松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

櫨の石鹸プロジェクト その2 石鹸と零戦

2014-09-10 06:49:03 | 櫨ものがたり
その日、私の補助金申請書を見た中小企業診断士の先生から聞かれました。

「この書類だと、石鹸の内容は全て石鹸メーカーのおまかせになってるね。」

「はぁ。私は櫨蝋をいっぱい使ってくれさえすれば、内容とか香りとかはメーカーにおまかせしようと思ってます。私はそのあたり、あんまり詳しくないし。」

先生は少し間をおいて、おもむろに口を開きました。
「私は最近、零戦の話を読んだんだよ。」

一瞬、私は面くらいました。
なんで石鹸の話してるのに、零戦の話?

先生は続けました。
「零戦はね、軍が要求書というものを出して作ったものなんだよ。それまでメーカーが作ったものをそのまま使ってたんだ。」

それを聞いて、なんだかガツンと殴られたような気がしました。

当時、他国の戦闘機よりも格段に優れていた零戦。初期の米英の戦闘機と優勢に戦い、米国戦闘機に「ゼロとドッグファイトを行なうな」という指示があったのは有名です。

それは使い手である軍の要求通りに作って何度も改良を重ねたから良いものができたのです。

私の脳裏に、すごい迫力で画面を横切っていく零戦の勇姿の映像が浮かんできました。「永遠の0」です。

もしメーカーにおまかせしてたら、零戦は日本海軍の主力戦闘機としてあんなにも活躍できたでしょうか。

いくら良い材料を良いメーカーで作ったからといって、あいまいな指示だったら、テキトーな商品しかできないに決まっています。

私は自分がいかに考えなしに行動していたかと思うと、とても恥ずかしくなりました。

その3に続く。

その1はこちら