土地開発公社の日本語とは?

2011-02-28 07:06:47 | 議会活動
先日の全員協議会で土地開発公社の予算書の説明がありました。予算書の事業計画として下記の資料が示され簡単な説明がありました。

平成23年度東御市土地開発公社事業計画
〇収益的事業
 公有地取得事業 
     滋野地区保育園建設用地取得  56,959千円
 土地造成事業  
     寺坂住宅団地(3区画)    21,000千円
     白樺住宅団地(3区画)    18,000千円
     菖蒲沢住宅団地(1区画)    6,500千円
     羽毛山工業団地(1・2番) 278,190千円
     上川原工業団地(5番)   159,289千円
     インター東部流通団地(3番)150,000千円
     インター東部流通団地(区画外)15,000千円
     県道東部望月線代替地     31,284千円
     インター東部流通団地(賃貸中)58,520千円
     合 計           794,742千円
〇資本的事業
 公有地取得事業 
     滋野地区保育園建設用地取得  55,300千円


土地開発公社や病院・上下水道事業会計などは一般の市民にはとうていわからない特殊な日本語を使うため、私はこれまでにも悩まされてきました。上記の表から私は土地開発公社の事業には収益的事業と資本的事業があり、さらに公有地取得事業と土地造成事業があるんだなと思いました。

しかしどうして土地取得事業や土地造成事業が「収益」なんでしょうか。土地を買うにも造成するにもお金がかかります。「収益」ではなく「費用」であるはずです。

さらにおかしなことは収益的事業と資本的事業の両方に「滋野地区保育園建設用地取得」が載っている事です。それにしても金額も違っています。そこで「滋野地区保育園建設用地取得が両方に載っているのはどうして」とお聞きしました。

その回答がふるっていました。資本的事業で保育園の用地を取得し、収益的事業でその用地を販売する、その差額1,659千円が土地開発公社の利益だというのです。そして土地造成事業というのは土地開発公社が所有している土地を販売することだというのです。

「保育園建設用地取得」といわれれば土地を買うことだと思います。また「土地造成事業」といわれれば住宅用地を造成することだと思います。これが実は保育園用地や住宅用地を販売することだとわかる方はいったい何人いるのでしょうか。

「じゃあこの土地造成事業というのは、つまり土地を売却するということなんですね」という私の問いかけに対し、担当者はやっと「販売に努力するということです」と答えていました。私が質問しなかったら「収益的事業794,742千円、資本的事業55,300千円」でさらっと流されていました。「販売に努力する」などといった言葉は聞けなかったに違いありません。

こうした特殊な行政用語がなぜはびこっているのでしょうか。協働のまちづくりというからには説明も市民にわかりやすいものでなければなりません。とするなら上記の事業計画も、「公有地取得事業」ではなく「公有地販売事業」であり「滋野地区保育園建設用地販売」であるべきです。「土地造成事業」も「住宅・工場用地販売事業」でなければなりません。

保育園の用地を市に販売することを「取得」と言い、住宅用地を販売することを「造成」という感覚は一般市民には計り知れないものがあります。市民の目線で行政用語を見直す必要があります。

御牧苑改修をめぐるお粗末

2011-02-28 05:35:23 | 議会活動
先日議会全員協議会がありました。その中で御牧乃湯改修関連事業として御牧苑の改修工事の説明がありました。御牧苑とは温泉施設御牧乃湯に隣接して建てられている食堂のことです。御牧乃湯改修に伴いこの施設も改修するというのです。

改修工事は壁や天井のクロス張替え、フローリング研磨・塗装、畳・便器・照明器具交換、厨房などの備品交換など。これによる事業費は2670万円とのこと。ここは現在振興公社が受託して営業を行なっています。私も一度だけ入ったことがあります。

御牧苑の改修は初耳でした。説明を受けた第一印象はお客さんも入らない施設にいまここでお金をかける必要があるのかというものでした。そこで市の担当者に現在の御牧苑の経営状況について質問しました。ところが担当者は答えられませんでした。そこで後で調べて報告するということになりました。

そして全員協議会の最後に再度担当者から報告を受けました。それによれば平成22年度の売上は1800万円、経費は2060万円、260万円ほどの赤字とのこと。利用者は1600人とのことでした。そして今後メニューを見直し大広間での会食を進めることにより利用客を2割増しにするとの計画が発表されました。さらに振興公社から1500万円寄付してもらい事業費にあてるため市の実質的な負担は1150万円と報告されました。

その場はそれで聴き置いたのですが後になってどうしても納得が行かず、担当者に電話をしました。私の質問は1600人のお客さんなら1日4~5人ではないか、なぜそんなに費用がかかるのかというものでした。最初担当者は私が何を言っているか分からなかったようですが、途中で人数を取り違えていたことに気がついたようです。正しい利用者数は1600人ではなく16000人とのことでした。全員協議会であやまって報告をしていたのです。

つまり担当者にしてみれば自分の仕事は改修するだけだから、そこで営業がやっていけるかどうかは眼中になかったわけです。しかしそこに税金が使われるのだからきちんとした根拠が必要です。2650万円の投資をするにあたって現状を理解していない、数字もいいかげん、こんなことでいいのでしょうか。

その後私は時間も遅かったのですが振興公社に行きました。振興公社自身の経営計画を知りたかったからです。ちょうど専務もいらっしゃってお話しをお聞きしました。私の質問は「今でも多くの食堂やレストランは四苦八苦している、そんな中、どうやってお客さんを2割も増やすことができるのか」という至極当然のものでした。

ところが具体的なものは何もありませんでした。お話しは「地ビールレストランでやっているようなメニューを導入したい」、「改修で道路から見えるようになるから認知度も高まるからお客さんも増えるのではないか」などといった希望的観測にとどまっており、具体的計画とは程遠いものでした。

私はさらに「売上1800万円で経費が2060万円とは過大だ、経費の内容を教えてほしい」と質問。その結果仕入れ費用が480万円で一般管理販売費が1200万円、その大部分が人件費ということでした。ここで働いている人は社員1名、パート5人、シルバーさん1人の7人とのこと。「それにしては人件費が多すぎないか」との問に「御牧乃湯の要員も入っているかもしれない」との回答でした。

振興公社からのお話しでは「今回公社も初めて1500万円投資する」とおっしゃっていましたが、それにしてはあまりにも杜撰な計画だと言わざるを得ません。お客さんを2割増にするという大目標を掲げるのであればそれなりの対応策があるはずです。地ビールレストランのメニューを導入するのであれば、外装もこれまでの和風から変えることも必要でしょう。残念ながら経営革新に取り組むという不退転の決意が私に伝わって来ませんでした。

それにしても市長のお話では御牧乃湯は「銭湯的施設」とするはずだったのではないでしょうか。隣接する食堂を改修してさらに営業を拡大するというのは、まさにこれまでと同じフルセット型施設と言えます。これでいいのでしょうか。   

一般質問の準備をしています

2011-02-28 05:22:01 | 議会活動
3月議会での私の一般質問は4日の午後になる見込みです。どのように異論を闘わせるか構想を練っています。これまでの一括質問方式とは異なり一問一答方式では普通の会話同様、質問と回答が何度も繰り返されます。どこで終わりということもありません。相手の対応によってこちらも質問を考えなければなりません。ひとつ一つの議論で何を明らかにするのか明確な目標を持つ必要があります。

これに対し一括質問方式は言いっぱなしでも議論は進みます。ですから3回分の原稿を作っておけばそれで足ります。これに対し一問一答方式では相手の回答に対してどう答えるか即戦力が試されます。

ですから事前の相当問答を考え、それにどのように対応するのかシュミレーションを積み重ねる必要があります。ただ原稿を準備すれば事たれりというわけには行きません。そんなこともあって今回一問一答方式を選択された議員さんは半分でした。私も初めての経験なのでとまどうこともあるかと思いますがチャレンジしたいと思います。

一般質問の内容が決まりました

2011-02-26 05:39:46 | 議会活動
25日は議会全員協議会があり3月議会の一般質問の内容が決まりましたのでお知らせします。今回は予算議会ですので会派の代表質問が行なわれます。またはじめての一問一答方式が導入されます。

●代表質問

清和会(青木議員)一括質問一括答弁方式
 1、施政方針と財政の見通しについて
 2、安全・安心・元気なまちづくりについて
太陽と風の会(櫻井議員)一問一答方式
 1、市長の施政方針と市政運営について
 2、市民病院の「公立病院改革プラン」について
 3、「地球温暖化対策」について
さわやかな風の会(長越議員)一括質問一括答弁方式
 1、市政運営に成果と課題について
 2、平成23年度施政方針について
 3、平成23年度予算について
 4、地方分権時代における国や県との関係について
日本共産党(山崎議員)一括質問一括答弁方式
 1、市長施政方針について
 2、国保税の引き下げについて
 3、住宅リフォーム助成制度の創設について
公明党(依田議員)一括質問一括答弁方式
 1、市長施政方針について
 2、財政の健全化に向けて公会計制度改革の推進について
 3、低所得者世帯の子どもに対する学習支援の推進について
 4、支えあう地域社会づくりについて

●個人質問

阿部貴代枝 議員(一問一答方式)
 1、ごみ処理の対策について
 2、引きこもり状況とその対策について
 3、平和都市宣言と男女が共に輝けるまち宣言について
小山義明 議員(一括質問一括答弁方式)
 1、TPP(環太平洋連携協定)について
 2、鳥インフルエンザ騒動に関連して
 3、無縁社会をなくするには
 4、海野バイパスと千曲川の景観について
若林幹雄 議員(一問一答方式)
 1、あるべき入札制度についてどのように考えるのか
 2、公共工事の発注にあたっては地域内の多くの建設業者が潤うように配慮すべきだ
 3、これからの街づくりのために内部循環型経済の仕組みをつくるべきではないか
三縄雅枝 議員(一問一答方式)
 1、市における発達障がいの現状と具体的施策について
 2、子ども手当における、給食費・保育料等の引き落しについて
 3、選挙時における選管の考え方について
蓮見喜昭 議員(一問一答方式)
 1、効率的な行政運営について
 2、視察受け入れについて
 3、地元農産物のPRについて
清水新一 議員(一括質問一括答弁方式)
 1、農業振興について
 2、防災対策について
土屋伸吉 議員(一問一答方式)
 1、東御市の人口増加の施策は結果として現れているか
 2、定住自立圏形成に参加することにより、東御市にとってどのような事が期待できるのか

今回は代表質問に4名、個人質問に7名、合計で12名の議員が質問に立ちます。在籍議員のうち質問に立つ議員さんの割合である「質問率」は75%になります(議長は質問できないので在籍議員の数字から除いてあります)。この率は周辺市町村と比べても決して小さな数字ではありません。皆さん熱心に取り組まれていると感じています。

ただ残念なことはこれまで議会改革の一環として進めてきた「一問一答方式」を採用された議員さんが6名にとどまったことです。とりわけ代表質問で一問一答を行うのは櫻井議員さんのみ。積極的にチャレンジしていただきたかったと思います。

そんな中、わが「太陽と風の会」は全員が一問一答方式で質問に立ちます。上田ケーブルビジョンとFMとうみで中継します。ぜひお聞きいただければ幸いです。質問のスケジュールは以下の通りです。

3月3日 午前 青木議員・櫻井議員
     午後 長越議員・山崎議員
3月4日 午前 依田(政)議員・阿部議員・小山議員
     午後 若林議員・三縄議員・蓮見議員
3月7日 午前 清水議員・土屋議員

審議会と編集会議でした

2011-02-24 22:33:07 | 議会活動

24日は午前中上下水道運営審議会の会議がありました。議題は前回の会議で提案された「東御市水道ビジョン」の審議でした。東御市は扇状地にあるため水源の8割が地下水です。このため水質もよく水はとてもおいしいと評判です。ビジョンにはこうした水資源を大切にし、市民に安定的に供給できるような様々な施策が盛り込まれています。

2回の審議会では各委員から様々な意見が出され審議されました。その結果全員の賛同を得てビジョンが確定し、会長より市長に対して答申書が提出されました。委員の皆様ご苦労様でした。


午後は「地域医療を語る会だより」の編集会議でした。この会はこれまでは「市民病院と要望を語る会」と称していましたが、最近「市民病院とともに地域医療を語る会」へ名称変更を行ないました。それは「病院と市民が対立していても問題は解決しない。市民と病院が一緒になって取り組まなければ地域医療は守れない」という認識からでした。

私がこの会とかかわるようになってから2年近くなります。市民が病院とともに問題を考える取り組みをさらに進めるために新聞作りを提案しました。それから3号まで新聞が発行されてきました。私も言いだしっぺとして編集メンバーの末席を汚し、できる範囲で協力をさせていただいています。

メンバーの大半は女性達です。彼女らの病院を良くしたいという想い、病院にかける情熱には私もタジタジです。行動力抜群の方、文章を書くことがお好きな方、お仕事がら編集能力に長けている方、パソコン能力を活かして印刷の版下を作る方がいます。そして世話人さんは、みんなが力を発揮できるよう心をくだき、やる気を引き出し、ほめてなだめてその気にさせてしまいます。

この会では実にお一人おひとりが生き生きとして活動しています。皆さん良く笑い、しゃべり、時に口角泡を飛ばします。みなさんとても魅力的です。そんなこんなで来月には第4号を発行することになりました。新聞は公民館や市役所、商店などにおいてありますが、もし入手できないようでしたらお申し出ください。お届けします。

ということで、私も何かと忙しく毎日を過ごしています。それにしても一般市民がボランティアで病院を支えて行こうという取り組みは、あまり聞いたことがありません。大切にしたいと思います。

3月議会が始まりました

2011-02-24 01:22:28 | 議会活動
2月23日から平成23年第一回定例会、通称3月議会が開催されました。会期は3月18日までの24日間です。スケジュールは以下の通りです。

2月23日(水)本会議開会
2月25日(金)全員協議会
3月 3日(木)代表質問
3月 4日(金)代表・個人質問
3月 6日(月)個人質問
3月 9日(水)本会議
    ・平成22年補正予算の質疑・討論・採決
    ・平成23年予算総括質疑・委員会付託
3月10日(木)常任委員会議案審査
3月11日(金)常任委員会議案審査
3月14日(月)常任委員会議案審査
3月15日(火)予算特別委員会
3月16日(水)正副委員長会議
3月18日(金)本会議(質疑・討論・採決)

これだけ見れば12日間しか仕事をしていないように見えますが、ここの掲載されていない日は議案の疑問点などを担当者に聞いたり、同僚議員と話し合ったり、討論の原稿を書いたりします。これを議案調査と言います。この議案調査にどれだけ時間をかけて行なうかにより、より深みのある議論ができます。


分厚い予算書をいただいてきました。予算書は平成23年の当初予算分で2冊、平成22年の補正予算分で3冊、この他に議案書と条例に関する資料、予算に関する説明資料など3冊があり、都合8冊にもなります。さすがにカバンに入れて持ち上げるとずっしりとした重さです。


予算書の中身は上の通りです。予算項目と金額、それに対する簡単な説明があるだけ。そんなページが分厚く綴じ込まれています。この数字の羅列を見て、その金額の支出が適切かどうか判断しろといわれてもとまどうばかりです。

そこで数字一つひとつをじっくり眺め、その背後にある事業の内容に思いを馳せ、お金がどのように使われたかを想像し、それによってもたらされた成果がお金に見合うものであったかを判断するのです。これを予算書の読み込みと言っています。

これからしばらくの間、読み込みに時間を割くことになります。

3月議会の一般質問について

2011-02-23 07:14:24 | 議会活動
本日から予算議会が開催になります。本議会での私の一般質問通告書を議会事務局に提出しました。詳細は下記の通りです。

1、あるべき入札制度についてどのように考えるのか。

先般市民オンブズマンが県下19市の公共工事落札率調査を実施した。その結果東御市は落札率90%以上のものが79%を占めワースト3と発表した。オンブズマンは落札率90%以上のものは問題があると指摘している。
 ① オンブズマンのこうした指摘に対し、市長はどのような認識を持っているか。
 ② 最近の御牧乃湯の落札率も99.57%と限りなく100%に近いがどう思うか。
 ③ 市は現在の指名競争入札制度についてどのように認識し、どこが問題だと思っているか。

2、公共工事の発注にあたっては地域内の多くの建設業者が潤うように配慮すべきだ。

 舞台が丘整備事業や保育園建設工事など東御市においてはこれから様々な公共工事が予定されている。こうした工事に対し市内業者は受注の機会として大きな期待を寄せている。そこでお尋ねしたい。
 ① 大きな工事は建設、土木、機械・電気設備などできるだけ分割発注し多くの企業が潤うよう配慮すべきだ。
 ② 先般の御牧乃湯の発注については一括発注だ。なぜ祢津保育園のように分割発注しなかったのか。
③ 上田市や小諸市では住宅リフォーム制度など受注創造型の取り組みをしている。当市の取り組みはどうか。

3、これからの街づくりのために内部循環型経済の仕組みをつくるべきではないか。

 これまで地域開発のために大規模公共工事や工場誘致を進めてきたがその効果は薄れてきている。これからの地域発展のためには地域のお金が地域の中に再投資され、地域内で循環する仕組みをつくることだ。そのためには地域内の中小企業や業者、商店、農家や様々な農産物加工組合、JA、そして自治体の役割は極めて重要になる。
 ① 市はこうした地域内企業を支援するための旗印を鮮明に掲げるべきではないか。
 ② こうした視点から中小企業振興条例を制定し、内部循環型経済育成の方針を示すべきではないか。

一般質問の日程はまだこれからです。上田ケーブルビジョンやFMとうみなどでお聞きいただければ幸いです。

市政と要望を語る会を開催しました

2011-02-20 17:09:54 | 議会活動


2月19日夜、中屋敷公民館で私の後援会主催による「市政と要望を語る会」を開催しました。地元中屋敷区の方など約50人の方にお集まりいただきました。お寒い中おいでいただいた皆様に心より感謝申し上げます。

1週間前でしたら大雪で夜お集まりいただくのも大変だと思っていましたが、幸いここ2・3日お天気も良く雪もすっかり消えてしまいました。この日もポカポカ陽気で本当に助かりました。

集会最初に後援会長の挨拶があり、続いて女性代表の方から私に対して身に余るお言葉を頂戴しました。ありがとうございました。その後市政報告ということでお話しをさせていただきました。

まず最初に、「議会改革を進める」という思いを共有している3人の委員さんとともに、新しい会派「太陽と風の会」を結成したことについてお話しました。それぞれの議員さんとは政策的にすべて同じではありませんが少なくとも「議会改革」という点では考え方が一致しています。これから任期が終わるまでの間に改革が少しでも進めばと思っています。

次にこの1年間の私の主な一般質問についてお話ししました。とりわけ土地開発公社の不良資産問題について取り上げました。土地開発公社には名目上は53億円の資産があることになっていますがバブルがはじけて土地価格が暴落してしまいました。その結果バブルの時に買った価格で売ろうと思っても高すぎて売れず、20年間も抱え込んできました。その間多額な金利を支払い続けてきたのです。

この問題の処理をするためには実勢価格で評価をし直し、損失を確定し、公金を投入するしかありません。しかしこれまで誰もその仕事に手をつけてきませんでした。花岡市長はその難しい仕事に手をつけ、不良資産処理に一歩踏み出すことを約束してくれました。見守りたいと思います。

次に東御市の昨年と今年の主な事業についてお話しさせていただきました。(1)まず市民病院の助産所のオープンと透析病床の拡充により市民の安全と安心が大きく進んだこと、(2)祢津保育園の竣工・滋野保育園の建設用地確定により保育園の整備が進められていること、(3)そして今年はいよいよ市庁舎の改修・建設が進められること、(4)緊急時の情報伝達のため「FMとうみ」が設立され今年は専用ラジオが配布されること、(5)温泉施設「御牧乃湯」が改築されることなどです。

最後に議会改革の取り組みについてお話しました。昨年は議会報告会を開催し、「市議会だより」の刷新に取り組み、この3月議会からは一般質問に一問一答方式を導入することになりました。

市政報告の後は参加された皆さんから意見交換でした。「議員報酬は多すぎすのではないか」「TPPについてどう考えるのか」「交通費は出るのか」「新しい会派の中で意見の違いはないのか」「議会は市政をチェックできているのか」などなど。率直な意見交換ができてとても良かったと思います。

お忙しい中、お寒い中大勢の方にお越しいただきました。ありがとうございました。

小諸市の入札制度改革への取り組み

2011-02-18 06:14:05 | 議会活動
入札制度をどのようにすべきか大きな課題になっています。そこで先日入札制度について小諸市さんを訪問、入札制度改革についてお話をお伺いしてきました。

小諸市さんが入札制度改革に着手されたのは平成20年4月からでした。その後も現場の状況や業者との懇談会で出された問題を検討し、必要な改革を次々と積み重ねてきています。

改革の第一は「制限付き一般競争入札(事後審査型・郵送方式)」の導入でした。

すなわち、広範な入札参加機会を確保するとともに、入札参加者の手続きの負担軽減、及び入札事務の効率化を図り、入札・契約手続きの透明性、公平性、競争性を一層高めるために130万円を超える建設工事について「制限付き一般競争入札(事後審査型・郵送方式)」を導入したのです。「制限付き」とは入札参加業者を市内に本店のある業者に限定(地域要件)したことです。

第二に、最低制限価格の導入です。契約内容に適合した工事の品質を確保し、ダンピングを防止するために最低制限価格を定めました。しかし入札が最低制限価格に集中している現状を鑑み、価格を見直し引き上げを図ってきています。

第三に、等級別発注標準の運用によってAランクの入札に制限を加えています。一般競争入札により落札者がAランク業者に集中する傾向があることを踏まえ、発注基準の運用によってAランク業者の入札を制限しています。

すなわちAランクの発注基準はこれまでは全工事が対象でしたが、これを土木は300万以上、水道施設は400万以上、舗装は300万以上としています。これにより市内の中小業者も受注できるよう配慮しています。

第四に、「一抜け方式入札」を実施しています。同一の開札日などでいくつかの工事に同時に入札している業者は、そのうちの一つで落札した場合は他の工事の入札を辞退するというものです。これは市内建設業者の受注機会を確保し、少しでも多くの業者に仕事が行き渡るようにするためです。

第五に、中間前金払制度を導入しています。受注業者へ工事代金の中間前金払いを実施することにより業者の資金繰りの改善を図るものです。既に実施している着工時の「前金払制度」に加え、出来高と工期が半分以上経過した時点における中間前金払いを導入しました。

その他、工事関係書類の簡素化を進め業者の負担軽減を図ったり、受注機会確保の目的で、工事の分離・分割発注を積極的に実施し、より多くの業者に仕事が行き渡るように努めています。

小諸市さんへのヒアリングで感じたことは、制限付き一般競争入札を実施する一方で、市内業者に広く仕事が行き渡るように細かい配慮を行い、ダンピングなどによる経営悪化を防止するために最低制限価格を何度かにわたり引き上げたりしていることです。

いったん決めたことも現場の状況を見たり、業者との話し合いの中で出てきた問題については何度も見直し細かい修正を加え、より良いものにしてゆくと言う姿勢が伺われました。適正な入札を確保するととともに、その一方で市内業者をどのように育成してゆくのかという視点がありました。

きわめて示唆に富んだお話しをお伺いすることができました。お忙しい中こころよく対応していただいた小諸市役所の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

競争原理だけでいいのか?

2011-02-16 09:56:13 | 議会活動
入札問題についてこのところ考えています。前日のブログで私は小諸市に比べて東御市では競争原理が働いていないのではないかと述べました。しかし信州市民オンブズマンの入札にかかわる調査に関して2月8日のブログで以下のようにも指摘しています。

「一般競争入札というのはわけへだてなく全ての企業が入札に参加できるやり方です。そこには際限のない競争原理が働きます。当然弱肉強食の世界です。力のある企業や価格競争力のある企業が席巻することは明らかです。小さな企業は生き残ってゆくことができません。当然落札単価は大幅に引き下げになります。

しかしそれだけでいいのでしょうか。行政運営に際限のない競争原理を持ち込めば、県外資本の郊外店に地域の商店街は席巻され消滅するでしょう。大手ゼネコンが巾を利かせ地元の中小工務店は姿を消すでしょう。こうした小さなお店はお祭りや地域の行事に積極的に参加し、地域文化を担ってきました。競争原理にさらされた街からはその地域の風情や風格が失われることになるでしょう。」


一般競争入札と指名競争入札をどのように考えるべきなのでしょうか。これは極めてむずかしい問題です。

一般市民の立場からすれば一般競争入札によってよりコストダウンを図るべきでしょう。しかしそれによって一部の価格競争力のある企業に落札が集中し、大多数の中小零細企業の経営が行き詰るというのでは問題があります。競争原理を働かせつつ、多くの企業が立ち行くような施策が必要となります。

指名競争入札は一面において中小零細企業に広く仕事が行き渡るように配慮していると言われます。しかしどの企業を指名するかについて行政側の一方的な判断であり、透明性が確保されているわけではありません。やる気のある頑張っている企業とそうでない企業を同列においていいのかという問題もあります。

一方、一般競争入札については応札企業が増えることにより、行政側の事務負担が増すとの意見があります。これについては企業審査を応札企業全て実施するのではなく、落札企業のみ実施するという「事後審査型一般競争入札」というやり方があります。

いずれにしても入札における透明性、公平性、競争性を考慮しつつ、市民にとっても企業にとっても納得性のある入札制度を目指すべきではないでしょうか。

日めくりカレンダー