平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

中出力MOSの選別機の製作 (;^ω^)

2021-08-26 18:01:31 | アンプ製作と修理
窪田式アンプの製作で一番重要なパーツが、東芝の中出力MOS-FET、2SJ313/2SK2013です。以前は若松通商でコンプリメンタリー選別して売っていたこともあるのですが、今ではバラで買うのも大変。それで自分で選別することに。

この石は終段のパワーMOSとして使っているメーカーもあります。シングルなら20W程度は大丈夫。のはずですが、定電圧電源の素子として使ってみたら意外に壊れやすい。ゲート電圧を高くしないと動作しない。日立の中出力MOSはゲート電圧0.7Vで動作しますが、東芝は2V近くは必要で、しかもバラツキが大きい。実働状態で測定しないと、ペアやコンプリメンタリーが取れません。

使った基板は、ソニーの中出力V-FET、2SK79を二段目に使ったもので、特性が三極管に似ているものがV-FETで、五極管に似ているのがMOS-FETです。V-FETはゲート電圧がゼロの時に最大電流が流れるし、ゲート電圧もマイナスで使うので知らない人は壊してしまいます。MOSなら2SKのゲート電圧は+0.7~2Vですが、V-FETだと-12Vとかの逆印圧が必要。

V-FETは三極管の音がすると言われますが、確かにフルートなどではポーンという響きが心地よい。でも真空管よりは音が良いと思います。MOSは透明繊細でソプラノが瑞々しくてバロックなどの小編成が得意。でも、日立のHMA-9500Ⅱのように往復ビンタ100連発の圧倒的切れ味もある。FE206SSを使った20センチ3発の音は凄かった (*_*;

測定機ですが、終段のゲート-ソース間に3.3kΩの抵抗を入れ、終段のゲート電圧を1.9Vにします。2.3Vに上げたら2SJ313/2SK2013が壊れてドレイン-ソース間が導通した orz


ソケットから出ているケーブルは、紫ゲート、灰ソース、赤ドレイン
測定する項目は、0.22Ωの両端電圧、ゲート電圧、出力のゼロボルト
ゲート電圧は一度決めたら固定
0.22Ωの両端電圧だけ測定して計算で電流値を求める


ゲート電圧はプラス側とマイナス側を同じにします。誤差0.05%程度にはしないと。

測定するMOSは小型ヒートシンクに取り付け、三本足をICソケットで挟みます。東芝は足のアサインが左からゲート、ドレイン、ソースの順で、日立のゲート、ソース、ドレインとは異なるので、日立製のMOS測定は別の専用基板を作らなければなりません。そのために、真鍮製のスペーサーを多用して、ケーブルが取り外せるようになっています。


画像の小型ヒートシンクでは足がギリギリ
幅広で縦が短いタイプが使い良い


今回の測定機は、ゲート電圧一定でドレイン電流の違いで選別するものです。メーカー製アンプのデバイス選別では、特上1%誤差、上3%誤差、並5%誤差くらいだと思います。特上は100万円クラス。上は20万円クラス。並は10万円クラス。それ以下は10%誤差とか、メーカーによって違いますが。乱暴な修理屋は誤差を無視して修理していますから注意 (@@;)

27日 追記

3時間ほどMOSを測定した結果、2つのことがわかりました。一つは、前に作った、いい加減な測定器で選別したMOSがちゃんと選別されていたこと (;^ω^)

2つ目は、東芝MOS特有の不安定な石が混ざっていること。こちらは電流値が突然に2倍になるなど、実働状態でなくては発見できなかったものです。特に2SJ313に不安定なものが多い。作成した基板が調整できないとかのトラブルは、これが原因かも。交換品を送ります (_ _;)
コメント (11)
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