パートと本採用は、それぞれ相応の採用基準あり<時間外等をしないAさん・やる気をみせるBさん>
クイズです。会社でパートタイマーを募集(午前10時から15時まで)しましたが、応募したのは、AとBの2人でした。A、Bの面接を行ったのですが、A、Bそれぞれ次のように答えたのですが、経営者であるあなたは、A,Bどちらを労務管理上雇うべきであろうかという質問です。
A;自分には、仕事をしている夫と、2人の子供(幼稚園に通っている子供とそれ以下の幼い子供)がいますので、朝は全員で食事をし、幼い子供は託児所に預けることにして、もちろん幼稚園の子供は幼稚園に預けますので、会社には10時直前しか来れません。午後3時になったら子供を引き取りにいかなければなりませんので、残業はできません。土日祝日は、子供と一緒に過ごしたいので仕事はできません。その意味でパートに応募しましたとのこと。
B:私は独身ですし、生活もありますので、一生懸命に働きます。もし、時間外の早出や遅出があるなら言ってください。残業もいたします。必要であれば、休日出勤もいたします。
この場合、多くの会社はBを雇用するでしょうが、正解はAであるという。(非正規社員の法律実務 石嵜信憲編著 中央経済社 P431 より) なぜでしょうか。やる気満々のBについては、正規労働者の採用の機会があった時に、もちろんそのやる気が本物であることを確かめて採用すれば、上々でしょうが、今回の採用は、パートタイマーの採用です。
もともとパートタイマーは、家事や育児といった家庭生活以外の空いた時間を働くことにメリットがある主婦に対して、夫が稼ぐ主たる収入の補助的収入を得るためのもので、それ相応の収入を得ればいいので、企業にとっても、ローコストのメリットがあることに起源を持つものです。また、実務的には、補助的収入として、所得税法上の課税所得以下にしたいとの希望をするパートもいます。そこで、Aの雇用にあっては、会社として、短時間であるがフルタイマーよりは低額での雇用というメリットを持つものであり、それ以上を期待するべきものはないと思われます。
一方、Bはどうでしょうか。時間外をして欲しいことがあると、ついついBに頼むことがあると思われます。また、早出もいとわずやってくれます。休日の代替のスケジュールがうまくいかない時には、休日も出てきてもらうことになりました。ここまで来ると仕事の内容は、一般の正規の労働者と同じになってきます。仕事も十分に覚えて難なくこなすようになり、新卒の高卒の正規社員を指導するようになってきました。
そこで、Bは、同じ仕事をして、仕事の管理・指導もして組織に組み入れてもらっているというのに、賞与もないとはと不満を覚えるようになっても不思議ではありません。これが職場のトラブルに発展していくのです。
パートタイマー法第9条の規定には、職務の内容と人材活用の仕組・運用等が同じであれば、賃金の決定、教育訓練の実施等の待遇において、差別的取り扱いをしてはならないとされています。これに抵触する恐れが出てきます。
さらに、有期雇用を何度か更新した後に、雇止めにした場合には、Bには更新の期待感が芽生え、客観的・合理的な理由を欠いて、社会通念上相当と認められないときは、雇止めが認められない場合(解雇権濫用法理の類推適用)があることも考えなければなりません。
なお、Aについては、何度か更新した有期雇用を雇止めした場合、補助的・臨時的な労働力の活用であって、雇止めが容易に認めれられる可能性は大きいでしょうし、もともと副次的収入を得る目的で就業していたのですから、トラブル可能性は小さいといえます。
クイズです。会社でパートタイマーを募集(午前10時から15時まで)しましたが、応募したのは、AとBの2人でした。A、Bの面接を行ったのですが、A、Bそれぞれ次のように答えたのですが、経営者であるあなたは、A,Bどちらを労務管理上雇うべきであろうかという質問です。
A;自分には、仕事をしている夫と、2人の子供(幼稚園に通っている子供とそれ以下の幼い子供)がいますので、朝は全員で食事をし、幼い子供は託児所に預けることにして、もちろん幼稚園の子供は幼稚園に預けますので、会社には10時直前しか来れません。午後3時になったら子供を引き取りにいかなければなりませんので、残業はできません。土日祝日は、子供と一緒に過ごしたいので仕事はできません。その意味でパートに応募しましたとのこと。
B:私は独身ですし、生活もありますので、一生懸命に働きます。もし、時間外の早出や遅出があるなら言ってください。残業もいたします。必要であれば、休日出勤もいたします。
この場合、多くの会社はBを雇用するでしょうが、正解はAであるという。(非正規社員の法律実務 石嵜信憲編著 中央経済社 P431 より) なぜでしょうか。やる気満々のBについては、正規労働者の採用の機会があった時に、もちろんそのやる気が本物であることを確かめて採用すれば、上々でしょうが、今回の採用は、パートタイマーの採用です。
もともとパートタイマーは、家事や育児といった家庭生活以外の空いた時間を働くことにメリットがある主婦に対して、夫が稼ぐ主たる収入の補助的収入を得るためのもので、それ相応の収入を得ればいいので、企業にとっても、ローコストのメリットがあることに起源を持つものです。また、実務的には、補助的収入として、所得税法上の課税所得以下にしたいとの希望をするパートもいます。そこで、Aの雇用にあっては、会社として、短時間であるがフルタイマーよりは低額での雇用というメリットを持つものであり、それ以上を期待するべきものはないと思われます。
一方、Bはどうでしょうか。時間外をして欲しいことがあると、ついついBに頼むことがあると思われます。また、早出もいとわずやってくれます。休日の代替のスケジュールがうまくいかない時には、休日も出てきてもらうことになりました。ここまで来ると仕事の内容は、一般の正規の労働者と同じになってきます。仕事も十分に覚えて難なくこなすようになり、新卒の高卒の正規社員を指導するようになってきました。
そこで、Bは、同じ仕事をして、仕事の管理・指導もして組織に組み入れてもらっているというのに、賞与もないとはと不満を覚えるようになっても不思議ではありません。これが職場のトラブルに発展していくのです。
パートタイマー法第9条の規定には、職務の内容と人材活用の仕組・運用等が同じであれば、賃金の決定、教育訓練の実施等の待遇において、差別的取り扱いをしてはならないとされています。これに抵触する恐れが出てきます。
さらに、有期雇用を何度か更新した後に、雇止めにした場合には、Bには更新の期待感が芽生え、客観的・合理的な理由を欠いて、社会通念上相当と認められないときは、雇止めが認められない場合(解雇権濫用法理の類推適用)があることも考えなければなりません。
なお、Aについては、何度か更新した有期雇用を雇止めした場合、補助的・臨時的な労働力の活用であって、雇止めが容易に認めれられる可能性は大きいでしょうし、もともと副次的収入を得る目的で就業していたのですから、トラブル可能性は小さいといえます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます