クロックワークスさんの2017年までりラインナップ、けっこうマイナーな作品まであるようで、韓国映画ファンとしてはうれしいですが、商売として成算はあるのでしょうか?
昨日朝から本ブログ中の記事<興味深かった日韓の映画製作の比較についての講演 ・・・映画産業のあり方が作品にも影響するということ>(→コチラ)へのアクセスが急増。Spicaさんという方がツイッター(→コチラ)で「興味深い。韓国出身の博報堂社員による日韓映画比較 結局日本の諸悪の根源は製作・配給・上映が一枚岩になっていることではないか。」というツイートとともにリンクを張って下さったからのようです。その前に、4月9日付「産経新聞」に英映画配給会社代表アダム・トレ氏が「日本映画゛のレベルが本当に低い!」と苦言ほ呈したとの記事(→コチラ)が呼び水になったのかもしれません。私ヌルボの記事は昨年2月韓国文化院での金容範さんの講演内容をまとめたものですが、やはり製作委員会方式という現今の日本映画に一般的な製作方式に問題ありということのようです。
先々週ソウルで「東柱」を観て以来映画鑑賞ナシ。近くのシネマ・ジャック&ベティだけでも「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」「さざなみ」と観る予定はあるのですが・・・。ユーロスペース「蒼のシンフォニー」もまだこれから。「つむぐもの」は6月シネマ・ジャック&ベティで上映予定あり。「ルーム」や「ボーダーライン」も観なければ、と思っているうちに未読の本や予定のブログ記事がどんどん溜まっていきます・・・。
「朝鮮日報」4月8日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。) | ||
「スティール・フラワー」 淡々と美しいデビュー ★★★☆ 「シーモア:アン・イントロダクション」 音楽だけで元が取れる ★★★☆ 「10 クローバーフィールド・レーン」 これなら騙されてよし ★★★ 「チリ33人 希望の軌跡」 劇が実話を追いきれず ★★☆ | 「トランボ」 狂った世間に勝つ方法 ★★★☆ 「エディー・ジ・イーグル」 「お約束」だが応援したい ★★★ 「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」 マネー・ショートとの縁 ★★★ 「私に、会いに来て」 物足りない緊張とスリル ★★☆ | |
「スティール・フラワー」は韓国のドラマ。寒いも街で一人生きていく少女ハダムは空き家をねぐらにして過ごす厳しい日常の中でも、 暇さえあれば路地でタップダンスを踊って希望を失わなかったのですが・・・。「シーモア:アン・イントロダクション」は、イーサン・ホークが監督としてピアニストのシーモア・バーンスタインを撮った音楽ドキュメンタリー。詳細は→コチラの記事参照。他の6作品は下の記事中で紹介しています。 |
★★★ NAVERの人気順位(4月12日現在上映中映画) ★★★
①(1) 東柱[ドンジュ](韓国) 9.44
②(2) ズートピア 9.42
③(新)エディー・ジ・イーグル 9.29
④(新)言えない秘密 9.27
⑤(7) 鬼郷(韓国) 9.21
⑥(6) Bleak Night(韓国) 9.21
⑦(8) アバウト・タイム~愛おしい時間について~ 9.19
⑧(9) 男たちの挽歌 9.19
⑨(新)ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
⑩(新)エターナル・サンシャイン 9.09
③④⑨⑩の4作品が新登場ですが、うち3作は旧作の再上映です。
③「エディー・ジ・イーグル」は、英・米・独合作のスポーツドラマ。イギリスのスキー国家代表選抜戦で落とされてしまったエディ(テロン・エジャトゥン)は、冬季オリンピック出場の夢を実現するためにジャンプの選手になろうと決心します。しかし戻ってくるのは嘲笑だけ。両親の心配を後にとりあえずドイツのスキージャンプ訓練場に入った彼は、反抗的な性格のため米国代表選手から追い出された天才ジャンプ選手ブロンソン(ヒュー・ジャックマン)と偶然知り合います。自分のコーチになってほしいと懇願するエディの情熱に、難色を示していたブロンソンも結局は首を縦に振ります。はたして彼らは偏見と嘲笑を乗り越え、夢を獲得できるでしょうか? ・・・というあらすじを見ると、韓国映画ファンならあの「国家代表」を思い出しますね。ひどう違うのかな? この種の作品の原点はたぶん「クール・ランニング」(1993)でしょうがもう20年以上も経っているのかー・・・。韓国題は「독수리 에디」です。
④「言えない秘密」は2007年の台湾映画。昨年も再上映されました。韓国題は「말할 수 없는 비밀」です。
⑨「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」は1999年公開のドイツ映画。これも過去再上映されたことがあります。韓国題は「노킹 온 헤븐스 도어」です。
⑩「)エターナル・サンシャイン」は、昨年末からずっと<DAUM映画>のベスト10にランクインしていたので新登場というのもヘンかも。ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットが共演した2004年のアメリカ映画の再上映。韓国題は「이터널 선샤인」です。
★★★ シネ21 専門家の平均得点順位 ★★★
①男たちの挽歌II 10.00
②キャロル 9.00
③黒衣の刺客 8.29
④エターナル・サンシャイン 8.25
⑤スポットライト 世紀のスクープ 8.00
⑥HUNGER/ハンガー 7.88
⑦ドリーム ホーム 99%を操る男たち 7.80
⑧サウルの息子 7.78
⑧ヘイル、シーザー! 7.78
⑩男たちの挽歌 7.67
先週は<シネ21>のサイトの資料の用い方に戸惑いつつ、あまり意味のないランキングを載せてしまいました。今回からは次のようにします。評点の出処は<シネ21>の→コチラのページです。「現在上映中の映画」のリストで、各作品ごとに「専門家」と「ネチズン」の平均評点がついていますが、その「専門家」の方だけ私ヌルボがピックアップして得点順に並べたものがこのランキングです。
すると結果はこれまでの<DAUM映画>とほとんど同じ。
で、この10作中本ブログ新登場は⑦「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」の1作品だけです。日本ではすでに1月に公開されているので説明は省略します。韓国題は「라스트 홈」です。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月8日(金)~4月10日(日)] ★★★
韓国のミステリー「私に、会いに来て」がトップに
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(39)・・私に、会いに来て(韓国)・・4/07 ・・・・・・・・・・・308,613 ・・・・・・・・・355,348 ・・・・・・・・・2,993 ・・・・・・・・682
2(2)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・218,266・・・・・・・・3,904,116 ・・・・・・・・30,639 ・・・・・・・・650
3(25)・・10 クローバーフィールド・レーン・・4/07 ・・・183,116 ・・・・・・・・・236,560 ・・・・・・・・・1,952・・・・・・・・・574
4(21)・・エディー・ジ・イーグル・・・・4/07・・・・・・・・・・・108,740 ・・・・・・・・・140,442 ・・・・・・・・・1,130・・・・・・・・・527
5(1)・・バットマン vs スーパーマン・・3/24・・・・・・・・・103,834・・・・・・・・2,176,474 ・・・・・・・・18,256・・・・・・・・・542
ジャスティスの誕生
6(20)・・トランボ ・・・・・・・・・・・・・・・・4/07 ・・・・・・・・・・・・21,022 ・・・・・・・・・・33,850 ・・・・・・・・・・・266・・・・・・・・・309
ハリウッドに最も嫌われた男
7(新)・・ビフォア・サンライズ・・・1996/3/30 ・・・・・・・・・17,185 ・・・・・・・・・・21,834 ・・・・・・・・・・・180・・・・・・・・・142
恋人までの距離〈ディスタンス〉
8(新)・・チリ33人 希望の軌跡・・・・4/07 ・・・・・・・・・・・・15,328 ・・・・・・・・・・34,260 ・・・・・・・・・・・266・・・・・・・・・320
9(7)・・復活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/17 ・・・・・・・・・・・・10,673 ・・・・・・・・・155,816・・・・・・・・・・1,101・・・・・・・・・・95
10(4)・・ミスコンダクト・・・・・・・・・・・・3/30 ・・・・・・・・・・・・・6,991 ・・・・・・・・・145,743 ・・・・・・・・・1,112・・・・・・・・・176
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
韓国映画「私に、会いに来て」がトップになったものの、数字的には今ひとつ。そして他に韓国映画はナシ。はたして14日公開の「時間離脱者」、「解語花」はいかに?
今回の新登場は1・3・4・7・8位の5作品です。6位「トランボ」は、先週【多様性映画】の中で紹介しました。
1位「私に、会いに来て」は、韓国のミステリー。白昼、都心のど真ん中。火災事故の唯一の生存者カンスア(カン・イェウォン)は、理由も分からないまま精神病院に強制移送されます。監禁された状態で強制的な薬物投与と暴力に苦しむスアは、そこでの恐ろしいことを細かく記録し始めます。それから1年後、時事番組「追跡24時」のナ・ナムスPD(イ・サンユン)宛に手帳が配達されます。彼は、信じられないような出来事が記録されたこの手帳の真実を明らかにしようすべくカン・スアを訪ねましたが、彼女は現在殺人事件の容疑者として収監されていたのです。取材を重ねるごとに衝撃的事実が浮かび上ろがってきます・・・。原題は「날, 보러와요」です。
3位「10 クローバーフィールド レーン」は、アメリカのパニック映画。いわゆるフェイクドキュメンタリーものの怪獣パニック映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」(2008)の続編と関係はありそうですが、本作には怪獣は出てくるのかどうか? 謎の交通事故に遭った若い女性ミシェル。目を覚ましたら、自分がシェルターの中にいることに気づきます。その日から「君を救うためにここへ連れてきた」と話す見知らぬ男ハワードとの共同生活が始まります。「地球は汚染されて、ここだけが唯一の安全地帯だ。決して外に出てはならない」という彼。しかし、信用できる? それとも何か目的があるのか? 彼女はこのシェルター(?)から抜け出そうとしますが、シェルターのドア越しに見えた世界は・・・。「ルーム」と共通した設定。そして現実に同様の事件も・・・。韓国題は「클로버필드 10번지」。日本公開は6月17日です。
4位「エディー・ジ・イーグル」については上述しました。
7位「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離〈ディスタンス」は、1995年作のアメリカのラブストーリーの再上映。韓国題は「비포 선라이즈」です。
8位「チリ33人 希望の軌跡」は、2010年チリのサンホセ鉱山で起こった落盤事故を描いたアメリカ・チリ合作作品。33人の作業員が地下700mに生き埋めにされたその時、地下では何が起きていたのか? また国際的救助チームの画期的な作戦とは? 33人全員が生還を果たすまで地上と地下で繰り広げられた数々の闘いや、政府をも動かした家族の行動等、奇跡のドラマが描かれます。韓国題は「33」。日本公開は5月14日です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(4)・・トランボ ハリウッドに最も嫌われた男・・4/07・・・・・・・・・・21,022 ・・・・・・・・・・・33,850・・・・・・・・・・・・・266・・・・・・・・・309
2(新)・・ドリーム ホーム 99%を操る男たち・・4/07・・・・・・・・・・・6,470・・・・・・・・・・・・・9,217 ・・・・・・・・・・・・・・72・・・・・・・・・163
3(2)・・心が叫びたがってるんだ。(日本) ・・3/30・・・・・・・・・・・・・・5,669 ・・・・・・・・・・・・44,554・・・・・・・・・・・・・362・・・・・・・・・・82
4(新)・・神は死んだのか 2・・・・・・・・・・・・・・4/07 ・・・・・・・・・・・・・・4,215 ・・・・・・・・・・・・・7,361・・・・・・・・・・・・・・61・・・・・・・・・196
5(1)・・グローリーデイ(韓国) ・・・・・・・・・・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・・・4,105・・・・・・・・・・・184,057・・・・・・・・・・・・1,445・・・・・・・・・・54
2・4位の2作品が新登場です。
2位「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」については上述しました。
4位「神は死んだのか2」は、大学生の若者と無神論者の教授の緊迫した対立を軸に、宗教と人間性の接点を追求したアメリカ映画(2015)の続編。高校の歴史教師グレースは、兄を失った悲しみに陥っている女子生徒ブルックに聖書の言葉で苦難を克服できることを伝えます。兄の遺品で聖書を発見したブルックは兄も同じ道を歩んたことを知ります。そんな中ブルックは、歴史教材の偉人の中にイエスの名が抜けていることに疑問を持ってグレースに質問します。グレースはイエスの言葉を引用して答えますが、その答えが原因で彼女は大きな試練に陥り、失職したうえ民事訴訟に巻き込まれることに・・・。韓国題は「신은 죽지 않았다 2」。日本公開は未定のようです。