元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

外交を模した「ゲームの理論」の答えは?必ずしも「平等」とは限らない!!

2021-04-25 10:48:53 | 職場・組織等
 自分本位の考え方ではその後の交渉に悪影響を与える場合もあり

元外交官の孫崎享氏の「13歳からの日本外交」を読んだ。外交って、相手があってのこちらの出方であるし、その点相手のものの考え方や文化・歴史などを知らなければならないし、ものすごい「智」のやり取りの上で成り立っているなあと思い、興味をひかれた。

 その著書の中で、上智大学の教授たちと戦略論の講義をしたこと、そして教授が次のような「ゲームの理論」の問題を出されたという。

 Xという人が、AとBに合わせて100万円をあげることにした。ただし条件が付いている。
 ①AがAとBの間の配分を決める。この決定は1回だけ。
 ②Bがこの合意に賛成すれば、AB双方がもらえる。
 ③貴方がAの時にどちらにするか。
  (あ) Aが90万円、Bが10万円
  (い)AB双方が50万円。      (⇒以上、問題文は同著P71・72からそのまま引用)

 これに対して、上智大学の学生たちはほとんどが(い)を選択した。しかし、教授は(あ)に対する解答も大いにあり得るとした。

 考えてみると、明らかにAの方が立場は上である。Aが配分を決めることができるのである。(あ)のように、不平等な配分であっても、弱い立場のBは、ここで拒絶をすれば、10万円ももらえなくなるのである。そこでBはやむなく10万円の配分で決着をつけることになる。そこで、Aは、(あ)を選択しても、Bは応じる可能性はある。そこで、限定的には、確実に、答えは、(あ)である。

 しかし、孫崎氏は、外交って、そんな簡単なものではないという。(い)の答えもあり得るという。まずは、「公平」論である。もっとも日本人的な考え方です。これを基礎にして、ABの関係は、ここの場でのお金のやり取りに限られないというのがあります。将来、ずっといい関係を続けたいという考えがあります。他の解決すべき問題ではBが優位にたっているもの、または同程度のものであるかもしれませんが、その場合にはBに助けてもらう場面も出てくるかもしれません。そこで、将来を見据えた、長期的な選択をした場合は、答えは(い)となる。(あ)のように、Aの自分本位の考え方は、結局、今後の交渉に悪影響を与えるということです。同盟国であればなおさらです。
 また、外交って、その2国間の協議は、他の国にも影響を与えます。Aの自分本位の考え方は「そういう人よ」との評価になり、他のC、Dさん・・・という第三者の評価が加わってきて、Aにとっての外交はやりにくくなります。

 、2大大国のはざまにある日本である。日本の同盟国では、先の大統領は〇〇ファーストを掲げた。一方の国家主席は、〇帯〇路を掲げて、イメージ的には、どちらも(あ)の路線だったようだ。

 しかし、産業技術や経済規模等が絡んでくるとやっかいなのだが、純粋に「環境問題」をとらえれば、皆平等に(い)の考え方を推し進めるという考え方として捉えられるのではと思う。 
コメント
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