気軽にでっちゃん

誰にでも立ち寄って欲しいので「気軽に」とつけました。でっちゃんと呼んでください。。。

●マグレブの国への旅⑥/喧騒の世界のいたずらっ子

2005-05-03 00:28:19 | マグレブの国への旅
マラケシュを一言であらわすと、「喧騒」、この言葉につきます。ジャマエルフナの広場がすべてを語っています。においや色と、そして音。笛の音が聞こえます。とくに蛇使いの笛の音が。ヒュゥ~ルルル、ヒュゥ~ルルル、、タクシーの音が聞こえます。プーゥ、プープー、、馬車の音が聞こえます。コット、コットコット、、、スークの中はなかはひんやりとしているなかで人の声が響きます。うろちょろしたところで、いきあたりばったりの定食やさんに入り、タジンという料理の定食を食べたりもしました。約250円くらい。定食やさんと言ってもすごく小さなお店です。スークのから歩いた路地のお店はどこもワンルームマンションくらいの広さのお店です。地元の気のいいおじさんたちが話し掛けてきてペチャクチャ。日本から来たよというとすごく珍しがられました。

夜のジャマエルフナの活気は語り尽くせないほどにぎやかで、毎日がお祭りのような喧騒でにぎわっています。どこからこんなに人が集まって来るんだろうか。。。広場の周囲のカフェの二階からは広場全体が見下ろせるようになっていて、写真もとりました。生きている町です。動いている町です。躍動している町です。人と広場と屋台とカバブを焼く煙と香辛料のにおいと夜の暗闇のなかのお祭り騒ぎの明るさが一体になって毎晩繰り出される喧騒。

メディナでお酒が飲めるお店は確か一軒だけで、でっちゃんの泊まったホテル(グランド・タジ)の三階にあるバーだけだったと思います。三日目の夜にチャレンジしました。まだ早い時間だったのですが、静かながら女性も男性もいます。女性は二人連れが多くただ静かに座ってるだけだけど、声をかけられるのを待っているような感じがしました。ここは出会いスポットなのかな???地元の遊び人が集まる場所なんだろうとの印象を持ちながら様子を見ていました。男性はカウンターでビールを頼んでゆっくり飲みだしています。ここで手帳に綴ったその日の出来事にフラッシュバックします。

「ホテルに戻り、屋上のBARへ。アメリカ人一人と、エジプト人二人、チュニジア人一人のグループに合流。ワイン一本をあけていた。アメリカ人のデイルは疲れた様子でしばらくして帰った。帰るときに交わした彼の握手は妙に、異常に力強かった。

『モロッコってどう思う?すごく田舎で遅れてる国だよな』、三人はでっちゃんに
『でもすごく歴史もあるし、すごく綺麗な町だからいい国だと思うよ』、と素直にでっちゃん
『ほんとに?そうかな?あははは、、、』と三人達

デイルが力強くでっちゃんと握手したのは、他の三人はエジプト人でもチュニジア人でもなく、ほかでもないモロッコ人の三人グループだったからで、デイルは帰り際に "気をつけろよ" の意味をこめていたんだということがあとで分かった。三人のうちの一人のイリアスは地元の遊び人でBARに来ているほとんどの女の子とも知り合いだった。そんな女性達のなかに、絶世のベルベル人美女のノラがいた。薄緑のロングのワンピースを着ていて、みんなが気にしているお気に入りの女性のようで、僕のイメージしていたおとなしいアラブ女性とは全然違った女性だった。ベルベル人の女の人は写真は嫌がる。ノラに写真を一緒にとって欲しいと言ったらすごく拒絶された。どうも写真をとると魂が抜かれるという言い伝えがあるとかないとか。彼らは体に触れることが礼儀のようで、、、イリアスは面白い話を話すたびに、でっちゃんいビールをねだった。だんだん酔っ払ってきたイリアスはうるさくなってきて、やれやれ適当にお暇しないとややこしいことになりそうだなと感じはじめた。ノラのことがでっちゃんは気になって仕方ない。彼はノラはProstitutedaだよという。Prostituteって何だっけ?あ、そうだ娼婦だ娼婦だ。だからいろいろ交渉すれば寝ることができると僕に熱心に話してくれたが、それがほんとの話かどうかわからない。えっ?本当のような嘘のような?イリアスはエジプト人の振りをしたモロッコ人だったし、僕にカマかけてノラに話しかけさせ彼女が激怒するのを楽しもうとしているんだとは思ったけど、"褐色の肌の上にライトなグリーンのロングドレスを着た高級な感じの美女娼婦ノラ" この設定だけで想像力旺盛なでっちゃんの頭は興奮していた。。当分彼女の残影が残った」

この夜は部屋に戻ったあとも、そとで酔っ払った連中が大声で言いやいをしていてその声がすごく怖かった。翌朝6時半にはチェックアウトしたが、三泊の料金は825ディルハム(1万円くらい)だった。喧騒の町マラケシュを出て、次はバスで揺られてワルザザードに向かいました。