ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[9月7日(金)~9日(日)]

2012-09-11 19:45:23 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 最近話題の「最強のふたり」を観てきました。すごい悪い奴も登場しないし、後味の良い映画で、感動した!という人が多いのもうなずけます。だがしかし、私ヌルボあえて質問しますが、アナタはバッハの側? or クール&ザ・ギャングの側?
 この映画の原題は「INTOUCHABLES」。(韓国題は「언터처블:1%의 우정(アンタッチャブル:1%の友情)」でした。) 日本題を「アンタッチャブル」にしなかったのは、例のアル・カポネ等が登場する1960年代初めのTVドラマやそのリメイク映画のイメージが強すぎるからでしょう。(それに漫画とかお笑いとかも。) その昔、中学の英語の先生からは注意を要する単語と教わりました。この映画に即していえば社会的な被差別階層。また逆に、中産階級もおいそれとは近づけないようなものすごい大富豪という意味も含んでいるのでしょう。私ヌルボ、この映画を観ていてふと思ったのは、自分は全然金持ちではないが、障碍者の富豪の側(バッハの側)の視点から観ているな、という軽い「居心地の悪さ」でした。もしかしたら、ヌルボが3年ぶりくらいに入ったシネマズシャンテといういつも品のいい映画をやってる映画館の観客の多くも、やはりバッハの側なのではないでしょうか? 少なくとも、「破格の」介護者ドリスのように腕力に物を言わせることはないだろうし、ヤバいジョークを飛ばすことはないだろうし、劇場で周囲の迷惑を気にかけず大きな声で自分の無教養をさらけ出したりはしないでしょう。(←別に彼を嫌悪するとか非難しているわけではありません。) そんなドリスが大富豪フィリップと波長が合った幸運を「お眼鏡にかなった」なんて言葉を遣っちゃったらいけないんだろーなー・・・。しかし、どっぷり「クール&ザ・ギャングの側」で、趣味のいい映画を楽しむ習慣のない人はこの映画をどう観るのかな? ずーっと以前「究極の選択」なんてのが流行ったことがありましたが、「健康だが極貧で家庭的な問題を抱えている黒人青年」と対置するなら「すごい大富豪だが首から下は動かない老人」、これで対等になるということかな・・・(われながらイヤな対置だ)。★×4をつけたにしてはひねくれた書き方だなー。いや、皆さんにオススメの映画なんですけどね。(って、今さら何を有楽町。)

          ★★★ Daumの人気順位(9月11日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①地上の星のように  9.3(89)
②The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛  9.3(32)
③ピエタ(韓国)  9.2(391)
④ヤコブへの手紙  9.2(30)
⑤サミーの冒険 2  9.0(151)
⑥みにくいアヒルの子(韓国)  9.0(216)
⑦アイス・エイジ 4:大陸移動説  8.8(142)
⑧ステップアップ・レヴォリューション  8.7(273)
⑨どうぶつ会議 3D  8.7(42)
⑩シスター  8.7(21)

 ①②③の3作品が新登場です。
 ①「地上の星のように」は2007年のインド映画。このところ、韓国ではレベルの高いインド映画の公開が多いみたい。(日本はトホホだ・・・。) この作品も、<インド映画夜話>というサイトの記事(→コチラ)を読むと実に残念というか口惜しいというか아쉽다というか・・・。主人公は小学生の男の子。兄は優秀なのに彼は全然ダメで、廊下に立たされたり、授業をさぼったり・・・。え、インドでは小学校でも留年があるの!? ・・・で周囲の大人たちも学校側も匙を投げて彼を特別寄宿学校へ入れてしまう。その寄宿学校に臨時の美術教師がやって来て、・・・というと「どっかで観たような・・・」と思う人もいるでしょうが、他の子どもたちには大ウケする美術の授業にも全く反応しない彼。しかしその教師は彼のようすに疑問を感じて状況を調べ始めるんですね・・・。上記のサイトの記事には「現代インドの過渡に画一的な教育・受験勉強的な並列的で没個性的な教育環境への問題提起が中心命題」とありますが、その点は韓国でも共通でしょう。DAUMのネチズンの寸評を見てみると、「정말 감동 팡팡입니다(ホントに感動がざあざあ(←ヘンな訳))」という最大級の賛辞がいっぱい。「父母たちに강추~~(強(力)推(薦))」とかも。韓国題「지상의 별처럼」は英題「Like Stars on Earth」そのまま。
 ②「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」は日本では7月に公開されています。韓国題は「더 레이디」だけ。
 ③「ピエタ」は、ちょうど8日に開かれたヴェネチア国際映画祭授賞式で金獅子賞を獲得したばかりのキム・ギトク監督の作品。ベルリン、カンヌを含めた3大映画祭で韓国映画が最高賞に輝いたのも初めて。オメデトーございます。いやー、いろいろ振幅の大きい(?)監督だなー。結果的にはあの「アリラン」が助走だったという感じですかねー。この作品の内容は、借金を払えない債権者には大怪我を負わせて保険金で支払わせるという非情な借金取り立て屋の男の前に、彼を捨てた母親だと名乗る謎の女が現れて、彼の人生を狂わせていく、というものだそうで、相変わらずあまりおもしろくはなさそう。ニュースによると、今回の受賞効果で観客動員数が受賞前の3倍以上に跳ね上がって、10日には全国で計2万8607人を動員してその日の興行順位3位に上ったとのこと。しかし「朝鮮日報」の記事によると映画関係者は「より大衆性の強い作品を作らなければ投資状況は変化しないだろう」ということで、これまたさもありなん、ですね。原題は「피에타」です。あー、ヌルボも早く観てみたいなー。(って、今さら何を由比ヶ浜。)

【専門家による順位】

①Bonsai~盆栽  8.0(1)
②ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
③少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
④嵐が丘  7.7(4)
⑤二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑥プロジェクト・ニム  7.5(2)
⑦ダークナイト ライジング  7.4(7)
⑧シスター  7.2(5)
⑨ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑩ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド  7.0(2)

 順位・評点とも、全く変わらず。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月7日(金)~9日(日)] ★★★

         久しぶりに外国映画「ボーン・レガシー」が新登場トップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ボーン・レガシー ・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・523,774 ・・・・・・・・・・620,189 ・・・・・・・・・4,583・・・・・・・588
2(1)・・共謀者たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・・303,535 ・・・・・・・・1,316,625 ・・・・・・・・・9,834・・・・・・・385
3(29)・・エクスペンダブルズ 2・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・241,413 ・・・・・・・・・・279,232 ・・・・・・・・・2,042・・・・・・・394
4(2)・・隣人(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・・・・206,880・・・・・・・・・2,299,083 ・・・・・・・・17,110・・・・・・・346
5(3)・・風と共に去りぬ(韓国)・・・・・・・・・8/08・・・・・・・・・・・・・・・144,205・・・・・・・・・4,834,070 ・・・・・・・・34,111・・・・・・・312
6(4)・・泥棒たち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・・・129,208・・・・・・・・12,837,002 ・・・・・・・・92,643・・・・・・・323
7(新)・・ピエタ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・・58,468 ・・・・・・・・・・・68,497・・・・・・・・・・・・514・・・・・・・171
8(6)・・ステップアップ・レヴォリューション・・8/15 ・・・・・・・・・・・・45,473 ・・・・・・・・・・931,841 ・・・・・・・・・7,002・・・・・・・149
9(5)・・リンカーン 秘密の書 ・・・・・・・・・・8/30・・・・・・・・・・・・・・・・31,866 ・・・・・・・・・・333,389 ・・・・・・・・・2,669・・・・・・・230
10(10)・・サミーの冒険 2・・・・・・・・・・・・・8/01・・・・・・・・・・・・・・・・14,750 ・・・・・・・・1,454,390 ・・・・・・・・10,844・・・・・・・107
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 韓国映画が依然5作品と好調ですが、トップは「ボーン・レガシー」に。
 「泥棒たち」は再来週あたりに歴代1位の「グエムル 漢江の怪物」(1,302万人)にカツカツとどくかな?
 新登場は1・3・7位の3作品です。
 1位「ボーン・レガシー」は、日本では9月28日公開ということで、すでに関係サイトで紹介されています。韓国題は「본 레거시」。
 3位「エクスペンダブルズ 2」も10月20日日本公開。これも関係サイトですでに紹介されています。韓国題は「익스펜더블 2」。この紹介文の素っ気なさは、私ヌルボ、この手のアメリカ映画はキライだから(!)。「自らを“消耗品”と名乗る最強の傭兵軍団エクスペンダブルズの活躍」なんてねー、傭兵軍団なんて「活躍」どころか、丸ごと消えてなくなってほしいです。
 7位「ピエタ」は前述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(7)・・地上の星のように ・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・3,655 ・・・・・・・・・・・・・・6,334・・・・・・・・・40・・・・・・・・・・20
2(1)・・ピナ・バウシュ 夢の教室 ・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・・・2,209 ・・・・・・・・・・・・・・8,772・・・・・・・・158・・・・・・・・・・・4
3(3)・・あの頃、君を追いかけた・・・・・・・・8/22 ・・・・・・・・・・・・・・・1,398 ・・・・・・・・・・・・・32,383 ・・・・・・・228・・・・・・・・・・・7
4(2)・・少年は残酷な弓を射る・・・・・・・・・7/26・・・・・・・・・・・・・・・・1,220 ・・・・・・・・・・・・・42,333 ・・・・・・・335・・・・・・・・・・10
5(新)・・青ぶどうキャンディー・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・・・463 ・・・・・・・・・・・・・・・・545・・・・・・・・・・3・・・・・・・・・・19
       17年前の約束(韓国)

 新登場は1位と5位の2作品。
 1位「地上の星のように」は上述。
 5位「青ぶどうキャンディー 17年前の約束」は、韓国のミステリー映画。
婚約者である彼ジフン(チェ・ウォニョン)の事故の知らせを聞いてかけつけた病院で、ソンジュ(パク•チニ)は中学で同窓のソラ(パク•チユン)と思いがけなく再会する。ジフンの出版社で準備中の新刊の作家がソラであることを知ったソンジュはわけもなく不安に包まれる。ジフンとソラが一緒に行くことになった出張にジフンをのけ者にして合流したソンジュは、そこで子どもの頃友人だったヨウンの姉のジョンウン(キム・ジョンナン)に会うことになる。帰りに起きた突然の事故で仕方なくジョンウンの家に泊まったその日の夜、彼女たちは忘れられた記憶と向き合うことになるが・・・って、これではわからんぞ。まさにミステリアス。なんかありそう? 原題は「청포도 사탕: 17년 전의 약속」。
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