元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

リンゲルマン効果とウマが合わない同志の職場の活性化!!

2015-11-06 18:36:45 | 職場・組織等
「皆で協力してやろう」は仕事の効率化は落ちる!<ウマが合わない=メリットも>(その3)

 和気あいあいの職場は、活気があり、職員同士の団結では、他のどこの職場に比べてもひけはとらないはずである。ところが営業成績となると落ちるということがある。結束の強い職場は、皆が力を合せるので全てにおいてうまくいくというのが常識的な考え方であるが、そうでもないというのが心理学的実験によって確かめられている。

 綱引きをやってみた実験例がある。1人で引っ張るときを100%の力を出したとすると、2人のときは1人当たりの出す力は93%、3人になると85%、8人になると49%になった。引っ張る人数が多くなればなるほど、一人で引っ張る力は、どんどん弱くなっていくというわけである。これは、一般には「手抜き」と呼ばれるが、本人たちにとっては必ずしもそうではなく、手抜きしているという感覚はないと思われる。しかしながら、現実には、結果は一人が出す力は、なぜか小さくなっている。自分が精一杯の力を出さなくても、無意識のうちにも人数が多いのだから適当でいいだろうということがあるからだと思われる。職場でも、あまりにも仲の良い職場では、同じようなことが起きている可能性はある。この傾向を発見した学者の名前を付けて、「リンゲルマン効果」と呼ぶ。

 ここで、職場の中にウマが合わないやつがいたらどうだろうか。重症ではだめであるが、軽くウマが合わない、ほどほどのウマが合わないのが、職場に与える効果を考えてみよう。そんなもの同士は、あいつには負けたくないと張り合うことになり、議論の場でも、反対の意見を出すことが多いが、逆にお互い良い意見を出し合い、職場が活発化することが考えられる。適度のウマが合わないというのは、悪い事ばかりでなくメリットもあるのである。

 逆に、先ほどのリンゲルマン効果の仲の良い職場では、こういった活性化の傾向は働かないことが多い。そこでは、出る杭は打たれるのごとく、一人だけ突出するのを避ける心理状態が生じる。トップの能力を持つものは、強調して、ほかの者に合せることになり、最大限の力は発揮せず、ペースダウンとなる。職場全体でも、皆に合せるごとく、ゆっくり仕事をするようになる。残業も皆でやれば怖くないというような、これこそ、自分の仕事の進捗具合とは関係なく、皆が残業となれば我もするという、自分の経験では昭和の古き良き時代があったように思う。これはメンタル面ではいい効果もあったとは思うが、今はそういう残業は許されないことは言うまでもないところでしょうか。結論的には、仲の良い者同士であるほど、他の者との協調性が優先して、仕事の効率性とか結果は二の次になることが考えられる。
 
 そこで、リーダーたるものとしては、仕事の内容にもよるが、日本的発想の「みんなで協力してやろう」というばかりではなく、時折、十分なリーダーシップを発揮することにより、仕事の割振・分担、仕事の段取り等の具体的指示をした方が、効率的で、かつ、うまく仕事が運ぶことが考えられるのである。

 参考:「ウマが合う人、合わない人」樺旦純著(PHP文庫)

ウマが合う、合わないとは<その1>
。⇒ウマが合う、合わないとは<その2>  )
 

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