一昨日のこと,例によって穏やかな陽気のなかを自転車でフラフラと町から町へとあてもなく徘徊していたわけだが(最近はこんなのばっか),その途中で, そうだ,今日は一寸遠くまで出掛けなくちゃならない用事があったんだ! と急に思い出した。危うく忘れるところであった。 イカンイカン,ボケてはイカン。 という次第で急遽方向転換。しかしながらその時点ではタイムリミットが少々迫っていて,自転車でそのまま目的地まで走る時間的余裕もなかったものだから,最寄りの鉄道沿線駅の駅前駐輪場に自転車を置いて,そこから電車でゆくことにした(別にレーパン姿じゃないので無問題)。
その駅前駐輪場を利用するのは初めてのことである。昨今ハヤリの無人屋外駐輪施設ではなく,管理人がちゃんと常駐している比較的大規模な屋内駐輪場だ。施設内のかなりの部分は月極契約の駐輪スペースに充てられているが,スポットで利用できる場所も少ないながら確保されている。
入口にある管理人詰所で一時利用を希望する旨を告げ,料金100円也を支払い,それから管理人さんの指示に従って自転車を所定の場所に停めた。駐輪の形式は単純な「平面駐輪方式」で,広い吹き抜けの場内に鉄柵の仕切りバーが何本か平行して設置され,その鉄柵の左右に振り分け式に自転車を停めるようになっている。そこで私はザックポケットからワイヤーロック(YPKのエスプレッソ)を取り出し,その鉄製バーに長さ1.2mのワイヤーロックをからめて我が愛車と繋ごうとした。いわゆる「地球ロック方式」である。
と,傍らで見ていた管理人が, あー,そのやり方は止めてくれませんかね! と当方に対して即座に注意を促した。というか,その言い方の雰囲気からして,むしろ強く叱責されたという方が適当かも知れない。以下は管理人(御年60代後半とみられる白髪老人)と私とのやりとりである。
-え? 鉄棒にワイヤーをからめて自転車をロックしちゃいけないんですか?
-だって,誰か一人がそうやると,皆がそれをマネしちゃって,自転車を動かせなくなっちゃうからねー。
-鉄棒に沿って少し移動させるくらいなら,別に問題なくできますよ。まさか,何10mも先に移動させるわけじゃないでしょ?
-いや,混んできたら,どこに移すかわからないし。。。
-でも,そもそも盗難防止のために自転車をこんな風にロックするのは基本だと思うんですけどねぇ。
-そうなの? 普通のカギのかけかたじゃイケナイの?
-ええ。それだと,人目を盗んでカンタンに持ってかれちゃうこともあるんですよ。
-でもとにかく,ここじゃ,そういうの禁止にしてるんだから!
-この駐輪場は市の施設じゃないんですか?
-そうだけど。
-市の利用規則にそういうことが明記されてるんですか?
-そう。そういうキマリなの。。。 管理の方は○○公社(聞き取れなかった)がやってるんだけどね。
-で,管理人さんはここに何時まで常駐してるんですか?
-夜8時まではここに居ますよ。
-それ以降は無人になって,しかも人の出入りは24時間自由だ,と。
-そう。そういうキマリになってるんでね。
-困ったなぁ。。。 わかりました。では,出来るだけ8時までに戻るようにしましょう。
-ああ,そうして下さいよ!
とにかく先方ときたら頭ごなしに,ときに居丈高なまでに規則(キマリゴト)なるものを「盾」に頑として譲らないものだから,ダメダコリャ,これ以上話を続けても埒があかないゾ,ということで,先を急いでいる当方としてはやむなく会話の「矛」をそこで収めることにした。規則厳守,悪法も法なり,郷に入っては郷に従え,ってか? でも,それは恐らく明文化された規則(オフィシャル・ルール)なんかじゃなく,単に管理者サイドの,あるいは管理人個人の御都合主義(マイ・ルール)に過ぎないような気がするんだけどなぁ。。。
その後,用事の方はできるだけ速やかに済ませ,夜の7時半過ぎに駐輪場に戻ってきた。で,私の自転車であるが,昼間置いた場所と寸分違わず同じ位置でアルジを待っておりましたですよ。すぐ左側に停めてあった誰かさんの洒落た自転車(赤いフォールディングバイク)も,また右隣の少々草臥れたママチャリも同じようにそのままだ。そして,先ほどの管理人はといえば,アリャリャ,別の人と交代していた。何だ,パートタイム・ワーカーだったのか,ノシ(って?) 交代した管理人もやはり老人だが,こちらは白髪でなく禿頭老人,そして前任者と違って温厚な感じで,ニコニコと愛想よく,お疲れさま~,などと声を掛けて下さった。左様,まこと人さまざまである。無礼を承知であえて言わせてもらうなら「職業に貴賎なし,ただ人心にあるのみ」,そんなところか。
ま,結果をどうこう申しても詮無いことだ。願わくば,○○公社の一部職員におかれては,自転車というものを単なるモノとしては見ないでいただきたい。いや,それは元々モノにしか過ぎないのではあるけれども,少なくとも,愛を持ってそのモノを見てほしい。仕事として関わる限りにおいては,そのモノに対する愛を育み養っていってほしい。それが職業意識ってもんではないだろうか? 要するに,屋内駐輪場という限られた空間内において,まるで大型貨物船に荷物を無理矢理満杯積載するかのごとく,自転車を出来るだけ効率よく集約的にパッケージングすることに腐心したりするのは止めていただきたい,ということであります。それは例えば超混雑した人気ラーメン店におけるぞんざいな客扱いに通じるものがある。そんなラーメン屋は,いっとき繁盛したとしても,じきに潰れちまいますゼ。自転車だってそんな不幸を決して望んじゃいない。自転車だってニンゲンだぃ!
その駅前駐輪場を利用するのは初めてのことである。昨今ハヤリの無人屋外駐輪施設ではなく,管理人がちゃんと常駐している比較的大規模な屋内駐輪場だ。施設内のかなりの部分は月極契約の駐輪スペースに充てられているが,スポットで利用できる場所も少ないながら確保されている。
入口にある管理人詰所で一時利用を希望する旨を告げ,料金100円也を支払い,それから管理人さんの指示に従って自転車を所定の場所に停めた。駐輪の形式は単純な「平面駐輪方式」で,広い吹き抜けの場内に鉄柵の仕切りバーが何本か平行して設置され,その鉄柵の左右に振り分け式に自転車を停めるようになっている。そこで私はザックポケットからワイヤーロック(YPKのエスプレッソ)を取り出し,その鉄製バーに長さ1.2mのワイヤーロックをからめて我が愛車と繋ごうとした。いわゆる「地球ロック方式」である。
と,傍らで見ていた管理人が, あー,そのやり方は止めてくれませんかね! と当方に対して即座に注意を促した。というか,その言い方の雰囲気からして,むしろ強く叱責されたという方が適当かも知れない。以下は管理人(御年60代後半とみられる白髪老人)と私とのやりとりである。
-え? 鉄棒にワイヤーをからめて自転車をロックしちゃいけないんですか?
-だって,誰か一人がそうやると,皆がそれをマネしちゃって,自転車を動かせなくなっちゃうからねー。
-鉄棒に沿って少し移動させるくらいなら,別に問題なくできますよ。まさか,何10mも先に移動させるわけじゃないでしょ?
-いや,混んできたら,どこに移すかわからないし。。。
-でも,そもそも盗難防止のために自転車をこんな風にロックするのは基本だと思うんですけどねぇ。
-そうなの? 普通のカギのかけかたじゃイケナイの?
-ええ。それだと,人目を盗んでカンタンに持ってかれちゃうこともあるんですよ。
-でもとにかく,ここじゃ,そういうの禁止にしてるんだから!
-この駐輪場は市の施設じゃないんですか?
-そうだけど。
-市の利用規則にそういうことが明記されてるんですか?
-そう。そういうキマリなの。。。 管理の方は○○公社(聞き取れなかった)がやってるんだけどね。
-で,管理人さんはここに何時まで常駐してるんですか?
-夜8時まではここに居ますよ。
-それ以降は無人になって,しかも人の出入りは24時間自由だ,と。
-そう。そういうキマリになってるんでね。
-困ったなぁ。。。 わかりました。では,出来るだけ8時までに戻るようにしましょう。
-ああ,そうして下さいよ!
とにかく先方ときたら頭ごなしに,ときに居丈高なまでに規則(キマリゴト)なるものを「盾」に頑として譲らないものだから,ダメダコリャ,これ以上話を続けても埒があかないゾ,ということで,先を急いでいる当方としてはやむなく会話の「矛」をそこで収めることにした。規則厳守,悪法も法なり,郷に入っては郷に従え,ってか? でも,それは恐らく明文化された規則(オフィシャル・ルール)なんかじゃなく,単に管理者サイドの,あるいは管理人個人の御都合主義(マイ・ルール)に過ぎないような気がするんだけどなぁ。。。
その後,用事の方はできるだけ速やかに済ませ,夜の7時半過ぎに駐輪場に戻ってきた。で,私の自転車であるが,昼間置いた場所と寸分違わず同じ位置でアルジを待っておりましたですよ。すぐ左側に停めてあった誰かさんの洒落た自転車(赤いフォールディングバイク)も,また右隣の少々草臥れたママチャリも同じようにそのままだ。そして,先ほどの管理人はといえば,アリャリャ,別の人と交代していた。何だ,パートタイム・ワーカーだったのか,ノシ(って?) 交代した管理人もやはり老人だが,こちらは白髪でなく禿頭老人,そして前任者と違って温厚な感じで,ニコニコと愛想よく,お疲れさま~,などと声を掛けて下さった。左様,まこと人さまざまである。無礼を承知であえて言わせてもらうなら「職業に貴賎なし,ただ人心にあるのみ」,そんなところか。
ま,結果をどうこう申しても詮無いことだ。願わくば,○○公社の一部職員におかれては,自転車というものを単なるモノとしては見ないでいただきたい。いや,それは元々モノにしか過ぎないのではあるけれども,少なくとも,愛を持ってそのモノを見てほしい。仕事として関わる限りにおいては,そのモノに対する愛を育み養っていってほしい。それが職業意識ってもんではないだろうか? 要するに,屋内駐輪場という限られた空間内において,まるで大型貨物船に荷物を無理矢理満杯積載するかのごとく,自転車を出来るだけ効率よく集約的にパッケージングすることに腐心したりするのは止めていただきたい,ということであります。それは例えば超混雑した人気ラーメン店におけるぞんざいな客扱いに通じるものがある。そんなラーメン屋は,いっとき繁盛したとしても,じきに潰れちまいますゼ。自転車だってそんな不幸を決して望んじゃいない。自転車だってニンゲンだぃ!