ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画とシネ21の人気順位 と 週末の興行成績 [4月15日(金)~4月17日(日)]

2016-04-20 15:39:24 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 4月17日の<Kstyle>の記事「釜山国際映画祭のへのボイコットが現実化…映画関係者ら“参加を全面的に拒否”」(→コチラ)と、19日の<レコードチャイナ>の記事「韓国・釜山市、映画界がボイコットしても国際映画祭を開催すると表明」(→コチラ)を見ると、釜山国際映画祭は危機的な状況に陥っていくばかりのようです。発端となったのは
昨年の映画祭でセウォル号の惨事への政府の対応を問題視したドキュメンタリー作品「ダイビングベル」を実行委員会が釜山市の中止要請にもかかわらず上映したこと。市長にしてみれば、市の催しの中でやるという<気にくわない映画>をやめさせるくらいたいしたことじゃないと思っていたのかも・・・。それが韓国の映画人だけでなく、世界から非難されるに至った現在に及んでも強気な姿勢を改めないとは、空気が読めないにもほどがあるというものです。日本でも政治権力のメディアに対する傲慢な振る舞いが近年目立っていますが、今朝のニュースでは国連人権理事会の特別報告者が放送法や特定秘密保護法の改正を求める声明を発表したとのことです。はたしてなんらかの「対応」が観られるかどうか? 私ヌルボとしては、当のメディア内の人たちに圧力に屈することなくがんばってくれることを期待したいです。
 ※「ダイビングベル」はヌルボは未見ですが、「いろんな問題」がありそう。近く福岡・大阪・東京で特別上映会があります。その情報は→コチラ。監督のインタビュー記事は→コチラ

 韓国映画関係で<抑圧の下で咲いた甘い恋の花、京城>という見出しの「朝鮮日報(日本語版)」の記事(→コチラ)に注目。多少は<日帝時代>についての歴史認識も変わりつつある? その記事の中でパク・チャヌク監督の新作「アガシ」のことが書かれていましたが、あのサラ・ウォーターズの傑作歴史ミステリー「荊の城」(創元推理文庫)が原作とは! これでおもしろくなかったらパク・チャヌク監督の評価はガタ落ちですね。今年のカンヌ映画祭には韓国映画としては4年ぶりのコンペティション部門進出というこの作品。はたして結果は? ※「アガシ」について詳しくは→コチラ参照。

 先週観た3作「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」「さざなみ」「ボーダーライン」の中では、「さざなみ」が一番印象に残っています。やっぱり女性に比べると男は空いての気持ちに鈍感。いろんなレビューを読んで気づかされた重要なこともいくつか。(飼い犬のこととか。) 心の動きの繊細な描写等、とても深みのある作品です。
 
「朝鮮日報」4月15日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「4等」
   PTA団体必見の映画! ★★★★

 「或る終焉」

   生と死の意志は1点差 ★★★☆


 「時間離脱者」

   時代から離脱したSF ★★☆


 「解語花」

   花は花だが香りがない ★★☆

 「スノーホワイト/氷の王国」

   CG・俳優に騙されるな ★★
 
 5作品とも下の記事中で紹介しています。

           ★★★ NAVERの人気順位(4月19日現在上映中映画) ★★★

①(1) 東柱[ドンジュ](韓国)  9.44
②(2) ズートピア  9.42
③(新) ライフ・イズ・ビューティフル  9.37
④(6) Bleak Night(韓国)  9.21
⑤(5) 鬼郷(韓国)  9.20
⑥(8) 男たちの挽歌  9.19
⑦ (3)エディー・ジ・イーグル  9.17
⑧(新) ジョゼと虎と魚たち(日本)  9.02
⑨(新) 男たちの挽歌Ⅱ  8.99
⑩(新) HANAMI  8.97

 (新)が多いですが、純粋に本ブログ初登場は③と⑩の2作品です。
 ③「ライフ・イズ・ビューティフル」は、1998年のイタリア映画の再上映。韓国題は「인생은 아름다워」です。
 ⑩「HANAMI」だけです。タイトルは日本語の「花見」なのですが、2008年のドイツ映画。日本では<ドイツ映画祭2008>で上映されただけで一般公開はありませんでした。
重い病を患っている老人は妻とともに旅に出ますが、その妻がホテルで急死してしまいます。葬儀のため自宅に戻った老人は日本が妻のあこがれだったことを知り、日本を訪れ、桜が満開の東京の公園で舞踏を踊る少女と出会います・・・。詳細は→コチラで。韓国題は「사랑 후에 남겨진 것들」です。

           ★★★ シネ21 専門家の平均得点順位 ★★★

①(1) 男たちの挽歌II  10.00
②(2) キャロル  9.00
③(新) ヘイトフル・エイト  8.60
④(新) ライフ・イズ・ビューティフル 8.40
⑤(3) 黒衣の刺客  8.29
⑥(4) エターナル・サンシャイン  8.25
⑦(5) スポットライト 世紀のスクープ  8.00
⑧(6) HUNGER/ハンガー  7.88
⑨(7) ドリーム ホーム 99%を操る男たち  7.80
⑩(8) サウルの息子  7.78
⑩(8) ヘイル、シーザー!  7.78

 先週は<シネ21>のサイトの資料の用い方に戸惑いつつ、あまり意味のないランキングを載せてしまいました。今回からは次のようにします。評点の出処は<シネ21>の→コチラのページです。「現在上映中の映画」のリストで、各作品ごとに「専門家」と「ネチズン」の平均評点がついていますが、その「専門家」の方だけ私ヌルボがピックアップして得点順に並べたものがこのランキングです。
 すると結果はこれまでの<DAUM映画>とほとんど同じ。
  (新)として③④の2作品が入ってしますが、③は過去記事で紹介済みで、また日本でもすでに公開されています。
 ④「ライフ・イズ・ビューティフル」については上述しました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月15日(金)~4月17日(日)] ★★★

         韓国のSFスリラー「時間離脱者」がトップ
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(44)・・時間離脱者(韓国)・・・・・・・4/13 ・・・・・・・・・・・336,129・・・・・・・・・546,727 ・・・・・・・・・4,533 ・・・・・・・・733
2(1)・・私に、会いに来て(韓国)・・・4/07 ・・・・・・・・・・・190,561 ・・・・・・・・・805,778 ・・・・・・・・・6,757 ・・・・・・・・534
3(新)・・スノーホワイト/氷の王国・・4/13 ・・・・・・・・169,804 ・・・・・・・・・303,924 ・・・・・・・・・2,453 ・・・・・・・・557
4(2)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・164,121・・・・・・・・4,232,546 ・・・・・・・・33,309 ・・・・・・・・584
5(34)・・解語花(韓国)・・・・・・・・・・・4/13 ・・・・・・・・・・・133,557 ・・・・・・・・・243,407 ・・・・・・・・・1,923 ・・・・・・・・572
6(3)・・10 クローバーフィールド・レーン・・4/07 ・・・・・31,834・・・・・・・・・・333,101 ・・・・・・・・・2,732・・・・・・・・・357
7(5)・・バットマン vs スーパーマン・・3/24・・・・・・・・・・23,324 ・・・・・・・・2,239,991 ・・・・・・・・18,771・・・・・・・・・274
         ジャスティスの誕生
8(4)・・エディー・ジ・イーグル ・・・・・4/07・・・・・・・・・・・・21,631 ・・・・・・・・・211,683 ・・・・・・・・・1,688・・・・・・・・・256
9(13)・・ライフ・イズ・ビューティフル・・1999/3/06・・・・18,682 ・・・・・・・・・・38,120 ・・・・・・・・・・・312・・・・・・・・・127
10(新)・・劇場版 フランキーと仲間たち・・4/13・・・・・14,235 ・・・・・・・・・・28,654 ・・・・・・・・・・・225 ・・・・・・・・・258
       :生命の木(韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週タイトルだけ紹介した韓国映画「時間離脱者」がトップに入ったものの、数字的には「私に、会いに来て」同様いつまでもつか?といった感じです。
 今回の新登場は1・3・5・9・10位の5作品です。
 1位「時間離脱者」は、クァク・ジェヨン監督によるSFスリラー。1983年1月1日、高校教師のジファン(チョ・ジョンソク)は同じ学校の同僚である恋人ユンジョン(イム・スジョン)にプロポーズをしていたところを強盗に遭い、刃物で刺されて意識を失ってしまいます。2015年1月1日、暴力団関係担当の<強力系刑事>コヌ(イ・ジヌク)は追いかけていた犯人に銃に撃たれて倒れます。ジファンとコヌの2人は、32年の時間差で同日の同時間そして、同じ病院に担ぎ込まれ、生死をさまよった末に命をとりとめます。そして2人は、夢を通してお互いの日常を見るようになり、互いが異なった時間に実際に存在する人物であることを知ります。ある日、コヌは1980年代の未解決の殺人事件を調査してユンジョンが30年前に殺害されたという記録を発見。それを知らされたジファンはコヌとともにユンジョンを死から守るため、時間を超えた追跡を開始します・・・。原題は「시간이탈자」です。
 3位「スノーホワイト/氷の王国」は、グリム童話「白雪姫」に大胆なアレンジを加えた前作(2012年)続編。邪悪な力で世界を闇に包んだラヴェンナ女王はスノーホワイトとハンターのエリックによりが滅ぼされ、世界には平和が訪れたはずでしたが、ラヴェンナにはさらに強力な魔力を持つ妹の“氷の女王”フレイヤがいたのです。彼女の力でラヴェンナ女王復活を遂げてしまい、新たなる戦いが巻き起こります・・・。韓国題は「헌츠맨: 윈터스 워」。日本公開は5月27日です。
 5位「解語花」は、日本統治下の京城を舞台にした歴史ドラマで、ハン・ヒョジュとチョン・ウヒが歌に生きがいを求める妓生として共演しています。1943年、最後に残った京城の 妓生学校テソン見番で、その美貌と卓越した歌唱力で最高の芸人と呼ばれるチョン・ソユル(ハン・ヒョジュ)と、聞く者の心の琴線を震わせる声を持つソ・ヨニ(チョン・ウヒ)。サンウォル先生(チャン・ヨンナム)の寵愛を受け、同期たちからは羨望のまなざしで見つめられる存在の2人は親友同士でしたが、ソユルは心を通わせる作曲家ユヌ(ユ・ヨンソク)の歌が歌いたくて、妓生よりも次第に歌手を夢見るようになります。しかし偶然聞いたヨニの声を聞いたユヌは、次第にヨニに魅了されてゆきます。ソユルとヨニはユヌの歌「朝鮮の心」を自分のものにするため、互いにすれ違いの選択をするに至ります。1人は伝統音楽「正歌」を、もう1人は歌謡曲を・・・。そして2人の関係は壊れていきます・・・。原題は「해어화」です。
 9位「ライフ・イズ・ビューティフル」については上述しました。
 10位「劇場版 フランキーと仲間たち:生命の木」は韓国アニメ。サツマイモの天ぷらが食べたいフランキーと、昨日の残り物を最初に全部食べるべきだと言う小言屋のトゥ。
フランキーはこだわりを捨てずにサツマイモの天ぷらを得ますが、最終的には全部食べられずこっそり森の中に埋めてしまいます。ある日、悪臭がする生ゴミの山から変なキノコが育ち、そのキノコを食べた昆虫とポン(何だ?)は信じられないほど大きくなって童話村を台無しにしてしまいます。サンタおじいさんは、すべてが「生命の木」に問題が生じたためと言います。「生命の木」を探そうと冒険に出ることにしたフランキーと仲間たち。彼らは魔女の脅威で危機に陥った童話村を救えるでしょうか? 韓国題は「극장판 프랭키와 친구들: 생명의 나무」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(19)・・4等(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・・・8,400・・・・・・・・・・・・16,778・・・・・・・・・・・・・・137・・・・・・・・・199
2(4)・・神は死んだのか 2・・・・・・・・・・・・・・・4/07 ・・・・・・・・・・・・・・3,680・・・・・・・・・・・・16,836 ・・・・・・・・・・・・・134・・・・・・・・・・58
3(1)・・トランボ ハリウッドに最も嫌われた男・・4/07・・・・・・・・・・3,172 ・・・・・・・・・・・・48,870 ・・・・・・・・・・・・・384・・・・・・・・・・46
4(21)・・或る終焉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/14・・・・・・・・・・・・・・・1,735・・・・・・・・・・・・・2,966 ・・・・・・・・・・・・・・22・・・・・・・・・・40
5(5)・・グローリーデイ(韓国) ・・・・・・・・・・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・・・1,625・・・・・・・・・・・187,877・・・・・・・・・・・・1,476・・・・・・・・・・23

 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「4等」は、息子の水泳教育にかける母親と子供の関係という、現代韓国らしいテーマの作品。天才的な才能を持っているが大会に出ると4等どまりの12歳の水泳選手ジュノ(ユ・ジェサン)。しかし、1等への執着を捨てないママ(イ・ハンナ)がせきたてて16年前のアジア新記録まで達成した国家代表出身のグァンス(パク・ヘジュン)がコーチになることに。気が乗らない表情で「大会1等はもちろん、大学まで選んで行けるようにしてやるぞ」と大言壮語したグァンスは、ママに練習期間中プールへの立ち入り禁止命令まで下します。大会を目前にしても練習はおろか、いつもPC房でマウスや焼酎の杯を手にした信じられない姿のグァンス。疑い半分、期待半分の時間が過ぎ、いよいよ水泳大会に出場したジュノの記録は「ほとんど」1等! 1等と0.02秒差で初の銀メダルを首にかけます。久しぶりに笑い声が行き交うジュノの家ですが、そこで弟のキホが明るく質問します。「本当に殴られたからうまくいったの? 前は殴られなくていつも4等だったの、兄さん?」。弟の言葉に真っ青になった顔のように、ジュノの体は青あざだらけ! はたしてジュノは好きな水泳を続けることができるのでしょうか・・・? 原題は「4등」です。
 4位「或る終焉」は、2015年の第68回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したメキシコ・フランス合作作品。終末期患者の看護師をしていたデヴィッド(ティム・ロス)は、息子ダンの死をきっかけに別れた妻と娘と疎遠になり、一人暮らしをしています。そんな彼にとっては、在宅看護の患者との親密な関係が不可欠なものとなっています。ある日彼は末期がんで苦しむマーサ(ロビン・バートレット)に安楽死を幇助して欲しいと頼まれますが、苦悩の末に<壮絶な決断>を下します。・・・という<サスペンスフルなヒューマンドラマ>、これは観なくては。韓国題は「크로닉」。日本公開は5月28日です。

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