ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国で公開中の映画 <NAVER映画>の人気順位 [3月9日(水)現在] ▶「不思議の国の数学者」はチェ・ミンシクが脱北した天才的数学者を演じる - いろいろ調べて得たネタはオモシロイが期待度は・・・

2022-03-14 19:32:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事でちょっと注目した韓国映画は「不思議の国の数学者(이상한 나라의 수학자)」です。
 注目した理由その1は主演がチェ・ミンシクということ。「鳳梧洞(ポンオドン)戦闘」から3年ぶりです。
 その2は彼が演じているのが脱北者であるということ。
 その3が<数学>が大きなテーマになっていること。ストーリーは下にも書きましたが、学問の自由を渇望して脱北した天才数学者イ・ハクソン(チェ・ミンシク)が自分の経歴や脱北の目的を隠したまま英才が集まる自立型私立高校で無愛想な警備員として働いていたところ、彼の正体を知った数学落ちこぼれの生徒(キム・ドンフィ)から数学を教えてほしいと頼まれ引き受けるが、それが両者にとって人生の転機をもたらした、というもの。
 ただ、観た人、とくに映画ジャーナリスト氏の評価はさほど高くないんですね。ま、低いとも言い切れないんですが・・・。こういう内容だからアクションは当然関係ナシとしても、展開に意外性が乏しく、ほぼ予測の範囲内に着地するといったことのようです。また、脱北者がどのように描かれているかについては個人的に大きな関心事ですが、どうもその点自体には重点が置かれてないようで、「学問の自由を渇望して脱北した」ものの韓国に来てみれば「数学が大学入試ツールとしてしか使われていない」という現実を知って失望して目立たない仕事をしているということ。数学落ちこぼれの生徒の担任は生徒の成績と進学にのみ関心を置く教師で、「正解を求めるまでの過程が大切なんだ」と説くイ・ハクソンとは対極的な人物設定。つまり、本作のねらいはまず韓国の受験教育批判にあるように思われ、彼の脱北も「政治的な目的ではなく・・・」と最初から政治問題、北朝鮮の問題は回避されてるような・・・。ま、それでもチェ・ミンシクは「シュリ」以後22年ぶりの北朝鮮方言ということで、実際に脱北者から教わったりして努力したそうです。
 数学について。本作は企画から撮影現場まで「数学者・科学者総出動」だったとかで、またアメリカの有名な数学者ジョン・フォン・ノイマンの名言を応用した」とのこと。→コチラの記事中のどんな言葉ですかね? まさか「京都が日本国民にとって深い文化的意義をもっているからこそ殲滅すべき」じゃないと思いますが・・・。フォン・ノイマンといえばゲーム理論で知られていますが(?)、今→ウィキペディア彼の逸話を見てみて下さい! 彼の超人的な頭脳にだだ驚くばかり!!
 数学関連ネタもう1つ。本作のostは<π(パイ)ソング>という曲だとあったのでさっそくググって→コチラを聴いてみると明らかに違う(笑)。で→コチラが本物のostなんですが、なかなかいいフンイキで何となく約1時間PC入力のBGMとして聴いてしまいました。しかしなんでこれが<πソング>かはわからず、です。→もうひとつの<πソング>は楽譜が付いてるからナルホドなんですけどね。
 ことのついでにもうひとつ。いろいろ韓国語の記事を見ているとフツーの辞書にはない新語・俗語が出てきます。本作関係の記事で知ったのは<수알못>(スアルモッ)という言葉。<알못>(アルモッ)については→コチラの説明にあるように<ある分野についてよく知らない人>の意で、ほとんどが<○알못>の形で使われる、ということ。で<수알못>はもちろん수학(数学)が苦手な人。同様に歴史(역사)オンチだと<역알못>になりますね。
 以上、「不思議の国の数学者」の作品自体に対する期待度はあまり高まりませんでしたか、関連していろいろおもしろいことを知りえたのは大収穫でした。
 あ、疑問がひとつ残ってたぞ。<不思議の国>(奇妙な国? 異常な国?)というのは北朝鮮のこと? それとも韓国?(←たぶんコチラ)

    ★★★ NAVERの人気順位(3月9日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) 僕のヒーローアカデミア THE MOVIE
       ワールド ヒーローズ ミッション(日本)  9.90(50)
②(2) 蝉の声(韓国)  9.78(164)
③(1) しなやかに(韓国)  9.69(13)
④(4) SING/シング:ネクストステージ  9.43(2,576)
⑤(3) 戦闘王(韓国)  9.38(411)
⑥(5) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.33(992)
⑦(7) コーダ あいのうた  9.19(766)
⑧(6) 幸せの答え合わせ  9.11(53)
⑨(新) 不思議の国の数学者(韓国)  8.89(347)
⑩(9) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  8.86(19,395)

 ①と⑨の2作品が新登場です。
 ①「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」は、私ヌルボ、そもそも「少年ジャンプ」の連載漫画からして全然読んでないので語る資格ナシ・・・と、これまで片づけてきましたが、最近ちょっとウィキペディアの<僕のヒーローアカデミア>(→コチラ)を見てみるといろいろ興味が湧いてきました。「戦闘じゃなくて人を救うこと」からスタートしたヒーロー像がその後いろんな価値観で動き始めたため「ヒーロー像をひとまとめにすることをやめ、「ヒーローってなんなんだろう」ということを考えて描くようになっていった」と作者が語っているのは(僭越ながら)進歩だと思うし、また<絶対的正義>に対しては首を傾げる多くの日本人らしいヒーロー観と思われます。ということで、そのうち漫画を読んでみるかなと思った次第。それにしても、登場人物の名前は「鬼滅の刃」等と同様に独特の漢字の用い方で現実にはありえないものばかり。よくこんなの考えつくなー、と思います。中国の人たちにとってはどんなイメージなんですかねー? 韓国題は「나의 히어로 아카데미아 더 무비: 월드 히어로즈 미션」です。
 ⑨「不思議の国の数学者」は韓国のドラマ。イ・ハクソン(チェ・ミンシク)は学問の自由を渇望して脱北した天才数学者です。しかし彼は自身の身分と理由を隠したまま上位1%の英才が集まる自立型私立高校の警備員として暮らしています。冷たく不愛想な表情の彼は生徒たちの一番の忌避対象なのですが、ある日自分の正体を知って数学を教えてくれとせがむ数学をあきらめた生徒ハン・ジウ(キム・ドンフィ)と出会います。正解だけを探す世界でさまようハン・ジウに正しい解き方の過程を見つける方法を教え、イ・ハクソンもまた思いもよらぬ人生の転換期を迎えることになります・・・。原題は「이상한 나라의 수학자」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) パワー・オブ・ザ・ドッグ  7.75(4)
③(3) ドント・ルック・アップ  7.60(5)
④(4) DUNE/デューン 砂の惑星  7.56(9)
⑤(5) ウエスト・サイド・ストーリー  7.50(8)
⑥(6) リコリス・ピザ  7.33(6)
⑦(新) THE BATMAN-ザ・バットマン-  7.30(10)
⑧(7) 妊娠した木とトッケビ(韓国)  7.17(6)
⑨(8) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  7.09(11)
⑩(9) ピッグ  7.00(8)

 ⑦「THE BATMAN-ザ・バットマン-」が新登場ですが、日本でも3月11日から公開されているので説明は省略します。韓国題は「더 배트맨」です。


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