ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [1月27日(金)~1月29日(日)]

2017-01-31 22:43:03 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 25日、今年最初の韓国映画「奴隷の島 消えた人々」を鑑賞。2014年に韓国で大きく報道された新安塩田奴隷事件(→ウィキペディア)を背景とした作品。100人を超える知的障碍者たちが奴隷のような労働を強いられていたという事件で、私ヌルボ、事件そのものをもっと掘り下げた作品かと期待しました。塩田業者と現地の派出所の警官との癒着など、前半は核心に肉薄していくようすでしたが、ラストは「アラ、結局はミステリーの背景に止まったの?」と肩透かしを食らったような・・・。この事件、その後の塩田や障碍者の人たち等のようすはどうなんだろ? また、この作品に対するネチズンのカキコミを見ていて気になったのは、事件が起こった全羅道に対する嘲笑めいたものが散見されたこと。一方全羅道だけの話か?というものも・・・。なお、撮影地の島は新安ではなく、仁川方面の島とのこと。

 20日に観た「湾生回家」は植民地時代の台湾で生まれ育った日本人たちのドキュメンタリー。台湾を懐かしみ、今も台湾に行って思い出の場所に行って旧交を温めたりしている人たち。台湾の役場でも昔の戸籍謄本を用意してくれたり、とても好意的に迎えてくれます。植民地時代を体験した台湾のお年寄りは「日本はいいことをたくさんした。治安を改善し、産業を発展させた。よくないこともあったが、時代が時代だから」とか「植民地だと思っていなかった。日本の九州とかと同じように、ここも日本の台湾だと・・・」等々と語ったりもしています。一方、輝国した「湾生」の人たちもその後植民地支配にたいして批判的な視点を持つようにもなっています。こうした作品が台湾で作られ、多くの観客を集めてロングラン上映されるとは・・・となると、韓国オタクのヌルボならずとも思い浮かぶのは韓国との違い。同じようなドキュメンタリーは韓国ではまず作られないでしょう。ただ、→コチラのブログ記事は読むに値する内容だと思いました。韓国の全羅道(海南)で生まれ育ったお祖父さんと共に同郷の日本人団体に参加して現地を訪れた時、「俺たちは義兄弟だ」「住む国は違っても、今でも私たちは義兄弟です」といいながら抱き合っていた日本人と韓国人2人のやり取りが一番印象的で今でも覚えているとのこと。台湾の「親日」ぶりについて、たとえば韓国紙「ハンギョレ」は、2008年公開の台湾映画ヒット作「海角七号、君想う国境の南」について「台湾映画、むやみに切なく植民地時代を懐かしむ」という見出しの記事を載せています。(→コチラ。自動翻訳) そこにも記されているように、韓国では台湾の辿ってきた昔からの、あるいは戦後の歴史から解釈することがふつうのようです。ナムウィキの<台湾-日本の関係>の項目(→コチラ.自動翻訳)も同様。まあそれもあるでしょうが、自国の、とくに戦後の歴史・社会についてほとんど考えをめぐらしていない点はどうかと思います。また上記「ハンギレ」の記事中「加害者を許すことは被害者の役割である。したがって被害者が許す前に救われる加害者は怒りをよぶ。ところが加害国日本の男性は個人と国家を分離したことで、救いの名分を得た」というくだりは「うーむ、そう考えるのか・・・」とミゾの深さを痛感しました。

 ひと月以上前のニュースですが、映画専門誌「シネ21」による2016年韓国映画ベスト5は以下の通りです。
  ①お嬢さん(アガシ) ②哭声 ③荊棘〈ばら〉の秘密(秘密はない) ④アシュラ ⑤私たち

 先週も「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」、「映画200字評」は掲載されませんでした。以前もこのまま終わるのかとおもわれた長期休載がありましたが、今回はどうなのかな?

         ★★★ NAVERの人気順位(1月31日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.53(191)
②(3) ウィークエンド(韓国)  9.44(137)
③(5) オアシス:スーパーソニック  9.30(451)
④(6) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.29(1,107)
⑤(4) ボブという名のストリート・キャット  9.26(300)
⑥(9) モアナと伝説の海  9.12(7,177)
⑦(7) ヨーヨー・マと旅するシルクロード  9.12(33)
⑧(8) 学校に行く日  9.11(73)
⑨(10) 従順(韓国)  9.10(141)
⑩(-) SING/シング  8.97(6,150)

 今回の新登場はありません。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) はじまりへの旅  7.50(9)
④(6) 君の名は。(日本)  7.17(6)
⑤(7) ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー  7.16(8)
⑥(8) オアシス:スーパーソニック  7.16(2)
⑦(10) 恋物語(韓国)  7.00(7)
⑧(-) 女教師(韓国)  7.00(5)
⑨(-) たかが世界の終わり  6.86(7)
⑩(-) マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ  6.83(6)

 今回の新登場は⑩「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」だけです。日本でも1月21日に公開されています。韓国題は「매기스 플랜」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績1月27日(金)~1月29日(日) ★★★

         韓国映画対決は「共助」が「ザ・キング」を逆転してトップに浮上
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(2)・・共助(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/18 ・・・・・・・・・1,933,446 ・・・・・・・・・・3,793,300・・・・・・・・31,183 ・・・・・・・1,383
2(1)・・ザ・キング(韓国)・・・・・・・・・・・・・1/18 ・・・・・・・・・1,249,855 ・・・・・・・・・・3,835,301・・・・・・・・31,499 ・・・・・・・1,118
3(3)・・モアナと伝説の海・・・・・・・・・・・・1/12・・・・・・・・・・・298,453 ・・・・・・・・・・1,728,817・・・・・・・・13,534・・・・・・・・・708
4(新)・・バイオハザード:ザ・ファイナル・・1/25・・・・・・・・265,352 ・・・・・・・・・・・・409,549・・・・・・・・・3,442・・・・・・・・・599
5(4)・・君の名は。(日本)・・・・・・・・・・・・・1/04・・・・・・・・・・・154,653 ・・・・・・・・・・3,367,348・・・・・・・・27,134・・・・・・・・・529
6(6)・・ラ・ラ・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07・・・・・・・・・・・・58,333 ・・・・・・・・・・3,122,125・・・・・・・・26,144・・・・・・・・・205
7(5)・・ターニング メカードW・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・・52,245 ・・・・・・・・・・・・362,763・・・・・・・・・2,704・・・・・・・・・412
        ブラックミラーの復活(韓国)
8(新)・・映画クレヨンしんちゃん 爆睡!・・1/25・・・・・・・・・42,578・・・・・・・・・・・・・61,897・・・・・・・・・・・474・・・・・・・・・334
        ユメミーワールド大突撃(日本)
9(新)・・バーニング・オーシャン ・・・・・・1/25・・・・・・・・・・・・40,395・・・・・・・・・・・・・68,381・・・・・・・・・・・531・・・・・・・・・400
10(7)・・マリアンヌ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/11・・・・・・・・・・・・17,949・・・・・・・・・・・・499,684 ・・・・・・・・・4,117・・・・・・・・・134
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 韓国映画の2作品が高レベルでしのぎを削ってます。結果は「共助」が逆転して「ザ・キング」を抑え1位。しかし、「共助」の北朝鮮による共同捜査という設定自体がいかに現実離れしているか、韓国の人たちはどこまでわかっているのかな? 「ザ・キング」で描かれる法曹界と政治の癒着の方がはるかにリアルだと思いますが・・・って、これらのことは作品自体のおもしろさや評価とはそんなに関係ないか?
 今回の新登場は4・8・9位の3作品です。
 4位「バイオハザード:ザ・ファイナル」は、日本ではすでに昨年12月23日に公開されています。韓国題は「레지던트 이블: 파멸의 날」です。
 8位クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃」については例によりコメントする資格ナシ。韓国題は「짱구는 못말려 극장판: 폭풍수면! 꿈꾸는 세계 대돌격」です。「爆睡」は「폭풍수면(暴風睡眠)」と訳されていますが、一般的な韓国語ということではなさそう。
 9位「バーニング・オーシャン」は2010年4月のメキシコ湾原油流出事故の実話に基づくアメリカのスペクタクル・ドラマ。物語の舞台はメキシコ湾沖80キロの洋上の石油ボーリング船ディープウォーター・ホライズン号。営利優先の経営陣が安全確認を怠って工事を強行したため天然ガスが引火・爆発する事故が起こり、施設は火の海に包まれます。施設内に閉じ込められた作業員のマイク(マーク・ウォールバーグ)たちは必死に脱出方法を模索します・・・。韓国題は「딥워터 호라이즌」。日本公開は4月です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(19)・・マギーズ・プラン ・・・・・・・・・・・・・・1/25・・・・・・・・・・・・・9,585・・・・・・・・・・・・17,362・・・・・・・・・・・・・141 ・・・・・・・・・84
        幸せのあとしまつ
2(1)・・たかが世界の終わり ・・・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・・・3,160・・・・・・・・・・・・22,201・・・・・・・・・・・・・174 ・・・・・・・・・46
3(2)・・リトル・ダンサー・・・・・・・・・・・2001/2/16・・・・・・・・・・・・・1,808・・・・・・・・・・・・22,990・・・・・・・・・・・・・158 ・・・・・・・・・30
4(4)・・わたしは、ダニエル・ブレイク ・・・12/08・・・・・・・・・・・・・1,469・・・・・・・・・・・・81,255・・・・・・・・・・・・・624 ・・・・・・・・・17
5(5)・・エゴン・シーレ 死と乙女 ・・・・・・・12/22・・・・・・・・・・・・・・・894・・・・・・・・・・・・46,468・・・・・・・・・・・・・370 ・・・・・・・・・・9

 1位「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」だけが今回の新登場ですが、この作品については上述の通り日本で公開済みです。

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