ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [4月28日(金)~4月30日(日)]

2017-05-03 07:49:19 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 この1週間はちょっと大掃除(のごく一部)をしたり、飲み会が続いたり等で映画館には1度も行けず。6月に予定している初の台湾旅行の予約というのもあったな。
 それにしても、いろんな関係の知り合いと飲んだり食べたりしながら歓談する機会がしばしばあるというのはいいものです。そして今日は北海道在住の高校時代の友人から「元気かー」という電話。わが身のシアワセが感じられたこの数日でした。

 GW中の韓国映画情報を1つ。新作ではないのですが、明日(2日)から神保町のブックカフェ・チェッコリで<GW特別企画「CHEKCCORIシネマウィーク」>と銘打って1960~80年代の名作5編が上映されます。2日=「下女」(キム・ギヨン.1960)、3日=「あの空にも悲しみが」(キム・スヨン.1965)、4日=「チルスとマンス」(パク・クァンス.1988)、5日=「星たちの故郷」(イ・ジャンホ.1974)、6日=「帰路(イ・マニ.1967)。11:30~の1回のみ上映。詳細は→コチラ
 なお、チェッコリでは今年3月に刊行された『韓国映画100年史』(明石書店)の著者・鄭琮樺(チョン・ジョンファ)さんのトークイベントが6月10日(18時)に予定されています。

 上記以外の鑑賞予定を立てようと各映画館の今後のラインナップを見ると、これは観なくてはという作品がゾロゾロ。
 シネマ・ジャック&ベティでは「わたしは、ダニエル・ブレイク」「タレンタイム~優しい歌」「人生タクシー」は必見だな。ブルク13の「ムーンライト」も。昨晩桜木町に行った時混み具合を見てみたら10分前で満席。基本的に上映館数が少な過ぎ? 横浜シネマリンの「すべての政府は嘘をつく」はどうかな? キネカ大森では「怒り」「永い言い訳」の2本立て。ヌルボはどちらも見逃しているだけにすごくウレシイ! これも行かなくちゃ。5日までか。ル・シネマの「Don't Blink ロバート・フランクの写した時代」とか、東京都写真美術館で公開中の「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>」も気になるし・・・と思ったら、どちらもいずれシネマ・ジャック&ベティで公開されるのか! しめしめ。ユーロスペースで6日公開の「台北ストーリー」も3週間遅れながら上映してくれるし、ホントにありがたいありがたい!
 しかし、これから10日間くらいで何本観られるのだろう?

 今韓国では<全州国際映画祭>(4月27日~5月6日)の真っ最中。<Kstyle>内の関係記事だけでもいろいろあります。(→コチラ。) ヌルボとしては、情報チェックは終わってからだな。
    
「朝鮮日報」4月28日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
  マック王国誕生の秘史 ★★★☆
 「王様の事件手帳」
  韓服姿のホームズたち ★★★
 「パワーレンジャー」
  CG効果 少年期の追憶 ★★☆
 「ディナイアル(Denial)」
  歴史歪曲 日本政治家に ★★★☆
 「特別市民」
  韓国政治映画の新一歩 ★★★
 「ザ・シャック」
  ‘苦痛の意味’を問う人に ★★☆
 「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」「パワーレンジャー」「ザ・シャック」については→先週の記事で書きました。他の3作品は下の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月2日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) マリアンヌとマーガレット(韓国)  9.70(47)
②(-) 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(日本)  9.60(124)
③(-) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.57(235)
④(2) 謝罪  9.54(114)
⑤(4) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.44(210)
⑥(6) ヒドゥン・フィギュアズ  9.38(2,569)
⑦(5) 再び、桜(韓国)  9.35(176)
⑧(7) ミス・スローン  9.26(418)
⑨(8) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.25(1,514)
⑩(9) ミミズ(韓国)  9.25(28)

 今回の新登場は②と③の2作品です。
 ②「劇場版 黒子のバスケ LAST GAME」は日本では3月18日公開で、今も全国でやってます。韓国での公開、実に早い。最初からその予定で翻訳、宣伝等進めているのでしょうね。原作コミックも、韓国では第1巻が日本の約1年半遅れで道場して以来全巻が刊行され、漫画原作作品では「ONE PIECE」に続く高い人気を得ています。日本同様の쿠로바스(黒バス)という略称の他に、韓国では「쿠농(クノン)ともいわれているそうです。韓国題は「극장판 쿠로코의 농구 라스트 게임」です。
 ③「徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに」は韓国のドキュメンタリー。徐舒平とは約1世紀前朝鮮に派遣されて来た看護宣教師(1880~1934)の名前(本名はElisabeth Johanna Shepping)です。ドイツ生まれですが子供時代にアメリカに渡り、国籍もアメリカです。ミッション系の中学校、看護専門学校を卒業しニューヨークの病院で働いていた彼女は、朝鮮の深刻な医療状況を聞き、1912年アメリカ南長老海外伝道部の募集に応じて介護宣教師として朝鮮に来ました。彼女は光州の病院で看護師として働きながら日曜学校を助ける一方で韓国語を学び、チマチョゴリを着て人々の間に入っていきました。そして全羅道一帯のハンセン病患者に対し本格的な看護を開始し、また乞食や無力な女性たちのためにも献身的な活動を続けました。朝鮮初の女性神学校であるイイル学校(韓一長神大学校の前身)、朝鮮看護婦会(大韓看護協会の前身)、女伝道会連合会等を創設する等、女性運動と看護の分野に力を尽くしました。彼女は14人の孤児を養子とし、よるべのない寡婦38人と一つの家で暮らしました。また女性の自立等の目的で湖南地域に4千本の桑を植え、養蚕を指導したりもしています。このように22年間幅広く活動してきた彼女はこの地で亡くなりました。光州で初めて市民社会葬として行われた葬儀には、ハンセン病患者をはじめとする多くの市民が参列したとのことです。そんな彼女の一生をたどった作品です。なお語りはハ・ジョンウが担当しています。先週紹介した「マリアンヌとマーガレット」と重なる部分がけっこうありますね。原題は「서서평, 천천히 평온하게」です。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) ヒグマの英雄バムセ:泥棒たちの町  8.00(1)
④(4) ムーンライト  7.83(6)
④(4) 夜に海岸で独り(韓国)  7.83(6)
⑥(6) マンチェスター・バイ・ザ・シー  7.75(8)
⑦(7) ジョン・ウィック チャプター2  7.67(3)
⑧(-) 私たち(韓国)  7.66(14)
⑨(9) 謝罪  7.33(3)
⑩(-) ズッキーニと呼ばれて  7.25(4)

 今週も新登場はありません。昨年6月公開の「私たち」は新作に入れるのは疑問もありますが、本記事では公開日が過去1年以内であれば新作扱いにしています。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月28日(金)~4月30日(日) ★★★

         「特別市民」 10週ぶりの韓国映画首位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(25)・・特別市民(韓国) ・・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・598,737・・・・・・・・・・・・904,408・・・・・・・・・6,991・・・・・・・1,150
2(21)・・王様の事件手帳(韓国) ・・・・・4/26・・・・・・・・・・・517,705・・・・・・・・・・・・722,374・・・・・・・・・5,602・・・・・・・1,064
3(1)・・ワイルド・スピード ICE BREAK・・4/12 ・・・・・・・・353,170 ・・・・・・・・・・3,199,366 ・・・・・・・26,394・・・・・・・・・715
4(27)・・スマーフ:失われた村・・・・・・・4/28・・・・・・・・・・・158,298 ・・・・・・・・・・・・159,854 ・・・・・・・・1,201 ・・・・・・・・607
5(28)・・劇場版 トボット ・・・・・・・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・51,848 ・・・・・・・・・・・・・57,193 ・・・・・・・・・・451 ・・・・・・・・231
        ロボット軍団の襲撃(韓国)
6(3)・・美女と野獣・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/16・・・・・・・・・・・・38,280 ・・・・・・・・・・5,094,137 ・・・・・・・41,794 ・・・・・・・・239
7(2)・・パパは娘(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・・・33,734・・・・・・・・・・・・629,655・・・・・・・・・4,932 ・・・・・・・・331
8(54)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・・28,119 ・・・・・・・・・・・・40,346 ・・・・・・・・・・300 ・・・・・・・・234
        ゆっくり平穏に(韓国)
9(新)・・劇場版 黒子のバスケ・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・・9,336・・・・・・・・・・・・・14,752 ・・・・・・・・・・112 ・・・・・・・・・93
        LAST GAME(日本)
10(85)・・ディナイアル(Denial)・・・・・・・4/27・・・・・・・・・・・・・7,762・・・・・・・・・・・・・11,383 ・・・・・・・・・・・90 ・・・・・・・・104
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 チェ・ミンシク主演「特別市民」は2月17~19日のランキングで「再審」が1位になって以来10週ぶりの韓国映画の首位。続く2位も韓国時代劇。韓国映画界の関係者はほっとしてるかも。
 今回の新登場は1・2・4・5・7・8・9・10位の8作品。こんなに多いのは初めてかな?
 1位「特別市民」は韓国のドラマ。ただソウルだけを愛する、足で走るソウル市長のピョン・ジョング(チェ・ミンシク)。しかし、実はどんな政治家よりも最高権力を志向し徹底的にイメージ管理をする政治家です。その彼が次期大統領選挙を狙って史上初の3選目のソウル市長に挑戦し、選挙に臨みます。彼は選挙工作の第一人者であるシム・ヒョクス(クァク・ドウォン)を選挙対策本部の部長に据え、果敢に選挙の場に飛び込んだ若い広告専門家のパク・キョン(シム・ウンギョン)をスカウトし、いよいよ選挙戦のただ中に・・・。しかし、他の候補者たちの熾烈な攻勢に思いも寄らない事件まで重なって、ジョングは何度も危機に見舞われます・・・。5月9日の大統領選を計算に入れた作品なのかな? 原題は「특별시민」です。
 2位「王様の事件手帳」は韓国のエンタメ時代劇。全ての事件を直接解明しなければ気がすまないという聡明な王の睿宗[イェジョン](イ・ソンギュン)。その王の補佐役に任命されたのが学識・家柄・外見ともに優れ、並外れた記憶力まで兼ね備えた新米士官のユン・イソ(アン・ジェホン)です。しかし、意欲はあるものの頼りない行動の多いイソは睿宗の冷たい視線を浴びたりもしています。そんな時、漢陽の都に怪異な噂が流れ始めます。怪しい噂の真相を明らかにしようと王様と王様に従う新入士官。宮殿を越え塀を越え、愉快な科学捜査が始まります。原題は「임금님의 사건수첩」です。ところで、睿宗って15世紀後半に実在した睿宗を想定しているのかな? それとも全くの架空の人物?
 4位「スマーフ:失われた村」(仮)は、アメリカのアニメシリーズの第3作。スマーフは本来はベルギー生まれの漫画キャラで、アメリカでも人気の青色の小人たちです。今回の物語は、スマーフェッテが失われた秘密の森の地図を発見するところから始まります。そこはパパスマーフが絶対入るなと言っていた場所。しかし彼と仲間たち4人はパパスマーフをまんまとだまし、その秘密の森に冒険に出ます。そこで彼らは偶然丸い目、青い体の正体不明の人(?)を発見します。一体誰なのかすごく気になった彼らですが、その人はすぐ消えてしまいます。秘密の森は彼らが生まれて初めて見る生物がいっぱいの神秘の空間でした。ところが感嘆もつかの間、彼らは魔法使いガーガメルに追いかけられ、驚いて逃げます。するとその途中、なんとあれほど気になっていた正体不明の連中とばったり出くわします・・・。韓国題は「스머프: 비밀의 숲」。日本公開は未定のようです。
 5位「劇場版 トボット ロボット軍団の襲撃」は韓国のアニメ。トボットとは、2009年の発売以来子供たちに爆発的な人気を得てきた変身ロボットで、TVアニメも放映されてきました。つまり、以前紹介したミニカーがロボットに自動変身するターニングメカード(TURNING MECARD)と同系統の玩具です。本作品はその劇場版。済州島に旅行に来たお父さんのドウンと双子の息子のハナとドゥリ。しかし楽しい時間もつかの間、ドウンは用事が入って先に帰ってしまい、ハナとドゥリは淋しく思います。一方、済州島は正体不明のロボット軍団から襲撃を受けます。これを救うためやってきたのがトボット。ロボット軍団の中にはなんと悪党ロボットにされてしまったドウンの姿も! トボットとハナとトゥリたちははたしてお父さんを救い出せるか・・・。原題は「극장판 또봇:로봇군단의 습격」です。
 8位「徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり平穏に」と9位「劇場版 黒子のバスケ LAST GAME」については上述しました。
 10位「ディナイアル(Denial)」(仮)は米英合作のドラマ。ホロコーストを否定するイギリス人の歴史学者ビッド・アービングと、それを批判するアメリカ人の歴史学者デボラ・リップシュタットとの間の実際の法廷での攻防を映画化した作品です。
1994年のアトランタ。ある日デボラ(レイチェル・ワイズ)教授の講演の場に デビッド(ティモシー・スポール)がやってきて、「ホロコーストの証拠を持って来られるか?」とデボラを攻撃し、むしろ自分を侮辱したと彼女を名誉毀損罪で告訴します。イギリスはアメリカとは異なり、無罪推定の原則が適用されないため、デボラはホロコーストが存在していたという事実を証明しなければなりません。真実を守ろうとする彼女に、弁護士アンソニー・ジュリアス(アンドリュー・スコット)等が合流して勝訴戦略を展開するのですが・・・。原題「DENIAL」は「否定」の意味です。前掲の「朝鮮日報 ぴったり10字評」にもあるように、日韓間の歴史認識問題にも関わるテーマです。韓国題は「나는 부정한다」。日本公開は未定のようです。私ヌルボ、個人的にはすごく観てみたいんだけどなー。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(27)・・徐舒平(ソ・ソピョン)、・・・・・・・・・・・4/26・・・・・・・・・・・・28,119 ・・・・・・・・・・・40,346 ・・・・・・・・・・・・300 ・・・・・・・・・234
        ゆっくり平穏に(韓国)
2(42)・・ディナイアル(Denial)・・・・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・・7,762・・・・・・・・・・・・11,383・・・・・・・・・・・・・・90・・・・・・・・・104
3(1)・・ザ・シャック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/20 ・・・・・・・・・・・・4,872・・・・・・・・・・・・49,328 ・・・・・・・・・・・・375・・・・・・・・・・30
4(6)・・ダンサー、セルゲイ・ポルーニン・・4/13 ・・・・・・・・・・・・4,537・・・・・・・・・・・・21,748・・・・・・・・・・・・・174 ・・・・・・・・・34
        世界一優雅な野獣
5(5)・・マリアンヌとマーガレット・・・・・・・・・4/20 ・・・・・・・・・・・・3,967・・・・・・・・・・・・18,375・・・・・・・・・・・・・131・・・・・・・・・・31

 今回は1位「徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり平穏に」と2位「ディナイアル(Denial)」が新登場ですが、いずれについても上述しました。


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