今日の昼すこし前,東海道新幹線の下り列車《のぞみ225号》が小田原市内で緊急停止して大騒ぎになるという事件があった。なんでも列車内で老人がガソリン被って焼身自殺を図り,その火災による煙が多くの客が乗車している車内にまたたくまに充満しパニック状態に陥ったということだ。あらま,そりゃ大層な事件だゾ! 自殺の現場は先頭車両(1号車)の前デッキ付近だという。あれま,そこは新幹線のなかでも私の好きなポジションではあるまいか! 私事ながら1週間ほど前,久しぶりに自転車(FBフォールディングバイク)抱えて新幹線に乗って静岡方面まで一寸出掛けたのであるが,その時もいつも通り先頭の1号車両に乗車した訳でありまして,いや,世の中いつ何時どこで何事が起きるか判りませんナ。
実は,今日の午後は亡母の墓がある小田原方面の霊園に自転車(CBクロスバイク)で墓参り(墓掃除)に出掛けようと思っていたのだけれども,そのような極めて突発・緊急的,異常・剣呑かつ危機的な事件がその後どのように展開してゆくのか,ネット配信情報やテレビ報道等が刻々伝えるリアルタイムな事件の推移に,ついつい野次馬的な興味をそそられてしまい,ハズカシナガラ平日の昼間ッからテレビを付けっぱなしにしたままでずっと見続けてしまった。なお,即座に自転車(MTBマウンテンバイク)をスッ飛ばして現地まで直接出向いて事件の現状を真近に見届けるといった行動力が発揮されなかったのは,私もちったぁオトナになったということだろうか(いや,単なるヘタレに過ぎないか)。さらに加えて,昼過ぎには箱根山の噴火警戒レベルが「レベル2」から「レベル3」に引き上げられたという,こちらも由々しき臨時ニュースが新たに飛び込んできたりして,事件報道の混乱に一層の拍車がかかり,テレビの番組構成などグダグダになっていった。ありゃま,テレビ屋さんダイジョーブか? 大涌谷噴火のほうは,当盆地でも今朝方から数回にわたって弱い地震を感じていたものだから,アレ?モシカシテ,コレハ?。。。 などと思ってはいたのだが,案の定でした。そんなわけで,今日の午後はずっと新幹線事案と箱根山事案が繰り返しくりかえしテレビ各局で報道され続けており(「ETV教育テレビ」および「TXテレビ東京」を除く),当地の上空にもテレビ局や新聞社の報道ヘリと思しき機体が何機もブンブンと騒々しく飛び交い,神奈川県西部地域が一躍大繁盛もとい大注目エリアとなっていたのである。私自身もそんな世情に延々とお付き合いしながら午後4時近くまでテレビの前で動けずにいて,霊園の方は結局行きそびれてしまった。ま,日々閑人の身ゆえ墓掃除なんていつでも都合をつけて行くことができるけれども,特異的事件の方はコチラの都合に合わせてはくれないわけで。。。
ところで,新幹線《のぞみ225号》が緊急停止したその場所は小田原市郊外の上町(かのまち)という田園丘陵地帯の一角で,そこは私がMTBでしばしば通り抜けるルートなのである。沼代方面から「桜の馬場」のすぐ下を過ぎ,あるいは小田原市立下中小学校の前の細道をとおって上町のを抜けてから曽我丘陵の北斜面に取り付き,そこそこ斜度勾配のある長い坂道農道をうねうねと上って弁天山に連なるピーク(峠)に達したのち,一転して急な下り坂を国府津の町に向かって一気に南下してゆく。小田原から自宅へと戻るときはその逆で,国府津の駅裏からミカン山南斜面の急坂をゼイゼイハアハアと漕ぎ上ってピークに至り,そこからは上町方面へと続く農道をノンビリ気持ちよく下ってゆく。ときには峠ピークから方向を転じて六本松方面の尾根筋のシングルトラック小径を辿り,古怒田や赤田のを経由して帰ることもある。上町へと通じる道は,たまに農作業の軽トラが通るくらいでふだんはヒトッ気もクルマッ気もない閑散としたのどかな農道である。ときおり小田原方面に抜ける裏道として利用する物好き,もとい山道好きグルマもいないわけではないが,それでも全般にクルマの通行量が非常に少ないことから,路面コンディションが多少悪くとも自転車でノンビリ走るにはとても気持ちの良い道だ。また,巷間一部の酔狂なサイクリストの間では「ゲキザカ修行」の場として人気コースであるとも伝え聞いている。道沿いの畑で農作業をしているジジババ農民などからは,カラフルジャージで走り抜けるケーリン選手のようなその艶姿は,「あれまぁ,物好きなアンチャンたちだなや~」などと半ば呆れ顔で見られているのだろう。
そういえば去年の夏,その農道でこんな出来事に遭遇した。真夏の暑い日の夕暮れ時,私がMTBで国府津方面から斜度15~16%くらいの急坂をヒイコラと漕ぎ上っていたときのことだ。山の上からロードバイクに乗った若い?男達が数名,その急坂を調子こいて?超スピードで下ってきて私とすれ違った。そしてその直後,彼らのうちの1台が勢いあまってだろうか,「アッ,ヤバイヤバイ!」とか言いながらすぐ前を走るバイクに追突接触してしまい,お互い絡まるようにひっくり返って転げ落ちていったのだ。ほんの一瞬の出来事で,ある意味たいへん剣呑で悲惨な事故であった。さいわい,クラッシュに巻き込まれなかった仲間らが慌てて事故当事者の救助に駆け付けたようだったので,当方としては取りあえずその事故をスルーすることにして,そのままウンショウンショと漕ぎ上り続けて現場を立ち去った。
その自転車事故のその後の経過がどうなったかは不明である(翌日の神奈川新聞やネットニュース等では確認できなかったので)。ヘルメットを被っていたので最悪の事態は免れたものと思うが,少なくとも手足や体幹部の打撲,裂傷,場合によっては骨の亀裂,骨折くらいはあっただろう。あるいは案外,レーパン越しにヒザやスネを擦り剥いた程度の軽傷で済んだのかも知れない。ただし,フラジャイルな高級ロードバイク車体にはかなりダメージがあったであろうことは想像に難くない。御釈迦になっちまったかな? ジテンシャ保険には入っていたのかな? まぁ,他人の趣味生活をあれこれ忖度する気などさらさらないが,同じ自転車人としてスベカラク他山の石とすべき事案ではございました。以下に神奈川県警察本部の有難い御言葉を引用しておこう。 《自転車は車両です。車両の運転者としての責任を自覚し、交通ルールをしっかり守って、安全に利用しましょう。》
いずれにしろ,交通事故ってやつはまことに厄介なものだ。新幹線の事故,自転車の事故。すべてはホモ・モーベンスとしての我らが宿命である。 ああ,生きるという病気! mal de vivre!