ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 週末の興行成績 [11月22日(金)~11月24日(日)]と、人気順位 ►韓国での大ヒットの理由がわかった 「EXIT イグジット」は絶対オススメ!

2019-11-26 23:46:04 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸昨日11月25日、桜木町のブルク13で「EXIT イグジット」を観てきました。今年公開の韓国映画で、観客動員数の多い作品は1位「エクストリーム・ジョブ(極限職業)」=1626万人、2位「パラサイト 半地下の家族(寄生虫)」=1,008万人、3位「EXIT イグジット」=941万人で、つまり大ヒットと言っていい作品です。「都心で発生した有毒ガスから逃れるため、無職青年のヨンナム(チョ・ジョンソク)と大学サークルの後輩ウィジュ(少女時代ユナ)が超高層ビル群を登ったりロープにすがったり、走り抜けたりするパニックアクションで、基本的にヌルボが好き好んで観ることのあまりないエンタメ系の映画なのですが、韓国での評判がよさそうだし、評論家等の評価も高いようなので一応観ておくか、と思って行きましたが・・・。いやあ、これは観に行って大正解! 結果はほぼわかっていても「手に汗握る」シーンの連続でずっとキンチョーしっぱなし。展開はよけいなひねりがなくてわかりやすく、その中に韓国ならではの濃ゆ~い家族愛もあり、笑える部分もあり、それに感動的なエピソードもあったりとサービス満点。一方韓国社会の厳しい現実を反映して・・・というのは部分どころか主軸かも。さらにはあのセウォル号沈没事故にも関わってるのかな? また男性が主人公で女性は保護される側という描き方をしていない点にも注目。ユナは本作の演技で<釜日映画賞>の人気スター賞受賞とか。これはナットク。
 ・・・と、私ヌルボ、これは絶対オススメ!なんですけど、17:45~の回で98席のスクリーン2に観客数が20人に達していなかったとは・・・。日韓共に後述の「アナ雪2」がスクリーンを席捲してるんですかねー?

《韓国映画評論家協会賞2019》10月21日。(→コチラ参照。)
 ◆最優秀作品賞:パラサイト 半地下の家族 ◆監督賞:ポン・ジュノ(パラサイト 半地下の家族) ◆主演男優賞:シン・ハギュン(私の特別な兄弟) ◆主演女優賞:キム・ヒャンギ(無垢なる証人) ◆助演男優賞:チン・ソンギュ(エクストリーム・ジョブ) ◆助演女優賞:キム・セビョク(ハチドリ) ◆新人男優賞:パク・ヒョンシク(8番目の男) ◆新人女優賞:パク・ジフ(ハチドリ)

 《青龍映画賞2019》11月21日。(→コチラ参照。)
 ◆最優秀作品賞:パラサイト 半地下の家族 ◆監督賞:ポン・ジュノ(パラサイト 半地下の家族) ◆主演男優賞:チョン・ウソン(無垢なる証人) ◆主演女優賞:チョ・ヨジョン(パラサイト 半地下の家族) ◆助演男優賞:チョ・ウジン(国家が破産する日) ◆助演女優賞:イ・ジョンウン(パラサイト 半地下の家族) ◆新人男優賞:パク・ヘス(量子物理学) ◆新人女優賞:キム・ヒェジュン(未成年)


▸今年は、多くの在日朝鮮人(日本人家族も含む)が北朝鮮に渡った北朝鮮帰国事業が始まってから60年。日本人6,730人を含む93,340人の「帰国者」の多くは<地上の楽園>とのフレコミとは対極的な社会の中で困難な生活を強いられました。しかし<拉致被害者>の皆さんほど関心が向けられていないのはなぜでしょうか? ・・・といったことと関連して、12月14日(土)・15日(日)拓殖大学文京キャンパスで<北朝鮮に自由を!人権映画祭>が開かれ、「キューポラのある町」「クロッシング」等8本の映画が上映されます。詳細は→コチラ

▸映画とは関係ありませんが、江戸東京博物館では12月1日(日)まで<18世紀ソウルの日常-ユマンジュ日記の世界>と題した企画展をやっています。兪晩柱(ユ・マンジュ)という人物の遺した日記中の1784年の記述から彼の暮らしや漢陽の風景等を紹介した展示です。

         ★★★ NAVERの人気順位(11月26日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) 卒業(韓国)  9.69(13)
②(-) ヘロニモ(韓・米)  9.64(121)
③(3) グリーンブック  9.61(6,100)
④(4) 氷点下の風(韓国)  9.50(22)
⑤(-) きのうのことはみんな大丈夫(韓国)  9.43(157)
⑥(8) RBG 最強の85才  9.38(172)
⑦(10) 教会のお兄さん(韓国)  9.27(1,557)
⑧(-) This Changes Everything/これはすべてを変える  9.23(105)
⑨(-) ユニへ(韓国)  9.18(699)
⑩(-) 今日、私たち(韓国)  9.14(37)

 ②と⑤の2作品が新登場です。
 ②「ヘロニモ」は、韓国・アメリカ合作のドキュメンタリー。原題の人名「Jeronimo」は英語だとジェロニモですが、スペイン語だとヘロニモなんですね。2015年12月、在米韓国人の弁護士チョン・フソクが見知らぬ土地キューバに一人旅に出た時、現地の女性ガイドのお父さんが2006年に亡くなったヘロニモさんというコレアーノ(Coreano.韓国人)だったことがこの作品制作のキッカケでした。ヘロニモはチェ・ゲバラ、フィデル・カストロと肩を並べたキューバ革命の主役であり、キューバの韓国人たちの精神的支柱でもありました。また、彼の父イム・チョンテクは、在キューバの韓国人たちと食事ごとに米を1匙ずつ集めて大韓民国臨時政府に独立資金として送ったという独立運動家でした。祖国の地を踏んだことのない彼らが100年以上続けてきたコレアーノの歴史と精神を、今チョン・フソクがドキュメンタリー監督として伝えます・・・。韓国題は「헤로니모」。本作についての詳しい記事は→コチラです。
 ⑤「きのうのことはみんな大丈夫」は、韓国のドラマ。学校や家庭で疎外されている男子のチグンとヨンス、女子のヒョンジョンとスヨンの4人は綱渡りをするように危険な日々を送っています。彼らのそばで、昼間は生徒を教え、夜は街で子供たちと共に過ごす教師ミンジェは、実際には守ってあげられなかった子供に対するつらい過去のため、今一緒にいる生徒たちに必死にがんばっています。そんなある日、スヨンがが危機に陥り、彼を救おうとしたチグンとヨンジュの連絡が途絶えて、各々の運命は渦に巻き込まれたようになっていきます・・・。原題は「어제 일은 모두 괜찮아」です。「氷点下(零下)の風」等、このところ親に見捨てられた子供を扱った作品が多いようです。日本でもそうか。

     【記者・評論家による順位】

①(-) アイリッシュマン  9.11(9)
②(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
③(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
④(3) モーリス 4K  8.00(5)
⑤(4) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑥(5) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑦(-) 象は静かに座っている  7.67(3)
⑧(6) ジョーカー  7.64(11)
⑨(7) ドクター・スリープ  7.50(2)
⑩(8) 台北ストーリー  7.40(5)

 ①と⑦の2作品が新登場です。
 ①「アイリッシュマン」は、日本でも5日早い15日から公開されています。韓国題は「아이리시맨」です。
 ⑦「象は静かに座っている」も、日本では11月2日から公開されています。韓国題は「코끼리는 그곳에 있어(象はそこにいる)」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月22日(金)~11月24日(日) ★★★
           日本より1日早く公開の「アナと雪の女王2」が初登場で440万人超え!

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(新)・・アナと雪の女王2 ・・・・・・・・・・11/21 ・・・・・・・3,829,961・・・・・・4,437,807 ・・・・・・・38,025 ・・・・・2,648
2(1)・・ブラックマネー(韓国)・・・・・・・・11/13・・・・・・・・・781,134・・・・・・1,050,336 ・・・・・・・・9,087 ・・・・・1,117
3(2)・・神の一手:鬼手編(韓国)・・・・・・11/07・・・・・・・・・・94,598・・・・・・2,085,194 ・・・・・・・17,919・・・・・・・650
4(3)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・・・47,845・・・・・・3,619,376 ・・・・・・・29,845・・・・・・・464
5(4)・・ターミネーター・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・・23,110・・・・・・2,383,138 ・・・・・・・19,946・・・・・・・193
       :ニュー・フェイト
6(9)・・ユニへ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/14・・・・・・・・・・10,922 ・・・・・・・・63,686・・・・・・・・・・507 ・・・・・・・・73
7(新)・・アイリッシュマン・・・・・・・・・・11/20 ・・・・・・・・・・10,097 ・・・・・・・・15,127・・・・・・・・・・135 ・・・・・・・・63
8(61)・・顔のないボス(韓国) ・・・・・・・・11/21 ・・・・・・・・・・・9,951 ・・・・・・・・16,355・・・・・・・・・・138 ・・・・・・・277
9(8)・・天気の子(日本) ・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・・・9,555 ・・・・・・・642,433 ・・・・・・・・5,305 ・・・・・・・・84
10(6)・・エンド・オブ・ステイツ・・・・・・11/13 ・・・・・・・・・・・8,978 ・・・・・・・175,000 ・・・・・・・・1,434 ・・・・・・・155
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・7・8位の3作品です。
 1位「アナと雪の女王2」は、今日中に500万人に届くという大変な勢い。私ヌルボ、昨晩は映画館でポスターを見て、あの強いマナザシに少なからずビビりましたが(笑)、皆さんはどうなんでしょうか? 韓国題は「겨울왕국2(雪の王国2)」です。
 7位「アイリッシュマン」は、上述のように11月15日から日本で公開されています。
 8位「顔のないボス」は、韓国のノワール&ドラマ。ヤクザになったらカッコいい男としていい人生を生きられるだろうという一念でサンゴン(チョン・ジョンミョン)は裏切者の先輩を退かせ、最終的にはボスの座までのし上がります。しかし、その1件で、先輩を差し置いてボスになった後輩という汚名を着ることになりました。兄弟より愛する舎弟たちと義理を誓い、命より愛する彼女と幸せまで夢見ますが、日々血の風が吹き寄せる地獄のようなこの場所にはヤクザたちのロマンなどはぜいたくのように見えるのです。ヤクザたちが介入した陰謀にからむ裏切りの中、サンゴンは家族や弟たちまで、だんだんと、そしてすべてを失う危機に直面することに・・・。彼が最後まで守ろうとしていたことは何だったのでしょうか・・・。原題は「얼굴없는 보스」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ユニへ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・10,922・・・・・・・・・63,686 ・・・・・・・・・507 ・・・・・・・・・・73
2(12)・・きのうのことはみんな大丈夫(韓国)・・11/21・・・・3,012・・・・・・・・・・6,695 ・・・・・・・・・・61 ・・・・・・・・・・87
3(23)・・ヘロニモ(韓・米) ・・・・・・・・・・・・・11/21 ・・・・・・・・・2,458・・・・・・・・・・4,054 ・・・・・・・・・・36 ・・・・・・・・・・63
4(2)・・鍬入れ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・1,885・・・・・・・・・11,062 ・・・・・・・・・・90 ・・・・・・・・・・28
5(3)・・レディ・マエストロ・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・1,697・・・・・・・・・・8,773 ・・・・・・・・・・74 ・・・・・・・・・・32

 2位「きのうのことはみんな大丈夫」と3位「ヘロニモ」が新登場ですが、いずれも上述しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする