福祉の窓口で感じたこと

2009-07-11 03:07:55 | 不況・雇用問題
先日、市民の方と一緒に福祉の窓口に生活保護を求めて相談に行きました。どんな応対をされるか心配したのですが、担当者の方にはていねいに事情を聞いていただき、上司の方にはプライバシーに配慮していただき別室を用意していただきました。結果として生活保護ということにはならなかったのですが社会福祉協議会で行っている離職者貸付制度をご紹介いただき、公営住宅の申し込み手続きを教えていただきました。

しかし生活保護について説明する際の担当者の話に違和感を感じました。

公的な生活保護は最後の手段であるにもかかわらず、最近は若い人が生活保護を求めて気軽に相談に来る、これではいくら予算があっても足りないというのです。あたかも本人の自助努力が足りないと言わんばかりの口調でした。また最近は外国人の方も相談に来られることも多いようです。近隣の市でも大勢で押しかけてこられ困っていると言っていました。

「何でもかんでも生活保護でというのは困る」という担当者の気持ちは理解できます。しかしいま世の中は百年に一度といわれる大不況です。有効求人倍率はこの上田地域は県内でも最低となっています。仕事を探してもなかなか難しい状況にあります。こんな時こそ最後のセーフティネットが生活保護ではないでしょうか。

6月議会で示された生活保護費は1億3181万円、このうちいわゆる「生活保護」にあたる生活扶助費は2520万円です。これは平成20年に比べて259万円の減となっています。大不況の中で前年を下回る予算でやっていけるのか議論になりました。これに対する市側の回答は足りなかったら増額するというものでした。予算がないというのは言い訳に過ぎません。

「外国人が大勢で来るから圧迫感を感ずる」というのは理解できます。しかし大勢で来るのは外国の方の文化だと考えたらどうでしょうか。言葉がわからないこと、仲間意識が強いこと、一人だと不安なことなどから外国の方は集団行動をとることが多いようです。そうした気持ちを理解してあげて、相談にのることが必要ではないでしょうか。

生活保護は「お上のお慈悲の制度」ではありません。憲法に明記されている当然の権利です。それが現場では十分機能しているとはいえない状況にあります。いろいろ考えさせることが多かった生活保護相談でした。

派遣切りの相談会に参加しました

2009-05-24 02:56:40 | 不況・雇用問題
22日は朝から上田市で行われた派遣切り相談会にボランティアで参加してきました。主催は地域の労働組合や医療生協などで構成する「陽だまりネット」。毎月1回行っており今回は4回目だとのことです。

ハローワークの真向かいの駐車場の一角にテントが張られ、大勢のボランティアの方が参加していました。相談の応対をしている人、コーヒーのサービスをしている人、医療相談に応じている人など様々です。その片隅に小さな子供を伴った外国人の家族の方がいたのが目を引きました。

私は相談に来られた3人の方のお話をお聞きしました。この春就職したが長時間労働で残業手当ももらえないという若者と、解雇され離婚し自分自身もうつ病だという青年、そして赤ちゃんを産んだばかりだという外国人の女性です。

お話を聞いていて感じたのは人員整理が始まった時、真っ先に切られるのはいわゆる生活弱者からだということです。派遣社員・パート社員・若者・女性・外国人・病弱な人・気弱な人・テキパキと仕事ができない人・乳幼児を抱えた女性・お年よりなどなど。

そしてその一方国のセーフティネットがほとんど機能していません。生活保護という制度がありますが若者には仕事を探すように指導するばかりでその門はなかなか開いてはくれません。働きたいのに仕事がないという現実の前になんら有効な手立てが打てていません。まして外国人は日系の方を除いて生活保護の対象にもなりません。たとえ門が開いても裸一貫にならないと入ることはできません。経済大国だといわれるわが国のセーフティネットはあまりにもお粗末です。

私は用事があったので昼まででしたがその間も多くの方が相談に訪れていました。お一人おひとりの生活がなんとか立ち行くことを願っています。

夜、東御市九条の会で市役所の方からお話をお伺いしました。東御市の生活保護は平成19年度は相談15件に対して支給開始は1件でした。実績は生活保護は44世帯56人です。平成20年度は相談34件で支給開始10件、実績は50世帯70人となっています。

有効求人倍率は最悪の0.39倍

2009-04-02 00:37:24 | 不況・雇用問題
早朝から自宅前の庭でブドウの剪定した枝や落ち葉を燃やしました。もちろん事前に消防署へ電話をし焚き火届けを出してからです。こうして来年の冬のための消炭の準備をするのです。露地や畑の落ち葉を熊手でかき集め焚き火に投じました。落ち葉の中には害虫の卵や成虫が越冬していることもあります。

途中で娘が孫を連れてやってきました。美容院に行くため孫を預けに来たのです。孫はもうすぐ2才。孫が来るのは大歓迎なのですがほぼ半日振りまわされることになります。午後になって雨になりました。

4月1日の東信ジャーナルによれば、2月の上田職業安定所発表の有効求人倍率が0.39倍になったそうです。すなわち10人の求職者に対して仕事は4人分しかないということです。この数字は1月を0.09ポイント下回り、昭和38年の統計開始以来過去最低だそうです。全国は0.59倍、長野県は0.51倍であり上田は県内でも最低水準です。昨日は年度末でした。どれくらいの人が職を失ったのでしょうか。心配になります。

不況、そして雇用問題を考える

2009-03-28 04:12:35 | 不況・雇用問題
朝起きたら一面の銀世界でした。桜が咲くかというこの時期の思わぬ降雪にびっくりしました。雪の中、朝一番で妻を東部湯の丸ICに送りました。妻は今日から友人と能登のあの有名な加賀屋に泊まりに行き2日間留守になります。

夕方、中央公民館で勉強会がありました。講師は私。憲法連続講座の第一回として「不況・雇用問題の本質を探る!」と題して、この10年間企業は何を考え、どのように行動したのかお話しました。資料作りのため午前中からデータ集めと資料の読み込みを行いました。現在の不況、そして派遣切りなどの雇用問題がなぜ起きたのか過去10年前にさかのぼって考えました。

バブルが崩壊してからの10年間を「失われた10年」と言います。この間景気は低迷し、不良債権問題が噴出。それが金融危機まで発展し、日本を代表するような金融機関や証券会社、大企業が次々と破綻して行きました。そんな中でこの経済危機をどのようにして脱却するのかが大きな課題でした。当時3つの過剰、すなわち負債・在庫・雇用の過剰の克服が課題でした。バブルで積みあがった借金、不良在庫、そして人あまりを解消しないと一歩も前に進めませんでした。

長野県の場合、この時期は長野オリンピックを目の前にして、新幹線や高速道路など巨額の公共工事が行われ小バブルに踊った時期でした。当時関東通産局で、東京都ほか甲信越・首都圏の十県の金融機関やシンクタンクの情報交換会がありました。その場で「長野県はいいね」という羨望の声を良く聞きました。しかし、その後長野県でも小バブルがはじけて深刻な不況に見舞われ、土木建設業界は深刻な経営危機に陥りました。

そして派遣労働という働き方が提案され、成果主義人事制度が導入されました。そこで言われたのは「一人ひとりのライフサイクルに合わせた多様な働き方を認めよう」「頑張った人が報われる制度にしよう」ということでした。そうした中で派遣や請負などといった非正規雇用が導入され、定期昇給が見直され賃上げが抑制されました。こうして今日の派遣切りにつながる下地ができて行きました。労働者のニーズに応えるかのようなポーズをとりつつ、いつでも調整できる体制をつくりあげ労働分配率の引き下げを進めてきました。

こうして雇用の過剰を徐々に克服し企業は成長軌道に戻って来ました。反対側に不安定雇用と低賃金という雇用構造を内包したまま。今回の景気回復を辿ってみればわかりますが、GDPの6割近いウェイトを占める個人消費はほとんど増えていません。今回の景気を牽引したのは輸出でした。アメリカ頼み、輸出頼みの景気回復はアメリカがくしゃみをすれば日本は一気に肺炎にかかるという虚弱体質を抱えることになりました。

こうした中でいま求められているのは自らの足で立つ自立的景気回復です。輸出主導ではなく個人消費の拡大に軸足を置いた内需主導の景気回復です。たとえば農業(N)・福祉(H)・環境(K)の3つの分野が有望市場として注目されています。こうしたNHKを大きく進めていく施策が必要だと感じています。

この10年間、成長軌道に戻るために様々な取り組みをしてきました。その時々ではそれが必要欠くべからざる選択であったと思います。しかしそれが本当に日本の未来を考えた場合、正しい選択であったのかあらためて考え直す時期に来ているのだと思います。

一時期「自己責任」という言葉があらゆる場面で使われました。お互いにその責任を追及するようなとげとげしい風潮がありました。それもそんなに前ではありません。しかしいまは「癒し」がテーマになっています。お互いに支えあうこと、認め合うこと、励ましあうことが必要です。これまではなりふり構わず働かなかったら生きてこれませんでした。しかしその結果私たちは幸せになったかと問われれば「?!」と思わざるをえません。そうした矛盾が一気に噴出したのが、この間の派遣切りであり派遣村だったと思います。

私たち自身、そして私自身どうであったのかあらためて振り返ってみたいと思います。


ハローワークは超満員!

2009-02-23 19:48:52 | 不況・雇用問題
いよいよ明日から3月19日までの予定で3月議会が始まります。125億7000万円の予算案が提案されています。3月4日が代表質問、5・6日が一般質問となります。

私も今回も一般質問に立ちます。質問は緊急不況・雇用対策について、介護保険税の値上げについて、市庁舎・図書館などの舞台が丘再開発問題についての3つです。いずれも重要性・緊急性がある問題です。

事前調査のため午前中は福祉センターで勉強、午後はハローワークを訪問しました。ハローワークは入り口まで人であふれていました。若い方、お年寄り、日系ブラジルの方など、みんな押し黙って自分の順番を待っていました。あまり身近に派遣切りや雇い止めにあった方がいないため、なんとなくそれほどのことはないのかと思っていましたが、あらためて雇用問題の深刻さを感じました。

リストラはこれからが本番だとのことです。とりわけ3月の年度末、企業倒産、派遣切り・人員整理が心配されます。行政のきめの細かい対応が一番求められていると感じています。一般質問へますます力が入ります。がんばらねば!

景気悪化はまさにこれから!

2009-02-18 00:57:26 | 不況・雇用問題
今日はこのところの景気落込みの影響を探るために金融機関と商工会に行ってきました。
企業によっては売り上げ6割、7割減という深刻な先もあります。
問題なのはいつ景気が好転するか先行きがわからないということです。

東御市には部品製造企業が多いため、元受企業の影響が年明けから広がり、2月~3月にかけてより深刻になってくることが予想されるそうです。

3月までには多くの派遣切りや雇い止め、人員整理が行われそうです。
いまこそ地方自治体として何ができるかが問われています。

来週からはいよいよ3月議会が始まります。

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