ワーキングプアという言葉、大分前に盛んに使われ、マスコミも盛んに取り上げ、毎日のようにニュースになっていた。それが今はどうなのだろう。マスコミの話題にのることはあまりなくなった。それでも、ワーキングプアの人たちが居なくなったというわけではなく、むしろ、どんどん殖えていっているのが現状だ。
今国会でも、ともすると、安保法案の影に隠れてしまっているが、派遣労働者に関する法律が可決され、派遣労働がさらに定着し、派遣労働者はいつまで経っても、派遣労働者のまま、なかなかそこから抜け出せないようになってしまった。確かに、法律で規制したからといって派遣労働がなくなるわけではなく、派遣労働者の雇用の機会を少なくしてしまうという側面もなくはない。企業家は低価格の製品を作る価格競争に奔走するあまり、そこで働く人々に過酷な生活を強いてきたし、消費者も、より価格の安いものに流れてきた。いったん安いものに慣れてしまうと、同じような品物をわざわざ高い方を選ぶことなどしないのは当たり前のことだ。しわ寄せは、全て、弱者の労働者に多いかぶせられる。
そして、今や、派遣労働者の労働単価が基準となってしまい、労働者全体の給与水準はますます低下してきている。ここ数年は賃金が上昇傾向にあるといっても、それ以上に、物価が上がっているのだから、実質的な給与は下がっている。この悪循環をどこかで断ち切らなければ、安定は望めない。何しろ、企業は世界規模になり、物価の安い後進国の労働者の賃金と価格競争をしているわけだから、日本の労働者の置かれている状況はさらに厳しくなっていると言わざるを得ない。
政治家は選挙のときだけ、私たち庶民に頭を下げるが、選挙が終わると、金持ちに頭を下げ、献金を無心し、その見返りに金持ちを優遇する施策を次から次へと実行に移している。消費税を上げ、企業や金持ちたちが払う税金を減額してきている。企業からの献金をもらわないという前提で、政党助成金の配布を受けているのに、いつの間にか、企業からの献金を募るという有様だ。いったいどれだけの金が無駄遣いされていることか、呆れてしまう。そろそろ、本気で何とかしましょうよ!ねえ、みなさん。