松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

さようなら、正徳芯

2010-07-13 23:00:03 | 和ろうそく芯ものがたり
先月、正徳さんから「病気なので、もう芯は巻かない。」と言われました。

正徳さんは79才。

少し前まで結構お元気だったので、まだまだしばらく芯巻きが続けられるのではないかと楽観的に構えていた私ですが、一ヶ月経った今、病状も芳しくなく芯も巻ける状態ではないとのことです。

認めたくなかった事がついに起きてしまいました。

時間は誰にでも平等に流れているものです。人は誰でも年をとるし、今まで出来ていたことが出来なくなる日が来る。アタマではそんな当たり前の事を理解していても、感情では納得がいきません。

あの最高の和ろうそくがなくなってしまう。

そう考えるだけで、私は暗い気持ちになりました。

思えば三年前、あまりにきれいに巻かれた芯をはじめて見た時、それが名もなき内職仕事として扱われ、無名のまま、誰からも忘れ去られようとしていることに、憤りのようなものを感じたものです。

和ろうそくは櫨蝋、手がけ製法とともに、芯が重要な役割を果たしています。

あの和ろうそく独特の揺らめきは、芯がなくてはならないからです。

だから、皆さんに芯の重要性を知ってもらいたかったから、芯を主役の和ろうそくを作りました。

正徳さんが巻いた芯だから「あさくら正徳芯」、その芯を使った和ろうそくを「正徳芯和ろうそく」。

おそらく、「芯」が主役になった和ろうそくは史上初だと思います。

その正徳芯がなくなる。

すなわちそれは「正徳芯和ろうそく」がなくなる事を意味します。

「正徳芯」という名前を継いでいただける方がいないかと、一ヶ月間探してきましたが、ついに断念せざるをえませんでした。

「正徳芯和ろうそく」は在庫がなくなり次第、販売終了します。

本当に残念です。


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