ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [7月8日(金)~7月10日(日)]と人気順位 ►イギリスのホラー「Men」は気になるA24映画 ►BIFANにあのムン・グニョンの監督としての短編3作品上映

2022-07-14 23:56:37 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事中ちょっと注目の韓国映画は「ザ・キラー:死んでもいい子」というアクションですが、すでに日本を含めて世界48ヵ国の先売りが確定しているとか。ストーリーとか予告編等(下の記事参照)を見ても今ひとつその魅力がわかりませんが、主演チョン・ヒョクのアクションがすごいのかな?

▶韓国映画以外ではイギリスのホラー「Men」。「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランド監督の新作で、<第75回カンヌ国際映画祭(2022)>の監督週間に招待され、また今月開催の<第26回富川国際ファンタスティック映画祭>では開幕作として上映されたのですが、例の製作・配給会社<A24>の映画らしく話題性に富んだ作品のようです。予告編はコチラ(→英語字幕.→韓国語字幕)。なお、本作をめぐる話題で、「中盤から突然全裸の男が現れて・・・」以降、ボカシを入れるかそれとも云々といったことが一部で(?)話題になっているようです。

▶7月7日~17日ソウル近郊の富川[プチョン]で<第26回富川国際ファンタスティック映画祭>が開かれています。
 下左画像はその公式サイトより。<빞안 레터>は<BIFAN letter>で、<BIFAN>はプチョン・インターナショナル・ファンタスティックのアルファベットの最初の文字です。
 ユデダコのように赤黒いハート型のアニメキャラ?が笑ってますが、画面右上隅の文字を拡大すると<이상해도 괜찮아(ヘンだけど大丈夫)>とあります(下右画像)。今回のテーマだそうで、上で紹介した「Men」が開幕作とされたことも関係があるのでしょうか? もしかして最近ヒットしたドラマ「サイコだけど大丈夫(사이코지만 괜찮아)」のタイトルは意識したかな?
 なお、この映画祭にはあのムン・グニョンが監督として3編の短編を送り出しています。いずれもYouTubeで観られます。→「현재진행형」(現在進行形).9:15、→「심연」(深淵).9:06、→「꿈에 와줘」(夢に来てね).14:55。
   

    ★★★ NAVERの人気順位(7月13日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) Men  9.90(10)
②(1) トップガン マーヴェリック  9.78(26,493)
③(新) ザ・キラー:死んでもいい子(韓国)  9.67(21)
④(2) アナタの顔(韓国)  9.50(128)
⑤(3) 犯罪都市2(韓国)  9.43(25,846)
⑥(5) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.43(135)
⑦(8) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,548)
⑧(7) モア(韓国)  9.22(116)
⑨(9) コーダ あいのうた  9.13(984)
⑩(4) 偉大なる沈黙(韓国)  9.12(315)
 ①③の2作品が新登場です。
 ①「Men」(右ポスター)はイギリスのドラマ&ホラー。これまでのヒット作・話題作を手掛けてきた製作・配給会社<A24>が新しく世に送り出した作品で、冒頭に記したように<第75回カンヌ国際映画祭(2022)>の監督週間に公式招待され、また<第26回富川国際ファンタスティック映画祭>では開幕作として上映されました。<A24>の作品には「ムーンライト」「レディ・バード」「フェアウェル」「ミナリ」のようなふつうのドラマもありますが、<A24>を特徴づけるのはあの明るい陽光の下で惨劇が繰り返されるという常識破りのホラー「ミッドサマー」に代表されるケッタイなホラー&スリラーのような気がします。本作のアレックス・ガーランド監督は「エクス・マキナ」(2016日本公開)で注目されましたが、それも<A24>のちょっとヘンなSFスリラーでした。(以下あらすじ。)
 ハーパー(ジェシー・バークレー)は夫の死後、心を癒すために平和で美しいイギリスの田舎の村にやって来ます。ところがその後、家の周りの森から来た正体不明の人たち、いや、正確には<何か>が彼らにつきまとい始めます。恐怖にかられたハーパーは村人に助けを求めますが、例えば警察官、牧師、バーテンダー、さらにはお面を被った少年に至るまで、彼らすべてが奇妙な反応を見せるのです…。韓国題は「멘」です。※映画祭等で好評が続いているのは俳優ロリー・キニア。彼は上記の警察官、牧師、バーテンダー、幼いお面の少年(!)の他ハーパーを唯一歓迎する邸宅管理人ジェフリー等々、なんと1人9役を演じたとか!
 ③「ザ・キラー:死んでもいい子」は韓国のアクション。今年4月イタリアの第24回ウーディネ極東映画祭に公式招待され上映されましたが、ダイナミックで破格的なアクションが注目を集め、日本、台湾、ドイツ、オーストリア等世界48ヵ国の先売りが確定とのニュースが伝えられました。続いて第21回ニューヨーク・アジアン映画祭でも主演のチャン・ヒョクがダニエルA.クラフト優秀アクションシネマ賞を受賞。また北米では韓国と同時公開されているとのことです。(以下あらすじ。)
 引退後成功した財テクでぜいたくに暮らす伝説の殺し屋ウィガン(チャン・ヒョク)は自分勝手に行動する女子高生ユンジ(イ・ソヨン)を引き受けることになります。ウィガンは短期間保護者の役割だけやればいいと軽く考えたのですが、突然ユンジが拉致される事件が起こります。「あの子は傷つけてはいけない子だ」。それまで必死に眠らせていたウィガンの本能が目覚めます・・・。原題は「더 킬러: 죽어도 되는 아이」です。その多様なアクション満載の予告編は→コチラ

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
③(4) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
④(6) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑤(7) アフター・ヤン  7.80(5)
⑥(8) モア(韓国)  7.38(8)
⑦(9) さがす(日本)  7.33(6)
⑧(10) オマージュ(韓国)  7.25(4)
⑧(10) オリ・マキの人生で最も幸せな日  7.25(4)
⑩(-) カモン カモン  7.00(7)

 新登場の作品はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月8日(金)~7月10日(日) ★★★
          日本より2日早く公開された「ソー:ラブ&サンダー」が初登場で1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ソー:ラブ&サンダー ・・・7/06・・・・1,184,259・・・・・1,764,680 ・・・・・19,227・・・・2,044
2(1)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・・204,380・・・・・4,653,554 ・・・・・49,902・・・・1,329
3(2)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・320,170・・・・・・・885,179・・・・・・・8,925・・・・・・751
4(4)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18・・・・・・・84,814・・・・12,588,775 ・・・・130,205・・・・・・526
5(3)・・The Witch/魔女2 (韓国) ・・6/15・・・・・・・55,857・・・・・2,772,672・・・・・・28,594・・・・・・438
6(19)・・潜水艦総動員8:地心游記・・7/06・・・・・36,206・・・・・・・・・42,122・・・・・・・・・391・・・・・・455
7(16)・・CURE キュア(日本)・・・・・・7/06・・・・・・・・5,699・・・・・・・・・11,442・・・・・・・・・122・・・・・・・55
8(新)・・富川国際ファンタスティック映画祭2022・・4,140・・・・・・・・5,660 ・・・・・・・・・・28・・・・・・・・1
       富川チョイス: 短編 1(韓国)
9(新)・・富川国際ファンタスティック映画祭2022・・3,780・・・・・・・・4,730 ・・・・・・・・・・23 ・・・・・・・・1
       富川チョイス: 短編 2(韓国)
10(5)・・バズ・ライトイヤー・・・・・・・・6/15 ・・・・・・・3,328 ・・・・・・・338,836 ・・・・・・3,476 ・・・・・・・41
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1・6・8・9位の4作品が新登場です。なお7位「CURE キュア」は2つ前の記事で書いたように日本では1997年末に公開された黒沢清監督作品の韓国での公式初上映です。
 1位「ソー:ラブ&サンダー」はアメリカのマーベル・コミックのキャラクター、雷神ソー(クリス・ヘムズワース)が活躍するスーパーヒーロー映画。日本でも7月8日に公開されているので説明は省略します。韓国題は「토르: 러브 앤 썬더」です。
 6位「潜水艦総動員8:地心游記」は2008年にスタートした中国の子供向けアニメシリーズの新作。潜水艦の仲間たちは魔法の石マジックストーンを探して海の果てまで冒険に出ます。しかしすぐに途方もない海底の渦に巻き込まれてしまいます。そこはまさに伝説の中の巨大な海恐竜がいる神秘の世界。巨大な恐竜と生きている三葉虫、大王海サソリにモンスター魚まで...
潜水艦の仲間たちはいろいろな種類の古生代海洋生物の脅威を避けて無事に戻ることができるでしょうか? スケールの大きな、5億万年前の神秘的な海底世界が目の前にいっぱい広がります・・・。韓国題は「빅샤크4: 바다공룡 대모험(ビッグシャーク4:海恐竜 大冒険)」です。中国アニメをちょっと観てみたい方は→コチラで本作の予告編を・・・。
 8位「富川国際ファンタスティック映画祭2022 富川チョイス:短編1」は7月7日~17日開催の<第26回富川[プチョン]国際ファンタスティック映画祭>中、<富川チョイス>というのはコンペ部門のことなので、短編のコンペ部門のその1の意。韓国題は「BIFAN2022 부천 초이스: 단편 1」です。
 9位「富川国際ファンタスティック映画祭2022 富川チョイス:短編2」は同様に短編のコンペ部門のその2ということです。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(3)・・CURE キュア(日本) ・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・5,699・・・・・・・11,442・・・・・・・・・122 ・・・・・・・55
2(9)・・あなたがチョ・グク(韓国) ・・・・・5/25・・・・・・・・・2,410・・・・・・332,141 ・・・・・・3,097 ・・・・・・・20
3(1)・・カモン カモン・・・・・・・・・・・・・・・・6/30 ・・・・・・・・1,514・・・・・・・11,743・・・・・・・・・117・・・・・・・・51
4(2)・・アナタの顔(韓国) ・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・・・1,081・・・・・・・10,914・・・・・・・・・・97・・・・・・・・28
5(新)・・検察側の罪人(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・953・・・・・・・・1,832・・・・・・・・・・12 ・・・・・・・・・5

 5位「検察側の罪人」が新登場です。2018年の原田眞人監督作品。韓国では正式な劇場公開はなく、限定的な会場での公開に止まりました。韓国題は「검찰측의 죄인」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする