ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国の文学館 ①ソウル編

2015-07-07 23:58:17 | 韓国の文学館(全)
 2015年4月、ソウルの国立中央図書館に行ってきました。
 そこでソウル市内の文学館一覧のようなものがあるか尋ねてみました。何年か前に行ったことがある、地下鉄東大入口近くの韓国現代文学館のような文学館や、特定の作家の文学館といったものが他にあれば行ってみようかなと思ったからです。
 すると、ソウルだけでなく、韓国内の文学館のリストをコンピューターからプリントアウトしてくれました。総数約100館です。見てみるとソウルは思ったほど多くはありませんが、地方には「そばの花咲く頃」で知られる李孝石(イ・ヒョソク)文学館(江原道平昌郡)や、これも有名な「ソナギ(にわか雨)」の作家黄順元の黄順元文学村 ソナギ村(京畿道楊平郡)等々、著名な作家の文学館がいくつもあります。鄭芝溶や徐廷柱等の詩人の文学館も当然あります。ヌルボが個人的にぜひ行こうと思ったのは、昌原市にあるという児童文学の巨匠にしてあの「故郷の春」の作詞者でもある李元寿(イ・ウォンス)文学館です。
 このリストについて後で調べたところ、韓国文学館協会の資料と思われます。
 そこで、その公式サイト(http://www.munhakwan.com/)と照らし合わせながら基本事項を日本語に訳し、また作家等の簡単な説明をつけてブログに載せることにしました。
 内容的には必ずしも文学館とはいいがたい施設も含まれていますが、区分がむずかしい点もあるのでそのまま載せました。
 このようなリストは私ヌルボの知るかぎり日本のサイトでは見当たらないようです。そこでヌルボのような(?)韓国オタクや、韓国文学に興味を持っている皆さん、とくに若い学徒の諸君(←大時代的表現だな^^;)に多少なりともお役にたてればと考え、ちょっと手間ヒマかけて作ってみたというわけです。
 数が多いので、9つの地域別に分けて順次アップします。

※各欄の背景の色がピンクのものは韓国文学館協会所属の施設、緑色のものは所属していない施設です。
※紹介した作品は日本で刊行されているものです。(絶版書を含む。)

«ソウル»
1金洙暎(キム・スヨン)文学館
김수영문학관
○住 所 :132-835 ソウル特別市道峰区海等路 32キル 80
       (132-835 서울특별시 도봉구 해등로 32길 80)
○電 話 :02-2091-5673
○公式サイト:http://kimsuyoung.dobong.go.kr/
○開館年 :2013年
○観覧時間:9:00~18:00(入館は17:30まで)
○休館日 :1月1日、旧正月、秋夕
○作 家 :金洙暎(キム・スヨン)=1921~1968年。1968年交通事故で逝去した後も、社会参与派を代表する詩人として民主化運動の高まりの中で愛読された。
○作 品 :「金洙暎全詩集」(彩流社.2009)・「韓国三人詩選 金洙暎・金春洙・高銀」(彩流社.2007)・「金洙暎詩集―巨大な根」(梨花書房.1978)
関連URL:https://www.facebook.com/study.korean.noma/posts/473818062724575
2文学の家ソウル
문학의집 서울
○住 所 :100-250 ソウル特別市中区退渓路26キル65
       (100-250 서울특별시 중구 퇴계로 26길 65)
○電 話 :02-778-1026~7
○mail  :imhs@imhs.co.kr
○公式サイト:http://www.imhs.co.kr/
○開館年 :2001年
○観覧時間:10:00~17:30
○休館日 :日曜、公休日
○施設概要:文学講座・朗読会等の催しや展示を通じて作家や文学を愛好する市民の交流の場。
3三省出版博物館
삼성출판박물관
○住 所 :110-804 ソウル特別市鍾路区飛鳳キル2-2
       (110-804 서울특별시 종로구 비봉길2-2)
○電 話 :02-394-6544
○mail  :applemint96@naver.com
○公式サイト:http://www.ssmop.org/
○開館年 :1990年
○観覧時間:10:00~17:00
○休館日 :土・日曜、公休日
○施設概要:三省出版社が開設した韓国最初の出版博物館。国宝を含む歴史的書物の他、木版・木活字・鉛活字・硯・筆・紙等を展示。
4世界女性文学館
세계여성문학관
○住 所 :140-742 ソウル特別市龍山区青坡路47キル100(淑明女子大学校図書館内)
       (140-742 서울특별시 용산구 청파로 47길 100(숙명여자대학교 도서관 내)
○電 話 :02-710-9120
○mail  :libjieun@sm.ac.kr
○公式サイト:http://wowlic.sookmyung.ac.kr/
○開館年 :2000年
○観覧時間:月~金曜9:00~18:00、土曜9:00~13:00
○休館日 :休日、公休日
○施設概要:作家・作品・関連学術誌・写真映像等の電子情報、企画展示等。
5韓国現代詩博物館
한국현대시박물관
○住 所 :110-521 ソウル特別市鍾路区恵化路3街キル4
       (110-521 서울특별시 종로구 혜화로3가길 4)
○mail  :poem@poem.ac
○開館年:2007年
○観覧時間:10:00~18:00
○休館日:土・日・公休日 (※土は予約時可能)
○公式サイト:http://www.poem.ac/(閉鎖中?)
         https://twitter.com/poemmuseum
〇施設概要:慶熙大キム•ジェホン教授が自身が住んでいた家を改造して開設。稀覯本の詩集や詩人の肉筆原稿、同人誌、文芸誌、研究書等の他、代表的詩人60人の肖像画を展示。
○関係記事(韓国語):http://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/317682.html
6寧仁(ヨンイン)文学館
영인문학관
○住 所 :110-848 ソウル特別市鍾路区平倉30キル81
       (110-848 서울특별시 종로구 평창 30길 81)
○電 話 :02-379-3182
○mail  :younginkang@naver.com
○公式サイト:http://www.young-in.kr/main/index.asp
○開館年 :2001年
○観覧時間:火~日曜10:30~17:00
○休館日 :月曜
○施設概要:韓国の文学資料を収集、展示する文学資料館。「縮み志向の日本人」の著者として有名な李御寧(イ・オリョン)韓国初代文化相と夫人の姜仁淑(カン・インスク)建国大学名誉教授により設立。(館長は姜仁淑氏)
7尹東柱(ユン・ドンジュ)文学館
윤동주문학관
○住 所 :110-030 ソウル特別市鍾路区彰義門路119
       (110-030 서울특별시 종로구 창의문로119)
○電 話 :02-2148-4175
○開館年:2012年
○観覧時間:[3~10月]10:00~18:00、[11~2月]10:00~17:00
○休館日 :月曜、祝日、旧正月、秋夕
○作 家 :尹東柱(ユン・ドンジュ)=1917~45年。日本留学中治安維持法違反の嫌疑で逮捕・起訴され1945年2月16日福岡刑務所で獄死。戦後詩集が刊行され抒情詩人・民族詩人・抵抗詩人として知られるようになった。
○ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%B9%E6%9D%B1%E6%9F%B1
○作 品 :「空と風と星と詩 尹東柱詩集」(岩波文庫.2012)等
○評 伝 :宋友恵「空と風と星の詩人尹東柱(ユンドンジュ)評伝 」(藤原書店.2009)
○公式サイト(?):https://ko.foursquare.com/v/%EC%9C%A4%EB%8F%99%EC%A3%BC%EB%AC%B8%ED%95%99%EA%B4%80/4dc227e045ddd5b5b6a74032
○ソウルナビ:http://www.seoulnavi.com/miru/1900/
8韓国現代文学館
한국현대문학관
○住 所 :100-855 ソウル特別市中区東湖路268
       (100-855 서울특별시 중구 동호로 268)
○電 話 :02-2277-4857
○mail  :shi1997@daum.net
○公式サイト:www.kmlm.or.kr
○開館年 :1997年
○観覧時間:月~金曜10:00~17:00、土曜10:00~12:00
○休館日 :日曜、公休日
○施設概要:詩・小説の作品集1,000余点、作家の肉筆原稿300点、写真約1,000点、文芸誌100余点を展示し、展示会や文学セミナーを開催
○関連ブログ記事:http://syoujiten.exblog.jp/6960762/
            http://ameblo.jp/kangurume/entry-11035348728.html
9韓戊淑(ハン・ムスク)文学館
한무숙문학관
○住 所 :110-521 ソウル特別市鍾路区恵化路9キル20
       (110-521 서울특뵬시 종로구 혜화로 9길 20)
○電 話 02-762-3093
○mail  :hanms01@hanmail.net
○公式サイト:www.hahnmoosook.com
○開館年:2001年
○観覧時間:火~日曜10:30~17:00
○休館日 :月曜
○作 家 :韓戊淑(ハン・ムスク)=1918~93年。国際ペンクラブ韓国本部理事、韓国女流文学人会の会長等を歴任。
○作 品 :「現代韓国文学選集 第3巻」(冬樹社.1973)に短編「感情ある深淵」所収。
○ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E6%88%8A%E6%B7%91

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [7月3日(金)~7月5日(日)]

2015-07-07 19:09:21 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 昨日(6日)久しぶりにシネマベティに行き、久しぶりに映画を観ました。「真夜中のゆりかご」です。ずっと緊張を強いられる作品で、なんか意外と自然に結着がつけられたのが不思議。<映画生活>のレビュー中に「見る者の魂に揺さぶりをかけるビア監督らしい作品で、よくもまあ毎回極端な葛藤シチュエーションを生み出すものと感服する。 一年、365日、24時間ずっとこんな意地の悪い組立を考えているのだろうかと思うだけで胃が痛くなる。(苦笑)」というのがあって、これには(苦笑)も含めて同感。しかし、よく思うことですが、世の中にはいきなり大声で叫んだり怒りをぶちまけたりする人がそんなにいるのもなのでしょうか? 韓国ドラマ&映画でもけっこうよくあるみたいですが、少なくとも私ヌルボの周りではほとんどといっていいほどそんな場面はないんですけどねー。(・・・って「類は友をよぶ」? ホンマかいな。(笑))
 この他、日頃は観ないジャンルの作品だけど世評が高いのが気になっている「マッドマックス 怒りのデス・ロード」と「駆込み女と駆出し男」はやっぱり観てくことにしよう・・・と思いましたが、まだ思っているだけです。

 韓国映画では、近所の横浜シネマリン「国際市場で逢いましょう」と、同じくファン・ジョンミン主演の「傷だらけのふたり」を上映中。(10日まで。) 後者は観てないのでこの機会に行かなければ・・・。昨年暮れ新装開業したこの映画館も強力支援したいからなー。

「朝鮮日報」7月3日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「シュティの地へようこそ」
   昼酒飲んで自転車乗り★★★☆


 「ターミネーター:新起動/ジェニシス」

   ターミネーター、年だな ★★★☆


 「マドンナ」

   君も自由なはずはない ★★★☆

「シュティの地へようこそ」2008年フランスで驚異的な大ヒットを記録した大衆的コメディ。シュティ(Ch'tis)とはベルギーとの国境に接するフランス北部の地の住人こと。主人公は南仏から<左遷>されてここに異動させられた郵便局長。当初は言葉もわからず落ち込んだりしていたのが周囲とのツキアイもできていくうちに居心地がよくなりますが、そこに<偏見のかたまり>の妻が来ることになって・・・。うーむ、たしかにおもしろそう!(詳細は→コチラ参照。) しかし日本では未公開のままです。イタリアのリメイク版「「ようこそ南イタリアへ」(2010)もあって、これも韓国では公開されているのに・・・。「マドンナ」は「無頼漢」とともに今年のカンヌ国際映画祭のある視点部門に招待された韓国映画。患者の命とその家族の金をめぐる問題で看護助手のヘリム(ソ・ヨンヒ)が窮地に立たされる中、ミナ(クォン・ソヒョン)という女性が意識不明で運び込まれたが、彼女の過去を追跡する過程で驚くべき秘密が明らかになってくる・・・。

           ★★★ Daumの人気順位(7月7日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①プロジェクト・イーグル  9.4(37)
②ちいさなドラゴンココナッツ  9.4(20)
③チャップリンの独裁者  9.3(37)
④戦場のピアニスト  9.3(577)
⑤ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ  9.2(126)
⑥少数意見(韓国)  8.8(1015)
⑦トラッシュ!-この街が輝く日まで-  8.7(84)
⑧言えない秘密  8.7(2600)
⑨マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.7(1873)
⑩チャイルド44 森に消えた子供たち  8.6(42)

 ②「ちいさなドラゴンココナッツ」が今回の新登場です。ドイツのアニメで、インゴ・ジーグナーによる同名の児童書(ひくまの出版.2007)が原作。ドラゴン島で暮らすココナッツは空は飛べないがやる気はいっぱいのファイアードラゴンの子ども。食いしん坊ドラゴンのオスカー、美形ドラゴンのマチルダと一緒に神秘の「炎の草」を求めて冒険の旅に出ます・・・。韓国題は「리틀드래곤 코코넛」です。日本公開はなさそう・・・。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②リヴァイアサン  8.6(5)
③セッション  8.4(7)
④ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
⑤バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.4(7)
⑥雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑦少数意見(韓国)  7.2(4)
⑧生きる(韓国)  7.1(8)
⑨無頼漢(韓国)  7.0(8)
⑩スパイ  7.0(5)

 順位・評点とも変動はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月3日(金)~7月5日(日)] ★★★

         日本に先駆けて公開の「ターミネーター」シリーズの新作が1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(49)・・ターミネーター ・・・・・・・・・7/02・・・・・・・・・・・1,238,543 ・・・・・・・・1,493,243・・・・・・・・12,538・・・・・・・1,113
        :新起動/ジェニシス
2(1)・・延坪海戦(韓国) ・・・・・・・・・6/24 ・・・・・・・・・・・・997,045 ・・・・・・・・3,232,512・・・・・・・・24,695・・・・・・・・・898
3(2)・・ジュラシック・ワールド ・・・・6/11・・・・・・・・・・・・352,806・・・・・・・・・5,006,861・・・・・・・・43,600 ・・・・・・・・545
4(3)・・極秘捜査(韓国)・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・199,203・・・・・・・・・2,629,746・・・・・・・・20,656・・・・・・・・・423
5(4)・・少数意見(韓国)・・・・・・・・・・6/24・・・・・・・・・・・・・36,443 ・・・・・・・・・・337,234・・・・・・・・・2,548・・・・・・・・・217
6(27)・・ちいさなドラゴンココナッツ・・7/02・・・・・・・・・・26,367・・・・・・・・・・・・29,257 ・・・・・・・・・・219 ・・・・・・・・209
7(5)・・テッド2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/25 ・・・・・・・・・・・・18,481・・・・・・・・・・1525,932 ・・・・・・・・1,260 ・・・・・・・・・95
8(新)・・ザ・ラザラス・エフェクト・・・7/02 ・・・・・・・・・・・・13,114・・・・・・・・・・・・17,102 ・・・・・・・・・・136 ・・・・・・・・・88
9(10)・・映画 深夜食堂(日本)・・・・6/11 ・・・・・・・・・・・・・1,527・・・・・・・・・・・108,908 ・・・・・・・・・・862 ・・・・・・・・・53
10(新)・・劇場版しまじろうのわお!・・6/25・・・・・・・・・・7,271 ・・・・・・・・・・・・・8,383 ・・・・・・・・・・・57 ・・・・・・・・・74
        しまじろうとフフのだいぼうけん~すくえ!七色の花~(日本)
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「延坪海戦」は1週でトップの座から退いたものの、すでに300万人を超え、MARSの逆風の中ではよく健闘している部類でしょう。
 今回の新登場は1・6・8・10位の4作品です。
 1位「ターミネーター:新起動/ジェニシス」は、日本でも7月10日公開ということですでに諸情報が出回っているので内容紹介等は省略します。しかしシュワちゃんももう67歳か・・・。ようやりますのー、この歳で・・・。韓国題は「터미네이터 제니시스」です。
 6位「ちいさなドラゴンココナッツ」については上述しました。
 8位「ザ・ラザラス・エフェクト」(仮)は、アメリカのホラー。医療チームが<ラザラス>というコードネームの血清により死んだ犬や人を生き返らせる・・・という設定。<ラザラス>という名は、イエスの言葉通り死から蘇った聖書中の人物ラザロに由来するもの。物語は電気事故で心肺停止状態となった医療チームの一員の女性ゾーイ(オリヴィア・ワイルド)が恋人の打った血清によって復活したものの狂暴化して周囲の人々を追い詰めていく・・・という話。韓国題は「라자루스」です。え、このゲルブ監督、あの「二郎は鮨の夢を見る」の監督なの!? 日本公開は未定のようです。
 10位「劇場版しまじろうのわお!しまじろうとフフのだいぼうけん~すくえ!七色の花~」というアニメは私ヌルボ知りませんでしたね。おかげでちょっと日本の幼児向けアニメについてちょっとだけ知識を得ました。韓国版ではしまじろうの妹のはなちゃんの名はやはりハナなんですが、主役のしまじろうはホビ(호비)となってます。まあわかるような気がします。で韓国題は「호비와 엄마나무섬의 비밀」。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・映画 深夜食堂(日本)・・・・・・・・・・・・・6/18 ・・・・・・・・・・・・・12,527 ・・・・・・・・・・・108,908・・・・・・・・・・・・862 ・・・・・・・・53
2(3)・・ひと夏のファンタジア(韓・日)・・・・・・・6/11・・・・・・・・・・・・・・2,618・・・・・・・・・・・・・25,384 ・・・・・・・・・・・199・・・・・・・・・37
3(1)・・デモニック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/25 ・・・・・・・・・・・・・・1,307・・・・・・・・・・・・39,874・・・・・・・・・・・・304・・・・・・・・・21
4(5)・・君が生きた証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/09・・・・・・・・・・・・・・・・806・・・・・・・・・・・・・・3,007・・・・・・・・・・・・・23・・・・・・・・・・6
5(4)・・戦場のピアニスト・・・・・・・・・・・2003/1/01・・・・・・・・・・・・・・・・767・・・・・・・・・・・・・・9,527・・・・・・・・・・・・・76・・・・・・・・・・8

 順位変動はありましたが、新登場の作品はありません。

定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (2)

2015-07-06 23:49:09 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
 <定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (1)>の続きです。

 [ヌルボより] 前回の記事で、水のペットボトルの中身を「別の透明の液体」(!)に移し替えた(笑)という1件はどうしようかなと思いましたがそのまま書きました。たんにおもしろかったので・・・。
 クラス分けテストの結果は、他人事ながら気になっていましたが・・・。

◎3月31日(火)
 朝、衝撃を受けてしまった。クラス分けテストの結果をパソコンで確認しようと中級クラスの欄を探したが名前がない。おかしいなと思いながら初級クラスに移動するとそこに自分の名前があった。これはビギナークラスの次に位置するクラス。中級入りを目指していた自分にとってはちょっと不満でありショックであった。
 校舎の入り口にも結果が掲示してあったが、当然のことながら結果は同じだった。
 地下1階にある教室に入ると14、5人ほどが入れる広さだった。授業開始時間の9時前に先生が現れ、生徒もそろった。皆若い。点呼がありお決まりの自己紹介が始まる。13名のクラスらしいが、今日集まったのは自分を含め9人。国別では中国、マレーシア、スウェーデン、べトナム、タイ、サウジアラビア等。日本人は自分ひとりでほっとする。年齢別ではほとんど20代前半で、後半が1人。年齢差は歴然。まあこれはあらかじめ予測していたことで特に気にならなかったが、多くが冬コース(12~2月)の履修者であり、今回の春コース(3~6月)に引き続いて夏コース(6~8月)も受講することには正直びっくりした。若い人だから時間があるのはわかるが、「よく金が続くな」と親のご苦労にも思いが至る。
 11時過ぎからの入校式に参加する。ここでまた驚くのだが、どこから現れるのかいるわいるわ、大きな講堂が満杯になった。世界55ヵ国から922名が集まったと発表があった。式辞のなかで語学院長が「当校は学内の景色の美しさと国際化対応ではよく知られている」と話していたが、経営もうまいなとつくづく感じ入ってしまった。
 12時半には式が終わったが、人が多くなかなか出られない。やっと出られたが少し雨が降り出していた。教科書を買い行こうと思い校内の書店に行ったら、やはり皆考えは同じでレジは長蛇の列ができていたので、後にすることにして食事に向かう。正門前の食堂はどこも満席。やむなく引き返したところ、人影は引いていたので教科書を購入。文法(문법)、読み(읽기)、書き(쓰기)、会話(말하기)、聞き取り(듣기)の5冊に分かれ、しめて6万5千ウォン。中身を見ると写真や絵が多く使われていた。どうせ全冊買わせるならもう少し工夫して2冊くらいにまとめられないかと思う。ここでも経営上手かと勘繰らせる。内容もすでに7、8年前に習ったようなことが多く落胆する。帰り際に顔を見知った若者に「もう買ったか?」と声をかけたら、「高くて買えないよ」といっていた。大方の本音ではないかと思う。

      
【教材の<慶煕韓国語シリーズ>中の2冊。教保文庫のサイトを見ると1冊11,700ウォンと少し安くなってますが、それでもかなりのお値段になります。(ヌルボ) 】

◎4月1日(水)
 今日から本格的に授業開始。昨日来なかった3人が出席。授業開始前に生徒全員に先生から特別授業の話があった。週4日で、事業時間は3時から5時まで。4月一杯は25万ウォン。またお金がかかると思いつつも、一瞬「上達のためには必要か?」と思って申し込みを考えたが、その後すぐに毎週火曜日に韓国文化授業の一環としてタンソ(短簫.단소)という韓国の伝統的な楽器(縦笛)の講習があるとのこと。特別授業の先生も「特別授業よりこちらのほうがいいと思う」と言われたので文化授業を受けることにした。
 今日は文法と聞き取りの授業。文法は一応理解していたつもりであったが、整理をするのに好都合だった。聞き取りも内容的にはとくにむずかしくはないが、考える暇が与えられず早い速度で聞いて話すことが求められた。意外としんどかった上に、聞いたことを即座に書くことも求められた。つづりもわからない単語が多く、ほとんど書けなかった。若い連中はけっこう力を発揮してきちんとできていて、先生にほめられた生徒もいて感心させられた。
 今日初めて出席したうち、台湾人は授業にあまり協力的でなくスマホを触ったりしていたのでスマホは取り上げられ、先生から格好の集中砲火を浴びる対象となっていた。このクラスの女性陣は総じて元気がなくて先生の問いかけにも反応が薄く、叱咤されていた。
 今日の昼は昨日食べた隣の食堂で食べることにした。自動販売機に戸惑っていたら、入れたはずの千ウォンが出てこなくなった。実際3千ウォンの食事が4千ウォンになってしまった。取り戻すための交渉ができない自分がもどかしい。カレーに似たような料理にホットドックがついてボリュームは十分。味は普通。
 夜(眼鏡屋の)カンさんがカカオトークで電話してきてくれて、飲みに誘われる。近所のコンビニのおばちゃんにヘジャンクのおいしい店を教えてもらっていたので、フェギ駅で待ち合わせてその店に行く。結局食べたのはカムジャンタンだったが、なかなか旨い。具材として入っているシレギ(시래기)という白菜を天日干ししたものが甘みがあって味を引き立てていた。ジャガイモの量が少ない代わり、骨付きの豚肉がふんだんに入っていた。韓国のカムジャンタンはジャガイモはあまり入れないそうだ。

◎4月2日(木)
 学校への近道を見つけた。10分程度歩くと学校に着ける。途中の小学校(清涼初等学校)に桜が学校を取り巻くように植えられている。つぼみはかなり膨らみ、一部では咲き出し始めている。満開になるのが楽しみだ。
 文法の授業は動作動詞のテイグッパッチムの後にイウンがきたときの取り扱いと、勧誘のルレヨについての勉強。会話の授業は、道を訊いたり訊かれたりしたときの対応を勉強した。どちらの授業も何年も前に勉強した事柄。興は乗らないが、いつか人に韓国語を教える機会があればいい復習になると思い授業に臨んだ。

◎4月3日(金)
 今日は最初の1週間の終わる日。文法と読みの授業。文法は相変わらず習ったことの復習のような内容だが、けっこう基本的なことを忘れていててこずる。
 授業は1時限が50分で、それが1日に4コマある。9時に授業が始まり、最初の2時限は文法。後の2時限はその他の科目が行われる。時限の合間に10分の休憩があり、1時に授業が終了する。
 今日の3,4時限、つまり後の2時限は読み。学校生活に関する文章を読む。知らない単語はあまりないが、とりあえず早く読むことが要求される。早く読んでどれだけ内容が理解できているかが求められる。予習をしないとついていけない。
 宿題も長文筆記が求められる。しかも、なるべく多くの文法を使うよう指示がなされる。書くことが特に苦手な自分にとっては気が滅入る。宿題の題目は、「この週末に何をしたか?」である。
 午後はこの夏に日本に留学する学生と交流するイベントに参加。学生からは「日本との生活習慣の違い」、「両国の長所と短所」、「なぜ韓国語を学ぶのか」等の質問に応じることになった。一つの教室に6人くらいのチームが4つあり、日本人留学生が2人ずつペアになってそれぞれのチームに出向き、彼らの質問に答える形式だった。一緒に回ってくれたのは20歳の名古屋出身の女性。専門学校でパティシエの資格をとったので韓国で働く夢をかなえたいと話していた。たくましそうに見える彼女ならきっと夢はかなうだろう。
 学生たちの日本に対する関心はかなり強いものを感じた。自己紹介の中で自分の年齢を伝えると一同驚く。1人の学生から「その年齢で留学に来るとは尊敬します」と言われた。今まで尊敬を受けるなどとは無関係に生きてきたが、その言葉を聞いて来た甲斐があったのかなと思う。
 それにしても、宿題の長文作文をどうしようかとイマイチ気が重い。1週間の授業が終わったので夕飯は寿司でも食べようと思い立つ。通学路の途中に寿司屋があるので行ってみると、若い会社員風の人たちや学生らしき人で一杯。諦めて別の店を探そうと歩いていると、たまたま寿司屋が見つかった。ちらし寿司があったので注文する。彩りは日本のものと比べるとさほどではないが、まあよくできている。味は甘めのたれがかかっていたのが気になったが、結構おいしく食べられた。チャミスルを1本のみ、しめて9400ウォン。安く、お腹もふくれた。
 部屋へ帰ってテレビニュースを見ながらもう1本チャミスルをけっこう酔いが回ってしまった。明日は来る前に日本人の知人に紹介してもらった鐘閣にあるソウル日本クラブという団体の人に2時に会う予定。

定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (1)

2015-07-06 04:14:41 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
 S氏は私ヌルボの韓国語学習仲間でもあり飲み仲間でもあります。その彼が今年に入って間もなく、定年1年前にして敢然と早期退職し、3月末~6月半ばの10週間ソウルの慶煕(キョンヒ)大学校に語学留学してきて、先日帰国しました。
 還暦も近い彼ですが、お世辞ではなく10歳あるいはそれ以上若く見える外貌だけでなく気力も旺盛で、留学の意志を最初に聞いた時も「彼ならではの決断だなー」とわれわれは思ったものでした。
 その彼が留学中、宿題や予習に追われて忙しいにもかかわらず、日々の記録を1週間ごとにまとめて仲間に送ってくれました。読んでみると、授業のことだけでなく日々の生活やいろんな人たちとのコミュニケーション等々、実に細かく書かれていて、とても興味深く読みました。

 おそらく、同じように語学留学を考えている人はたくさんいると思います。インターネットで情報を探してみると、たとえば<ソウル市内の語学堂のある大学まとめ>という→コチラの記事は一応の目安にはなるでしょうし、「韓国 留学」で検索すればヒットするいくつかの斡旋業者のサイトには各大学について期間や費用その他具体的な情報が記されています。
 ところが、実際の授業の内容や生活のようすとなると経験者自身による記録が一番! ・・・ということで、このS氏の日記はきっと参考になると思います。いや、留学希望者といわず韓国に関心がある人ならたぶん誰が読んでもオモシロイんですけどね。
 そこで私ヌルボ、4日の夜帰国報告会と銘打った仲間内の飲み会の席でS氏から本ブログへの掲載の承諾を得ました。固有名詞等の個人情報や、内容的に差しさわりのありそうな箇所はもちろん削除したり手を加えたりします。また、私ヌルボが註を付けたりもするかも・・・。
 全部で77日分。字数は総計5万字近くになるので、10回以上に分けて掲載することになります。
 ではさっそく初日から・・・。

◎3月28日(土)
 12時20分発のアシアナ機で金浦空港に到着。なぜかいつもより飛行時間が長く感じられる。税関で思わず引っかかってしまう。羽田の免税店で韓国の友人へのお土産として山崎を2本購入したが、韓国への免税は1本だけとは知らなかった。税関のおばちゃんに指摘されたが、「ほかに持っているか」と訊かれ、「これだけです。1本までとは知らなかった」と言ったら、「いいよ」と言って見逃してくれた。いい人でよかったと気持ちが浮き立つ。
 ソウルで(友人の)眼鏡屋さんと飲みすぎる。

◎3月29日(日)
 昨日韓国入りして安宿に泊まり、本日回基(フェギ)駅そばにある寄宿舎に入れた。部屋はワンルームマンション風で、3ヵ月程度暮らすのであれば十分。駅近といっても建物には寮の名前の表示がなく、同じところを何度も行ったり来たりし、また何人かに聞いたりしてやっと見つけることができた。建物の中に入ったが管理人がどこにいるかわからず、右往左往していたところ外国人寮生がたまたま部屋から出てきて管理人室を教えてくれた。しばらくしてからやってきたスウェーデンの若い3人組も「どこが自分の部屋なのかわからない」といって困惑していた。管理人室へ連れて行き、解決ができたようだった。
 無線LANも使え、通信手段がとりあえず確保できたので一安心。部屋に枕が置いていないので困った。
 それにしても韓国人は親切だ。地下道からの階段を重いスーツケースをしんどそうに持って昇っていたところ、小柄な若い女の子が持ってあげるといって手伝ってくれた。こういうところに感動を覚える。
 明日は朝からクラス分けの試験がある。部屋に入ると足りないものが出てくる。お湯を沸かすための鍋のようなもの、布巾に食器用洗剤とスポンジ。またなんと枕がない。こういったものは近くのスーパーやダイソーで購入することになった。

◎3月30日(月)
 今日はクラス分けの試験日。少し早めに会場に着こうと寄宿舎を出る。テレビの天気予報では今日は暖かくなると言っていたのでコートを羽織らずにいたところ、3月の終わりといえど空気はひんやりと冷たく、通勤の人たちはみなコートを引っ掛けているのであわて気味に部屋に戻ることになった。
 張り切って早めの8時半に会場に到着。まだ多くは集まっていなかったが、昨日会ったスウェーデン人グループが私に気づき、手を振って挨拶してくれた。これだけでも少し心が和む。
 9時からクラス分け。講堂に各国から多くの聴講生が集まりさすがに国際色が豊かに彩られた。なんか自分が国際人になった感じ。今までは国内の仕事しかしていないので新鮮味まで感じられた。
 その中で少し驚いたのは私より年長者がいたことだった。年齢は聞いてないが、頭髪の状況や顔の皺等、どう見ても私より年上の初老の男性を見つけた。来る前は自分が最年長者であろうと確信していたので予想外であった。
 中国人は参加人数が多いせいか別の時間帯に行われた。
 まず、全く韓国語がわからない人とそうでない人が分けられ、半数近くが別室に移された。残った聴講生にまず筆記試験が行われた。
 初級・中級・上級の作文課題がそれぞれ2問ずつ出され、「自分が回答できそうな課題を1つ選び400字にまとめなさい。制限時間は40分です」とのこと。上級の設問に目をやってみたが、問題の意図も読み取れそうもないので即座に断念。中級の問題に目を移したところ、一つは「職業を選択する際に重要なことは何かについて記しなさい」、もう一つは「クレジットカードを使うことに賛成か反対か、またその理由を述べよ」というもの。自分は最初の設問を選択したが、筆はなかなか進まず焦り出す。しかも中東方面から来たと思しき隣の若い男は早くも400字を悠々と超えているのが目に入り、さらに更に焦りが募る。自分の経験を中心になんとか書き込んだものの、スペルに自信はない上、分かち書きもまともでないことは一目瞭然。「もういいや」と半ばあきらめ気味に300字をちょっと出たところでギブアップ。試験管に回答書を手渡すとその場ですかさず採点が始められた。
 しばらくして答案を返却され、点数を見ると61点と記載されていた。いいのか悪いのかは不明であるが、「すぐに面接を行います」とのこと。隣室に案内されたが、やや広めの教室で6ヵ所ぐらいに分けて面接が行われていた。私の試験管は若目の利発そうな女性だった。最初に言われたのが「単語は知っているようですが文法が弱いのではないですか?」だった。文法用語やいろいろな接尾語を示され「知っていますか?」と聞かれ、「一応勉強はしていたので知っています」と回答したところ、面接官もクラス分けをどうしようかと迷っているようすであった。そのほか「韓国語はどのように勉強しているのか?」、「どこで何年くらい勉強しているのか?」、「韓国へは何回くらい来たことがあるか?」、「どんなところが好きなのか?」、「どんなタイプの人が好きか?」等について聞かれて面談は終了。「クラス分けの結果は明日8時半に発表され、パソコンでも確認できる」とのこと。
 この日は1時からオリエンテーションがある。少し時間があったので校内を少し歩いてみると、博物館や図書館が威容を誇って立ち並び、堂々として貫禄も備わった美しさに見とれてしまうような建物で、つい写真を撮りたく誘惑にかられてしまった。
 天気はよく気温は天気予報通りぐんぐん上がり、少し歩くと汗ばむようになっていた。
 まだ友人ができず夕飯は一人でとる。おいしそうなキンパプ(のり巻き)を老夫婦で売っている店を近所で見つける。1200ウォンで購入。道すがら特大の焼き鳥を店頭で焼いている店を発見し、2400ウォンで購入。つい酒も飲みたくなったが、寄宿舎内飲酒は2回発覚すると退寮処分となる。水と同じ色ならばれないだろうと考え、水のペットボトルを空にしてコンビ二で350ミリリットルのソジュ(焼酎)を購入。その場で中身を移し変える。店員のアジュンマが怪訝そうなので理由を話すと、理解を示し納得してくれた。

北朝鮮がらみの話となると論理が矛盾or破綻する一部の(?)人権活動家の言説

2015-07-05 22:17:12 | 北朝鮮のもろもろ
 1つ前の記事に続いて北朝鮮関係。
 7月3日「北朝鮮、拉致被害者の調査報告「延期」を連絡」というニュースが伝えられました。昨4日が調査開始から1年目という日でした。
 当初は「今度こそは・・・」と期待をかけた人たちもいたでしょうが、結局は案の定の成り行きとなりました。
 よく「韓国は日本との間の取り決めを一方的に無視してしまう」という批判がありますが、北朝鮮はその上を行っています。
 日朝間に限らず、たとえば米朝枠組み合意の経緯等を見てもまさにその通りで、94年の合意に基づいて供与された重油にしても結局は食い逃げ。
 その他韓国との間でも約束不履行、食い逃げの事例はいろいろあり、最近モスクワで開かれた対ドイツ戦勝70周年記念式典(5月9日開催)への金正恩訪露ドタキャンなどは国際常識には反していても北朝鮮としては「なんということはない」ネタでしょう。
 ※「約束」がどれだけ重視されるかは、その社会の歴史や政治・経済・文化との関連がありそうです。とくに「契約」の遵守が前提となる商業。

 ところが、この拉致問題についてもなんとも「不可解」な見方をする人がいるものだなあと思ったことがありました。
 少し古くなりましたが、昨年12月のこのニュースです。(元は→コチラ。)

   在日朝鮮人の人権尊重を アムネスティ調査員が講演
 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」のアーノルド・ファン調査員が16日、東京都内で講演し、「日本が在日朝鮮人の人権を尊重して模範を示すことが拉致問題の解決につながる」との認識を示した。(以下略)


 私ヌルボ、このニュースをよんで唖然としました。
 いろいろ検索してみると、この講演に参加した方のブログ記事がみつかりました。(→コチラ。)

 それによると、「人権報告書の説明」に続いて「日本に期待する役割」についての話があり、「拉致問題解決に対して在日朝鮮人の人権問題の解決が急務である」とし、「①在日朝鮮人のヘイトスピーチや差別への対策 ②朝鮮学校への高校無償化制度からの除外は差別を広げる」との説明があったそうです
 この後<日本に期待する役割>に関して何人かの質問があったがアムネスティ側は司会の女性、受付の男性、事務局長が浮き足立ち、「この件は今日の主題ではないので!」と北朝鮮からの脱国者の発言を途中でさえぎって、さっさと報告会は閉会された。(拍手なし)
 ・・・とのことです。

 この新聞報道に対しては<2ちゃんねる>等でも当然のように恰好の「笑いもの」のネタとして取り上げられました。(→コチラ。)
 「なんで拉致被害者の側が加害者側のご機嫌をとらなくっちゃならないの?」というのは2ちゃんねるファンならずとも多くの日本人が抱く当然の疑問でしょう。
 常識的に考えて、在日朝鮮人に対する差別があったとしても、それは拉致問題とは全く別個の問題です。

 この2ちゃんねるのカキコミの中に次のようなものがありました。

 アムネスティ日本ってこんな呆れた団体ですよwwwwww
 2006年にアムネスティ日本の総会において北朝鮮の人権・拉致問題への積極的な取り組みを求める決議案が提出されたが否決された。
 アムネスティ日本が主催する人権パレードに際し、北朝鮮の人権問題に取り組む団体が持参した金正日の似顔絵や「朝鮮のヒトラー 金正日に裁きを」というプラカードを撤去するようアムネスティ側が要求した。
 1997年3月に拉致被害者の家族がアムネスティ日本を訪ねて協力を要請した際に、「調査には相手国の受け入れが必要」と答えた。
 アムネスティが北朝鮮の人権問題に消極的である理由をアムネスティ本部の東アジア担当調査官ラジブ・ナラヤンに直接質したところ、ナラヤンは「アムネスティとしては北朝鮮の人権問題間に関しては慎重にアプローチ すべきであるという判断が立ち、それを日本のアムネスティも支持した」と答えた。
 アムネスティ日本はほとんど北朝鮮の工作機関みたいなものですwww


 ・・・ここで明らかにしておきますと、私ヌルボはアムネスティの会員です。本ブログでも、以前<北朝鮮の強制収容所についてのアムネスティのアクション>について書いたこともありました。(→コチラ。)
 で、上記の2ちゃんねるのカキコミについては、「2006年にアムネスティ日本の総会において北朝鮮の人権・拉致問題への積極的な取り組みを求める決議案が提出されたが否決された」というのは事実です。が、その後再び「北朝鮮の人権問題に日本支部は積極的に取り組むべし」という決議案が可決されて今日に至っています。
 したがって、このアーノルド・ファン調査員の講演についてはアムネスティに対する誤解・偏見を増幅させるものとして憤っているというのが正直なところです。ヌルボが身近に接している会員の間にもこの講演の内容に賛同する人はいません。日本の会員全体の中には何%か(??)いるかもしれませんが・・・。
 しかし、北朝鮮のこととなると、人権運動に関わっている人たちの中にも日頃の言説とはずいぶんと違った語り口になってしまう人はあいかわらず大勢いるのは残念なことです。最近あまり読んでませんが、「週刊金曜日」はその後どうなんだろ?
 ※「その後」というのは、具体的には2010年の過去記事「北朝鮮政府だけは擁護する<人権派>って・・・・」(→コチラ)以降ということ。
 1つ前の記事で書いたようなこと、その他もろもろ、政府自体が国の内外で「ありとあらゆる」と言っても過言ではない悪事を犯し続け、世界の国々の中でも人権状況が最悪のランクに位置付けられているこの国に今もなお「思い入れ」を抱いている人たちの現実認識は一体どうなっているのだか・・・。皆さん、本来的には「善良」な人たちだとは思うんですけどねー。(人間が「善良」か否か?ということと、現実認識が正しいか否か?ということは全然関連がないことではありますが・・・。)

 ※そもそも、北朝鮮当局がどれほど在日の人権問題に関心を持っているのでしょうか? ホントに関心があるなら、とっくに自国の住民の人権状況の改善に取り組んでいるはずなのに・・・。

北朝鮮生化学武器研究員が欧州に亡命 「政治犯を実験台にサリンガス等の生体実験をしている」との証言も

2015-07-05 19:24:58 | 北朝鮮のもろもろ
 7月3日の<DailyNK>(韓国語版)に「北、政治犯・キリスト教信者を生物化学兵器の実験対象に利用」という見出しの記事がありました。(→コチラ。)
 副見出しは「MBC、生物化学兵器研究員出身の脱北者がフィンランドに亡命と報道」です。
 以下、記事全文を訳出してみました。

 生物化学兵器開発に関与したことがある北朝鮮の研究員が生体実験関連資料を持ってヨーロッパに亡命したとMBCが2日報道した。
 報道によれば、韓国内のある北朝鮮人権団体は慈江道の江界(カンゲ)微生物研究所所属研究員李某氏(47)が6月6日フィンランドに亡命したと明らかにした。
 昨年中国の医療機関に派遣されていた李氏はベルギーの人権団体の助けで亡命したとMBCは付けくわえた。
 李氏は亡命直前、1年に200人あまりの北朝鮮住民が江界研究所のサリンガスと炭疽菌の性能強化実験の対象となっていると人権団体側に暴露したと伝えられた。
 李氏は団体側に「実験対象となった住民たちを研究所地下2階にあるガラス部屋に閉じ込めてサリンガス実験をして、国家安全保衛部が政治犯やキリスト教信者たちを実験対象として供給した」と語った。
 また彼は「長期間の生体実験を通して炭疽菌100㎏で100万人を殺傷することができる」とも語ったとのこと。炭疽菌は6月16日国防部(日本の防衛相に相当)が国会で開かれた国防委員会全体会議で報告した「懸案報告書」で北朝鮮が有事の際に培養して武器化する可能性が高い菌体であると明らかにした伝染性の高い5種中の1つである。
 一方、北朝鮮は炭疽菌を含むペスト、コレラ、細菌性赤痢、腸チフスなど13種の生物化学兵器を保有中であると報じられている。


 実は、ほとんど同じ内容の記事がやはり7月3日付<中央日報(日本語版)>にあります(→コチラ)が、記事の最後の部分が少し詳しく記されているので上掲の記事を紹介したというわけです。一方、「中央日報」の記事の方には「L(李氏)は今月の欧州議会で生化学武器の生体実験資料を提示するなど非公開で証言を行うだろうとMBCは説明した」という文が末尾に付されています。

 私ヌルボが問題提起したいのは、まず非道な人体実験に目を向けるべきだということ。
 炭疽菌といえば、この5月米軍が烏山空軍基地等韓国の10ヵ所に誤って生きたまま送っていたことが明らかになり、また韓国政府に知らせないまま炭疽菌を使った実験を行っていたことも判明して韓国内で問題になっています。(→関連記事。)
 また、<ハンギョレ>は「在韓米軍は世界規模の生物化学兵器戦実験場だったのか」と題した記事で在韓米軍の生物化学兵器実験とその関係施設について詳細に記しています。(→コチラ。)
 たしかに、生物化学兵器(韓国語では생화학무기(生化学武器))は重大な問題です。ところが、その開発のために人間を実験台として使うとは、それだけで非常にゆゆしき問題というか、メディアとしてはもっと大々的に扱ってしかるべきことではないでしょうか!?

 ところが、同じ韓国メディアでも同じネタを取り上げた<聯合ニュース>(韓国語版)の7月2日付の記事「北朝鮮の生物化学兵器研究員、生体実験の資料を持って亡命」という記事(→コチラ)を見ると、次のように記されているだけです。

 北朝鮮の生物化学兵器研究所研究員が膨大な量の生体実験関連資料を持ってヨーロッパに亡命したことが明らかになった。
 北朝鮮慈江道の江界微生物研究所所属研究員李某氏(47)が6月6日フィリピンを経てフィンランドに亡命したとある北朝鮮人権団体が2日明らかにした。
 この団体代表は聯合ニュースとの電話通話で「李氏が表面上掲げた亡命理由は、研究に懐疑をを感じたため」と語った。


 これが記事の全文です。先の記事にあったような政治犯やキリスト教信者が実験対象云々の記述はありません。また、この記事の上に何やらおぞましい資料写真が載せられていますが、説明によると日本731部隊の生体実験模型(!)とのことです。
 ※このニュースは<聯合ニュースTV>でも放映されました。<YouTube>でも見ることができます。(→コチラ。) アナウンサーの放送原稿の内容は、上記の記事と同じです。

 ところで私ヌルボ、このニュースに接して考えたのは「ニュースの重要性」といったことです。
 厖大な数のニュースの中から何をピックアップし、どれをとくに大きく取り扱うかは各メディアの価値判断の問題で、正解があるわけではありません。
 ところが、今この人体実験の問題や、これまでも伝えられているような北朝鮮の政治犯収容所のような北朝鮮の人権問題については、韓国も日本のメディアも非常にわずかしか取り上げていないのはフツーの価値観から考えてどうもヘンだと思います。
 たとえば例の「慰安婦問題」について考えてみると、基本的には「過去」の事実(?)をめぐる問題で、現在の元慰安婦ハルモニたちは生存権はもちろん基本的人権が脅かされているわけではありません
 ところが上述の北朝鮮の(未確認情報とはいえ)「人体実験」や「政治犯収容所」の問題は「現在」生きている人たちの「人権」、というより「生存権」、というよりまさに「命」に関わること・・・。
 ですから、フツーに考えると「慰安婦問題」よりもはるかに重大なニュースではないか?というのが私ヌルボの主張です。ところが「慰安婦問題」に対する関心の10分の1さえもコチラの方に向けられないのはなぜなのでしょうか?
 「慰安婦問題」で熱くなっている日韓の人たちはどう考えるのか? とくに韓国の進歩的な人権活動家の人たちに訊いてみたいです。
 およそ前近代的な連座制や公開処刑のようなネタでも、それが北朝鮮でのこととなると「あり得る話だ」、と「自然に」受けとめられてしまうのでしょうか? たとえば中国・アメリカ・日本(!)といった国が「人体実験をやっている」となると大ニュースになるでしょうが、北朝鮮だと小さな記事にとどまるのでしょうか? 私ヌルボはどこの国かを問わず新聞のトップ記事として報道すべきだと思うのですが・・・。