昔から野菜や魚、果物といったものに、それぞれ旬の時期があったし、生活にも、季節それぞれ衣服を入れ替えるなどして、季節にあったものを着ていた。しかし、だんだん生活が変わり、そういった季節感も薄れてきた。それでも、一戸建て住宅に住んでいて多少の庭木があれば、庭木の変化で季節を感じることはできるというもの。マンション住まいでは、見える景色は、ビルと道路だけ、季節感もあったものではない。わずかに街路樹が、春には芽を吹き、初夏には緑が濃くなり、秋には紅葉し、そして初冬に落葉するくらいだ。しかし、落ち葉が始末に困ると言われ、常緑樹に植え替えられてしまったら、それすら感じることもできなくなる。残されている季節を感じさせるものと言えば、行き交う人々の洋服がだんだん薄くなり、半袖、ノースリーブと変化していくくらいのものだ。まあ、季節感というのは失われてきているのだと、改めて思う。
部屋では一年中、エアコンが動いて、温度はほとんど一定に保たれているし、スーパーマーケットに行けば、地元の食材というのはあまりなく、世界中から食材が運ばれてきている。私はかぼちゃが好きだが、かぼちゃは夏の食べ物だが、今では、産地を見ると、九州、関東、東北、北海道とどんどん北に行ったかと思うと、冬になると、メキシコ、ニュージーランド、モーりタリア?など、季節ごとに産地が移って、一年中、(旬の)かぼちゃが食べられる。最近、料理をするようになって改めて分かった次第だ。
気温や湿度等生活環境が変わると、体が要求する食べ物も変化していたのだろうが、上に述べたような次第で、生活環境の変化が少なくなり、体が要求する食べ物にも変化がなくなったのだろう。いつでも、同じようにおいしい。これって健康な証拠だね。