今回のNHK朝の連続テレビ小説、『瞳』は、ここ佃・月島が舞台である。もう地元はその話題で持ちきり、と言いたいところだが、実際はどうだろう。
実は、僕が『瞳』の放送を知ったのはつい最近、3月の終りである。久々にもんじゃを食べに行ったとき、裏通りで偶然『瞳』のノボリを見た。「ン、『瞳』って何? あっ、朝のNHKのテレビか。月島が舞台なんだ。」と初めて知った次第。
もともと朝のNHKなんか関心ないからだ、と思った貴方、残念ながら大外れである。何を隠そう、この10年、朝のNHKは毎回欠かさず見ている。4月から無くなってしまったが、それまではご丁寧にアンコール放送(以前放送した番組の再放送)まで見ていた。15分×2本で1日30分、月曜から土曜の6日間だから1週間で180分、つまり毎週3時間、NHKのテレビ小説を見ていた。なかなかの時間である。
かといって、テレビ好きというわけではない。他のドラマは何も見ていない。半ば習慣というか惰性というか、テレビ小説だけは見続けているのである。
昔は、あまりに高い視聴率から、やっかみ半分に「朝のNHKは時計代わりにつけているだけ」とまで言われた連続テレビ小説であるが、近年は視聴率の低落に歯止めが掛からない。1961年のテレビ小説放送開始以降、国民的番組、『おしん』の平均視聴率52.6%は別格としても、長く視聴率30%、40%は当たり前という状態が続いていた。それが、90年代の半ばから20%台となり、遂に2003年の『てるてる家族(石原さとみ主演)』で20%を割った。その後20%を回復したことはない。
『瞳』の初回の視聴率は16.5%、普通の番組であれば悪くない数字であるが、連続テレビ小説の初回の視聴率としては、昨年春の『どんと晴れ』に次ぐ、ワースト2位の記録だそうである。
ところで、上述の視聴率は、いずれも㈱ビデオリサーチ(関東地区)、NHK総合朝8:15から15分の数字である。この意味するところは、文字通り、8:15~8:30まで実際にNHK総合をつけていた人、見ていた人の比率なのである。録画していた人や、BS2、ハイビジョン、それにお昼の再放送を見た人は含まれていない。そう考えると、『瞳』の16.5%もまだまだ捨てたものではない。いや、かなりの数字だと言えよう。
では、すべてを合算した視聴率、つまり、録画した人やBS等で見た人の合計数字は出せるのだろうか。技術的には可能である。が、あまり意味がないから出されていないのである。
そもそも視聴率を出す目的は何か。なぜ視聴率が必要なのか。テレビ局にとってはCM販売、売上げ拡大のために視聴率という指標、そして高い視聴率が必要であり、スポンサーにとってはCMの効果を予測・評価する上で視聴率が必要不可欠なのである。となると、本来CMのないNHKの番組の視聴率など意味はないが、おそらく民放の番組を評価する指標に使われるのであろう。あるいは、単についでかもしれないが、NHKの番組の視聴率も調査されている。
一方、録画であるが、録画を見る際にCMは早送りされる、つまり視聴されない可能性が極めて高く、よって録画した人の比率は、テレビ局・スポンサーともさほど重視していない。このため録画率なるものは集計、公表されていないのである。
さて、話は『瞳』に戻るが、これは、プロダンサーを夢見る20歳の女の子が、月島のおじいちゃんの家で3人の里子を育てる物語である。昭和の長屋と狭い路地、そして隅田川端の高層マンションという、新旧入り混じった佃・月島で、下町の暖かい人達に助けられ、若い主人公が子育てに奮闘する話である(たぶん)。出だしの視聴率は冴えなかったが、今後の伸びに期待したい。
えっ、そんなこと言って自分は視聴率アップに貢献してるのか、生でテレビを見てるのか、って。
勿論、それはどだい無理な話。僕はいつも8時前には会社にいる。出勤前の人に番組を見て欲しいのなら、6時とか7時の放送でないと難しい。視聴率が下がった下がったと騒ぐ前に、NHKは放送時間を見直してはどうだろう。6時台の民放の情報番組にぶつける手もある。が、たとえ15分とはいえ、朝は1分が貴重。のんびりドラマを見るサラリーマンは少ないかもしれない。
結論。かくして、『瞳』の、NHK朝の連続テレビ小説の受難は続くのであった(?)。
実は、僕が『瞳』の放送を知ったのはつい最近、3月の終りである。久々にもんじゃを食べに行ったとき、裏通りで偶然『瞳』のノボリを見た。「ン、『瞳』って何? あっ、朝のNHKのテレビか。月島が舞台なんだ。」と初めて知った次第。
もともと朝のNHKなんか関心ないからだ、と思った貴方、残念ながら大外れである。何を隠そう、この10年、朝のNHKは毎回欠かさず見ている。4月から無くなってしまったが、それまではご丁寧にアンコール放送(以前放送した番組の再放送)まで見ていた。15分×2本で1日30分、月曜から土曜の6日間だから1週間で180分、つまり毎週3時間、NHKのテレビ小説を見ていた。なかなかの時間である。
かといって、テレビ好きというわけではない。他のドラマは何も見ていない。半ば習慣というか惰性というか、テレビ小説だけは見続けているのである。
昔は、あまりに高い視聴率から、やっかみ半分に「朝のNHKは時計代わりにつけているだけ」とまで言われた連続テレビ小説であるが、近年は視聴率の低落に歯止めが掛からない。1961年のテレビ小説放送開始以降、国民的番組、『おしん』の平均視聴率52.6%は別格としても、長く視聴率30%、40%は当たり前という状態が続いていた。それが、90年代の半ばから20%台となり、遂に2003年の『てるてる家族(石原さとみ主演)』で20%を割った。その後20%を回復したことはない。
『瞳』の初回の視聴率は16.5%、普通の番組であれば悪くない数字であるが、連続テレビ小説の初回の視聴率としては、昨年春の『どんと晴れ』に次ぐ、ワースト2位の記録だそうである。
ところで、上述の視聴率は、いずれも㈱ビデオリサーチ(関東地区)、NHK総合朝8:15から15分の数字である。この意味するところは、文字通り、8:15~8:30まで実際にNHK総合をつけていた人、見ていた人の比率なのである。録画していた人や、BS2、ハイビジョン、それにお昼の再放送を見た人は含まれていない。そう考えると、『瞳』の16.5%もまだまだ捨てたものではない。いや、かなりの数字だと言えよう。
では、すべてを合算した視聴率、つまり、録画した人やBS等で見た人の合計数字は出せるのだろうか。技術的には可能である。が、あまり意味がないから出されていないのである。
そもそも視聴率を出す目的は何か。なぜ視聴率が必要なのか。テレビ局にとってはCM販売、売上げ拡大のために視聴率という指標、そして高い視聴率が必要であり、スポンサーにとってはCMの効果を予測・評価する上で視聴率が必要不可欠なのである。となると、本来CMのないNHKの番組の視聴率など意味はないが、おそらく民放の番組を評価する指標に使われるのであろう。あるいは、単についでかもしれないが、NHKの番組の視聴率も調査されている。
一方、録画であるが、録画を見る際にCMは早送りされる、つまり視聴されない可能性が極めて高く、よって録画した人の比率は、テレビ局・スポンサーともさほど重視していない。このため録画率なるものは集計、公表されていないのである。
さて、話は『瞳』に戻るが、これは、プロダンサーを夢見る20歳の女の子が、月島のおじいちゃんの家で3人の里子を育てる物語である。昭和の長屋と狭い路地、そして隅田川端の高層マンションという、新旧入り混じった佃・月島で、下町の暖かい人達に助けられ、若い主人公が子育てに奮闘する話である(たぶん)。出だしの視聴率は冴えなかったが、今後の伸びに期待したい。
えっ、そんなこと言って自分は視聴率アップに貢献してるのか、生でテレビを見てるのか、って。
勿論、それはどだい無理な話。僕はいつも8時前には会社にいる。出勤前の人に番組を見て欲しいのなら、6時とか7時の放送でないと難しい。視聴率が下がった下がったと騒ぐ前に、NHKは放送時間を見直してはどうだろう。6時台の民放の情報番組にぶつける手もある。が、たとえ15分とはいえ、朝は1分が貴重。のんびりドラマを見るサラリーマンは少ないかもしれない。
結論。かくして、『瞳』の、NHK朝の連続テレビ小説の受難は続くのであった(?)。