<定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (3)>の続きです。
[ヌルボより] いろんな人との新しい出会いがあったS氏。人だけでなく、伝統楽器タンソ(短簫.단소)との出会いも運命的(?)だったようで、熱心な練習の成果を過日聞かせてくれました。この楽器や楽譜のことはいずれ記事にします。
私ヌルボの予測通りだったのは、やっぱり飲む機会が多いということ。これは日本での日常の延長といったとこでしょうか?(笑)
◎4月11日(土)
朝起きてから一週間ぶりに部屋の掃除をする。さすがに埃がたまってきている。
今日は俳句の会の吟行があり、回基駅に11時半集合。花見をしながら俳句を作ることになるが、まさか自分が韓国で俳句を作るとは思わなかった。俳句の素養は全くない。今日は頗る天気がいい。結局日韓双方20名程度が集まる。この中には慶熙大学の情報メディア工学の李教授もいる。教授の計らいで普段は教授しか入ることのできない教授会館の屋上で持ち寄った酒と料理で軽い宴会。この建物は高いところにあって遮るものはなく、眼下に見える桜の花があでやかだ。今日明日で見ごろは終わりだろう。
宴会終了後場所を移し、学内の校舎で俳句の勉強会が行われた。3時間ほどかけて句つくりと講評が行われるが、自分が作った句が意外にも高評価を得た。長年やっていても高評価はなかなか得られないという。まあ、ビギナーズラックというやつだろ。因みに「杯に 花びら一つ かおり立つ」と読んでみた。
終了後はプルゴギで懇親会。味は洗練された感じで美味しい。その後カラオケに繰り出す。皆とってものりがいい。ところでこの会を主催する先生はYさんという女性でこの世界では著名な人物。気さくで酒が強く、一度の飲み出したらなかなか帰らないので会員から恐れられている。年は65歳。結局最後にもう1件立ち寄ってワインを飲むことになるが、怖いのが酔いが回っているところでいきなり3句詠めと指令が出る。残ったのは先生はじめ6名だが、ここで一気に酔いが覚める。お題は夜桜。寮に帰れたのは12時過ぎ。
◎4月12日(日)
今日は昨日できなかった宿題をするしかない。作文の宿題はとくに時間がかかる。遊んでいる時間はなさそうだ。
今日はカラオケでタンソの練習する予定だったが、お金を節約することにして学校に行くことにした。午後3時45分頃に着いたが、昨日まできれいに咲いていた桜はかなり無残な姿になっていた。それでも桜を惜しむ人たちでにぎわっている。花見は昨日でよかった。
宿題と予習に時間を大きく割かれ、やったことはその他に洗濯と昼食と夕食に出かけたこと。当面の朝の食事の買い物。なるべく野菜の摂取に心がけたいとトマトを購入。木綿豆腐を売っていたので一丁購入。昼にそのまま食べてみたが、腹の足しにはなった。夜は中華料理店を見つけたのでチャーハンを注文。皿の上にチャーハンが載っており、その横に少し野菜の入ったあんかけが添えられている。それと混ぜ合わせながら食べる。漬物2種類とスープがついていた。4500ウォン。辛くなかった。
◎4月13日(月)
今日から3週目の授業。先生の話はところどころわからない所があるが、ほとんど理解できる。ヒアリングの授業は簡単な内容だが、ところどころ知らない単語が出てくる。
今日は新しいトウミと会った。26歳の院生。軍隊にも籍があって、6年間の軍隊勤務をこの6月に終えるという。今は就職のため大学院に通っている。背はさほど大きくはないが、軍人のため筋肉質の太い腕が目に留まる。いわゆるモムチャン。顔はメジャーリーグ風のイケ面。明朗でよくしゃべってくれて、勉強にはもってこい。気配りもできていて人を飽きさせない。ギターとチェロも嗜むらしい。標準的なスピードで話すので、神経を集中させないと聞き取れない。軍隊でも優秀らしいが良い人がトウミになってくれたとひと安心。昼飯を中華料理店で食べたあと喫茶店に行って今後の予定を立てた。
◎4月14日(火)
朝から冷たい雨。いつもどおりの授業。マラギ(会話)の授業は、会社との簡単な電話のやり取りと誘いを断るときの表現方法。午後は2時からタンソの特別授業。音が出る時と出ない時があるが一ね応先生にほめられる。リュー先生から名刺をもらう。小学校の校長先生だった。人格者の風貌はある。4時に終了。
以前の職場の同業者の友人から韓国の友人を紹介するとのメールが入る。皆がものすごく気を使ってくれている。明日あたりその人に連絡してみなくてはいけない。
マラギの先生から予習をしなさいといわれた。夜は近所のシクタン(食堂)で食事。初老の夫婦2人でやっていて、親父は愛想がないが奥さんは笑顔で対応してくれた。今日はキムチポックンパを食べたが辛くない。雨模様でとても寒い一日だった。
◎4月15日(水)
今日初めてクラスの全員が揃う。先生は喜んでいた。このクラスは週に1回席替えを行う。隣りはマレーシアのとっちゃん坊や風のゲーム好き。しかし勉強は良くできる。意欲も高い。今日の授業はイルキ(読み)。病気とか薬に関する話だが、ちょっと予習すれば何とかなる。
今日は音楽学部の見学を試みる。この学校に大きな王冠の形をした建物があるが、入校式をした大きな講堂。この下に音楽学部がある。あまり目立った行動はしたくないので遠慮がちに歩く。アンサンブル室やオケ練習用の部屋があるが、王冠の形に沿って小部屋が連なり各楽器の練習室となっていた。教授の部屋もところどころにある。その下の階も同じようになっていた。私を誰かと思ったか知らないが、行き交う学生がアンニョンハセヨと挨拶してくれる。中からはけっこういい音色が漏れてきていた。
今日、紹介してもらった韓国の人に電話した。公衆電話を使ったのは初めてだ。ここの電話は早くボタンを押さないと再度やり直しになる。何度か受話器の中からボタンを押すのが遅いからつなげなかったとのメッセージが出た。今後のこともあり電話カードをコンビニで購入。早速電話をしようとしたがカードが反応しない。うんともすんとも言わない。4台の電話で試したがカードを受け付けない電話もある。通行人に使用方法を聞き、その人もやってみたが結果は同じ。仕方なく買ったコンビニに戻る。使い方がわからないといったところ本部に電話してくれたがラチが明かない。結局購入代金を返してもらうことになった。コンビニのおばちゃんはしきりに恐縮していた。
◎4月16日(木)
夕方7時に韓国のチョさんという方と仁寺洞(インサドン)の筆をかたどった大きな像の前で待ち合わせ。5分くらい前に着いたが、すでに待っていてくれた。人が少なかったのですぐ分かった。
仁寺洞の食堂でペクパン(白飯)を食べながらマッコリで乾杯。きれいな店で味も洗練されている。仁寺洞だけあってか器もいい。味も辛いものはなく洗練されている。チョさんはそんなにお酒が強くないらしくひかえめに飲む。多種多様なパンチャン(おかず)とテンジャンチゲを食べる。仕事のこと、家族のこと、韓国経済の行く末、趣味のこと等たわいのない話をする。韓国の保証協会の話。韓国も保証人をとらないので回収はほとんどできないそうだ。気さくで誠実そうな人柄。会ってよかった。会計の際お金を払おうと思ったらすでに支払い済み。恐縮する。帰りの道すがらスタバに入る。お茶代は払ったがぜんぜん釣り合わない。11時頃帰宅。
◎4月17日(金)
朝気がついたのだが、20日の月曜日の夜8時に部屋の点検があるらしい。階段に張り紙がしてあった。その日はカンさんと西江大に留学中の人と8時に待ち合わせしている。無断で不在の場合は罰則があるという。
通学途中で信号待ちしているスウェーデンのクラスメイトに会う。同じ寄宿舎で生活している。声をかけてみる。ふだんはあまりしゃべらないが、意外としゃべる。一緒にたどたどしいながらも話をしながら学校に着く。
席に着くと、これもやはりふだんおとなしいベトナムの女の子が日本のことについて話しかけてくる。彼女とは席替えをして隣になっていた。少しづつ気分が和んできたようだ。
授業が始まる前に事務室に行き、部屋の点検時間の変更を申し出る。一応了解してくれたが休み時間にもう一度来てほしいとのこと。休み時間に行くと10時はどうかとのこと。まさか酔って点検を受けるわけに行かないので「8時前がいい」と伝えたら30分繰り上げてくれた。30分でもありがたい。
今日は聞き取りの授業があったが、聞いたことを書かなくてはならない。ほかの連中はそれなりに速度が速い。私の場合は早い人の2分の1くらいの速度だ。スペルを間違えて消しゴムを使いことが多いので、どうしても遅い。何とか凌ぐ。
昨日トウミからカカオトークに連絡があり、梨泰院(イテウォン)にある美術館に連れて行ってくれるらしい。
夜はJSCの有志と飲みに行くため地下鉄を乗り継ぎ江南駅へ行く。この路線はWIFIが使える。数名と合流。そのうちの一人の同僚の女性2人も来た。なかなかの美人さん。いつもは安い店しか行かないので安心していたが、この日は違った。日本の居酒屋だが意外と高い。2次会もゴージャスなクラブ。現役の会社員と早期退職の身分の差を味わう。金欠の私には危険な店。次の日の予定もあるので11時に中座して帰宅。
[ヌルボより] いろんな人との新しい出会いがあったS氏。人だけでなく、伝統楽器タンソ(短簫.단소)との出会いも運命的(?)だったようで、熱心な練習の成果を過日聞かせてくれました。この楽器や楽譜のことはいずれ記事にします。
私ヌルボの予測通りだったのは、やっぱり飲む機会が多いということ。これは日本での日常の延長といったとこでしょうか?(笑)
◎4月11日(土)
朝起きてから一週間ぶりに部屋の掃除をする。さすがに埃がたまってきている。
今日は俳句の会の吟行があり、回基駅に11時半集合。花見をしながら俳句を作ることになるが、まさか自分が韓国で俳句を作るとは思わなかった。俳句の素養は全くない。今日は頗る天気がいい。結局日韓双方20名程度が集まる。この中には慶熙大学の情報メディア工学の李教授もいる。教授の計らいで普段は教授しか入ることのできない教授会館の屋上で持ち寄った酒と料理で軽い宴会。この建物は高いところにあって遮るものはなく、眼下に見える桜の花があでやかだ。今日明日で見ごろは終わりだろう。
宴会終了後場所を移し、学内の校舎で俳句の勉強会が行われた。3時間ほどかけて句つくりと講評が行われるが、自分が作った句が意外にも高評価を得た。長年やっていても高評価はなかなか得られないという。まあ、ビギナーズラックというやつだろ。因みに「杯に 花びら一つ かおり立つ」と読んでみた。
終了後はプルゴギで懇親会。味は洗練された感じで美味しい。その後カラオケに繰り出す。皆とってものりがいい。ところでこの会を主催する先生はYさんという女性でこの世界では著名な人物。気さくで酒が強く、一度の飲み出したらなかなか帰らないので会員から恐れられている。年は65歳。結局最後にもう1件立ち寄ってワインを飲むことになるが、怖いのが酔いが回っているところでいきなり3句詠めと指令が出る。残ったのは先生はじめ6名だが、ここで一気に酔いが覚める。お題は夜桜。寮に帰れたのは12時過ぎ。
◎4月12日(日)
今日は昨日できなかった宿題をするしかない。作文の宿題はとくに時間がかかる。遊んでいる時間はなさそうだ。
今日はカラオケでタンソの練習する予定だったが、お金を節約することにして学校に行くことにした。午後3時45分頃に着いたが、昨日まできれいに咲いていた桜はかなり無残な姿になっていた。それでも桜を惜しむ人たちでにぎわっている。花見は昨日でよかった。
宿題と予習に時間を大きく割かれ、やったことはその他に洗濯と昼食と夕食に出かけたこと。当面の朝の食事の買い物。なるべく野菜の摂取に心がけたいとトマトを購入。木綿豆腐を売っていたので一丁購入。昼にそのまま食べてみたが、腹の足しにはなった。夜は中華料理店を見つけたのでチャーハンを注文。皿の上にチャーハンが載っており、その横に少し野菜の入ったあんかけが添えられている。それと混ぜ合わせながら食べる。漬物2種類とスープがついていた。4500ウォン。辛くなかった。
◎4月13日(月)
今日から3週目の授業。先生の話はところどころわからない所があるが、ほとんど理解できる。ヒアリングの授業は簡単な内容だが、ところどころ知らない単語が出てくる。
今日は新しいトウミと会った。26歳の院生。軍隊にも籍があって、6年間の軍隊勤務をこの6月に終えるという。今は就職のため大学院に通っている。背はさほど大きくはないが、軍人のため筋肉質の太い腕が目に留まる。いわゆるモムチャン。顔はメジャーリーグ風のイケ面。明朗でよくしゃべってくれて、勉強にはもってこい。気配りもできていて人を飽きさせない。ギターとチェロも嗜むらしい。標準的なスピードで話すので、神経を集中させないと聞き取れない。軍隊でも優秀らしいが良い人がトウミになってくれたとひと安心。昼飯を中華料理店で食べたあと喫茶店に行って今後の予定を立てた。
◎4月14日(火)
朝から冷たい雨。いつもどおりの授業。マラギ(会話)の授業は、会社との簡単な電話のやり取りと誘いを断るときの表現方法。午後は2時からタンソの特別授業。音が出る時と出ない時があるが一ね応先生にほめられる。リュー先生から名刺をもらう。小学校の校長先生だった。人格者の風貌はある。4時に終了。
以前の職場の同業者の友人から韓国の友人を紹介するとのメールが入る。皆がものすごく気を使ってくれている。明日あたりその人に連絡してみなくてはいけない。
マラギの先生から予習をしなさいといわれた。夜は近所のシクタン(食堂)で食事。初老の夫婦2人でやっていて、親父は愛想がないが奥さんは笑顔で対応してくれた。今日はキムチポックンパを食べたが辛くない。雨模様でとても寒い一日だった。
◎4月15日(水)
今日初めてクラスの全員が揃う。先生は喜んでいた。このクラスは週に1回席替えを行う。隣りはマレーシアのとっちゃん坊や風のゲーム好き。しかし勉強は良くできる。意欲も高い。今日の授業はイルキ(読み)。病気とか薬に関する話だが、ちょっと予習すれば何とかなる。
今日は音楽学部の見学を試みる。この学校に大きな王冠の形をした建物があるが、入校式をした大きな講堂。この下に音楽学部がある。あまり目立った行動はしたくないので遠慮がちに歩く。アンサンブル室やオケ練習用の部屋があるが、王冠の形に沿って小部屋が連なり各楽器の練習室となっていた。教授の部屋もところどころにある。その下の階も同じようになっていた。私を誰かと思ったか知らないが、行き交う学生がアンニョンハセヨと挨拶してくれる。中からはけっこういい音色が漏れてきていた。
今日、紹介してもらった韓国の人に電話した。公衆電話を使ったのは初めてだ。ここの電話は早くボタンを押さないと再度やり直しになる。何度か受話器の中からボタンを押すのが遅いからつなげなかったとのメッセージが出た。今後のこともあり電話カードをコンビニで購入。早速電話をしようとしたがカードが反応しない。うんともすんとも言わない。4台の電話で試したがカードを受け付けない電話もある。通行人に使用方法を聞き、その人もやってみたが結果は同じ。仕方なく買ったコンビニに戻る。使い方がわからないといったところ本部に電話してくれたがラチが明かない。結局購入代金を返してもらうことになった。コンビニのおばちゃんはしきりに恐縮していた。
◎4月16日(木)
夕方7時に韓国のチョさんという方と仁寺洞(インサドン)の筆をかたどった大きな像の前で待ち合わせ。5分くらい前に着いたが、すでに待っていてくれた。人が少なかったのですぐ分かった。
仁寺洞の食堂でペクパン(白飯)を食べながらマッコリで乾杯。きれいな店で味も洗練されている。仁寺洞だけあってか器もいい。味も辛いものはなく洗練されている。チョさんはそんなにお酒が強くないらしくひかえめに飲む。多種多様なパンチャン(おかず)とテンジャンチゲを食べる。仕事のこと、家族のこと、韓国経済の行く末、趣味のこと等たわいのない話をする。韓国の保証協会の話。韓国も保証人をとらないので回収はほとんどできないそうだ。気さくで誠実そうな人柄。会ってよかった。会計の際お金を払おうと思ったらすでに支払い済み。恐縮する。帰りの道すがらスタバに入る。お茶代は払ったがぜんぜん釣り合わない。11時頃帰宅。
◎4月17日(金)
朝気がついたのだが、20日の月曜日の夜8時に部屋の点検があるらしい。階段に張り紙がしてあった。その日はカンさんと西江大に留学中の人と8時に待ち合わせしている。無断で不在の場合は罰則があるという。
通学途中で信号待ちしているスウェーデンのクラスメイトに会う。同じ寄宿舎で生活している。声をかけてみる。ふだんはあまりしゃべらないが、意外としゃべる。一緒にたどたどしいながらも話をしながら学校に着く。
席に着くと、これもやはりふだんおとなしいベトナムの女の子が日本のことについて話しかけてくる。彼女とは席替えをして隣になっていた。少しづつ気分が和んできたようだ。
授業が始まる前に事務室に行き、部屋の点検時間の変更を申し出る。一応了解してくれたが休み時間にもう一度来てほしいとのこと。休み時間に行くと10時はどうかとのこと。まさか酔って点検を受けるわけに行かないので「8時前がいい」と伝えたら30分繰り上げてくれた。30分でもありがたい。
今日は聞き取りの授業があったが、聞いたことを書かなくてはならない。ほかの連中はそれなりに速度が速い。私の場合は早い人の2分の1くらいの速度だ。スペルを間違えて消しゴムを使いことが多いので、どうしても遅い。何とか凌ぐ。
昨日トウミからカカオトークに連絡があり、梨泰院(イテウォン)にある美術館に連れて行ってくれるらしい。
夜はJSCの有志と飲みに行くため地下鉄を乗り継ぎ江南駅へ行く。この路線はWIFIが使える。数名と合流。そのうちの一人の同僚の女性2人も来た。なかなかの美人さん。いつもは安い店しか行かないので安心していたが、この日は違った。日本の居酒屋だが意外と高い。2次会もゴージャスなクラブ。現役の会社員と早期退職の身分の差を味わう。金欠の私には危険な店。次の日の予定もあるので11時に中座して帰宅。
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