De cela

あれからいろいろ、昔のアルバムから新しい発見まで

父の日記帳:8月18日

2009-08-17 22:44:29 | 自分史エピソード
8月18日晴れ
 煙草が無くなったので蕗の葉を干して吸う。アジサイの葉を吸う。○○の葉も吸えるという。蕗の葉より山アジサイのほうが煙草にやや近い。煙草が無くなればこれを吸った。

 お茶だけはふんだんにあるので十分のめるのがうれしい。今年はトマトがうまくない。不思議に思われてならなかったが歯が欠けてトマトをかみ砕く奥歯のかみ合わせが悪くなったのが原因と思われる。

 昼の目ざめも朝の目覚めも悪い。こんな破滅的な気持ちに一体全体だれがしたんだ。軍人だ。軍人の強がりが国を誤ってしまったのだ。戦争前は米国の兵隊など問題にしていなかったが、それが意外にも歯が立たない。段違いの強さに負けているのだ。荒木貞夫など満州をとっておけば世界を相手に戦っても負けはしないと常に言っていた。明治天皇から三代目でついに本の黙阿弥となってしまった。徳川時代に帰って巻きなおしをしなければならないのだ。三代目が一番難しいと昔から言われている。その三代目で日本もついに滅びたのだ。
   


終戦から3日目にして日本人はここまで悟っている。新聞は3日くらい遅れて配達される。情報を得るのも難しいはずだ。まだ政府の反省や軍の締め付けがまったく解かれたわけではない。だれも真実を伝えに来ているわけでもない。
 このとき父は56歳である。書いていることは何とも年寄りである。