「キネマ旬報 2月下旬決算特別号」は本当に読みでがあります。例によって審査員諸氏の採点表が載っていて、自分のベスト10(→コチラ)と比較してみました。1位「ジャージーボーイズ」は予想通りで妥当な結果。しかし今回は私ヌルボとかなり重なっているという方はいなかったですね。ポイントはヌルボが1位にした「イーダ」を入れた人が5人だけで、思ったよりずっと少なかったこと。その中で、四方田犬彦先生が2位、佐藤忠男先生が3位に置いていたのはうれしかったです。韓国映画以外では「祖谷物語 おくのひと」をベスト10に入れた7人には共感を覚えました。(渡部実さんは1位にしています。)
韓国映画中で得点&順位の最上位はというと、やっと43位に「レッド・ファミリー」(22点)とは。「怪しい彼女」(11点・78位)を選んだ人がわずか2人というのは悲しいなー。「新しき世界」(9点・90位)はさらに下。低調だった昨年よりも下がってしまったかも。残念。
この「キネ旬特別号」掲載の今年の外国映画の上映予定作のリストから韓国映画をピックアップすると以下の通り。青色は邦題・茶色は原題です。
「皇帝のために」初夏・「傷だらけのふたり(男が愛する時)」4月4日・「一対一」年内・「君に泳げ!(ノー・ブレッシング)」2月28日・「私の少女(ドヒよ)」5月1日・「国際市場で逢いましょう(国際市場)」5月16日・「海にかかる霧(海霧)」4月17日・「群盗(群盗:民乱の時代)」4月下旬・「パイレーツ(海賊:海へ行った山賊)」4月下旬・「神の一手」初夏・「レディーアクション青春」初夏・「朝鮮名探偵:消えた役夫の娘」初夏・「良い友だち」夏・「どきどき僕の人生」年内・「ハン・ゴンジュ 17歳の涙(ハン・ゴンジュ)」2月10日・「犬どろぼう完全計画(仮)(犬を盗む完璧な方法)」夏・「無頼漢」晩秋
さしあたってはヒューマントラストシネマ渋谷で2月10日から20日まで計7回上映の「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」は必見だな。しかし他の映画館での上映はないのかな?
<大阪アジアン映画祭>(3月6~15日)のプログラムが発表されました。詳細は→公式サイト参照。クロージング作品として「国際市場で逢いましょう」が上映されます。
★★★ Daumの人気順位(2月10日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①クォ・ヴァディス(韓国) 9.5(146)
②千と千尋の神隠し(日本) 9.3(1056)
③犬どろぼう完全計画(韓国) 9.3(824)
④ユー・アー・ノット・ユー 9.1(31)
⑤ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑥ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー 9.0(26)
⑦あなた、あの川を渡らないで(韓国) 8.9(1133)
⑧帰来(カミング・ホーム) 8.7(91)
⑨6才のボクが、大人になるまで。 8.7(171)
⑩ワイルド 8.6(89)
②「千と千尋の神隠し」だけが新登場。もちろん2001年 (韓国では2002年)公開作の再上映。<DAUM映画>のネチズン評(→コチラ)では、111人全員がで、はゼロです。韓国題は「센과 치히로의 행방불명」=「千と千尋の行方不明」。そう訳すしかないのかなー?
【専門家による順位】
①6才のボクが、大人になるまで。 9.5(8)
②サンドラの週末 8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア 8.3(6)
④フォックスキャッチャー 7.8(6)
⑤自由が丘で(韓国) 7.7(4)
⑥インターステラー 7.6(9)
⑦ターナー、光に愛を求めて 7.2(5)
⑧巨人(韓国) 7.1(8)
⑨ワイルド 7.1(6)
⑩犬どろぼう完全計画(韓国) 7.0(4)
⑩ビッグ・アイズ 7.0(4)
④と⑦の2作品が新登場です。
④「フォックスキャッチャー」は、「カポーティ」(2005)等のベネット・ミラー監督によるミステリー。1996年に起こった財閥御曹司によるレスリング五輪金メダリスト射殺事件を映画化した作品。日本公開は2月14日なので、すでに諸情報が流されています。韓国題は「폭스캐처」。
⑦「ターナー、光に愛を求めて」は、仏・独・英合作による風景画家ターナーの伝記映画。とくに後半生に重点が置かれています。19世紀、すでに美術界で名をはせていたターナーはイギリスへの旅行中インスピレーションを得る中で1人の女性と恋に落ちます。同時に既存の画風から脱して破格な技法の風景画を描きますが、これは世間の嘲笑を浴び、視力が衰えたのではという噂まで広まります・・・。主演のティモシー・スポールは2014年のカンヌ国際映画祭で男優賞を獲得しました。韓国題は「미스터 터너」。日本公開は今年初夏とのことです。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月6日(金)~2月8日(日)] ★★★
懐メロポップスの再人気が映画化にまで至った「セシボン」がトップに
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(46)・・セシボン(韓国)・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・534,676 ・・・・・・・・・・・642,265・・・・・・・・・5,145・・・・・・・・829
2(1)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・353,015・・・・・・・・・・2,250,695・・・・・・・・17,799・・・・・・・・611
3(2)・・国際市場(韓国)・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・228,356・・・・・・・・・13,122,389・・・・・・・101,970 ・・・・・・・606
4(新)・・ジュピター ・・・・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・208,219 ・・・・・・・・・・・253,370・・・・・・・・・2,231・・・・・・・・561
5(3)・・江南 1970(韓国) ・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・146,732 ・・・・・・・・・2,081,527・・・・・・・・16,855・・・・・・・・434
6(新)・・最強戦士ミニ特攻隊 ・・・・・・2/05・・・・・・・・・・・・・78,550 ・・・・・・・・・・・・83,630・・・・・・・・・・・632・・・・・・・・318
:新たな悪党の襲撃(韓国)
7(新)・・千と千尋の神隠し(日本)・・2002/6/27 ・・・・・・・・69,431 ・・・・・・・・・・・・85,285・・・・・・・・・・・677・・・・・・・・339
8(新)・・すすめ! オクトノーツ ・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・・・3,862 ・・・・・・・・・・・・36,678・・・・・・・・・・・275 ・・・・・・・・210
9(4)・・私の心臓を撃て(韓国)・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・26,397 ・・・・・・・・・・・371,779・・・・・・・・・・2,741・・・・・・・・270
10(5)・・今日の恋愛(韓国)・・・・・・・・・1/14 ・・・・・・・・・・・・25,771・・・・・・・・・・1,879,143・・・・・・・・・14,825・・・・・・・・184
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
「国際市場」は先週予測した通り「グエムル –漢江の怪物-」(1301万人)も抜いて韓国映画歴代2位に上がりました。外国映画も含めると、上に「アバター」(1362万人)がいて、これはとどくかどうか? その上の1位は昨年の大ヒット作「鳴梁」(1761万人)です。
今回の新登場は1・4・6・7・8位の5作品です。
1位「セシボン」は韓国のラブコメ、なのですが、元はといえば「ラストダンスは私に(마지막 춤을 나와 함께)」等々の翻案ポップスで40年ほど前に人気を博したチョ・ヨンナム等のフォーク1世代のグループのこと。(→コチラ参照。) さらにその元は、ソウルの武橋洞にあった韓国最初の「音楽鑑賞室」(←旧世代には懐かしいようです)の店名で、そこを根城に彼らが活躍したのです。このセシボンが2011年頃TVの歌番組に登場して再び人気を集めるようになった、というのが本作の前提。この映画はその音楽鑑賞室セシボンが舞台。そのセシボンでライバルとして出会った歌手のユン・ヒョンジュ(カン・ハヌル)とソン・チャンシク(チョ・ボンネ)でしたが、セシボンのキム社長(クォン・ヘヒョ)は彼らにトリオを結成することを提案します。セシボン専属プロデューサーのイ・チャンヒ(チャン・ヒョンソン)は偶然オ・グンテ(チョンウ、キム・ユンソク)の歌声を聴いてその素質を直感します。ギターのコードさえよくわからないグンテでしたが、チャンヒに乗せられてトリオのメンバーに加わり、そしてセシボンの看板娘ミン・ジヨン(ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ)に一目ぼれをして彼女のために歌を歌おうと決心するのですが・・・。原題は「쎄시봉」です。
4位「ジュピター」はウォシャウスキー兄弟監督のSF。時代は未来。ジュピター(ミラ・クニス)は偉業を成し遂げる運命を示す“サイン”を持って生まれてきましたが、現実はトイレ掃除の仕事と失恋を繰り返すばかり。そんなある日、遺伝子操作された元兵士のハンター、ケイン(チャニング・テイタム)が彼女を探しに地球にやって来ます・・・。ペ・ドゥナも出演しています。韓国題は「주피터 어센딩」。日本公開は3月28日です。
6位「最強戦士ミニ特攻隊:新たな悪党の襲撃」は、2014年9月からEBSで放映されている韓国アニメの劇場版。動物仲間が暮らすブルーベリー村を守るために結成されたのがこのミニ特攻隊。リーダーのリスはピーナツが大好物(笑)で、スピードが売り物で名前がボルト(笑)です。原題は「최강전사 미니특공대:새로운 악당의 습격」。
7位「千と千尋の神隠し」については上述しました。
8位「すすめ! オクトノーツ」は英BBCの子供向き人気アニメ。韓国でも「海探検隊 オクトノーツ(바다 탐험대 옥토넛)」というタイトルで放映されています。日本でもCATVとかスカパーでやっているようです。コチラもいろんな動物のメンバーで構成されるエージェント集団オクトノーツが、タコ状の乗り物に乗って海中の生き物たちのピンチを救うべく出動するというお話。韓国題は「바다 탐험대 옥토넛 스페셜」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・千と千尋の神隠し(日本)・・・・2002/6/02・・・・・・・・・・・・・69,431 ・・・・・・・・・・・・・85,285・・・・・・・・・・・677 ・・・・・・・・339
2(1)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・11,097 ・・・・・・・・・・・・129,699・・・・・・・・・・1,057 ・・・・・・・・・47
三ツ星フードトラック始めました
3(2)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27 ・・・・・・・・・・・・1,484・・・・・・・・・・・4,791,577・・・・・・・・・37,305 ・・・・・・・・・40
4(新)・・サンタクロース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/05・・・・・・・・・・・・・1,304 ・・・・・・・・・・・・・・2,668・・・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・・・58
5(新)・・オマール、最後の選択・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・・・・755・・・・・・・・・・・・・・・1,348・・・・・・・・・・・・・・9 ・・・・・・・・・15
1・4・5位の3作品が新登場です。
1位「千と千尋の神隠し」については上述しました。
4位「サンタクロース」(仮)はフランスのコメディ。家のベランダにサンタさんが落ちてきてアントワーヌ少年は大喜び。ところが実はサンタに扮して宝石を盗んだりしている泥棒。ところが彼、ついて回るアントワーヌを追い払えないまま「仕事」に連れて行くことに・・・。またアントワーヌにもついて回るわけがあったのです・・・。原題は「Le père Noël」で韓国題は「노엘의 선물(クリスマスの贈り物)」ですが、とりあえず原題直訳の仮題にしておきました。日本公開は未定です。
5位「オマール、最後の選択」は、2013年のカンヌ国際映画祭である視点で特別審査員賞を獲得したパレスチナ映画。自爆テロに向かうパレスチナ人青年を描いた「パラダイス・ナウ」(2006年)のハニ・アブ・アサド監督作品で、彼の言葉によると「私が一番誇りに思うことは、本作の制作がすべてパレスチナ人の手によって行われ、パレスチナ人のお金が出資されたことだ」とのことです。パン焼きの仕事をしている青年オマール(アダム・バクリ)には恋人ナディア(リーム・リューバニ)がいますが、彼女に会うためにはは監視塔からの銃撃を避けながら分離壁を越えなければなりません。オマールはまたナディアの兄タレクの率いるパレスチナ自由戦士のメンバーで、ある晩友人たちと3人でイスラエル兵を狙撃します。ところがイスラエル軍警察に追われ、彼だけが捕まってしまいます。厳しい拷問を受けた彼は二重スパイという条件で釈放されますが・・・。韓国題は「오마르」。年内にアップリンク等で公開とのことです。
韓国映画中で得点&順位の最上位はというと、やっと43位に「レッド・ファミリー」(22点)とは。「怪しい彼女」(11点・78位)を選んだ人がわずか2人というのは悲しいなー。「新しき世界」(9点・90位)はさらに下。低調だった昨年よりも下がってしまったかも。残念。
この「キネ旬特別号」掲載の今年の外国映画の上映予定作のリストから韓国映画をピックアップすると以下の通り。青色は邦題・茶色は原題です。
「皇帝のために」初夏・「傷だらけのふたり(男が愛する時)」4月4日・「一対一」年内・「君に泳げ!(ノー・ブレッシング)」2月28日・「私の少女(ドヒよ)」5月1日・「国際市場で逢いましょう(国際市場)」5月16日・「海にかかる霧(海霧)」4月17日・「群盗(群盗:民乱の時代)」4月下旬・「パイレーツ(海賊:海へ行った山賊)」4月下旬・「神の一手」初夏・「レディーアクション青春」初夏・「朝鮮名探偵:消えた役夫の娘」初夏・「良い友だち」夏・「どきどき僕の人生」年内・「ハン・ゴンジュ 17歳の涙(ハン・ゴンジュ)」2月10日・「犬どろぼう完全計画(仮)(犬を盗む完璧な方法)」夏・「無頼漢」晩秋
さしあたってはヒューマントラストシネマ渋谷で2月10日から20日まで計7回上映の「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」は必見だな。しかし他の映画館での上映はないのかな?
<大阪アジアン映画祭>(3月6~15日)のプログラムが発表されました。詳細は→公式サイト参照。クロージング作品として「国際市場で逢いましょう」が上映されます。
「朝鮮日報」2月6日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。) | |
「フォックスキャッチャー」 S.カレルが最高の演技 ★★★★ 「オマール、最後の選択」 障壁の後ろに希望? ない ★★★☆ | 「ジュピター」 視覚効果◎ 前観た感じ ★★★☆ 「セシボン」 新派に夢中で道に迷う ★★★ |
※「ジュピター」の訳は自信ナシ。「セシボン」文中の<新派>はこの場合「新しい流行」ということですかねー。4作品すべて以下の記事中で紹介しています。 |
★★★ Daumの人気順位(2月10日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①クォ・ヴァディス(韓国) 9.5(146)
②千と千尋の神隠し(日本) 9.3(1056)
③犬どろぼう完全計画(韓国) 9.3(824)
④ユー・アー・ノット・ユー 9.1(31)
⑤ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑥ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー 9.0(26)
⑦あなた、あの川を渡らないで(韓国) 8.9(1133)
⑧帰来(カミング・ホーム) 8.7(91)
⑨6才のボクが、大人になるまで。 8.7(171)
⑩ワイルド 8.6(89)
②「千と千尋の神隠し」だけが新登場。もちろん2001年 (韓国では2002年)公開作の再上映。<DAUM映画>のネチズン評(→コチラ)では、111人全員がで、はゼロです。韓国題は「센과 치히로의 행방불명」=「千と千尋の行方不明」。そう訳すしかないのかなー?
【専門家による順位】
①6才のボクが、大人になるまで。 9.5(8)
②サンドラの週末 8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア 8.3(6)
④フォックスキャッチャー 7.8(6)
⑤自由が丘で(韓国) 7.7(4)
⑥インターステラー 7.6(9)
⑦ターナー、光に愛を求めて 7.2(5)
⑧巨人(韓国) 7.1(8)
⑨ワイルド 7.1(6)
⑩犬どろぼう完全計画(韓国) 7.0(4)
⑩ビッグ・アイズ 7.0(4)
④と⑦の2作品が新登場です。
④「フォックスキャッチャー」は、「カポーティ」(2005)等のベネット・ミラー監督によるミステリー。1996年に起こった財閥御曹司によるレスリング五輪金メダリスト射殺事件を映画化した作品。日本公開は2月14日なので、すでに諸情報が流されています。韓国題は「폭스캐처」。
⑦「ターナー、光に愛を求めて」は、仏・独・英合作による風景画家ターナーの伝記映画。とくに後半生に重点が置かれています。19世紀、すでに美術界で名をはせていたターナーはイギリスへの旅行中インスピレーションを得る中で1人の女性と恋に落ちます。同時に既存の画風から脱して破格な技法の風景画を描きますが、これは世間の嘲笑を浴び、視力が衰えたのではという噂まで広まります・・・。主演のティモシー・スポールは2014年のカンヌ国際映画祭で男優賞を獲得しました。韓国題は「미스터 터너」。日本公開は今年初夏とのことです。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月6日(金)~2月8日(日)] ★★★
懐メロポップスの再人気が映画化にまで至った「セシボン」がトップに
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(46)・・セシボン(韓国)・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・534,676 ・・・・・・・・・・・642,265・・・・・・・・・5,145・・・・・・・・829
2(1)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・353,015・・・・・・・・・・2,250,695・・・・・・・・17,799・・・・・・・・611
3(2)・・国際市場(韓国)・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・228,356・・・・・・・・・13,122,389・・・・・・・101,970 ・・・・・・・606
4(新)・・ジュピター ・・・・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・208,219 ・・・・・・・・・・・253,370・・・・・・・・・2,231・・・・・・・・561
5(3)・・江南 1970(韓国) ・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・146,732 ・・・・・・・・・2,081,527・・・・・・・・16,855・・・・・・・・434
6(新)・・最強戦士ミニ特攻隊 ・・・・・・2/05・・・・・・・・・・・・・78,550 ・・・・・・・・・・・・83,630・・・・・・・・・・・632・・・・・・・・318
:新たな悪党の襲撃(韓国)
7(新)・・千と千尋の神隠し(日本)・・2002/6/27 ・・・・・・・・69,431 ・・・・・・・・・・・・85,285・・・・・・・・・・・677・・・・・・・・339
8(新)・・すすめ! オクトノーツ ・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・・・3,862 ・・・・・・・・・・・・36,678・・・・・・・・・・・275 ・・・・・・・・210
9(4)・・私の心臓を撃て(韓国)・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・26,397 ・・・・・・・・・・・371,779・・・・・・・・・・2,741・・・・・・・・270
10(5)・・今日の恋愛(韓国)・・・・・・・・・1/14 ・・・・・・・・・・・・25,771・・・・・・・・・・1,879,143・・・・・・・・・14,825・・・・・・・・184
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
「国際市場」は先週予測した通り「グエムル –漢江の怪物-」(1301万人)も抜いて韓国映画歴代2位に上がりました。外国映画も含めると、上に「アバター」(1362万人)がいて、これはとどくかどうか? その上の1位は昨年の大ヒット作「鳴梁」(1761万人)です。
今回の新登場は1・4・6・7・8位の5作品です。
1位「セシボン」は韓国のラブコメ、なのですが、元はといえば「ラストダンスは私に(마지막 춤을 나와 함께)」等々の翻案ポップスで40年ほど前に人気を博したチョ・ヨンナム等のフォーク1世代のグループのこと。(→コチラ参照。) さらにその元は、ソウルの武橋洞にあった韓国最初の「音楽鑑賞室」(←旧世代には懐かしいようです)の店名で、そこを根城に彼らが活躍したのです。このセシボンが2011年頃TVの歌番組に登場して再び人気を集めるようになった、というのが本作の前提。この映画はその音楽鑑賞室セシボンが舞台。そのセシボンでライバルとして出会った歌手のユン・ヒョンジュ(カン・ハヌル)とソン・チャンシク(チョ・ボンネ)でしたが、セシボンのキム社長(クォン・ヘヒョ)は彼らにトリオを結成することを提案します。セシボン専属プロデューサーのイ・チャンヒ(チャン・ヒョンソン)は偶然オ・グンテ(チョンウ、キム・ユンソク)の歌声を聴いてその素質を直感します。ギターのコードさえよくわからないグンテでしたが、チャンヒに乗せられてトリオのメンバーに加わり、そしてセシボンの看板娘ミン・ジヨン(ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ)に一目ぼれをして彼女のために歌を歌おうと決心するのですが・・・。原題は「쎄시봉」です。
4位「ジュピター」はウォシャウスキー兄弟監督のSF。時代は未来。ジュピター(ミラ・クニス)は偉業を成し遂げる運命を示す“サイン”を持って生まれてきましたが、現実はトイレ掃除の仕事と失恋を繰り返すばかり。そんなある日、遺伝子操作された元兵士のハンター、ケイン(チャニング・テイタム)が彼女を探しに地球にやって来ます・・・。ペ・ドゥナも出演しています。韓国題は「주피터 어센딩」。日本公開は3月28日です。
6位「最強戦士ミニ特攻隊:新たな悪党の襲撃」は、2014年9月からEBSで放映されている韓国アニメの劇場版。動物仲間が暮らすブルーベリー村を守るために結成されたのがこのミニ特攻隊。リーダーのリスはピーナツが大好物(笑)で、スピードが売り物で名前がボルト(笑)です。原題は「최강전사 미니특공대:새로운 악당의 습격」。
7位「千と千尋の神隠し」については上述しました。
8位「すすめ! オクトノーツ」は英BBCの子供向き人気アニメ。韓国でも「海探検隊 オクトノーツ(바다 탐험대 옥토넛)」というタイトルで放映されています。日本でもCATVとかスカパーでやっているようです。コチラもいろんな動物のメンバーで構成されるエージェント集団オクトノーツが、タコ状の乗り物に乗って海中の生き物たちのピンチを救うべく出動するというお話。韓国題は「바다 탐험대 옥토넛 스페셜」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・千と千尋の神隠し(日本)・・・・2002/6/02・・・・・・・・・・・・・69,431 ・・・・・・・・・・・・・85,285・・・・・・・・・・・677 ・・・・・・・・339
2(1)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・11,097 ・・・・・・・・・・・・129,699・・・・・・・・・・1,057 ・・・・・・・・・47
三ツ星フードトラック始めました
3(2)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27 ・・・・・・・・・・・・1,484・・・・・・・・・・・4,791,577・・・・・・・・・37,305 ・・・・・・・・・40
4(新)・・サンタクロース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/05・・・・・・・・・・・・・1,304 ・・・・・・・・・・・・・・2,668・・・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・・・58
5(新)・・オマール、最後の選択・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・・・・755・・・・・・・・・・・・・・・1,348・・・・・・・・・・・・・・9 ・・・・・・・・・15
1・4・5位の3作品が新登場です。
1位「千と千尋の神隠し」については上述しました。
4位「サンタクロース」(仮)はフランスのコメディ。家のベランダにサンタさんが落ちてきてアントワーヌ少年は大喜び。ところが実はサンタに扮して宝石を盗んだりしている泥棒。ところが彼、ついて回るアントワーヌを追い払えないまま「仕事」に連れて行くことに・・・。またアントワーヌにもついて回るわけがあったのです・・・。原題は「Le père Noël」で韓国題は「노엘의 선물(クリスマスの贈り物)」ですが、とりあえず原題直訳の仮題にしておきました。日本公開は未定です。
5位「オマール、最後の選択」は、2013年のカンヌ国際映画祭である視点で特別審査員賞を獲得したパレスチナ映画。自爆テロに向かうパレスチナ人青年を描いた「パラダイス・ナウ」(2006年)のハニ・アブ・アサド監督作品で、彼の言葉によると「私が一番誇りに思うことは、本作の制作がすべてパレスチナ人の手によって行われ、パレスチナ人のお金が出資されたことだ」とのことです。パン焼きの仕事をしている青年オマール(アダム・バクリ)には恋人ナディア(リーム・リューバニ)がいますが、彼女に会うためにはは監視塔からの銃撃を避けながら分離壁を越えなければなりません。オマールはまたナディアの兄タレクの率いるパレスチナ自由戦士のメンバーで、ある晩友人たちと3人でイスラエル兵を狙撃します。ところがイスラエル軍警察に追われ、彼だけが捕まってしまいます。厳しい拷問を受けた彼は二重スパイという条件で釈放されますが・・・。韓国題は「오마르」。年内にアップリンク等で公開とのことです。
そうですね。首都圏は恵まれていますね。住宅費に悩まされる分、文化環境を享受しなきゃ!です。
それでも、首都圏に住んでいるので全国的にみればずいぶん恵まれているとは思います。(とくにシネマ・ジャック&ベティが近くにあるし・・・。)
なお、ご存知かとは思いますが、韓国映画ファンにとってはシネマコリアと、SARUさんのツイッターは必読ですね。私の主要な情報源です。
これからもヨロシク!