ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [8月28日(金)~8月30日(日)]と人気順位 ►感染者数急増で再び観客激減 ►福岡で撮影の韓国映画「福岡」が韓国で一般劇場公

2020-09-01 23:21:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶8月15日の光復節以降韓国では新型コロナの感染者が急増し、16日に防疫レベルを第2段階に引き上げ、さらに厳格な第3段階を検討中とか。そんな中、再び映画館の週末観客動員数も目に見えて減りました。それに話題の「TENET テネット」が2200を超える圧倒的なスクリーン数で上映ということで(それさえも35万人)、なんとか5ケタの数字に収まっているのが「映画クレヨンしんちゃん」を含めて3作品のみ。5位以下は3,300から1,600人程度で、ランク外を見ると1日の観客が1ケタという映画館がゾロッと続いていて、コロナが猛威を振るっていた春先より悲惨な状態かも。主にアメリカのブロックバスターによるスクリーン独占はコロナでなくても問題が多いのに、とくにマイナーな低予算映画、ミニシアターなどは大変でしょうね。

▶7月1日の記事で、韓国題&英題をそのまま訳して「浮力」と仮題をつけたオーストラリア映画が「ボヤンシー 眼差しの向こうに」という邦題で8月7日から公開されていたことを2週間ほど経ってから知り、近所での上映が終わる前に観に行ってきました。これはわかりにくい部類に入りますよね。しかし6月17日の記事で韓国版のポスターの画像まで入れて「日本では一般劇場公開の予定はどうなってるの? すごく観たいんだけど・・・」とまで書いた「マローナの素晴らしき旅」(仮)が8月29日から渋谷のユーロスペースで公開されたのですね。で、タイトルは「マロナの幻想的な物語り」というと同。これは情報把握が遅すぎたかも。しかし9月11日からはほぼ全国(?)で公開されるし、とくに日米以外のアニメをほとんど(or全然)観てないという方はぜひオススメ。近年の欧州アニメの充実ふりは目をみはるものがあります。公式サイト(→コチラ)で紹介動画でも観てみてください。
 ▶下の記事にも書きましたが、韓国でチャン・リュル監督の「福岡」が8月27日から公開されています。ベルリン国際映画祭等各国の映画祭で上映され、昨2019年には<アジアフォーカス・福岡国際映画祭>でオープニングとして上映された韓国のドラマ(え? 今年もモノクロで上映?)。中国朝鮮族出身のチャン・リュル監督の「慶州」「群山:ガチョウを歌う」に続く都市3部作の最後です。「なんで福岡?」と思ったら、クォン・リュル監督は映画祭のために2007年以来5回も福岡に来て街を歩いたりしているのですね。(→コチラ参照。) ※右画像は水鏡天満宮の横の2メートルほどの道幅の通りで撮影したシーン。
 私ヌルボ、チャン・リュル監督作品は「豆満江」等3本(?)観てますが、時間の流れ方がゆったりしてるというか、タイクツというか・・・。大陸的と言っていっていいのかな、賈樟柯[ジャ・ジャンクー]も王小帥[ワン・シャオシュアイ]も同様で、香港とは違うところ。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月1日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) モンマルトルのパパ(韓国)  9.41(124)
②(3) 私はポリ(韓国)  9.38(133)
③(4) 少年の君  9.37(1,143)
④(5) セイント・ジュディ  9.33(66)
⑤(7) トムボーイ  9.21(402)
⑥(10) ハラボジの家(韓国)  9.18(137)
⑦(-) サンティアゴの白い杖(韓国)  9.06(32)
⑧(6) 映画クレヨンしんちゃん
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)  9.06(420)
⑨(-) 燃え立つ若い女性の肖像  9.04(1,659)
⑩(-) 見えざる人生  9.03(64)

 新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(-) 小さな光(韓国)  8.67(3)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(5) 見えざる人生  7.60(5)
⑤(7) その手に触れるまで  7.50(4)
⑥(8) 台北ストーリー  7.40(5)
⑦(9) トムボーイ  7.33(9)
⑧(-) TENET テネット  7.18(11)
⑨(10) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑩(-) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)

 こちらも新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月28日(金)~8月30日(日) ★★★
         「TENET テネット」がダントツ1位、とは言ってもこの数字では

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(3)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・353,116 ・・・・・・・660,419・・・・・・6,018 ・・・・・2,216
2(1)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05・・・・・・・・・53,322 ・・・・・4,250,133・・・・・37,682 ・・・・・・・706
3(2)・・OK! マダム(韓国)・・・・・・・・・・・8/12 ・・・・・・・・・21,976 ・・・・・1,200,555・・・・・10,752 ・・・・・・・605
4(4) 映画クレヨンしんちゃん ・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・14,264 ・・・・・・・・94,242・・・・・・・・767 ・・・・・・・431
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
5(6)・・半島(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・7/15・・・・・・・・・・・3,343 ・・・・・3,810,380・・・・・33,059 ・・・・・・・・50
6(164)・・#生きている(韓国)・・・・・・・6/24・・・・・・・・・・・2,031 ・・・・・1,903,704・・・・・15,965 ・・・・・・・・・8
7(5)・・鋼鉄の雨2: 首脳会談(韓国)・・7/29・・・・・・・・・・・1,905 ・・・・・1,780,052・・・・・14,624 ・・・・・・・142
8(10)・・ハラボジの家(韓国) ・・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・・1,703・・・・・・・・・12,601・・・・・・・・102・・・・・・・・・61
9(28)・・福岡(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・8/27 ・・・・・・・・・・1,595・・・・・・・・・・2,691・・・・・・・・・21・・・・・・・・101
9(8)・・返校:ディテンション ・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・1,595 ・・・・・・・・32,575・・・・・・・・300 ・・・・・・・・58
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

< 先週ふつうに予測した通り「TENET テネット」がダントツ1位にはなりましたが、冒頭に書いたように新型コロナの感染者急増で常態なら100万人にも達するかという作品がその半分にも届かないとは・・・。また5位以下は極端に少ない数字になっています。今後もどうなるのか、全然予測がつきません。
 今回はこのランキング10作品中、韓国映画が7作品を占めている点に注目。また新登場はわずか1作品のみでした。
 9位「福岡」が唯一の新登場です。冒頭にも書きましたが、大半は福岡で撮影したとは言え、韓国映画です。本屋の常連客ソダム(パク・ソダム)のために彼女と共に突然福岡にやって来た本屋の主人ジェムン(ユン・ジェムン)は、彼女と一緒に小さな居酒屋の<野菊>を訪ねます。そこは28年前の大学時代初恋のスニを同時に愛して仲たがいしたままの親友ヘヒョ(クォン・ヘヒョ)の店です。スニが好きだった本屋の主人として生きるジェムンとスニの故郷の福岡で居酒屋を営むヘヒョに、ソダムは「2人そっくり」と言います。似合ってなさそうで似合っている3人組の3日間の奇妙な旅が始まります・・・。原題は「후쿠오카」です。右画像は「福岡」のポスター。「パラサイト 半地下の家族」で広く知られるようになったパク・ソダムがなかなかいいフンイキ。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(2)・・ハラボジの家(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・1,703・・・・・・・・・・12,601・・・・・・・102・・・・・・・・・61
2(8)・・福岡(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/27・・・・・・・1,595・・・・・・・・・・・2,691 ・・・・・・・・21・・・・・・・・101
3(33)・・スキャンダル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/08・・・・・・・1,291・・・・・・・・181,135・・・・・・1,537 ・・・・・・・・・7
4(新)・・ブラインド 朗読する女 ・・・・・・・・・・・8/26・・・・・・・1,103 ・・・・・・・・・・1,893 ・・・・・・・・14・・・・・・・・・92
5(5)・・私の少女時代・・・・・・・・・・・・・・・2016/5/12・・・・・・・・・909 ・・・・・・・・421,788・・・・・3,418・・・・・・・・・61

 2・4位の2作品が新登場です。
 2位「福岡」については上述しました。
 4位「ブラインド 朗読する女」が新登場です。アメリカのドラマ&ラブロマンス。ベストセラー作家のビル(アレック・ボールドウィン)は事故で妻と視力を失って以降、執筆を中断して一層やつれてしまいます。そんな彼に、新しいボランティアとしてスーザン(デミ・ムーア)が割り当てられます。元編集者の彼女は投資家の夫と結婚して以来自分のキャリアを捨て夫のサポートに努めてきましたが、ある日夫の違法取引が発覚し、彼女も犯罪に関与してビルのもとに社会奉仕として差し向けられたのです。頑固な彼に負けず気丈に対抗する彼女。互いに徐々に接近していく2人は人生の光を取り戻し始めますが・・・。韓国題は「사랑이 눈뜰 때」。日本ではWOWOWで放映された他、アマゾンでの配信がありますが、一般劇場公開はありません。
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