ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [9月4日(金)~9月6日(日)]

2015-09-09 23:53:20 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 8月21日を最後に3週間映画館に行っていません。ずいぶん長いブランクのように思えます。
 しかし、6日には私ヌルボによる小ぢんまりとした映画鑑賞会(?)で久しぶりに「過速スキャンダル」を観ました。3度目(?)くらいで初めて知ったこともいろいろ。字幕では「シングルマザー」になってますが、韓国語では「미혼모(未婚母)」なんですね。また字幕の「花札」は元のセリフでは「ゴーストップ」とゲーム名になってます。また男の子ファン・ギドンが弾いてるピアノメーカーはyoung chang misic(영창뮤직)製。韓国一の楽器メーカーで現代グループ系。「埴生の宿」(ホーム・スイート・ホーム)は韓国では「즐거은 우리 집(楽しいわが家)」ちょっと出てくるギドンの好きな女の子役はいろんなドラマに出ているチョン・ミンソちゃん、等々。あ、パク・ボヨンがこの作品の後2年間くらい映画にもドラマでも全然見ないなーと思っていましたが、予想外の大ヒットのため(?)所属事務所との間でいろいろあったためだったとか・・・。似たような話は日本でも・・・。

  そして昨日(8日)夜は韓国ミュージカル「パルレ」を鑑賞。劇団は日本の→コチラ。<ソウルナビ>の記事(→コチラ)によると「2005年から9年間、35万人の観客が選んだ創作ミュージカル」とのこと。知らなかった~。モンゴルとかフィリピンの人とかが出てきたり、不当解雇が云々と今の韓国社会が反映されています。内容とは関係ありませんが、韓国語の歌詞をそのまま日本語に置きかえるとメロディに収まりきらないのでは、ということをちょっと考えました。

「朝鮮日報」9月4日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

 「ルック・オブ・サイレンス」

   虐殺の美化と無辜の死 ★★★★\t


 「アントマン」

   スーパーヒーロー、父に ★★★☆


 「奇跡のピアノ」

   実際の生を演奏する技 ★★★☆


 「オフィス」

   そうだ、会社が一番怖い ★★★☆


 「エヴァの告白」

   暗いものの魅惑的演出 ★★★☆


 「PK」

   文化的異質感、どうなの? ★★★


 6作品とも以下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(9月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①奇跡のピアノ(韓国)  10.0(26)
②今日の映画(韓国)  9.3(20)
③戦場のピアニスト  9.3(586)
④今日  9.3(21)
⑤PK  9.2(85)
⑥危路工団(韓国)  9.2(24)
⑦あなたをずっとあいしてる(日・韓)  9.0(83)
⑧映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!(日本)  8.8(49)
⑨アマゾン大冒険~世界最大のジャングルを探検しよう!~  8.7(31)
⑩グローリー/明日への行進  8.7(24)

 久しぶりに大きな入れ替わりがありました。新登場は①②③の3作品です。
 ① 「奇跡のピアノ」は韓国のドキュメンタリー。ユ・イェウンは先天性視覚障害者の女の子。しかし母の歌声を聞き、3歳から自らピアノに慣れ、その後TV出演を契機に注目され・・・という作品紹介はふうんと流し読みした私ヌルボでしたが、たまたま見てみた→コチラの記事(韓国語)には引きつけられました。このイェウンちゃんのお父さんユ・チャンジュさんは20歳だった1987年に大きな交通事故に遭い、首から下には全く動かない全身麻痺障害者になってしまいました。その後教会障害者の礼拝集会で健常者の女性パク・ジョンスンさんを知り、2001年1月に結婚した後、抱川に障害者が助け合って生活するグループホームを設立します。ところが03年偶然「先天性視覚障害児ということで親に捨てられた赤ちゃんがいる」という話を聞いて、「誰か里親が現れるまで」と引き取ったのが縁の始まりだった、とのこと。結局、未熟児でもあったイェウンちゃんを世話するうちに続けて育てようということに・・・。TV出演後は現代自動車のキャンペーンCF(→YouTube)等々にも出たりして一躍スターになりますが、これまで一度もピアノのレッスンを受けたことがないイェウンはピアニストをめざして、両親や周囲の人たちの支援を得て、最初の一歩を踏み出します。原題は「기적의 피아노」です。
 ②「今日の映画」は韓国の映画にまつわる3作のオムニバス。エピソード1は「Every dog has his day」。二日酔いで早退した男。前の晩ナイトクラブで出会った女性に会いに行きって約束通りに一緒に映画を見ようとするが、男の心をしっかり捕まえておこうと思った女は、早くもさっそく愛の「証拠」を要求。男はやや驚きながらも、その要求にあわてふためき・・・って、映画はどうなるの? エピソード2は「Matryoshka」。卒業制作の映画撮影を控えている映画学科の学生テイル。担当教授は彼のシナリオが気に入らず、撮影を始めたものの、PDのヨンジンは中間の編集を見る度に非現実的だ云々と言いながらテイルの足を引っぱり、女優のソウンも自分が演じるキャラクターに共感できないとしきりに文句をつけます。そしてテイルがぜひ自作を出展したいと思っている映画祭で審査委員になったのが売れっ子映画監督でもある先輩チョンウ・・・。これもどうなる? エピソード3は「Love Docu」。恋人同士のク・キョファンとイ・ハナは、事前制作支援金500万ウォンに目がくらみ、自分たちのセルフ恋愛ドキュメンタリー「プロジェクト名『LOVE』」を企画し応募しますが、1次審査を通過して2次審査まで終えたものの2人は性格の不一致と美術性の趣向の不一致で別れることに。ところが彼らのその企画作品が制作支援対象として合格し、支援金が支給されるという知らせが・・・。ありゃりゃ、で映画はどうなるの? 原題は「오늘영화」です。
 ③「PK」はインドで大ヒットしたというコメディ・ファンタジー。「PK」とは主人公の名前ですが、<酔っ払い>という意味も含まれているそうです。ベルギー留学していたインド人女性ジュッグー(アヌシュカ・シャルマ)はパキスタン人男性と恋に落ちますが両親は絶対反対。父親が自分の信じる宗教指導者に相談すると「男は彼女を裏切る」と予言し、結局その通りに。(なんなんだー。) デリーに戻ってテレビ局勤めとなったジュッグーはある日「尋ね人:神様」というパンフレットを配って歩くヘンな男を見かけます。彼はPK(アーミル・カーン)と名乗り、方言をしゃべる自称宇宙人。彼を最初はヘンな人と思った彼女でしたが、やがてそれが本当であることに気づきます。PKが言うには、「半年ほど前に宇宙船で地球に来たものの宇宙船を操作するリモコンを盗まれて困っている」とのこと。人に訊くと「神様なら何とかしてくれる」と言うので・・・と、ここからPKの神様&リモコン探しの旅が始まるのですが・・・。観た人のブログ記事(→コチラ)によると、「地球の生活のおかしなポイント(特に宗教観)にツッコんでいくアイロニー満載の映画」とのことです。韓国題は「피케이: 별에서 온 얼간이」。日本公開は未定? 「インド映画にハズレなし」だし、観てみたいんだけどな。

     【専門家による順位】

①セッション  8.4(7)
②ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
②危路工団(韓国)  8.0(7)
④エヴァの告白  8.0(5)
⑤インサイド・ヘッド  7.6(9)
⑥ルック・オブ・サイレンス  7.6(5)
⑦ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション  7.3(8)
⑦ベテラン(韓国)  7.3(8)
⑨私の母  7.2(4)
⑩紙の月(日本)  7.1(8)

 ④と⑥の2作品が新登場です。
 ④「エヴァの告白」は、日本では2014年2月に公開されました。韓国題は「이민자(移民者)」です。
 ⑥「ルック・オブ・サイレンス」は、日本では7月から公開されています。韓国題は「침묵의 시선(沈黙の視線)」てす。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月4日(金)~9月6日(日)] ★★★

         「アントマン」が1位に。韓国映画は5作品がベスト10入り

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(64)・・アントマン ・・・・・・・・・・・・・9/03 ・・・・・・・・・・1,134,767 ・・・・・・・・1,311,134・・・・・・・・11,106 ・・・・・・・・・946
2(1)・・ベテラン(韓国) ・・・・・・・・・・8/05・・・・・・・・・・・・599,458・・・・・・・・11,879,147・・・・・・・・93,113・・・・・・・・・667
3(15)・・オフィス(韓国)・・・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・・207,261・・・・・・・・・・266,889 ・・・・・・・・・2,122・・・・・・・・・424
4(2)・・ビューティー・インサイド(韓国)・・8/20・・・・・・201,799 ・・・・・・・・1,790,695 ・・・・・・・・14,068・・・・・・・・・430
5(3)・・暗殺(韓国)・・・・・・・・・・・・・・7/22 ・・・・・・・・・・・152,142・・・・・・・・12,493,808 ・・・・・・・・96,861 ・・・・・・・・400
6(41)・・死霊高校・・・・・・・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・・・53,967 ・・・・・・・・・・・65,967・・・・・・・・・・・512・・・・・・・・・298
7(新)・・ヒットマン: エージェント47・・9/03 ・・・・・・・・・・35,905 ・・・・・・・・・・・44,814 ・・・・・・・・・・355・・・・・・・・・271
8(5)・・ミス・ワイフ(韓国) ・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・・34,140 ・・・・・・・・・・943,546・・・・・・・・・7,083 ・・・・・・・・・215
9(8)・・ミニオンズ・・・・・・・・・・・・・・7/29・・・・・・・・・・・・・22,601 ・・・・・・・・・2,612,052・・・・・・・・18,898 ・・・・・・・・157
10(50)・・ラブライブ!・・・・・・・・・・9/03 ・・・・・・・・・・・・・・・259・・・・・・・・・・・・19,005・・・・・・・・32,128・・・・・・・・・・66
       The School Idol Movie(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「ベテラン」も7日(月)に1千200万人を超えました。先行する「暗殺」に追いつくかどうか?というところ。
 今回の新登場は1・3・6・7・10位の5作品です。
 1位「アントマン」はアメリカのアクション。特殊スーツで体長を1.5センチに縮小することができるという異色のヒーロー。日本では19日から公開ということで、すでに諸情報が出ています。韓国題は「앤트맨」。「エントゥマン」ね。
 3位「オフィス」は韓国のスリラー。ある日誠実な会社員キム・ビョングク(ペ・ソンウ)は、一家を殺害して姿をくらます。刑事チョンフン(パク・ソンウン)は、ビョングクの勤めていた会社に聞き込み調査をするが、誰も多くを語ろうとせず、特にビョングクと仲のよかったイ・ミレ(コ・アソン)は何かを隠しているようだ。チョンフンは、ビョングクが事件の直後会社に入ってきたCCTVを手に入れるが、会社を出ていく場面は見つからず、事件は迷宮入りをする。ビョングクが捕まらず同僚たちが不安がる中、彼らに謎の事件が、続けて起きる・・・。・・・私ヌルボが「おっ」と注目したのがこれまで悪役として強く印象づけられていたパク・ソンウンが主役の刑事役ということ。関連記事によると、彼がこの頃ドラマでも見せているコミカルな本能がこの作品でも少しずつ出てくるとのことです。原題は「오피스」です。
 6位「死霊高校」はアメリカのホラー。日本ではすでに8月22日公開されています。韓国題は「갤로우즈」。
 7位「ヒットマン: エージェント47」は、アメリカの犯罪アクション。「ヒットマン」(2007)のリブート(再起動)作かな? 原作はステルスゲーム「ヒットマン」シリーズで、凄腕の暗殺者エージェント47(ルパート・フレンド)と最強の兵士を作り出すために彼の誕生の秘密を探ろうと企てる巨大シンジケートとの戦いを描く、というもの。韓国題は「히트맨: 에이전트 47」。日本公開は未定のようです。
 10位「ラブライブ!The School Idol Movie」、苦手なジャンルということもあって、日本人なのに私ヌルボ知らなかったゾヨ。韓国のネチズンの評点を見ると「男性ファンなら必見の映画。카와이 스고이데스네(カワイイ スゴイデスネ)等の寸評とともに高得点がズラッと並ぶ中に「亡国の兆候」と0点を付けてる人もいたりして・・・。よく似たもんです韓国も。そういえば「過速スキャンダル」にも「スゴイネー」と日本語で言ってるカメラマンがいたな。韓国題は「러브 라이브! 더 스쿨아이돌 무비」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(34)・・エール! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/27 ・・・・・・・・・・・・・12,741 ・・・・・・・・・・・・92,385・・・・・・・・・・・704 ・・・・・・・・・62
2(7)・・エヴァの告白・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・・・・3,873・・・・・・・・・・・・・・6,623 ・・・・・・・・・・・・53 ・・・・・・・・・36
3(35)・・ルック・オブ・サイレンス ・・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・・・・1,524・・・・・・・・・・・・・・2,355 ・・・・・・・・・・・・19 ・・・・・・・・・31
4(新)・・猫殺人事件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・・・・・639・・・・・・・・・・・・・・1,111 ・・・・・・・・・・・・・5 ・・・・・・・・・・5
5(3)・・誠実な国のアリス(韓国) ・・・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・・・・・632・・・・・・・・・・・・・42,412 ・・・・・・・・・・・338・・・・・・・・・21

 2・3・4位の2作品が新登場です。
 2位「エヴァの告白」と3位「ルック・オブ・サイレンス」については上述しました。
 4位「猫殺人事件」(仮)は、アメリカのコメディ、というかダークコメディかな? 原題が「Murder of a cat」で韓国題が「고양이 살인사건(猫殺人事件)」なのですが、猫が事件の被害者なので殺人ではありません。家も職もなく、母親の家に居候しているオタク(?)のクリントンが唯一熱心に世話をしていたその愛猫モーゼルが矢に当たって死んだまま発見され、彼はその真相解明に乗り出します。その過程で、モーゼルがグレタという女性の家でも暮らしていた事実を知って衝撃を受けますが、2人は力を合わせて犯人を探し出し、予期せぬ事件に巻き込まれて・・・。

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2 コメント

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韓国映画「ボイス」や「スカーレット・レター」では (カイカイ反応通信愛読者)
2015-09-10 10:19:32
SAMICKというピアノが出ていましたが、これは韓国の楽器メーカーではなくてヒョンデから委託されてピアノを製造している国外メーカーということでしょうかね。
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SAMICKは・・・ (ヌルボ)
2015-09-11 11:29:36
 韓国ウィキペ゜ディアによると、SAMICK(サミック)すなわち三益楽器は、ヨンチャン(永昌)ミュージックと同じく1960年前後に創業して、ヨンチャンと競い合ってる企業です。資本金はヨンチャンがやや上回っていますが、近年はサミックが中国での販売実績を伸ばして快調とのことです。
 なお、コチラの記事によるとヨンチャンは1991年ヤマハをおさえて世界最大のピアノ生産会社となった、とのことです。 →
http://news.donga.com/3/all/20020818/7853658/1
 今はやっぱりヤマハなんでしょうね。
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