縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

「別府八湯」温泉道名人への道

2024-07-14 16:44:24 | 別府の話
 別府市にある八つの温泉(浜脇、別府、亀川、鉄輪、観海寺、堀田、柴石、明礬)を総称して「別府八湯」というが、その温泉文化への理解・浸透や観光振興を目的に“別府八湯温泉道”が行われている。公式ホームページによれば、「その豊富な源泉と多様な泉質を誇る日本一の温泉地「別府」だからこそ可能な、温泉を味わい尽くす「湯の真理を得んとする求道者(無類の温泉好き)のためにある、厳しくも愉快な入湯修行(スタンプラリー)の道」とのこと。早い話、別府の温泉にたくさん入ってスタンプを集めようというプロジェクトである。

 “別府八湯温泉道”には共同浴場・外湯、旅館・ホテルなど150ほどの施設が参加している。そのうち8つの湯に入ると初段、16湯で二段、以後8湯入る毎に昇段し、80湯で十段、88湯で見事“名人”となる。参加者は温泉に入り、パスポートならぬ“スパポート”に入湯印(各施設独自のスタンプ)を集めて行く。スパポートはパスポートを模したスタンプ帳で、観光協会等で1冊110円で購入できる。また最近はスマホのアプリ(温泉ハンター)でも参加できるようだ。

 以下、いくつか参加にあたっての注意事項を。湯船に入る前にかけ湯をする・体を洗う、湯船にタオルを浸けない等は当然のこととして、別府には別府だけのローカルルールがあるからだ。
 一つめ、浴槽のふちに座らない。これは私も温泉に行くと必ずやるが、ここ別府では絶対NG。別府では、浴槽のふちは腰掛けて休むためではなく、頭を乗せるためにある。湯船に入りながら(あるいは洗い場に寝っ転がって?)頭を乗せる所にお尻を乗せるなどもってのほか、ということらしい。あと、単に邪魔だからかもしれない。温泉の湯量豊富な別府では、温泉はタダ・水や沸かしたお湯はお金がかかる、が常識。このため体や髪を洗うのには浴槽のお湯(温泉)を使う。皆、浴槽の前に座り、洗面器で浴槽からお湯を汲んでいる。浴槽のふちに座られると洗うスペースが狭くなるし、お湯が汲みにくくなってしまう。
 二つめ、湯船に勝手に水を入れない。別府市民は熱いお湯が好き。それに源泉を薄めることを嫌う人もいる。こんな熱さは無理だと思ったら、周りの方に断ってから水を入れよう。共同浴場は地元の方が守っている温泉であり、お金を払ったお客さんの立場であっても地元の方へのリスペクトが大切だ。リスペクトという意味で、脱衣所や浴室に出入りするときの挨拶も忘れずに。

 別府市民は各々近所に行きつけの温泉を持っているのが普通。このため湯巡りをする人は少ない。よって温泉道の参加者は温泉好きで別府に何度も来ている人や私のような別府への移住者が多いようだ。既に名人は延べ12,000人弱。名人11回の永世名人も200人以上いるため、名人の実人数は10,000人もいないだろう。それにしてもすごい数だ。別府八湯の魅力の賜物である。
 私も先日無事名人の称号を頂いた。スケジュールの空いた日に温泉を集中して回ったので一日5件、6件はざら。温泉のはしごは疲れるし、本当に名人へのつらい修行(?)だった。これからは永世名人を目指すよりは気に入った温泉にのんびり入りたい。その方が別府市民らしいだろう。


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