ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [9月4日(金)~9月6日(日)]と人気順位 ►「TENET テネット」、2週連続1位も勢いは衰え気味 ►来週劇場公開の「ムーラン」に対する「期待vsアンチ」

2020-09-09 23:12:13 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶主演女優の香港問題での中国支持表明等で問題になり始めているディズニーの「ムーラン」。日本では映画館で予告編もやってたし前売り券も売ってましたが、8月初めに「映画館ではなくディズニープラスで配信提供することとしました」ということに。それは新型コロナのため・・・とのことですが。韓国では9月16日(水)公開。(韓国にはディズニープラスがないのか。)
その「ムーラン」に対するネチズンの期待度に注目。(NAVER映画より)

▶長年利用させてもらってた<ソウルナビ>の☆今週公開の韓国映画☆(→コチラ)は今年2月を最後に更新されていません。それに代わって最近わりと見ているのが<Wow!Korea>の〈最新の韓国映画〉(→コチラ。)
 そして〈2020年日本公開&予定の韓国映画一覧〉(→コチラ。) これには〈Netflix韓国映画一覧〉もついていて便利かも。

▶→8月19日の記事で6月28日~8月13日に観た映画15作品の評点(★の数だけ)を載せました。以後寸評さえも書かない(書けない?)状態が続いています。最近ツイッターの方でいくつか小出しにしています。そのうちそれらを基に記事にまとめます。(と前にも書きましたが・・・。)
 とりあえず、8月19日~9月4日に観た9作品のタイトルと評点&短評は以下の通りです。(は韓国映画。)

赤い闇 スターリンの冷たい大地で★★★★☆(「動物農場」や「ソヴィエト紀行」は知っていたが…) ○ボヤンシー 眼差しの向こうに(肝心なところで寝落ちしてしまった。トホホ。) ○ミッドナイト・ランナー★★★★(スピーディな展開。大林洞の朝鮮族の人たちの抗議は当然) ○ドロステのはてで僕ら★★★★(おもしろい、けど同じ上田誠脚本の「サマータイムマシン・ブルース」の方が感激大) ○チャンシルさんには福が多いね★★★★(小津監督作品ファンの女性にはノーラン監督好きの彼氏は難しいか(笑)) ○大いなる飢え★★★★(ダイエット問題はいろんなことと関わってるんだな) ○ハラボジの家★★★★☆(「はちどり」にも相通じる少女の心の成長の繊細な描写) ○淪落の人★★★★
 同じ★4つでも中身はいろいろ。おもしろさでオススメは「ドロステ~」です。
※最後の4つは3日(木)~5日(土)<あいち国際女性映画祭>で観ました。

▶韓国のドキュメンタリーでネチズンの平均評点が9.50を超えるような高評価の作品は多くは宗教関係で、(たぶん)身内が観て満点をつけてるものと見てよさそうですが、後述の「カイラスへ行く道」(評点9.75)はそうじゃなかったですね。中年の息子(=監督)と高齢の母親のチベット(&その他)巡礼記録で、母子愛・自然美・元気な高齢者等々感動の要素いろいろ。なるほどなー、と思いました。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) カイラスへ行く道(韓国)  9.75(68)
②(1) モンマルトルのパパ(韓国)  9.42(125)
③(3) 少年の君  9.37(1,185)
④(2) 私はポリ(韓国)  9.34(137)
⑤(5) トムボーイ  9.21(404)
⑥(4) セイント・ジュディ  9.21(67)
⑦(7) サンティアゴの白い杖(韓国)  9.06(32)
⑧(9) 燃ゆる女の肖像  9.05(1,675)
⑨(6) ハラボジの家(韓国)  9.03(173)
⑩(-) ユニへ(韓国)  8.98(2,233)

 ①「カイラスへ行く道」が新登場です。この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(2-) 小さな光(韓国)  8.67(3)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(5) その手に触れるまで  7.50(4)
⑤(6) 台北ストーリー  7.40(5)
⑥(7) トムボーイ  7.33(9)
⑦(8) TENET テネット  7.18(11)
⑧(9) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑨(10) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑩(-) マティアス&マキシム  7.00(4)

 新登場の作品はありません。
 「燃ゆる女の肖像」、当ブログでは前週まで「燃え立つ若い女性の肖像」という仮題にしていましたが、12月4日からの日本公開がきまり、タイトルもこのように確定しました。公式サイトは→コチラ

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月4日(金)~9月6日(日) ★★★
         話題作「TENET テネット」も100万人超えたところでもう頭打ち?

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・224,519 ・・・・・1,059,803・・・・・・9,700 ・・・・・1,533
2(新)・・オ! ムニ(韓国)・・・・・・・・・・・・9/02 ・・・・・・・・・94,148 ・・・・・・・134,928・・・・・・1,056 ・・・・・1,100
3(2)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05・・・・・・・・・30,006 ・・・・・4,311,894・・・・・38,219 ・・・・・・・567
4(4) 映画クレヨンしんちゃん ・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・・8,517 ・・・・・・・108,703・・・・・・・・884 ・・・・・・・321
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
5(3)・・OK! マダム(韓国)・・・・・・・・・・・8/12 ・・・・・・・・・・7,190 ・・・・・1,219,289・・・・・10,909 ・・・・・・・347
6(66)・・ドライヴ ・・・・・・・・・・2011/11/17 ・・・・・・・・・・4,270 ・・・・・・・・25,751・・・・204,541 ・・・・・・・118
7(新)・・ゴースト・オブ・ウォー・・・・・・9/02・・・・・・・・・・・3,580・・・・・・・・・・5,754 ・・・・・・・・・49 ・・・・・・・228
8(新)・・カイラスへ行く道(韓国)・・・・9/03・・・・・・・・・・・1,359・・・・・・・・・・1,699 ・・・・・・・・・14・・・・・・・・・47
9(新)・・バニシング'72・・・・・・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・1,181・・・・・・・・・・1,292 ・・・・・・・・・・3・・・・・・・・・36
10(8)・・ハラボジの家(韓国) ・・・・・・・8/20・・・・・・・・・・・1,019・・・・・・・・・15,023 ・・・・・・・・123 ・・・・・・・・50
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・7・8・9位の4作品です。
 2位「オ! ムニ」は、韓国のコメディ&ドラマ。火のような性格で家族愛も熱い保険会社のエース、ドゥウォン(イ・ヒジュン)に一人娘のボミ(イ・ジンジュ)がひき逃げに遭ったとの青天の霹靂のようなニュースが伝えられます。現場の唯一の目撃者は記憶がまばらなオムニ[お母さん]のムニ(ナ・ムニ)とワンワン吠えるだけの犬エンジャだけ。ボミは意識不明の状態で病院へ。警察の捜査に進展がなくドゥウォンはただ焦るばかり。しかし予期せぬ瞬間ムニは思いもよらない手掛かりを思い出し、ドンウォンはムニと一緒に直接ひき逃げ犯捜しに乗り出します・・・。原題は「오! 문희」です。ある芸能記者は、どたばたコミック捜査劇でナ・ムニは活躍しているが認知症をコメディ映画のモチーフにした点はいかがなものか、とコメントしています。
 7位「ゴースト・オブ・ウォー」は、イギリスのホラー。第2次世界大戦終戦を前にした1944年。米軍のクリスと4人の部隊員たちは、ナチスが占領したフランスを守るために一時ナチ最高司令部が占領していた大邸宅に到着します。思わぬ休息場所での滞在と彼らが思ったのもしばしの間。そこで彼らは戦場よりも恐ろしい超自然的な敵に遭遇し、やがて狂気に陥ります・・・。韓国題は「고스트 오브 워」。日本公開は(たぶん)なさそうです。
 8位「カイラスへ行く道」は韓国のドキュメンタリー。2018年の第3回蔚州世界の山岳映画祭(蔚山で開催)でプレミア上映された作品で、ドイツ映画「僕のサンティアゴ」(2015.日本未公開.原作「巡礼コメディ旅日記」刊)に続く韓国版巡礼映画でとのことです。チベットの聖地カイラス山[カン・リンポチェ]は仏教、ヒンズー教、ラマ教(チベット仏教)、ジャイナ教等の聖地でもあり、多くの巡礼者が訪れます。(五体投地もある。) 本作は、その地をイ・チュンスクおばあさんが訪れます。これまで慶北・奉化の山村で平凡な母親として暮らし、息子のチョン・ヒョンミン監督が日本等への海外旅行を勧めても載って来ませんでした。ところが「世界テーマ紀行」等のTV番組で強く印象づけられた地がコチラ方面でした。周囲の人たちは引き止めましたが、監督と2人でバイカル湖、モンゴル大草原、ゴビ砂漠、アルタイ山脈、タクラマカン砂漠、パミール高原、そしてカイラス山まで、中年の監督と老年の母親が辿った行程は計2万キロ! 「いつまたここに来られるか? 私は世界で一番幸せなばあさんだ」と「パミール日記」に記したイ・チュンスクおばあさんは、この巡礼の旅の間に84歳の誕生日を迎えたそうです。原題は「카일라스 가는 길」です。
 9位「バニシング'72」は、実際の銀行強盗事件を基にしたアメリカの犯罪&ドラマ。ニクソン大統領が再選を準備していた1972年に彼の秘密資金スキャンダルが明るみになると、ハリーと彼の叔父エンツォはニクソン大統領のブラックマネーを盗むために窃盗を計画してカリフォルニア州の銀行に向かいます。しかし、その後を追っていたFBIは、彼らが過ごした宿で一味の指紋を発見し、捜査網はだんだん狭められていきます・・・。韓国題は「아메리칸 잡(アメリカン・ジョブ)」。日本では劇場公開はなく、DVDまたは配信。原題は「Finding Steve McQueen」ですが、これは主人公がスティーブ・マックイーンの熱狂的なファンの若者だったからとか。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(26)・・ドライヴ ・・・・・・・・・・・・・・・・2011/11/17・・・・・・・4,270 ・・・・・・・・・25,751・・・・204,541 ・・・・・・・118
2(新)・・カイラスへ行く道(韓国) ・・・・・・・・・・9/03 ・・・・・・1,359・・・・・・・・・・・1,699 ・・・・・・・・・14・・・・・・・・・47
3(1)・・ハラボジの家(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・1,019・・・・・・・・・・15,023・・・・・・・・123・・・・・・・・・50
4(61)・・ハワーズ・エンド・・・・・・・・・・・1993/4/10・・・・・・・・・972 ・・・・・・・・・・2,479 ・・・・・・・・・19・・・・・・・・・50
5(7)・・メメント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2001/8/24・・・・・・・・・647 ・・・・・・・・・46,024 ・・・・・・・・342・・・・・・・・・19

 2位「カイラスへ行く道」が新登場ですが、この作品については上述しました。
 1・4・5位は、いずれも日本でも上映された旧作の再上映です。
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