先日ミセスから、
菩提樹の木が見たいのやけど
という要望があった。
ああ、菩提樹といえば日本では
シナノキ科の木でこれはまあ
たいがいどこにもある。
確か記憶ではあの高取山の
城のところに大きなシナノキが
あったんじゃないかと思っている。
それに長野県なんかは
「信濃」というが、
これはこのシナノキが
大量にあるからこんな名前と
なっているくらいだ。
なので、こんど孫に会いに
長野に行ったときに探してみよか、
なんてことを言ってたのだが、
なぜ菩提樹が見たいのかという
質問をミセスに返したときに、
事情がガラッと変わったのだ。
彼女が見て見たいという菩提樹は、
あの釈迦が悟りを得たときに
座っていた横に生えていた樹木なのだ。
どうも最近彼女が読んでいる
小説に出てきたりするというのだ。
で、その悟りの木を調べてみると、
なんとまあこれが日本で
菩提樹と呼ばれているシナノキではなく、
クワ科の木で
「インドボダイジュ」
という名で呼ばれている木だ
ということが分かったのだ。
じゃその木を見にけばいいんやな
ということで、まずは
神戸の森林植物園にないかどうか調べてみた。
すると、このインドボダイジュの木は
どうも寒さに弱いらしい。
2015年の記述ではこの木は、
小さな鉢植えだったらいいけど、
屋外のところでは生育は無理。
なので日本では育たないんだそうだ。
ああ、そうだったんやあ。
これはもう屋外では無理なのかなあ
と思ったので、例えば
鶴見緑地の温室の植物園なんかで
ないのかなあと探してみることに。
すると、植物園の中ではなく
鶴見緑地の公園の中に
インドボダイジュが花を咲かせている
という記事を見つけた。
「へえ~こうして屋外でも育つんやあ」
と驚いたね。
地球温暖化のせいかなあ。
と一瞬思ったのだが、
でもねえこの菩提樹って
結構種類も多いから、
これが果たして悟りの菩提樹かとなると、
行って調べてみないとなあ
という感じだ。
ではまあ、あのドジ旅以来の
鶴見緑地に行ってみるかあ、
と考えていた時だ。
どうもあの悟りを開いたインド菩提樹が
お寺に生えているという
情報が入ってきたのだ。
そのお寺というのが、
両親のお骨も納めてあるという
「一心寺」だ。
これはもう行かなくてはならないだろう。
義母さんの3回忌に向けて
お参りに行き、その時に探してみましょう。
まずは四天王寺で天国まで
あるいは地獄まで届く
という鐘を打ってもらって
一心寺へと歩いていきます。
さあ、この寺のどこに
菩提樹があるのでしょう。
キョロキョロ探していると、
きれいな紫の花が咲いている木がありました。
近づいていくとこれが
「ジャカランダ」
という木です。
鮮やかな紫の花やなあと思っていたら
もう盛りが過ぎていて、
足元に大量の花びらが散っていましたねえ。
これもなかなか見ごたえがありました。
熱帯の植物で日本では珍しく、
これこそ鶴見の植物園に
あったりするそうです。
で、問題の菩提樹ですが、
ネットに乗っていた写真の背景から
推察しつつまたまた境内を
ウロウロしながら探していると、
おおありました。
これがインドボダイジュです。
この木の下でブッダが悟りを
開いたそうです。
なかなか立派に育っていますねえ。
解説版にもかかれているように
熱帯原産なので日本で育つことは
非常に珍しい木だそうです。
この木は大阪府立大学の農学部で
育てられていたもの。
薬師寺の期間限定の彫り物の
中に、ブッダが悟りを開いた
シーンがあるそうですが
そこに掘られてある菩提樹も
こんな感じの木でしたねえ。
花はイチジクのように
身の中にあって見えないそうです。
だったら最初にネットで見た
鶴見緑地の菩提樹は
本来のシナノキなのかもしれませんね。
まあ、存在を確認するまで
時間のかかったこの木ですが、
何とか見れてよかったです。
でも心配事も一つ
7月からこれだけ暑い日が続くと
暑さをたっぷりと受けて
巨大化してこないか心配で、
これからは一心寺に行くたびに
チェックしなくてはと思っている
今日この頃なのです。