8月13日晴 ( )は追記注釈、○は判読不明
お盆が来た。お迎えの日だ。朝から沼田と壕を掘る。午前中で掘るだけは終わる。後は丸太を山から切り出してきて柱と天井に張ればいいのだが今日は朝から空襲(警報)で山へ出かけられぬ。午後からは渡辺の日除け掛けをはじめる。尺めぐりの竹2本を切って柱に立てる。立派なものだ。この日除けも今日は出来上らぬ。
とうとう一日中空襲続きだ。しかし敵機は空を飛ぶだけでこの辺には何にもしなかった。壕へは何度も入った。仕事ははかどらぬ。お盆棚は女房と子供が飾った。香穂(子)も香代(子)も家にいた。香穂は気持ちが悪いといい香代は2回も学校(厚木の女学校、バスで1時間もかかる)へ出かけて途中から空襲(警報)で引き返してきた。
南瓜をお盆にあげるのでとる。まだ少し若い。トマト5,6個茄子3個胡瓜3本いんげん一掴み、それだけだ。花はあじさい、シュウカイドウ、桔梗、花だけは近所にも分けてやれる。
迎え火はわが子に任せ壕を掘る
迎え火をは○かりたけり決戦下
敵機去る夕べにあかしお迎え火
決戦下むかへ団子も○○めけり
妻や子や迎へ団子もつくり得し
夏がすみつんざき敵機あらはるる
○天をかき混ぜ去りし敵機あり
敵機去りて灯篭に火を入るる○○
敵襲下かなかな鳴いてくれにけり
敵襲の柱めぐりて蛍飛ぶ
敵襲の空より低き蛍かな
俳句の習作が次々出てくるが、彼は俳号(秋外城)を持った一応俳人である。東京在住中は警視庁勤めと、新聞の読者文芸欄の俳句の選者も務めていた。絵も書もやる多芸な百姓なのである。本職は剣道である。
日記に出てくる沼田(竹刀庵)と言う人は、我が家が竹刀の生産をやっていたようで、その作業所に住み込んでいた竹刀作りの2代目である。
お盆が来た。お迎えの日だ。朝から沼田と壕を掘る。午前中で掘るだけは終わる。後は丸太を山から切り出してきて柱と天井に張ればいいのだが今日は朝から空襲(警報)で山へ出かけられぬ。午後からは渡辺の日除け掛けをはじめる。尺めぐりの竹2本を切って柱に立てる。立派なものだ。この日除けも今日は出来上らぬ。
とうとう一日中空襲続きだ。しかし敵機は空を飛ぶだけでこの辺には何にもしなかった。壕へは何度も入った。仕事ははかどらぬ。お盆棚は女房と子供が飾った。香穂(子)も香代(子)も家にいた。香穂は気持ちが悪いといい香代は2回も学校(厚木の女学校、バスで1時間もかかる)へ出かけて途中から空襲(警報)で引き返してきた。
南瓜をお盆にあげるのでとる。まだ少し若い。トマト5,6個茄子3個胡瓜3本いんげん一掴み、それだけだ。花はあじさい、シュウカイドウ、桔梗、花だけは近所にも分けてやれる。
迎え火はわが子に任せ壕を掘る
迎え火をは○かりたけり決戦下
敵機去る夕べにあかしお迎え火
決戦下むかへ団子も○○めけり
妻や子や迎へ団子もつくり得し
夏がすみつんざき敵機あらはるる
○天をかき混ぜ去りし敵機あり
敵機去りて灯篭に火を入るる○○
敵襲下かなかな鳴いてくれにけり
敵襲の柱めぐりて蛍飛ぶ
敵襲の空より低き蛍かな
俳句の習作が次々出てくるが、彼は俳号(秋外城)を持った一応俳人である。東京在住中は警視庁勤めと、新聞の読者文芸欄の俳句の選者も務めていた。絵も書もやる多芸な百姓なのである。本職は剣道である。
日記に出てくる沼田(竹刀庵)と言う人は、我が家が竹刀の生産をやっていたようで、その作業所に住み込んでいた竹刀作りの2代目である。