ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 週末の興行成績 [11月15日(金)~11月17日(日)]と、人気順位 ►仏=デンマーク合作アニメ「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」は期待以上だった!

2019-11-19 23:52:09 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸この1週間は、松元ヒロさんの公演(やっぱりオモシロイ!)を観に行ったり大阪に行ったり等々いろいろあって、映画は昨18日シネマ・ジャック&ベティに先週書いた通り「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」を観に行っただけ。これは期待通りというか、それ以上かも。「ディリリとパリの時間旅行」よりずっと物語に引き込まれ、また画面の美しさに感じ入りました。(氷山の浮かぶ海の夕焼けの景色が美しい!) 物語の骨子は、サンクトペテルブルグの貴族の令嬢サーシャ(14歳)が、1年前に北極航路の探検に出たまま未だ行方がわからない祖父を探しに北極圏へと旅に出るというもの。物語も、輪郭を描かない絵柄もシンプルなのですが、いろんな記事に記されているように「黎明期の日本アニメを彷彿とさせる魅力」が感じられます。<東京アニメアワードフェスティバル2016>のコンペティション部門(長編アニメーション)でグランプリを受賞した作品なのになんで今まで一般劇場公開されなかったのか・・・。配給がつかなかったって!? 高畑勲監督も推奨されていたのに・・・。
 なお、物語の時代設定は1882年ということで、私ヌルボ、つい探索癖が働いたのは、ピアリーが北極点に到達したのはずっと後のはず(ググったら1909年で厳密には少し手前まで)なのに、その何十年も前に北極点を目指した人がいたのかということ。で、ウィキペディアによるとイギリスの海軍少将ウィリアム・エドワード・パリーの1827年の探検が最初なんですと。
 というわけで、にわかにフランスアニメおたくになりつつある私ヌルボ、次は予告編で観た11月22日公開の「失くした体」ですね。カンヌ映画祭批評家週間でグランプリ、アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞を獲得した作品とのことですが、先の2作品とは全然違うブキミな雰囲気のアニメ、かな?

         ★★★ NAVERの人気順位(11月19日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.65(127)
②(1) 卒業(韓国)  9.64(11)
③(-) グリーンブック  9.61(6,085)
④(-) 氷点下の風(韓国)  9.53(19)
⑤(4) 主戦場  9.49(987)
⑥(5) シークレット・スーパースター  9.40(104)
⑦(-) アラジン  9.38(26,846)
⑧(-) RBG 最強の85才  9.38(172)
⑨(-) レディ・マエストロ  9.28(25)
⑩(8) 教会のお兄さん(韓国)  9.27(1,556)

 ④と⑨の2作品が新登場です。
 ④「氷点下の風」は、韓国のドラマ。最近の注目作「ハチドリ」等、韓国映画の重要なテーマとなっている女性の成長期を扱った映画ですが、その中でもとくに苛酷な内容のドラマ。ヨンハやミジンたちの12歳、15歳、19歳の3つの時期に焦点を当てて彼らの育った家庭のようす等をたどりますが、たとえばヨンハは母親が抑圧的だったり父親が無能だったり・・・。家庭が安らぎの場ではなく、逆に悩みの根本原因として立ちはだかるのです。そんな中で友人のミジンはヨンハの慰めとなり彼女を支えてくれるのですが、結局彼らに対して親や家族による、そして世界による試練はなおも続き、彼らを成長させるどころか最終的には家のない、独りだけの存在にしてしまいます・・・。原題は「영하의 바람」ですが、ヨンハという名前は氷点下(零下.영하)と同じ綴り。もちろん、意識的に両義的なタイトルにしているのですね。
 ⑨「レディ・マエストロ」は、女性指揮者アントニア・ブリコ(1902~89)の半生をたどったオランダの音楽ドラマ。日本では9月20日公開され現在も上映中です。韓国題は英題と同じ「더 컨덕터(The Conductor)」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(3) モーリス 4K  8.00(5)
④(5) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑤(6) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑥(7) ジョーカー  7.64(11)
⑦(9) ドクター・スリープ  7.50(2)
⑧(10) 台北ストーリー  7.40(5)
⑨(-) 主戦場  7.33(6)
⑩(-) グリーンブック  7.29(7)
⑩(-) ボーダー 二つの世界  7.29(7)

 今回の新登場はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月15日(金)~11月17日(日) ★★★
           米国ファンドによる韓国外換銀行売却事件を素材にした「ブラックマネー」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(10)・・ブラックマネー(韓国)・・・・・・・11/13・・・・・・・・・781,134・・・・・・1,050,336 ・・・・・・・・9,087 ・・・・・1,117
2(1)・・神の一手:鬼手編(韓国)・・・・・・11/07・・・・・・・・・364,766・・・・・・1,838,587 ・・・・・・・15,867 ・・・・・1,026
3(3)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・・152,508・・・・・・3,491,864 ・・・・・・・28,807・・・・・・・701
4(2)・・ターミネーター・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・135,582・・・・・・2,310,267 ・・・・・・・19,352 ・・・・・・609
       :ニュー・フェイト
5(4)・・アダムス・ファミリー・・・・・・・・11/07・・・・・・・・・・88,566 ・・・・・・・319,310 ・・・・・・・・2,558 ・・・・・・・591
6(61)・・エンド・オブ・ステイツ・・・・・・11/13・・・・・・・・・・88,377 ・・・・・・・126,377 ・・・・・・・・1,059 ・・・・・・・601
7(新)・・ゾンビランド:ダブルタップ・・11/13・・・・・・・・65,737 ・・・・・・・104,508 ・・・・・・・・・・910 ・・・・・・・548
8(5)・・天気の子(日本) ・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・・45,452 ・・・・・・・612,016 ・・・・・・・・5,052 ・・・・・・・308
9(80)・・ユニへ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・11/14・・・・・・・・・・24,421 ・・・・・・・・36,408・・・・・・・・・・274 ・・・・・・・310
10(新)・・大統領の7時間(韓国)・・・・・・11/14・・・・・・・・・・10,980 ・・・・・・・・13,548・・・・・・・・・・121 ・・・・・・・・84
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は6・7・9・10位の4作品です。
 6位「エンド・オブ・ステイツ」は、日本でも2日遅れで11月15日から公開されています。韓国題は原題のままで「엔젤 해즈 폴른(Angel Has Fallen)」です。
 7位「ゾンビランド:ダブルタップ」も、11月22日から日本公開ということで、すでに諸情報が流されているので内容等の説明は省略します。韓国題は「좀비랜드: 더블 탭」です。
 9位「ユニへ」は、韓国のロマンス&ドラマ。「ユニへ。お元気ですか?」。平凡な毎日を過ごしていたユニ(キム・ヒエ)にある日1通の手紙が届きます。ところがその手紙をユニの娘セボム(キム・ソヘ)が先に読んでしまいます。そしてユニに手紙の内容を伝えないまま、手紙の送り主がいる場所に行こうとユニに提案します。ユニは秘密にしていた初恋の記憶に胸が弾みます。セボムと一緒に旅行に出たユニは絶え間なく雪が降るその地で初恋に出会うかもしれないという期待を抱きますが・・・。原題は「윤희에게」です。
 10位「大統領の7時間」は、韓国のドキュメンタリー。イ・サンホ監督はこれまでも2014年の釜山国際映画祭で上映をめぐり問題となった「ダイビング・ベル」でセウォル号沈没事件の際の政府の対応に疑問を提起しましたが、この作品はその時の朴槿恵大統領の<空白の7時間>を宗教の観点から追及したものです。原題は「대통령의 7시간」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(29)・・ユニへ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・24,421・・・・・・・・・36,408 ・・・・・・・・・274 ・・・・・・・・・310
2(11)・・鍬入れ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・3,453・・・・・・・・・・6,072 ・・・・・・・・・・51 ・・・・・・・・・171
3(15)・・レディ・マエストロ・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・2,443・・・・・・・・・・4,840 ・・・・・・・・・・42 ・・・・・・・・・・30
4(1)・・モーリス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/07 ・・・・・・・・・2,165・・・・・・・・・11,723 ・・・・・・・・・・99 ・・・・・・・・・・39
5(10)・・北間道[プッカンド]の十字架(韓国)・・10/17 ・・・・2,060・・・・・・・・・・8,843 ・・・・・・・・・・66・・・・・・・・・・・11

 1~3位の3作品が初登場です。
 1位「ユニへ」については上述しました。
 2位「鍬入れ」は、李明博元大統領の朝鮮半島大運河構想と4大河川再生事業問題を取り扱った韓国のドキュメンタリー。「よりよく暮らせる」という触れ込みは真っ赤な嘘だった! 李明博政権が企画し、メディアが後押しして、建設業者が現場で展開した22兆2千億ウォンの賭博。そんな大金が飛び交う中、4大河川の錦江、栄山江、漢江、洛東江では60万尾もの魚の大量死等が発生し、川は死んでいったのです・・・。原題は「삽질」です。
 3位「レディ・マエストロ」については上述しました。
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