「助産雑誌」8月号のテーマは周産期医療です。
「助産雑誌」に8ページにわたり助産所とうみが掲載されました。
スタッフの皆さんの素晴らしい笑顔をご覧ください。
先日知人から「助産雑誌」の抜き刷りをいただきました。「助産雑誌」は助産さんを対象にした専門誌。その8月号に「東御市のお産を支える自治体発の取り組み-東御市立『助産所とうみ』が開設されました」という記事が掲載されました。その内容を紹介いたします。
前助産所準備室長小山久子さんの「お産のできる町をめざして-みんなでつくった『助産所とうみ』」では助産所開設までの取り組みが綴られていました。東御市では毎年270人前後の赤ちゃんが誕生しています。しかし産科医の不足や分娩施設の減少が深刻化していました。そんな中、「お産ができるまち」を公約に掲げた花岡市政が誕生し、この4月に全国的にもほとんど例のない公営公設の助産所とうみが誕生しました。
小山さんは助産所開設へのキーワードとして、第一に「産科医師と助産師の信頼関係と自然分娩へのこだわり」をあげています。助産師だけではうまくゆきません。助産師を信頼しすべてをまかせてくれる木村医師との出会いが欠かせませんでした。第二に、開設準備のために努力してこられた助産師さん、それを応援する市民の皆さん、そして市行政の全面的なバックアップがあったことです。まさに「みんなでつくったみんなの助産所」として誕生したのです。
助産所とうみ所長の黒澤かおりさんは、「やればできる!助産所開設への道のり-互いの信頼関係が大きな力に」と題し、助産所開設までの取り組みを紹介しています。黒澤さんご自身、ご自分のお産をベテラン助産師さんの支えで自宅出産され、その経験が行動の原点になっていると述べています。そして開設までの準備期間多くの助産師さんがメンバーに加わって来ました。中には京都から移住してこられた方もいらっしゃいました。
そうしたメンバーの共通した思いは「医療に依存せず、ずっとそばに寄り添いながら行なうお産」ということです。同じ思いを持った助産師さんが集まりました。そして助産師同士のチームワークを高めるために黒澤さんは3つのことを心がけているそうです。
1、妊産婦さんの気持ちを聞き、否定することなくありのままを受け止めていく。
2、もし妊産婦さんが自分の身内だったらどうしたいかを、常に考える。
3、助産師同士も認め合い、それぞれの発言や気持ちを否定しない。
「いい支援をしていくためには助産師同士のチームワークはとても大事なものだと思います」と黒澤さんは述べています。
東御市から全国に向かって情報発信されていることをとてもうれしく思います。お産の危機を克服して、助産師さんによる自然分娩というお産のあり方を提起されたことは、まさにピンチをチャンスに変える取り組みだと思います。「助産所とうみ」のこれからの活躍に期待しています。