。。。どこか知らない場所の郊外電車に乗っている自分がいた。その電車の車内のすべての窓はブラインドが下ろされていて,外の景色を眺めることができない。ブラインドに顔をギュッと押しつけるようにして目をこらすと,朧気ではあるが,かろうじて車外の様子が判別できる。どうやら海辺に沿って走っているらしい。
。。。車内には10名あまりの乗客が,それぞれ単独でバラバラとシートに座っている。中年のサラリーマン,大学生風の若い男,私立小学校の制服を着た女の子,登山姿の老人,大きな紙袋を抱えたオバサンなどなど,年齢階層はさまざまだ。それらの乗客は皆うつむいたままで,まるでマネキン人形のようにじっとして動かない。
。。。私はいつものようにドアのすぐ脇のスペースに立った。そのドアの窓にも何故かブラインドが下ろされている。それも外側から! そもそもドア窓にブラインドなんてあっただろうか? ドアの脇に取り付けられている金属製の手すり棒を掴んで立っていると,その棒の下部が急にポロッと取れてしまった。なのに私は,あー取れちゃったなー,などと,それがごく当たり前の出来事のように受け止めているだけだった。
。。。次のシーンでは,私は車両最前の運転席を隔てる壁面の方に移動していた。当然そこの窓もブラインドが下ろされていて進行方向の車外風景を眺めることはできない。しょうがないので壁に頭を押しつけて何事かを考えるフリをしていた。と,そのとき,車内と運転席との間に設けられた扉が急に私の方に向かって倒れてこんできた。扉が開いたのではなく,静かに音もなくフワリと倒れかかってきたのだ。 アブナイジャナイカ!
。。。改めて車内を見渡すと,すべての吊り革が小刻みに震えるように揺れている。それも,ひとつひとつの揺れ方が,てんでんバラバラなのだ。さらによく見れば乗客もそれぞれに小刻みに震えている。何故だ? さあて,次に何が起こるのだろうか? ワクワク。 取りあえずはこのまま成りゆきに任せるしかないのかな? ところで,この電車はさっきからちっとも駅に止まらないが,そもそも一体どこに向かって走っているのだろうか?
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。。。と,概略そんな奇妙な夢を,昨晩,というか今日の未明に見た。現在自らが抱えている不安定な生活状態の反映,といえばそれまでなのかも知れないが。
目覚めたあとで,この夏 御年90才で亡くなられた梅棹忠夫さんのことを思い浮かべた。還暦を幾年か過ぎたある日,突然失明してしまったときの梅棹さんの心情についてである。その病の発症時,恐らくは夜ごと夜ごとにこういった奇妙な夢を見て精神的な不安を一層募らせていたのではなかろうかと思った。 《夜はまだ明けぬか》 今の私には決して他人事とは思われない。冬はもうすぐそこまで来ているのか。ノカ?
。。。車内には10名あまりの乗客が,それぞれ単独でバラバラとシートに座っている。中年のサラリーマン,大学生風の若い男,私立小学校の制服を着た女の子,登山姿の老人,大きな紙袋を抱えたオバサンなどなど,年齢階層はさまざまだ。それらの乗客は皆うつむいたままで,まるでマネキン人形のようにじっとして動かない。
。。。私はいつものようにドアのすぐ脇のスペースに立った。そのドアの窓にも何故かブラインドが下ろされている。それも外側から! そもそもドア窓にブラインドなんてあっただろうか? ドアの脇に取り付けられている金属製の手すり棒を掴んで立っていると,その棒の下部が急にポロッと取れてしまった。なのに私は,あー取れちゃったなー,などと,それがごく当たり前の出来事のように受け止めているだけだった。
。。。次のシーンでは,私は車両最前の運転席を隔てる壁面の方に移動していた。当然そこの窓もブラインドが下ろされていて進行方向の車外風景を眺めることはできない。しょうがないので壁に頭を押しつけて何事かを考えるフリをしていた。と,そのとき,車内と運転席との間に設けられた扉が急に私の方に向かって倒れてこんできた。扉が開いたのではなく,静かに音もなくフワリと倒れかかってきたのだ。 アブナイジャナイカ!
。。。改めて車内を見渡すと,すべての吊り革が小刻みに震えるように揺れている。それも,ひとつひとつの揺れ方が,てんでんバラバラなのだ。さらによく見れば乗客もそれぞれに小刻みに震えている。何故だ? さあて,次に何が起こるのだろうか? ワクワク。 取りあえずはこのまま成りゆきに任せるしかないのかな? ところで,この電車はさっきからちっとも駅に止まらないが,そもそも一体どこに向かって走っているのだろうか?
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。。。と,概略そんな奇妙な夢を,昨晩,というか今日の未明に見た。現在自らが抱えている不安定な生活状態の反映,といえばそれまでなのかも知れないが。
目覚めたあとで,この夏 御年90才で亡くなられた梅棹忠夫さんのことを思い浮かべた。還暦を幾年か過ぎたある日,突然失明してしまったときの梅棹さんの心情についてである。その病の発症時,恐らくは夜ごと夜ごとにこういった奇妙な夢を見て精神的な不安を一層募らせていたのではなかろうかと思った。 《夜はまだ明けぬか》 今の私には決して他人事とは思われない。冬はもうすぐそこまで来ているのか。ノカ?