ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [9月30日(金)~10月2日(日)]

2016-10-05 13:45:32 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 3日ヒューマントラストシネマ渋谷で「隻眼の虎」(原題「대호(大虎)」)鑑賞。やっぱり、今ひとつ焦点が絞り切れていなかったような・・・。なお、前にも書きましたが、「韓国の虎はなぜ消えたか」の著者遠藤公男さんによると、「1922年に慶尚北道・慶州の大徳山で捕まったのを最後に、韓国からトラが消えた」とのこと。日本人巡査が数百人を指揮してトラを追いつめて射殺、毛皮は日本の皇族に献上されたとか・・・。(→<聯合ニュース>の記事(日本語)参照。)

 <コリアン・シネマ・ウィーク 2016>の情報は韓国文化院のサイトで見られます。(→コチラ)。全5作品、先行上映の「キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち」(→コチラ参照)も入れて6作品ですが、今回は率直に言ってあまり期待感がわかない感じ。たぶん一番評価が高い「王の運命-歴史を変えた八日間-」はすでに一般公開で観たし、国策映画っぽい「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦」も観たし、それ以外はどうも韓国でもさほど話題にならなかった作品のようで、なんだかなー、といったところ。まあ(抽選に当たれば)無料なので行くかもしれませんが・・・。

 11月3~7日の<新大久保映画祭>。先週→公式サイトのトップページを見て「8作品中6作品はもう観てるし、云々」と書きましたが、そのスケジュールのページ(→コチラ)を見ると「7ヶ国15作品が見られる!!」とあります。で、目に留まったのが「危路工団」。女性労働者問題をテーマにしたドキュメンタリーで、韓国の映画サイトで高評価を得た作品です。おっ、これも含め韓国文化院で上映の5作品は無料か!(チケットは必要) 他には、うーむ、なんとも見づらくわかりにくいページじゃのう・・・。

 10月6~15日釜山国際映画祭。釜山市側と映画関係者とが対立して一時は開催が危ぶまれましたが、なんとか実施にこぎ着けましたね。しかし問題が解消されたわけではありません。日本語記事では→コチラの「西日本新聞」の記事を参照されたし。上映作品等内容についてはまたいずれ。
   
「朝鮮日報」9月30日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
。)  「ラヴニール」
   喪失・亀裂に対する姿勢 ★★★★


 「ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち」

   まさにティム・バートン ★★★☆


 「ハドソン川の奇跡」

   正直で温かで羨ましい ★★★


 「リップヴァンウィンクルの花嫁」

   誰もがさびしいと叫ぶ ★★★


 「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」

   ゴールドミスの全願望 ★★★


 「阿修羅」

   強さばかりなので単調 ★★☆


 上掲の作品はすべて以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月4日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(-) おばあちゃんの遠い家(韓国)  9.69(61)
②(-) 水の息(韓国)  9.67(42)
③(1) Bringing Tibet Home ~故郷を引き寄せて~(韓国等)  9.39(76)
④(2) 影たちの島(韓国)  9.36(90)
⑤(3) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.30(1,098)
⑥(-) ミッドワイフ  9.25(4)
⑦(-) ハドソン川の奇跡  9.23(1,2447)
⑧(-) ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期  9.22(1,596)
⑨(4) 私たち(韓国)  9.21(946)
⑩(-) 一死覚悟(韓国)  9.16(240)

 めずらしく半数以上が入れ替わりましたが、本ブログの初登場は①②⑥の3作品です。
 ①「おばあちゃんの遠い家」は、2015年の第41回ソウル独立映画祭で観客賞を受賞した作品。イ・ソヒョン監督が自身の祖母を撮ったドキュメンタリーです。就活中だったある日、「私」は93歳の祖母が自殺をしようとしたという話を聞きます。自分が集めたお金30万ウォンを化粧台の上に置き、病院でもらった睡眠薬を集めて飲んで・・・。子供の頃両親の代わりに自分を育ててくれた祖母の自殺の知らせは孫娘の「私」には青天の霹靂でした。「私」は祖母のそばにいて世話をすることにしました。そして祖母を記憶するための準備を開始します。「おばあちゃん、私、映画をがんばって撮るから全部見る前に逝かないでね」・・・。祖母と孫娘の心温まる日常を通して、生と死、家族の大切さなど、誰でも共感できるテーマについて話題を提示し、深い感動を伝える作品とのことです。原題は「할머니의 먼 집」です。
 ②「水の息」も韓国のドキュメンタリー。昔から有名な済州島の海女を、済州島出身のコ・ヒヨン監督が7年間も長期にわたり50人にのぼる海女たちに密着取材して撮った作品です。厳密にいえば済州島ではなく、その東の牛島(ウド)という小島。風の島と呼ばれるほど風が強く、土地がやせていて作物が育ちにくい所で、それが海女の発祥地となった背景のようです。多くの人が知らないことは、海女社会に上軍(サングン)・中軍(チュングン)・下軍(ハグン)という3つの<階級>が存在するということ。それを分けるのは海中で息を止められる長さです。それにより潜ることができる海の深さが変わり、獲れる魚介類が変わって収入が違ってくるのです。その海女たちの息の長さは生まれつきのものなので、下軍の海女がいくら努力しても上軍にはなれないそうです。しかし、自分の息の限界ギリギリまで潜りたい欲望は誰しもあり、あるいはそれを超えたいとさえも・・・。その限界を超えて最初に吸うのがタイトルの「水の息」です。欲望の象徴であり、海女たちが最も恐れているものだそうです。原題は「물숨」です。
 ⑥「ミッドワイフ」(仮)は、フィンランド・リトアニア合作のドラマ。1944~45年のラップランド戦争の頃のフィンランドを舞台にした恋愛物語です。フィンランドは第2次世界大戦ではソ連と対抗するため枢軸国側について戦い、ソ連相手に善戦するものの結局は1944年ソ連と休戦し、その条件として国内に駐留するドイツ軍を駆逐するために戦います。これがラップランド戦争です。フィンランド人女性のヘレナはドイツ軍兵士のヨハネスに会って恋に落ち、看護師に偽装してヨハネスがいる陣地で働き始めます。その後爆撃に巻き込まれて陣地を出た2人は、もし離れ離れになってもそこで再び会おうとを固く約束します。・・・で彼女、もしかして待ち続けるの? ミッドワイフ(midwife)とは助産師のことなんだけど・・・。ネチズンのコメントを見ると、「枢軸国の人間同士の恋愛」という理由だけで最低評価(1点)を付けてた人がいたな。韓国題は「미드와이프」。日本公開はなさそう、かな?

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) キャロル  8.96(13)
②(-) ラヴニール  8.0(6)
③(-) ハドソン川の奇跡  7.86(7)
④(2) アガシ(韓国)  7.68(18)
⑤(3) 私たち(韓国)  7.66(14)
⑥(4) 密偵(韓国)  7.50(12)
⑦(5) ナショナル・ギャラリー 英国の至宝  7.50(4)
⑧(6) ディーブ  7.35(5)
⑨(7) トンネル(韓国)  7.21(14)
⑩(8) ウルフパック  7.20(5)

 ②「ラヴニール」(仮)だけが今回の新登場です。女優出身のミア ハンセン・ラヴ監督によるフランス映画。パリの高校で哲学を教える50代の女性ナタリー(イザベル・ユペール)は2人の子供の母親として、1人の男の妻として、そして母親の娘として忙しくとも幸せな日々を過ごしています。そんなある日、思いもよらぬ夫の告白により彼女の平和な生活が揺れ始めます・・・。突然の喪失感と向き合い、その後新たに自分だけの幸せを探していく旅を盛り込んだ、フランス映画らしい繊細な作品、なのかな? 原題「L’avenir」は<未来>の意。韓国題は「다가오는 것들」です。日本公開は未定のようです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月30日(金)~10月2日(日) ★★★

         「密偵」の後は「阿修羅」 韓国映画のトップが続く
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・・累積収入・・・・上映館数
1(16)・・阿修羅(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・9/28・・・・・・・・・1,068,582 ・・・・・・・・・・・1,803,090 ・・・・・・・・14,080 ・・・・・・・・1,278
2(新)・・ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち・・9/28・・・595,717 ・・・・・・・・・・・・・742,526 ・・・・・・・・・5,904・・・・・・・・・・810
3(7)・・ブリジット・ジョーンズの日記・・9/28 ・・・・・・・・・・208,129 ・・・・・・・・・・・・・333,917 ・・・・・・・・・2,701・・・・・・・・・・509
       ダメな私の最後のモテ期
4(6)・・ハドソン川の奇跡 ・・・・・・・・・・・9/28・・・・・・・・・・・185,761 ・・・・・・・・・・・・・293,265・・・・・・・・・2,499 ・・・・・・・・・・573
5(1)・・密偵(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/07・・・・・・・・・・・181,320 ・・・・・・・・・・・7,292,550 ・・・・・・・・59,647・・・・・・・・・・522
6(2)・・ベン・ハー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/14・・・・・・・・・・・・41,432 ・・・・・・・・・・・1,343,018 ・・・・・・・・10,975・・・・・・・・・・276
7(36)・・ピートと秘密の友達・・・・・・・・・9/28・・・・・・・・・・・・34,847・・・・・・・・・・・・・・39,792 ・・・・・・・・・・・322・・・・・・・・・・163
8(新)・・ドント・ブリーズ ・・・・・・・・・・・・10/05・・・・・・・・・・・・29,448・・・・・・・・・・・・・・33,807 ・・・・・・・・・・・289・・・・・・・・・・304
9(78)・・すすめ! オクトノーツ シーズン4・・9/28 ・・・・・・・・22,958・・・・・・・・・・・・・・25,455 ・・・・・・・・・・・152・・・・・・・・・・158
        :湿地探検船K
10(新)・・白雪姫:消えたお父さんを探して・・9/29 ・・・・・22,364 ・・・・・・・・・・・・・・23,703・・・・・・・・・・・・186 ・・・・・・・・・209
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 7月22~24日の「釜山行き」以来韓国映画のトップが続いています。700万人を超えた「密偵」が後退した後、今度は「阿修羅」が他を引き離して1位の座につきました。
 今回の新登場は1・2・7・8・9・10位の6作品です。
 1位「阿修羅」は、韓国の犯罪・アクション。殺人・強盗・レイプ・拉致・放火・麻薬等の凶悪犯罪を扱う<強力系刑事>のハン・ドギョン(チョン・ウソン)は、悪徳市長のパク・ソンベ(ファン・ジョンミン)から金を受け取ってソンベが利権のために犯す犯罪の後始末をしています。ドギョンが悪の道に入ったのは末期癌の妻の病院費を得るため。そんなドギョンの弱点をつかんだ検事のキム・チャイン(クァク・ドウォン)と検察捜査官のト・チャンハク(チョン・マンシク)はドギョンを脅迫・利用し、ソンベの悪事を明らかにしようとします。ソンベと検察との間に挟まれたドギョンは、自分を兄のように慕っているムン・ソンモ(チュ・ジフン)をソンベの手下として送り込みますが・・・。原題は「아수라 」です。
 2位「ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち」は、ランサム・リグズの同名小説を奇妙な(?)作風のティム・バートン監督が映画化したアドベンチャー・ファンタジー。(原作小説は「ハヤブサの家」の邦題で東京創元社から刊行。) 大好きだった祖父の凄惨な死。少年ジェイコブはその祖父の最期のことばを果たすべくウェールズの孤島を訪れます。そこで彼が見つけたのは廃墟となった屋敷と、そこで暮らす不思議な能力を持った住人。やがて屋敷に恐ろしい危機が迫り、ジェイコブは住人たちととともに怪物と戦うことに・・・。→トレーラー見たらたしかに奇妙。韓国題は「미스 페레그린과 이상한 아이들의 집」。日本公開は2017年です。なんでそんなに遅い?
 7位「ピートと秘密の友達」は、日本では劇場未公開に終わったディズニーの実写映画「ピートとドラゴン」1(977)のリメイク。6年間森で暮らしてきた少年ピートが発見されるところから物語が始まります。ピートの唯一の友だちがエリオットなのですが、「彼」はドラゴンで透明になる能力があり、ピートが困った時にいつも助けてくれます。そんな2人(?)の友情を描いた作品のようです。前作では、エリオットはいかにもアニメっぽい2Dだったのが、今作では最新の映像テクノロジーで比較にならないほどリアルになってます。韓国題は「피터와 드래곤」。日本公開は12月23日です。
 8位「ドント・ブリーズ」(仮)は、アメリカのスリラー。10代の空き巣ねらい3人組は最底辺の生活を清算するために 盲目の老人を狙った最後の犯行を結構します。老人が寝ている間に巨額の現金を手に入れたと思った瞬間、老人は目を覚まします。暗闇の中、右往左往する彼らを盲目の老人は即座に見つけ出し、老人とは思えないほどの動きで返り討ちにとりかかります。360度、どこから攻撃されるかわからない暗がりの中の恐怖を観客も実感 !というのがミソか。韓国題は「맨 인 더 다크」。日本公開は未定のようです。
 9位「すすめ! オクトノーツ シーズン4:湿地探検船K」は、英BBC制作の子供向き人気アニメシリーズ第4作。韓国でも放映されておなじみ。オクトノーツはいろんな動物のメンバーで構成されるエージェント集団で、タコ状の乗り物に乗って海中の生き物たちのピンチを救うべく出動します。今回はフロリダの湿地公園に行って外来種の生物を見つけて救出。あれ、湿地からくっついてきた赤ちゃんワニを連れて海に行っちゃう? 韓国題は「바다 탐험대 옥토넛 시즌4: 늪지탐험선K」。日本公開はなさそうな・・・。
 8位「白雪姫:消えた父さんを探して」は、中国の3Dアニメ。お父さんと2人きりで幸せに暮らしていたハンナ。しかしある日突然お父さんが何も言わずいなくなってしまいます。ハンナは子犬のローバーと一緒にお父さんを探しに家を出ます。その途中ハンナは白雪姫と7人の小人たちに出会い、彼らの助けを借りますが、森の中で兵士たちの攻撃を受けたりして・・・。あまり中国らしくなさそうというか、絵柄を見るとあのアナ雪等々どこかで見たようなキャラクターだぞ。(そこが中国らしい?) 韓国題は「백설공주 : 사라진 아빠를 찾아서」。日本公開はないでしょう。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・アイアムアヒーロー(日本)・・・・・・・9/21・・・・・・・・・・・・・・17,828・・・・・・・・・・・201,147 ・・・・・・・・・・1,712 ・・・・・・・・129
2(2)・・カフェ・ソサエティ・・・・・・・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・・・・・7,042 ・・・・・・・・・・111,798 ・・・・・・・・・・・・927 ・・・・・・・・・47
3(18)・・リップヴァンウィンクルの花嫁(日本)・・9/28 ・・・・・・・・・5,815 ・・・・・・・・・・・・9,674・・・・・・・・・・・・・・78 ・・・・・・・・・85
4(11)・・Bringing Tibet Home・・・・・・・・・・9/01 ・・・・・・・・・・・・・・・4,010 ・・・・・・・・・・・14,592・・・・・・・・・・・・・114 ・・・・・・・・・・2
       ~故郷を引き寄せて~(韓国等)
5(30)・・ラヴニール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/29・・・・・・・・・・・・・・・・3,585 ・・・・・・・・・・・・5,757 ・・・・・・・・・・・・・・44 ・・・・・・・・・27

 今回の新登場は3位と5位の2作品です。
 3位「リップヴァンウィンクルの花嫁」は私ヌルボは未見。気にはなっていたのですが結局見逃してまいました。韓国題は「립반윙클의 신부」です。
 5位「ラヴニール」については上述しました。

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