小字(こあざ)ってご存知でしょうか。古くから伝わっている、田んぼや畑などごく限られた地域の名前のことです。先日中屋敷郷土史研究会で専門の先生からお話をお伺いしました。私たちの集落中屋敷でも十数もの小字が伝わっています。以前にはもっとたくさんの小字があったようです。この小字にはその地域の歴史や成り立ちが色濃く盛り込まれており、小字を研究すれば歴史が分かるとまで言われています。
ちなみに中屋敷の小字は以下のとおりです。白木(しらき)、反り地、稲荷、八幡、鈴の免、庄司館(しょうじかん)、柄豆(からまめ)、西前田、真王(まおう)、竹花(たけのはな)、中沢、外城(とじょう)、桑原、石堂、西原地、初海道(はつかいどう)、東原地、唐沢などです。読み方は正確ではありません。
八幡には八幡神社があり、そのかたわらには鈴の免があります。鈴の免は八幡神社の祭礼のための田で税金が免除されていたことからつけられとのこと。初海道(はつかいどう)は初垣内(はつかいと)で新しくできた集落のことで、垣内は小集落のことだそうです。真王には真王神社がありますが、何か宗教的要素があるのではないかとおっしゃっていました。
注目すべき小字は庄司館です。講師のお話しでは庄司館とは荘園の管理人である庄司が住んでいたのではないかとのことでした。また竹花は館(たて)の端(はな)のことでここまで館があり、外城はその館の出先のことではないかとおっしゃっていました。
私は以前から「中屋敷」という名前の由来に興味がありました。屋敷というからにはどなたかその地域の有力者がいたのだろうと思っていました。こうして小字を見てみるとおぼろげながらその姿が浮かび上がってきます。あらためで小字に注目したいと思います。