ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [10月14日(金)~10月16日(日)]

2016-10-18 23:46:33 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 10月14日の毎日新聞夕刊の「シネマの週末」で、「いまの若い子たちはこんなに窮屈な世界で生きているんだ!とかわいそうになった」というのは「何者」(三浦大輔監督)に対する(山)氏の寸評ですが、これはそのまま「映画「聲の形」」にもあてはまるなーと思いました。ふつうの10代の少年少女たちの間の意思疎通の問題が(無意識下に)まずあって、その集団の中に聴覚障碍者の女の子が入ってきたことによって顕在化するといった感じか? 昨夜午後7時20分からの回で100人をはるかに超える観客の平均年齢をほとんど1人で引き上げていた私ヌルボでしたが(笑)、感動というよりも(山)氏同様ずっとキュークツな思いで観ていました。山田尚子監督作品はこれまでも「映画 けいおん!」も「たまこラブストーリー」も観ていてけっこう好きなんですが、それでも世代間の感覚の違いはいかんともしがたいかな?

 キネマ旬報の<オールタイムベスト・ベスト100外国映画編(1999年版)>(→コチラ参照)でヌルボが観てない作品が2割弱。その1つだった「アルジェの戦い」をやっと観てきました。ドキュメンタリーではないものの、史実に即したリアリティが実感される作品で、こういうのを観ると独立運動・抵抗運動を描いた凡百の娯楽作品が色褪せて見えてしまうようです。(別に「暗殺」のことを思い浮かべているわけではありません、とは言えません。(笑)) <NAVER映画>の「알제리 전투(アルジェリ戦闘)」(→コチラ)を見ると、「植民地の痛みを経験した韓国人にとっては格別の映画。韓国の抗日闘争を扱った記録映画も早く出てくればと思うが・・・」というコメントもありました。(どんな映画をイメージしているか、知りたいところです。)

 今月末~11月にかけて<コリアン・シネマ・ウィーク><新大久保映画祭>と続き、ヌルボも一段と忙しくなります。他にもやることがいろいろあるんだけどな。また無料の映画が多いのはいいとしても、横浜からだと電車賃がかさむのがアタマの痛いところ。しかし、10月31日の「キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち」は前売の2千円でも高いのに、その後だと3千円とは!(こりゃあパスだな。) 11月19~27日は<東京フィルメックス>。→公式サイトによるとチケット販売は11月3日から。上映作品は→コチラの記事だと一目でわかります。韓国映画はコンペティション部門ではイ・ヒョンジュ監督「恋物語(연애담)」とユン・ガウン監督「私たち(우리들)」の2作品。特別招待作品ではキム・ギドク監督「THE NET 網に囚われた男(그물)」だけで、計3作品です。

  「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週も掲載されませんでしたが、どうも2週間ばかり前から「映画200字評」というのが始まったような・・・。(→コチラ。) そこで挙げられている9作品について小見出しと★の数だけ紹介します。
◇ユ・ヘジンのファンならば・・・・「ラッキー」 ★★
◇平凡なアクション・・・・「バスティーユ・デイ」 ★★
◇キム・ギドクの視線が向かう所・・・・「THE NET 網に囚われた男」 ★★★
◇カギ1つの緊張感・・・・「ドント・ブリーズ」 ★★★☆
◇ナルシシズムに陥って暴力だけ残ったが・・・・「阿修羅」 ★★
◇また笑ってしまった・・・・「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」 ★★☆
◇ティム・バートンだからとて残念な・・・・「ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち」 ★★★
◇クラスは永遠だ・・・・「カフェ・ソサエティ」 ★★★☆
◇時代が揺り動かす心たち・・・・「密偵」 ★★★

         ★★★ NAVERの人気順位(10月18日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数

①(1) おばあちゃんの遠い家(韓国)  9.52(107)
②(-) フィドルスティックス  9.50(6)
③(-) 自白(韓国)  9.44(980)
④(-) クロウズ・エッグ  9.39(57)
⑤(2) Bringing Tibet Home ~故郷を引き寄せて~(韓国等)  9.39(76)
⑥(3) ドロップボックス(韓国)  9.34(92)
⑦(4) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.33(1,176)
⑧(6) 私たち(韓国)  9.21(957)
⑨(7) ハドソン川の奇跡  9.19(2,148)
⑩(5) 影たちの島(韓国)  9.19(94)

 今回の新登場は、②③④の3作品です。
 ②「フィドルスティックス」(仮)は、ドイツのファイト・ヘルマー監督によるキッズ・ムービー。ドイツのボラーズドルフにはかつていろんな分野で活躍したお年寄りがたくさん住んでいます。ところがある日、消費者調査会社のGKFによってボールラス村がヨーロッパの中心に位置しているという理由だけで<平均の村>に選定され、革新的な新製品のテスト場となります。村の大人たちは政策的に平均を守ろうとして、平均年齢以上の年齢になった高齢者を厄介払いして老人ホームに送り込んでしまいます。そこで幼い孫たち6人はおじいちゃん、おばあちゃんたちを救出しようと作戦を開始します・・・。世界各地の子供映画祭で受賞した作品。韓国題は「우리친구 피들스틱스」。日本公開は未定のようです。
 ③「自白」は、2013年韓国のニュースでかなり大きく取り上げられた<脱北者偽装スパイ事件>をめぐるドキュメンタリー。2012年に脱北した華僑出身のソウル市公務員ユ・ウソン氏は国家情報院によりスパイとして捕まります。国家情報院が出した明確な証拠は妹の自白でした。ところが、もしかして国家情報院が嘘をついているのでは、と疑いを抱いたチェ・スンホディレクターが動き、2015年10月大法院(最高裁)は、ユ・ウソンさんの国家保安法違反の疑いについて無罪を宣告しました。しかし、ただこの事件だけだったのか?と、韓国、中国、日本、タイを40ヵ月間行き来し追跡した末、スパイ操作事件の実体が明らかになります・・・。この事件については→コチラ参照。(かなり<北朝鮮寄り>のブログですが・・・。) 原題は「자백」です。
 ④「クロウズ・エッグ」(仮)はインド(タミル語)のドラマ&コメディ。英題の「Crow's Egg」は「カラスの卵」。貧しいながらもお母さん、おばあちゃんと一緒に楽しく暮らすスラム街の兄弟。ニワトリの卵を買うお金がなくてカラスの卵を拾って食べているので「デカ卵&チビ卵」とよばれています。しかしいつも明るくたくましく日々を送っています。そんなある日、カラスの巣があった木が切られ、そこに夢の食べ物ピザを売る店ができます。ピザを食べるという目標ができますが、兄弟の稼ぎは1日10ルピーだけ。ピザ1枚の300ルピーはあまりにも大きなお金です。30日間の幸せ探しのプロジェクトの結末はいかに? 韓国題は「행복까지 30일(幸福まで30日)」。日本公開は未定のようですが、ヌルボとしてはぜひ公開してほしいところ。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) キャロル  8.96(13)
②(2) ラヴニール  8.0(6)
③(3) ハドソン川の奇跡  7.86(7)
④(4) アガシ(韓国)  7.68(18)
⑤(-) 自白(韓国)  7.67(10)
⑥(5) 私たち(韓国)  7.66(14)
⑦(6) ドロップ・ボックス(韓国)  7.66(1)
⑧(7) 密偵(韓国)  7.50(12)
⑨(8) ナショナル・ギャラリー 英国の至宝  7.50(4)
⑩(9) THE NET 網に囚われた男(韓国)  7.25(8)

 ⑥「自白」だけが今回の新登場です。この作品については上後述しました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月14日(金)~10月16日(日) ★★★

         <脇役俳優>ユ・ヘジン主演の「ラッキー」が堂々1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・・累積収入・・・・上映館数
1(5)・・ラッキー(韓国) ・・・・・・・・・・・・・10/13・・・・・・・・・1,642,608・・・・・・・・・・・2,002,710 ・・・・・・・・16,728・・・・・・・・1,158
2(1)・・ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち・・9/28・・・・272,252 ・・・・・・・・・・・2,491,687・・・・・・・・20,067・・・・・・・・・・649
3(2)・・ドント・ブリーズ ・・・・・・・・・・・・・10/05・・・・・・・・・・156,813・・・・・・・・・・・・・894,284 ・・・・・・・・・7,571・・・・・・・・・・487
4(3)・・ブリジット・ジョーンズの日記・・9/28 ・・・・・・・・・・・57,034・・・・・・・・・・・・・760,822 ・・・・・・・・・6,220・・・・・・・・・・335
       ダメな私の最後のモテ期
5(新)・・バスティーユ・デイ・・・・・・・・・10/13 ・・・・・・・・・・・54,345 ・・・・・・・・・・・・・・70,034・・・・・・・・・・・568・・・・・・・・・・422
6(新)・・ザ・コンサルタント ・・・・・・・・・10/13 ・・・・・・・・・・・39,218 ・・・・・・・・・・・・・・48,715・・・・・・・・・・・394・・・・・・・・・・375
7(27)・・自白(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・10/13 ・・・・・・・・・・・39,218 ・・・・・・・・・・・・・・48,715・・・・・・・・・・・394・・・・・・・・・・375
8(3)・・阿修羅(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・9/28・・・・・・・・・・・・27,235 ・・・・・・・・・・・2,557,328 ・・・・・・・・20,458 ・・・・・・・・・376
9(6)・・ハドソン川の奇跡 ・・・・・・・・・・・9/28・・・・・・・・・・・・23,161 ・・・・・・・・・・・・・607,850 ・・・・・・・・・5,096・・・・・・・・・・234
10(14)・・劇場版プリバラ ・・・・・・・・・・10/13 ・・・・・・・・・・・13,917 ・・・・・・・・・・・・・・20,934 ・・・・・・・・・・・176・・・・・・・・・・157
       み~んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ(日本・韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は5・6・7・10位の4作品です。
 5位「バスティーユ・デイ」はアメリカ・フランス合作のアクション。パリで爆破事件が発生し、スリの青年が容疑者としてCIAに逮捕されます。無実が証明されますが、さらなる大規模テロの可能性が発覚。スリの腕を買われた青年は、こわもてのCIA捜査官とを組んで捜査協力することになりますが・・・。韓国題は「바스티유 데이」。日本公開は来年3月です。
 6位「ザ・コンサルタント」は、アメリカのサスペンス・アクション。自閉症児と誤解受けたアインシュタイン等と比肩されるほどの数学の天才クリスチャン(ベン・アフレック)は、自分の才能を生かして麻薬組織の黒い金を扱う会計士として暮らしています。そんな中、彼は密かに行ったことによって組織と国双方の標的にされてしまいます。そして今、彼は昼間は会計士、夜には殺し屋だった自分の本性を現わし、同時に彼らと相対することになります・・・。韓国題は「어카운턴트」日本公開は来年1月です。
 7位「自白」については上述しました。
 10位「劇場版プリパラ み~んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ」については私ヌルボ書く資格ナシ。このところ新海誠監督とか山田尚子監督作品のことを書いたりしてますが、「プリパラ」はかなーり遠い遠い所にある感じで・・・。この作品、<NAVER映画>では韓国作品になってるのですが、合作? 韓国題は「극장판 프리파라 모두 모여라! 프리즘☆투어즈」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(8)・・自白(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/13 ・・・・・・・・・・・・・・30,770 ・・・・・・・・・・・・58,244 ・・・・・・・・・・・・460 ・・・・・・・・152
2(1)・・殺してくれる女(韓国)・・・・・・・・・10/06・・・・・・・・・・・・・・・12,705 ・・・・・・・・・・・・83,937 ・・・・・・・・・・・・623 ・・・・・・・・121
3(3)・・ラヴニール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/29・・・・・・・・・・・・・・・・1,920 ・・・・・・・・・・・・16,751 ・・・・・・・・・・・・132 ・・・・・・・・・19
4(4)・・ロビンソン・クルーソー・・・・・・・・・9/07・・・・・・・・・・・・・・・・1,202 ・・・・・・・・・・・137,698・・・・・・・・・・・1,059 ・・・・・・・・・17
5(5)・・カフェ・ソサエティ・・・・・・・・・・・・・・9/14・・・・・・・・・・・・・・・・1,108 ・・・・・・・・・・・123,025・・・・・・・・・・・1,019 ・・・・・・・・・11

 今回の新登場は1位「自白」だけですが、これについては上述しました。
コメント
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