園動物園ができて廃され、昌慶宮を復元・整備して名前も元来の昌慶宮に戻されたのが1984年だったのです。

 ・・・ということで、この映画が公開された1984年とちょうど同年。映画に映し出された動物園のようすは、昌慶苑動物園75年の歴史の一番最後の時期のものというわけです。
 おそらく、現時点で韓国の人がこの映画を観たら、懐かしいと思う世代、懐かしさはないが場所がわかる世代、どこだかわからない世代に分かれるのではないでしょうか?

[9月4日の追記]1960年代末の昌慶苑動物園を映した動画が見つかりました。当時は学校の遠足の一番人気の見学地だったようですね。68年来園した黒山島の子どもたちのようすが映されています。69年には開園60周年記念行事も開かれたとか。



     
           【1983年7月の昌慶苑動物園】

  
            【昌慶苑は遊園地でもあった。左右とも1970年の写真。】

 実をいうと、今回はアン・ソンギ演じる乞食親分が歌い踊っていた「乞食節」について書くつもりだったのですが、つい深入りして手に負えなくなってしまったので、前置き程度にふれるつもりだった動物園のことをメインにしてしまいました。
 次回こそは「乞食節」について記事にします。
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韓国KBS「珍品名品」は「なんでも鑑定団」のパクリ!? って、日本も英BBCのパクリのようで・・・

2011-08-29 22:40:32 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 島田紳助が最近突如として芸能界を引退したことに伴って、先行きが注目されている番組の1つがテレビ東京系列の「開運!なんでも鑑定団」
 1994年4月に始まった番組なので、もう17年目になります。ハズレのお宝が多い中で、たまにリサイクルショップで2500円で買った絵が○○円にもなるケース(→動画)なんてこともあるからおもしろいですねー。別に自分が得するわけじゃないですけど。

 ところが、韓国でも同じような番組がかなり前からあるんですね。
 KBS1TVで日曜午前11~12時に放映されている番組がTVショー 珍品名品(TV쇼 진품명품)がその番組名。
 公式サイトは→コチラです。
 この番組は1995年3月スタート。7月31日で815回ということなので、こちらも長く続いていますが、日本の翌年開始ということで、内心ホッとしたり(笑)、これもパクリじゃないかと怒ったり(?)バカにしたり(?)する人もいるかもしれません。その件はちょっと後回し。
 YouTubeを探してみると、ありました。李承晩政権の独裁と腐敗に立ち向かって戦った儒者金昌淑(1879~1962)が、自ら設立した成均館大学での卒業式訓示の自筆原稿の鑑定です。


【3人の回答者が鑑定価格を当てるという形式ですが、なかなかまじめな雰囲気です。】

 さて私ヌルボ、今回の島田紳助の一件がなくても、この「珍品名品」について書くつもりでした。というのは、1ヵ月ほど前、この番組で過去の最高価格を上回る鑑定価格が7年ぶりにつけられた、というニュースが伝えられていたからです。

 そのニュースによると、7月24日の番組で鑑定に付された石泉遊図(석천한유도)15億ウォンという値が付けられたというもの。石泉とは、18世紀の絵師田日祥(전일상.チョン・イルサン.1700~1753)の号です。韓国ウィキによると、忠清南道礼山郡の有形文化財(個人蔵)になっているではないですか。(こういうのをTV番組に出すかなあ?)

   
       【15億ウォンの値が付いた「石泉遊図」】

 これまでは2004年6月に出された「青磁象嵌牡丹紋杖鼓(청자상감모란문 장구)」という高麗時代の陶磁器の12億ウォンが最高価格だっだそうです。写真は→コチラ(番組PDのインタビュー記事)で見られます。
 先の記事によると、この陶磁器は放送後5人が購買の意思を打診したが、そのうちの3人は日本人だったそうです。(所蔵者は売るつもりはなく、売買は不成立。)
 また、本当に高価な物件を持っている人は、こんなTVショーに出たりせず、宝物級文化財の価値のある物件はショーに出ても価格をつけることができないと通知される。1459年に編纂された月印釋譜(월인석보)という書物は、価格測定が拒否されたとのこと。別の記事には、「9,999,999,999ウォンが付いた」(!)なんて出てましたが・・・。

 ちなみに、「開運!なんでも鑑定団」の方の最高評価額は、「初期柿右衛門様式の壺」の5億円が最高なんだそうです。 15億ウォンの約4.7倍。はるかに上を行ってますね。9,999,999,999ウォンには負けますが・・・。

 ところで、中国にも北京衛視(北京電視台のBTV-1)に「天下収蔵」という同じような番組があります。
 ところが、さるブログにあるように、出品者は鑑定の前に契約書にサインし、もし物件が偽物だったら司会者が用意されているハンマーでその場で躊躇なく破壊するのだとか・・・。契約書はそのためのものなんですね。これは視聴者も緊張しますよ。動画を見つけました! 皆さんもぜひ緊張感を味わってみて下さい。→コチラ
 日本なら「ご自分で楽しまれるのが良いと思いますよ」なんて言うところが、贋物は(出回っているだけに)許さんぞ、という姿勢を前面に出しているというわけでしょうか? 
 この番組のスタートは、中国語読解力は全然ありませんが、2009年なのかな?
 また<須弥山美術ブログ>の記事には、やはり中国CCTVの「寻宝(尋宝)」と、以前あったという
「鉴宝(鑑宝)」という番組が紹介されていました。こちらは中央電視台です。
 後者が2003年11月に始まった番組ということは、やはり日韓より9年ばかり遅いですね。

 上記の韓国及び中国の「なんでも鑑定団」類似番組は、ふつうに考えて、日本の「なんでも鑑定団」を参考にしたとみるのが順当なところでしょう。
 しかし、日本がオリジナルというわけではなくて、元をただせばイギリスなんですね。
 BBCが1979年から放送している「Antiques Roadshow」が最初だそうで、
英語のウィキによると、その後80年代にはドイツ、ベルギー、スウェーデン等々ヨーロッパ諸国、90年代にさらに広がり、アメリカでは1997年に公共放送のPBSが「Antiques Roadshow」を始めています。

 前述のように、基本的コンセプトは同じでも日・韓・中の3国でそれぞれのお国ぶりが反映されているように、英米等々の各国の「Antiques Roadshow」も特色があるようです。

・アメリカについては、<早川由紀夫の教育ブログ>や、<PAYACO jn アメリカ☆>を参照のこと。出品者が喜ぶようすに重点をおくようです。

・イギリスのようすは、→コチラに載ってました。「会場はTVスタジオではなく、のみの市のような感じなので、大勢の人が訪れ鑑定者も数名います」とのことです。

 その他の国々の関係記事や動画等も探せばあるでしょうが、韓国関係ブログとしてはもうずいぶんはみ出してしまったので、この辺でオシマイにします。
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韓国で人気絶大のゲーム スタークラフトのすべて(下)

2011-08-23 13:48:26 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 (上)で記したように、世界の中でスタークラフトが例外的に普及していない日本とは違って、韓国での人気度は大変なものです。さらに詳しく見てみると・・・・。

全世界で売られた1100万本のうち半数近くが韓国で販売されています。「海賊版を抜きに考えても、国民の11人に1人が持っている計算」で、パソコンを手に入れた子どもたちが最初に欲しがるのがスタークラフトといわれているとか。

スタークラフト専門のプロリーグがあり、プロゲーマーは子どもたちがなりたい職業の第一位に君臨しているとのことです。世界選手権も開かれていますが、昨年ロサンゼルスで開かれた国際オンラインゲーム大会のスタークラフト部門で「メダル独占」という記事にもあるように、韓国の選手だけが実力的に飛び抜けてしまい、他国の選手が入り込む余地がほとんどなくなってしまっているそうです。2007年の<eスポーツ日韓戦>開催の時にゲストとして来日した<女帝>ソ・ジス選手(1985~)のような女性のプロゲーマーもいます。(インタビュー動画→コチラ) その関係記事によると、同じ時に来日したイ・ユンヨル選手は「街を歩いているとお年寄りの方たちも僕らの顔を知っていて、声をかけてきたりするんですよ」と語っています。

選手権戦はTVで実況中継され、会場は「さながらどこかのアイドルグループがコンサートでも行うかのような熱狂的な雰囲気に包まれている」とのことです。YouTubeでその動画を見ることができます。
 たとえば、ということで、「WCG Korea 2010 NF/SC Final」という大会の決勝戦「イ・ジェドン選手対イ・ヨンホ選手」の3連戦中第2戦を見てみて下さい。



 第1戦は約50分の大熱戦でイ・ヨンホ勝ち、この第2戦は約20分でイ・ジェドン勝ち、第3戦もイ・ジェドンが約6分であっけなく勝って優勝しました。
※2007年優勝のイ・ジェドン選手(1990~)のインタビュー記事は→コチラ。彼はメジャー大会で5回優勝のプロ選手。09年国際大会でも優勝しました。

ファンのすそ野が広く、お笑い番組のネタにもなっています。各ユニットの音声の物真似ですが、観客の皆さん、笑ってますね。
 人気の一方で、ゲーム中毒のような社会問題も深刻化しています。
 今年(2011年)になって、いわゆるシンデレラ法の制定が提起されました。夜12時から午前6時まで満16歳未満の青少年のオンラインゲームアクセスをできなくするシャットダウン制導入を内容とするものですが、その是非や具体的内容をめぐって今論議となっているところです。
 また、プロ選手を巻き込んだ賭博事件も報じられています。

 これまで長々と書いたように、韓国のスタークラフト熱は日本では理解しがたいほどです。ではなぜ日本では他の国々、とくに韓国のようにほとんど普及していないのでしょうか?
 諸サイトを参考に理由を列挙します。

①日本では早くからファミコンのような家庭ゲームに人気が集まり、RTSというゲームジャンルは全般的に関心が示されなかった。 ②スタークラフトの発売当時はインターネット網の拡大初期であり、ネット対戦があまり評価されなかった。(一方、韓国では今世紀初頭スタークラフトのために国内のインターネットカフェ(PC房)が急増し、短期間に定着した。)
③日本ではスタークラフトの日本語マニュアル付き英語版の販促に消極的で、また後に発売された日本語版の出来がよくなかった。
④日本の初級愛好者がBattle.netで対戦しようとすると、韓国等他国プレイヤーによる<荒らし>に遭うことがしばしばあった。
⑤日本では、ゲームに夢中になる(主に)若者は社会病理の1つとしてとらえられることが多く、<e-スポーツ(エレクトロニック・スポーツ)>として社会的に十分に認知されていない。
※ウィキのエレクトロニック・スポーツの説明によると、日本はeスポーツが未発展である数少ない先進国のひとつである。


 文化的に共通点の多い両国ですが極端に異なる事例もあります。スタークラフト文化はその好例でしょう。

※関連記事①「ネトゲのスタークラフトにみる日本人・韓国人・中国人・台湾人の違い」
 →コチラ
 どこまでホントか・・・。まあ笑える。

※関連記事②「統一部長官「南北青少年ゲーム交流を支援」
 →コチラ
 統一問題に政治利用まで!?
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韓国で人気絶大のゲーム スタークラフトのすべて(上)

2011-08-23 13:14:39 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 最近、仲間内でアメリカの軍用無人航空機のことが話題になりました。 そこで思い起こしたのは、湾岸戦争当時のあのピンポイント爆撃の映像。ほとんどゲームのような感覚ですね。

 SFの名作とされる作品の1つに、オースン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」があります。
 思い切り簡略化してストーリーを記すと、優秀な頭脳の少年に戦争シミュレーションゲームをやらせる。みごと勝利のその時、おとなたちが狂喜したのは、それがシミュレーションではなく、現実の侵略者との戦いそのものだった、というわけ。
 最初に短編で書かれたのが1977年、日本では1985年に翻訳本が刊行されました。その後の現実を見ると、たとえば2007年には「アメリカ空軍、ゲームヲタに無人航空機を操縦させる計画」というニュースもあったりして、「エンダーのゲーム」がSFの世界の話ではなくなってきているようです。

 さて、ここから本論。
 10年くらい前から、韓国に行って旅館に泊まった時、数十にも及ぶテレビchの中で、釣りや宗教等々の韓国特有のチャンネルとともに、何か複雑な戦闘ゲームで、プレイヤーだけでなく応援団or観客も興奮しまくっているゲーム・チャンネルが目にとまりました。
 ゲームの画面は下のようなもので、ユニットとしては空飛ぶ円盤のようなものとか、アリのような昆虫っぽく地上を動くのもの、鳥のように翼があって空を飛ぶもの等々いろいろあります。

    

 私ヌルボ同様、韓国の宿で夜更けてテレビのチャンネルをカチャカチャ切り換えたりしてた人はきっと記憶にあると思います。

 ゲームに詳しくない私ヌルボ、日本に戻ってそれらしいものはないかと家電量販店のゲームソフト売り場を眺めたりもしたのですがわからずじまい。最初に見てから5年以上も経って、やっとそれがスタークラフト(StarCraft)というゲームであることを偶然知りました。

 あるサイトの昨年(2010年)の記事によると、<『スタークラフト2』全世界で記録的なトップセールス!!!>とあるほど世界的な人気ゲームソフトなのだそうです。その前身スタークラフトは1998年にブリザード・エンターテインメント社により発売され、以後世界で最も多く売れた
RTS(リアルタイムストラテジー)ゲームタイトルとして2009年にギネス認定されたそうです。

 ルールは、およそ以下の通りです。※参考→コチラコチラ

①テラン(Terran)・プロトス(Protoss)・ザーグ(Zerg)という3種族からいずれかを選択し、たがいの存亡をかけて戦うゲームである。 
②ワーカーを使ってミネラルと呼ばれる資源をベースに集める。
③集めた資源を使って戦闘ユニットを作る。
④敵陣を攻撃する。
⑤敵の建造物を全て破壊するか、プレイヤーが降参するまで痛めつければ勝利。


 ・・・つまり、上記参考記事の比喩を借りると「駒を生産しながら戦う将棋」のようなもので、反射神経や操作テクニックの勝負ではなく、頭で戦うゲームです。
※解説動画は→コチラ

 ところが、このゲームソフトは、日本ではほとんど普及していなくて、実際、「スタークラフトが欲しいのですが売っていません」とか「対戦相手が見つかりません」との声もあるほど。私ヌルボがちょっと探してもわからなかったのは当然でしたね。

 一方韓国では、と調べれば調べるほど日本とは大違い。
 具体的には、長くなるので(下)に続く、ということにします。 
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[韓国2011年上半期ベストセラー] 韓国文学は不作か? 小池龍之介「考えない練習」が総合3位!

2011-07-31 21:33:50 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 6月25日の「朝鮮日報」に、<2011年上半期ベストセラー200>のリストと、それについての識者の分析記事が載っていました。
 それからもう1ヵ月以上も経って、新鮮味に欠けるテーマになってしまったのは、リスト自体が目をみはるような内容でもなさそうで、正直なところ書こうという意欲が起こらなかったからです。しかし、考えてみれば「おもしろくない」という記録を残しておくことにも意味があるわけで、それなりの注目点と私ヌルボなりの感想を記しておくことにしました。
 ・・・ということで、上位20位まで紹介します。
※上記リンク先で200位までのリストを見ることができますが、全部訳すのはかったるいので、20位までにしました。
※「朝鮮日報」によると、このリストは大型書店の教保文庫と永豊文庫、大手ネット書店のYES24とインターパークの販売冊数を合算して作成したものです。

赤=韓国  緑=日本  青=その他の国
1位 キム・ナンド\t「苦しいから青春だ」\t31.5万\t(エッセイ)
2位 マイクル・サンデル\t「これからの「正義」の話をしよう」\t13.7万\t(人文教養)
3位 小池龍之介\t「考えない練習」10.1万\t(エッセイ)
4位 申京淑\t「オンマをお願い」\t9.2万\t(文学)
5位 チャン・ハジュン\t「世界経済を破綻させる23の嘘」\t9.1万\t(人文教養)
6位 ネレ・ノイハウス\t「白雪姫に死を」\t6.4万\t(文学)
7位 ギョーム・ミュッソ\t「紙の女」\t6.3万\t(文学)
8位 コ・ドウォン\t「愛していますありがとう」\t6.3万\t(エッセイ)
9位 ホアキム・デ・ポサダ\t「馬鹿ビクター」\t5.9万\t(自己啓発)
10位 イ・ジソン\t「リーディングでリードせよ」\t5.0万\t(自己啓発)
11位 シン・ジョンア\t「4001」\t4.4万\t(エッセイ)
12位 パウロ・コエーリョ\t「ブリーダ」\t4.4万\t(文学)
13位 朴婉緒\t「行けない道がより美しい」\t4.3万\t(エッセイ)
14位 イ・テソク\t「友だちになってくれますか」\t4.2万\t(エッセイ)
15位 ジョン・ガットマン\t「私の子どものための感情コーチング」\t3.9万\t(実用)
16位 小池龍之介\t「もう、怒らない」\t3.8万\t(エッセイ)
17位 ソン・ソンファ\t「ビルディング長者たち」\t3.6万\t(経済経営)
18位 キム・ジェドン\t「キム・ジェドンが会いに行きます」3.5万\t(エッセイ)
19位 孔枝泳\t「孔枝泳の智異山(チリサン)幸福学校」\t3.4万\t(エッセイ)
20位 金辰明\t「高句麗(1)」\t3.3万\t(文学)


 このリストに対する識者グループの分析結果には、<上半期ベストセラーから見た「韓国3大キーワード」>という見出しがつけられています。
 その3つのキーワードというのは、「挫折した青春」「不安な30代」「分配と代案」ということなのだそうです。「韓国社会に膨満した憤怒が生々しく表れている」と6人の識者たちが口をそろえているとか・・・。ふーむ、どこからそういうことが言えるのかな・・・。

 とりあえず上位の本を見てみます。
 1位は数字的に他を圧しているキム・ナンド(金蘭都)ソウル大教授の本。学生が直接評価する「ソウル大学の優秀講義」に選ばれるなど<ソウル大学のマイケル・サンデル教授>ともよばれています、と「オンニネ」というブログの記事にありました。
挫折した20代に向かって「努力し挑戦せよ」と励まして共感をよんだそうですが、このブログによると「40代のオンニも共感するところの多い本」で「自信(と自身)を取り戻すきっかけも見いだすのではないでしょうか?」とコメントされています。また「統一日報」でも韓国の社会状況と絡めた紹介記事(翻訳者の吉原育子さんによる)が載っています。
 2位は、日本でもブームになった本家のマイケル・サンデル教授。
 3位は日本の小池龍之介「考えない練習」。意外に思うどころか、「え、どういう人なの?」と疑問に思った人も多いかも・・・。東大出の僧侶で、詳しくはウィキ(→コチラ)を参照されたし。そういえば、この春頃、「朝鮮日報」に、彼の本の広告が「ベストセラー!」として大きく掲載されていましたねー。彼の著書は「もう、怒らない」も16位に入っています。
※「考えない練習」についての「週刊朝日」の書評は→コチラ
 これらベスト3の販売量が1~200位までの全体の販売数の5分の1を占めています。
 5位のチャン・ハジュンは新自由主義を批判する経済学者。「世界経済を破綻させる23の嘘」は日本でも刊行されています。
 11位のシン・ジョンアは、2007年エール大の博士号偽造と学歴を詐称し美術館の資金を横領したとして懲役1年6月の実刑判決を受けた元東国大助教授(女性)。この自伝的エッセイでは要人の名が実名で出てきたりして、再び話題を巻き起こしました。2007年の事件の概要はコチラの記事→「面白過ぎるシン・ジョンア学歴詐称事件」で。
 18位のキム・ジェドンは、さまざまな番組で活躍している1974年生まれの司会者。この本は、彼が「京郷新聞」に連載している各界を代表する25人とのインタビューを綴ったもの。
 20位の金辰明は、嫌韓派の非難の的というべき反日小説「ムクゲの花が咲きました」の著者。今度の「高句麗」は、東北工程以降高句麗はウチらのナワバリとと声を強めている中国に対抗する、どこまでも愛国心旺盛な作家です。(あーあ。)

 さて、私ヌルボが「おもしろくない」と書いたのは、とくに文学の分野で新鮮味が欠けるからです。
 一昨年の大ベストセラー小説・申京淑「オンマをお願い」が4位に復活したのは、4月28日の記事でも書いたように、英訳がアメリカで刊行されたことが大きく報道されたから。13位「行けない道がより美しい」は昨年もよく読まれましたが、朴婉緒は今年1月22日に亡くなって再び関心を集めました。

 文学分野を、100位までの中から拾ってみると次の通りです。
  
24位\tルイス・キャロル\t「不思議の国のアリス」
26位\t村上春樹\t「1Q84 (3)」
27位\t金辰明\t「高句麗 (2)」
34位\t金辰明\t「高句麗 (3)」
36位\t鄭裕静\t「7年の夜」
38位\tダグラス・ケネディ\t「ビッグ・ピクチャー
39位\tベルナール・ヴェルベール\t「カサンドラの鏡 (1)」
40位\t村上春樹\t「1Q84 (1)」
46位\tベルナール・ヴェルベール\t「カサンドラの鏡 (2)」
48位\t村上春樹\t1Q84 (2)」
49位\t孔枝泳\t「裸足で文章の路地を回る」
57位\t趙廷来\t「かかしの舞い」
74位\tスティーグ・ラーソン\t「ミレニアム (1)」
92位\t崔仁浩\t「見慣れぬ他人たちの都市」
95位\tクォン・ビヨン\t「徳恵翁主」
97位\t江國香織\t「流しのしたの骨」


 49位の孔枝泳「裸足で文章の路地を回る」は5月5日の記事に書いたように、今年の李箱文学賞受賞作です。
 57位の趙廷来(1943~)と92位の崔仁浩(1945~)は「大」がつくくらいのベテラン作家。
 日本人作家は相変わらずの顔ぶれ。奥田英朗などエンタメ系が入っていないのがやや意外。
 その他の外国作家に目を移すと、ここもミュッソといいコエーリョといいヴェルベールといい、うんざりするほどのマンネリ。
 目新しい作家はと探すと、36位の鄭裕靜(チョン・ユジョン)くらいなもんですね。この「7年の夜」を読んだ
JutakotaさんはTwitterに「面白かった~~~~! 骨太なプロットに鋭い切り開き、肉体/精神的な苦痛のクールな描写…ハードボイルド過ぎる女流作家の誕生。「文壇のアマゾネス」って適切な褒め言葉かも」と賛辞を書き込んでいます。この鄭裕靜(1966~)は2007年「私の人生のスプリング・キャンプ」で第1回世界青少年文学賞を、2009年「私の心を撃つ」で第5回世界賞を受賞。「強い主題意識と優れた構成、ストーリーを貫通するユーモアと反転」等が評価されたそうです。

 ・・・ということで、リストは前述のように200位まで続いていますが、それよりも小説とか漫画とか人文・社会等の分野ごとに見た方が得るところはあったかも・・・。
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