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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 週末の興行成績 [12月`20日(金)~12月22日(日)]と、人気順位 ►「家族を想うとき」はやっぱりケン・ローチ監督らしい! ブラックな労働実態は英・日・韓に共通

2019-12-24 23:50:08 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸先週は12月14日に観た「キューポラのある街」(1962)と「未成年 続・キューポラのある街」 (1965)について長々と書きましたが、その前日の13日にシネマ・ジャック&ベティで観たのが「ハズレがない」と思っているケン・ローチ監督作品の「家族を想うとき」でした。2人の子供を育てるリッキーはマイホーム購入のために大手配送業者のフランチャイズの下請けの<個人事業者>として契約し、配達用の車を購入して働き始めますが、・・・というところから始まるなんともキツい労働実態と家庭崩壊の危機。ああ、イギリスでも日本と同じような厳しい状況があるんだなあと知りました。
 韓国でも5年前に<甲の横暴>とか<カプチル>という言葉が流行り、今に及んでいます。 ※参考過去記事→<韓国社会で今年も続いている<甲の横暴>とは何か?>
 このような現実を正面から取り上げて問題提起をするケン・ローチ監督らしい作品ですが、一昨年の「わたしは、ダニエル・ブレイク」と比べると明るさがなく、救いがないなあと思いました。が、15日の毎日新聞日曜版「藤原帰一の映画愛」で、藤原先生は「最も妥協のない作品」と評していたのはナルホドねー、でした。つまり現実がこれだ、ということなんですね。日本でも宅配関係やコンビニのフランチャイズ制等々が問題になっています。法的な措置はどうなっているのでしょうね・・・。

▸今年観た映画は今のところ121本(ダブリあり。) これは観なくちゃ!というのがあと3つ4つありますが、あと1週間で観られるかな?

▸2年9ヵ月前の記事<YouTubeで手っ取り早く視聴できる韓国映画(1936~2000年)の名作150編(&特別映像2つ) 全リスト>の改訂版、2~3日中に完成します。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) オモン[おっかさん](韓国)  9.83(12)
②(3) 劇場版 燃え上がるな バスター -ブラック・アソールトの帰還(韓国)  9.66(62)
③(4) ヘロニモ(韓・米)  9.63(205)
④(2) 梨泰院[イテウォン](韓国)  9.62(34)
⑤(5) フォードvsフェラーリ  9.57(5,539)
⑥(8) スーパーディスコ(韓国)  9.47(32)
⑦(10) アンカー(韓国)  9.44(16)
⑧(-) 星の庭園(韓国)  9.42(196)
⑨(-) 家の話(韓国)  9.28(81)
⑩(-) 教会のお兄さん)  9.27(1,532)

 今回新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) アイリッシュマン  9.11(9)
②(2) パラサイト 半地下の家族[寄生虫](韓国)  9.06(16)
③(3) マリッジ・ストーリー  8.50(2)
④(4) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
⑤(5) モーリス 4K  8.00(5)
⑥(6) 象は静かに座っている  7.67(3)
⑦(7) ジョーカー  7.64(11)
⑧(8) フォードvsフェラーリ  7.63(8)
⑨(9) われわれを引き裂くもの(韓国)  7.50(2)
⑩(-) ボーダー 二つの世界  7.29(7)
⑩(新) 家族を想うとき  7.29(7)

 ⑩「家族を想うとき」が新登場です。日本では6日早い12月13日から公開されています。韓国題は「미안해요, 리키(ごめんね、リッキー)」。邦題と全然違うのでわかりませんでした。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月20日(金)~12月22日(日) ★★★
           火山大噴火のパニック映画「白頭山」 初登場で2百万人超え1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・白頭山(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・2,001,506 ・・・・・2,459,816 ・・・・・・・21,213 ・・・・・1,971
2(10)・・始動(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・12/18・・・・・・・・・717,885 ・・・・・1,141,013 ・・・・・・・・9,658 ・・・・・1,102
3(1)・・アナと雪の女王2 ・・・・・・・・・・・11/21・・・・・・・・・349,088 ・・・・12,738,109 ・・・・・・106,350・・・・・・・855
4(25)・・神秘アパート 劇場版・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・289,839・・・・・・・315,843 ・・・・・・・・2,519・・・・・・・841
       空トッケビ 対 ヨルムンガンド(韓国)
5(3)・・フォードvsフェラーリ ・・・・・・・12/04・・・・・・・・・・75,726 ・・・・・1,066,624 ・・・・・・・・9,377 ・・・・・・・321
6(2)・・ジュマンジ/ネクスト・レベル・・12/11 ・・・・・・・・67,322 ・・・・・1,025,817 ・・・・・・・・8,555 ・・・・・・・495
7(4)・・ナイブズ・アウト ・・・・・・・・・・・・12/04・・・・・・・・・・37,891・・・・・・・561,005 ・・・・・・・・4,734 ・・・・・・・165
       /名探偵と刃の館の秘密
8(44)・・家族を想うとき ・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・6,755 ・・・・・・・12,488・・・・・・・・・・・97 ・・・・・・・・66
9(7)・・カウントダウン ・・・・・・・・・・・・・12/12・・・・・・・・・・・3,159 ・・・・・・・・3,159・・・・・・・・・・600 ・・・・・・・・68
10(11)・・真実(日・仏)・・・・・・・・・・・・・・・12/05 ・・・・・・・・・・・2,685 ・・・・・・・32,441・・・・・・・・・・240 ・・・・・・・・40
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・4・8位の3作品です。
 1位「白頭山」は、韓国のパニック映画。韓国&北朝鮮の人々にとって民族発祥を物語る檀君神話の舞台である聖山が白頭山です。北朝鮮と中国の国境にあり、半島の最高峰(2,744m)のこの山は、日本人にとっての富士山のような(orそれ以上)山です。(私ヌルボ、登ったことあるもんね。フフフ。) しかし(やはり富士山のように)火山で、近年「噴火の懸念」も取り沙汰されています。本作はその白頭山で観測史上最大規模の噴火が発生したところから物語が始まります。突然の災害に朝鮮半島は瞬く間にパニック状態に陥ります。そしてさらなる噴火も予測されます。災害を防ぐためにチョン・ユギョン(チョン・ヘジン)は白頭山爆発を研究してきた地質学の教授カン・ボンネ(マ・ドンソク)の理論に基づく作戦を計画、半島全域を前提にした特戦司令部EODの大尉チョ・インチャン(ハ・ジョンウ)を南と北の運命がかかった秘密作戦に投入します。インチャンは作戦のカギを握った北朝鮮武力部所属のリ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)との接点確保に成功しますが、ジュンピョンは胸の内がわからない行動でインチャンを混乱させます。一方、インチャンが北朝鮮で展開する作戦に投入されたという事実も知らないままソウルに1人残ったチェ・ジヨン(ペ・スジ)は、災難に対してき残るために孤軍奮闘苦労します。その間にも、白頭山最後の爆発までの時間は刻々と近づいていきます・・・。原題は「백두산」です。
 4位「神秘アパート 劇場版 空トッケビ 対 ヨルムンガンド」は、韓国のアニメ。元は2014年に始まった「神秘アパート」シリーズというTVアニメがあり、その劇場版。<トッケビ>は、コン・ユ主演のドラマでもおなじみのように(?)、韓国の伝統的な鬼というかお化けといった存在。また<ヨルムンガンド>は北欧神話に登場する毒蛇の怪物のこと。本作では、前者が正義で後者が悪という基本設定(かな?)。冬休みを迎え家族旅行に出たハリとドゥリの兄妹は、飛行機の翼に触れて倒れた空トッケビのジュビを発見し、救出します。ところが深海で復活した伝説の怪獣ヨルムンガンドが飛行機を攻撃し飲み込もうとします。ハリの友人のカンニムが退魔師として戦いに加わりますが、はたして・・・。原題は「신비아파트 극장판 하늘도깨비 대 요르문간드」です。
 8位「家族を想うとき」は、上述のように日本でもすでに公開されています。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(11)・・家族を想うとき ・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・6,755・・・・・・・・・12,488 ・・・・・・・・・・97・・・・・・・・・・66
2(2)・・真実(日・仏)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/05・・・・・・・・・2,685・・・・・・・・・32,441 ・・・・・・・・・240・・・・・・・・・・40
3(32)・・ラブ・アクチュアリー・・・・・2003/12/05・・・・・・・・・1,825・・・・・・・・310,955 ・・・・・・・2,178 ・・・・・・・・・・21
4(3)・・ローマ法王フランシスコ ・・・・・・・11/21・・・・・・・・・1,708・・・・・・・・・33,478 ・・・・・・・・・245・・・・・・・・・・10
5(4)・・ユニへ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/14・・・・・・・・・1,656 ・・・・・・・・113,579・・・・・・・・・903 ・・・・・・・・・・27

 1位と3位の2作品が新登場です。
 1位「家族を想うとき」は上述のように日本でも公開されています。
 3位「ラブ・アクチュアリー」は、2003年の米・英合作のロマンチック・コメディの再上映。韓国題は「러브 액츄얼리」です。


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2 コメント

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Unknown (野薔薇)
2019-12-28 20:49:19
 ご無沙汰しています。ケン・ローチの「家族を想うとき」を私も観ました。前作の「私はダニエル・ブレーク」よりも 確かに何の救いも希望もない映画でしたね。ここまでイギリスが深刻な状況になっているなんて!
 やはり新自由主義経済が進んでいるからではないかと思います。ヌルボさんがご指摘のとおり、日本と同じですね。
 次世代の人たちは少しでもよい世の中にと願います。
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作品と現実の間 (ヌルボ)
2019-12-31 18:41:45
やっぱり、「わたしは、ダニエル・ブレイク」の方が観終わった時の感動は大きいですね。もちろん私を含めて観客の感動如何に関わりなく現実社会の問題はあるので、単に「良い映画だったね」で終わるものでもないですけど・・・。
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