平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

壊滅的なフルート曲

2009-08-27 23:00:16 | Weblog
 日本人はフルートが好きだと自認してきました。実際、マクサンス・ラリュー、オーレル・ニコレ、ジャン=ピエール・ランパル、ペーター・ルーカス・グラーフ、ジェームズ・ゴールウェイ、パトリック・ガロワなど、世界的名手が来日しレコーディングしてきました。しかし、新星堂やヤマノ楽器など、クラシックのCDを置いているレコード店でも、これらの名手の盤はなかなか手に入りません。

 日本人はいつ頃からフルート曲を聴かなくなったのでしょうか?僕は経済のデフレ傾向とシンクロしているように感じます。縮小経済はフルートの持つゆったりした情緒と相性が良くないのです。多少忙しくとも、精神に余裕のある時にはフルートが好まれるけど、日常に余裕がなくセカセカした時は、フルートのウエットでゆったりした音色は敬遠されるのだと思います。

 このように、フルート曲は精神的ゆとり指数の目安となります。でも、安物フルート曲全集のように、フルートと伴奏を別々のスタジオで録音し、ミキサーで合成してイッチョ上がりという安易な商売をしたレコード会社のツケも大きいのです。ランパルがフィリップスから出した「ハンガリー田園幻想曲 フルート名曲集」はその典型で、伴奏のピアノ弾きが3人変わっても、音場(音楽空間)が全く変わらない(というより音場がない)録音には辟易です。

 フルート奏者は、伴奏をヘッドフォンで聴きながら録音するスタジオ録音で自分の首を絞めたのです。こうして、音場の広がりのないつまらない録音ばかりとなり、フルートの名盤はなくなってしまいましたとさ。パンの笛の神様はさぞ嘆いていることでしょう。

     エフライム工房 平御幸
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