Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

骨董市と古美術品交換会

2020年01月20日 10時50分38秒 | 骨董市など

 昨日は、私にとって、月に1度の骨董市と古美術品交換会の日でした。

 お天気も良く、暖かいので、気分良く出発です(^-^;

 先ずは、骨董市会場へ!

 私の行ってる骨董市も、今年になって初めての市なので、「初市」という感じが漂い、ちょっぴり華やかです(^-^;

 でもね~、品揃えはというと相変わらずで、魅力に欠けます(><)

 それで、甘酒が振舞われていましたので、それをご馳走になり、骨董市のほうは早々に退散することとし、次なる古美術品交換会会場へと急ぎました。

 古美術品交換会も、まだお正月気分が残っていて、やはり、何時もよりは華やかです(^-^;

 でもね~、これまた、競りに掛けられる品物は魅力に欠け、また、品数も少なく、午前中に終了となり、昼食を摂って解散となりました。

 ただ、昨日は、そのまま真っすぐ自宅に戻ることなく、かなりの遠回りにはなりますが、途中、「一言主神社(ひとことぬしじんじゃ)」という所に寄って参拝することを予定していました。また、ついでに、その境内で行われている「骨董市」にも寄ってみることを計画していました(^-^;

 で、昼食を早々に摂り、さっそく、「一言主神社」に向けて出発です!

 

 

 神社に到着です。私は、この神社に来たのは初めてです。

 境内には、多くの骨董業者が出店していました。でも、それに目がくらんではなりません(><)

 先ずは、当初の目的どおり、神社に参拝をしなければ、、、。

 

 

 神社は、まだ初詣の期間内なのでしょう。それに、暖かくてお天気の良い日曜日とあって、多くの参拝客で賑わっていました。

 そこで、お賽銭をはずみ(笑)、念入りに「一言」のお願いを済ませ、境内の骨董市の店をブラブラすることにしました。

 でもね~、やはり、ここも、品揃えは新物が多く、レベルが低いようで、見るべきものがないように思えました。

 しかし、せっかく来たのだから、何かを買って帰ろうかと思い、ブラブラしていましたら、アクセサリーを売っている店を発見!

 それで、妻へのプレゼント用にネックレス2本買を購入です。ネックレスといっても、おもちゃのような物ですが、それでも、最近では、そんな物も妻は身に付けるようになりましたので、妻へのプレゼント代は安くあがるようになりました(^-^;

 何かを買おうという目的はこれで達成です。あとは、もう少しブラブラして帰ろうかと思い、更にブラブラを続けていましたら、今度は、「あれっ!」というものを発見です。

 「後期鍋島染付山水絵中角皿」があるではないですか!

 それで、即、購入で、満足して帰路につきました。

 ということで、昨日の成果は、おもちゃのネックレス2本と「後期鍋島染付山水絵中角皿」1枚でした。

 ところで、この「後期鍋島染付山水絵中角皿」というものは、次のようなものです。

 

表面

辺径:14.4cm  高台径:9.5cm  高さ:3.4cm

 

 この中角皿の製作年代ですが、この手のものは、下に転載した「鍋島 後期の作風を観る ~元文時代から慶応時代まで~」(小木一良著 創樹社美術出版 平成14年11月30日発行)の写真(25)~(27)の解説にありますように、江戸期の安永~安政に至る長期間にわたって繰り返し作られたようです。

 ただ、この中角皿については、裏側面に描かれた「カニ牡丹文」の描き方が端正で力強く、また、描かれている葉数は30枚ですし、遠山の描き方が写真(25)の描き方と似ていることから、安永に近い頃に作られたものではないかと思っています。

 

 

裏面

 

 

斜め上方から見た裏面

裏側面に描かれた「カニ牡丹文」の葉数は30枚です。

 

 

 なお、この「後期鍋島染付山水絵中角皿」の類品が、「鍋島 後期の作風を観る ~元文時代から慶応時代まで~」(小木一良著 創樹社美術出版 平成14年11月30日発行)に掲載されていますので、それを、次に引用し、紹介したいと思います。

 

 


 

 

写真(25) 山水絵中角皿(1)

 

 写真(25)、(27)は、同文品だが、(27)は裏面に安政七年(1860)銘があり、同年作と判る。

 表文様は共に殆んど同じだが、裏側面の「カニ牡丹文」を見ると、(25)は(27)よりはるかに端正で力強く描かれている。しかも葉数は(27)は26枚、(25)は30枚である。

 両者の間には相当の年代差があると考えられる。

 天保10年銘箱入(31)「菊絵大角皿」(:ここではその画像は省略します)も参考としてみて、(25)は安永かそれに近い18世紀後期内の作品と考えられる。

 

 

 

写真(26) 山水絵中角皿(2)

 

 裏側面カニ牡丹文を見ると(25)とほぼ同形で葉数は30枚に描かれている。

 しかし、表文様は(25)とは幾分異なり、遠山、小波や濃(だ)みの手法には違いが見られる。又、器形は(25)より多少深くなり、むしろ(27)「安政七年」銘品と近い感を受ける。

 三者対比からみて、(25)が最も早く、安永3年に近い作と思われ、(26)がこれに次ぎ、(27)が安政七年、最後年の作と思われる。

 

 

写真(27) 山水絵中角皿(3) (安政七年在銘)

 

 裏面高台内に「安政七年(1860)」銘があり、製作年代を特定出来る貴重作品である。

 以前にこの皿を見出した時、非常にうれしく、昭和63年先著「伊万里の変遷」に掲載した。当時はこの文様品は安政時代頃にのみ製作されたものと考えていたが、前山博氏の古文献調査に始まり、今日ではこの文様が安永3年から始まり、幕末期まで繰り返し製作されてきたことが明らかとなった。

 表は同文作品でも製作年代については、表文様のみではなく造形、裏文様をよほど丁寧に調査しないと判断は出来ないことが判り、改めて後期鍋島の編年の難しさと煩雑さが痛感される。

 本品のカニ牡丹文の葉数は26枚で、(25)(26)より4枚少く、文様の描き方も弱い。18世紀後期と19世紀作品の描法の違いを如実に示していると云える。

 

 


 

<追記>(令和2年1月21日)

 つや姫日記さんから、私が、一昨日、一言主神社境内の骨董市から買てきた2本のネックレスを是非拝見したいという要望が2度もありましたので、次に、それを、恥をしのんでアップすることにします(笑)。

 私は、好きな古伊万里と同じで、「あっ、これ綺麗だな」と直感で感じ、どこか私の琴線に触れた場合に買っています。

 子供だましの「おもちゃ」に近いもので、値段的には、1本がお蕎麦1ぱい程度のものです(-_-;)

 つや姫日記さん、どうか、笑わないで見てやってくださいね(笑)。