イノセントワールド

春休み

大阪は桜が満開らしいね。桜はにおいがないので、どちらかというと、キンモクセイのほうが私は好きかな。キンモクセイのにおいをかぐと、こどものころの運動会とか体育祭のころをおもいだす。土埃のにおいとあわさると、センチメンタルだね。目の見えない私。網膜色素変性症な私デスペア。においはいいね。

目が見えなくなって、においのほかに、心が動かされるのが、声だね。最近は、春休みのせいか、町をあるいていても、こどもの声がよく聞こえてくる。
先日も、駅前で、啓発活動をしていたら、3歳ぐらいのこどもが、私の横をとおりすぎるときに、うるさいっ！と一言。実にかわいらしい。きっと、このこどもは、おうちで、親にうるさいってずっといわれているんだろうな。

同じぐらいの小さな子供、おむつがとれないぐらいのこども。ドラッグストアですれちがう。ママが買い物籠をとって、いざ、店の中へ。ママがこどもに聞く、今日はなに買いにきたんだっけ？

すると、こどもが、小さな声で、甘えたような声で

おしりふき

と一言。まるで他人事のようだけど、それはあなたのためのおしりふきなんだよ。といいたくなる。かわいいね。自分でおしりもふけないのに、しっかり、買い物リストが頭にはいっているこども。実にいとおしいね。

ドラッグストアからこんどは商店街をああるく。すると、商店街のおわりに、向こうからこどもの声がする。

あっ！目の見えへんヒト、おる！！

まるでアイドルか、芸能人か、あこがれのスポーツ選手をみかけたような、おもわず声がでてしまうこども。おもしろいね。

さらに、道をあるくと、自転車にのった男の子。しゃべりながら自転車をこぐ。おそらく友達とならんではしっているんだおる。その喋り声と笑い声でだけで、このこどもの、いたずらっぽさがわかる。こういったこどもに、見つかると、盲人は、ちょっかいかけられるな、とおもいつつ、それを少し期待する私。
でも、そのいたずら少年は、盲人には目もくれず、自転車ではしりさる。ちょっとさみしいね。

そんな、春の一日。今日もガストのモーニングがおいしい。

私も、彼らの無邪気さ、素直さ、新鮮な感動を、わすれないようにしなきゃ。

さて、このあと、深夜、ハロプロ研修生の新人研修生が発表されるとのこと。道で盲人をみかけたら、あっ、目の見えない人いる！！っておもわず声にだしてしまうような、そんな研修生が入ってくれたらいいね。